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新米女神と女神の守護騎士
わたくし、決めましたわ!
しおりを挟む女神の説得を切っ掛けに、キャサリンの思いは、少しずつ女神の後継ぎに成ると言う方向に傾いていった。
それはもう女神渾身の口八丁、手八丁でまるでマインドコントロールさながらだ。
当然、さながらってだけで本気でコントロールして無いハズだ。
多分。
ここんとこは、誤解無きよう(取り敢えず)進言しておく。
まぁ、要は、流石神様、女神様と言った所だ。
「わたくしでも、あの方の隣に立っても宜しいのでしょうか? 」
謙虚過ぎて、自己認識が極めて低いキャサリンが、視線をティーカップに注ぎながら不安を口にした。
逸れをみた女神が、目を細めて口角を上げる。
「キャサリンはぁ、零に一目惚れなんでしょう。零だって、それに凄く近いのだと思うのぉ。だってぇ……ねぇ…… 」
女神が目をまるで蒲鉾の形にさせてニヤニヤと笑んでいる。
キャサリンは、女神の言葉が途切れた事によって、釣られてカップから顔を上げ、シアを見た。
其処に有るのは、女神の異様な笑顔。
その為、反射的にギョッと後ずさったキャサリンは、決して悪くは無い。
うん、逆にキャサリンが、とても普通の反応でほっとする。
「うふふふふ…… 」
「め、女神様? 」
「やだぁ、キャサリン、シアでしょ~。あのね、私の本名は、レティシアって言うのよぉ。まあ、家の旦那はあたしの事レティって呼ぶんだけとぉ、キャサリンには是非、シアって呼んで欲しいのよぉ。ね? 」
シアは、親しみを込めて彼女にそう言った。
その微笑みは至って普通であった。
変顔では無い。
「ちゃんとお名前が有るのですね。フォルトゥナでは無かったのですね」
「そうよぉ。フォルトゥナは女神名で、個人名でも無いし、代替わりするの。私は早く隠居したいのよ~。長くフォルトゥナに着き過ぎたから」
そう言って彼女、シアは微笑んだ。
「そうそう、キャスの着ているその服ね、零が手ずから揃えたのよ。本当オトコってロマンティストよねぇ~。男ってね、好きな女に自分が選んだ服を着せて、脱がせる事にロマンがあるのですってぇ。うふっ、可笑しいでしょ」
キャサリンが、目を丸くする。
シアが言う事も大概偏りがあるが、あながち嘘でも無い。
「だからまぁ、ちゃんと好かれてるのよぉ。その辺の事は保証するわぁ。安心してフォルトゥナになって頂戴ねぇ」
「…… 」
シアの言葉には、『断られる』と言う文字はどうやら無いようだった。
「わかりました。わたくし、頑張ってみます。零様が救って下さった命ですもの。あの方に捧げます。わたくし、フォルトゥナになります」
キャサリンの真剣な表情に、シアは満足な顔で頷いた。
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