無実の罪で断罪される私を救ってくれたのは番だと言う異世界の神様でした

黄色いひよこ

文字の大きさ
192 / 220
第二部:後宮

思い出してはいないけれど……

しおりを挟む

ルナティは、最初に目覚めたわたくしに、何と言ったかしら……。


と、ナディアは思考する。


── 確か、俊傑君にカイ=ルリコウ様を知っているか? と、聞かれたのよねぇ。その後にルナティちゃんに、『 じゃあ、じゃあ、坊ちゃまは? レイト様やフィリー様の事は?? 覚えて無い? 』って聞かれたのよ… ──


と、記憶を探っていた。

レイトとフィリーって誰かしら?

ルナティちゃんがあんなに嘆いたのですもの、きっとわたくしが忘れているのね。


そう思えば、ぎゅっと胸が締め付けられる。

ポロリと涙が落ちそうになって、ナディアはぐっとこらえた。

自分が泣いちゃいけない。

泣きたいのはきっと、忘れられた側の方だ。

そう己に言い聞かせて、ナディアは耐えた。

落ち着くまで思考停止させて、その後また物思いに耽る。

旦那様がいて、ルナティちゃんが坊ちゃまと呼んだのがレイトくんでフィリーちゃんは女の子。

旦那様は、カイ。

もしかして、夢の中のあの男の人?

だったら……レイトくんとフィリーちゃんは……、わたくしとカイ様のこども……。


其処まで考えて、ナディアはかああああと、全身茹で蛸になった。


お顔は解らなかったけれど、お声は覚えて居ますわ。

耳にとても心地良い高くも低くも無いお声。

巷で言われる美声なのですわ。

わたくし、思わずうっとり致しましたもの。


ナディアは歩きながら心の中で悶えていた。

その時、丁度到着したのか侍女が立ち止まりナディアの方に向き直した。

ナディアの様子が馬鹿げていても微動だにしない所は流石、小国の王扱いされている国守の城の侍女である。

良く教育されている。

あの馬鹿国守のせいでは無いだろう。

あの馬鹿国守は、周りに恵まれているのだ。


ナディアは、サロン── 女の園 ──へと突入する覚悟を決めた。

此処はサロンなのだ。

居るのは第一夫人だけでは無い筈だ。

此処を切り抜けて、わたくしは必ずあなた達の元へ帰ります。

旦那様、私の子ども達────。

待っていて下さい、ナディアは頑張ります!

取り敢えずはこれを乗り切りましょう。


ナディアは心の中でガッツポーズをすると、侍女の後からサロンに入って行った。





────────────────────

お知らせです。

『女神に殺されて死神にされました。でも助けた令嬢がドストライクで困ってます 改訂版 』

を、新しく連載させて頂いてます。

短編への書き直しなのですが、滅茶苦茶加筆されています。

長編から短編にかき直される中の加筆です。

状況としては、2話しかなかったprologueが5話に増えた、と言う具合でしょうかね。

良かったら読んで頂けるととっても嬉しいです
しおりを挟む
感想 39

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~

山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」 母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。 愛人宅に住み屋敷に帰らない父。 生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。 私には母の言葉が理解出来なかった。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...