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2話 新たな世界
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2話
目を開けると直径100mくらいあるドーム状の建物にいた。
周りには悔しがる者やあたふたしている者がいる。おそらく、ここがスタート地点とリスポーン地点なんだろう。
同時接続1億を越すだけあってリスポーン地点も巨大だ。
このゲームについてプレイヤーに聞きたいのだが
「くそー!また負けた!」
「早く戻るぞ」
ここで聞くと厄介払いされそうだ。
ドーム状の建物は360度吹き抜けになっており天井部分は空中に浮いている。
ドーム状の建物の外は大きな通路が十字になっておりその中心にこの建物が存在する。
十字の通路には店が間を開けずに並んでいる。
まるで中世の都会のような感じだ。
とりあえず俺は当てもなく街の中を歩いた。
それにしても人の数がすごい渋谷の街中を歩いているようだ。
苦手だ。
少し歩くと人の入りが少ない店があった。
ちょうどいい、ここで色々聞くとしよう。
「いらっしゃい、なんだ新人か?」
俺は少し違和感を覚えた。俺はこの店にいるプレイヤー目当てで入ったのだがどうやらこの店主もプレイヤーぽい。
「不思議そうな表情だな。俺はお前と同じプレイヤーだぞ。そこら辺歩いてる奴も他の店の奴らも全員だ」
「NPCはいないのか?」
「NPCはモンスターだけだ。人は全てプレイヤーだぞ。
リアルマネーが稼げるからなゲームの中でも商売する奴が山ほどいるんだ、俺もだが」
街を歩いてたのも全てプレイヤーなのか。改めてこのゲームの人口の多さに驚く。
「で?にいちゃん買いたい物があるのか?悪いが今、回復の材料を切らしててな。あまり初心者に買わせる物はないんだ」
「いや、少し教えてもらいたいことがあるんだ」
俺はこの店主にこのゲームを始めた成り行きを話した。
「ははは、機械から声がした?前のゲームのアカウントの名前を呼んでいた?
ありえねぇ、今使われているフルダイブ機器は音声を出す機能は付いてないしハッキングされたなんて聞いたこともないな」
「ありがとう、また別の人をあたってみるよ」
「待て待て、お前からの願いを聞いたよな?次は俺の願いを聞いてくれないか?」
「始めたばかりだしたいした事は出来ないぞ」
「なに、たいした事はないよ。回復の材料を回収きて欲しいんだ」
俺はお使いがしたいためにこのゲームを始めたわけじゃない。店主に背を向けて店を出ようとした。
「ありがとうございました」
「待て待て、これはクエストだ。NPCがいないからプレイヤーがクエストを作ることが出来るんだ。少しは金があったほうがいいだろ?」
店主は俺の返事を聞く前にクエストの依頼書を出してきた。俺の目の前にデジタル用紙が浮かんでいる。
「後はその紙の下にある受領ってボタンを押せばいいんだ」
面倒な店に入ってしまった。これ以上反論しても駄目そうだ。
「分かった、受けるよ」
「おう、助かるぜ。場所と集める物はクエスト依頼書に書いてあるからな」
店主は上機嫌に笑顔を浮かべていた。
店を出た俺はクエスト依頼書に書いてある場所へと向かった。
移動中気づいたのだがこのゲームは手で特定のアクションをすると地図や自分の情報を見れる。
プレイヤーネーム クロッド
ランク ブロンズ
保有G 500
持ち物 木の棒
保有Gとは今持ってるお金のことだろう。
初期の持ち物が木の棒とはこれで戦えということなのだろうか。
自分の情報を見ながら街を出て南側の印された場所に着いた。
付近は芝生が生い茂っている草原だ。少し遠くにさっきまでいた街が見える。
プレイヤーもちらほら周りにいる。
俺と同じく材料を集めているプレイヤーだろうか。クエスト依頼書を見ながら薬草を取っている。
初心者は誰しもが通る道なんだろうな。
俺も周りのプレイヤーを横目に依頼書に記載された薬草を探した。
花が緑の薬草と赤の薬草を50個ずつだ。
50か...。多すぎるだろ。
幸いにも視界に入るだけでも何個かあるため無心でやれば早く終わりそうだ。
1時間後
やっと終わった。早くあの店主にこの薬草を叩きつけてやりたい。
街の方を向いて帰ろうとした瞬間
「モンスターだ!モンスターが出たぞ!」
周りにいたプレイヤーが大声を上げた。
それを聞いたプレイヤー達は一目散に逃げ出した。
なんでそんなに必死に逃げるのか疑問だった。
俺は前から走ってきたプレイヤーに聞いてみた。
「なぁ、なんで逃げるんだ?そんなにやばいモンスターなのか?」
「馬鹿!早く逃げろ!今死んだら手持ちの薬草全部無くなっちまうぞ」
「倒せないのか?」
「お前初心者か?死亡するリスクを考えたら逃げる方がいいだろ!?金がなくなっちまう」
プレイヤーは俺の脇を全速力で逃げていった。
死んだらこの薬草が全部なくなっちまうのか。
目の前からは3匹の狼型のモンスターが迫ってきた。俺は手持ちにあった木の棒を右手に持った。
金がなくなる?そんな理由でゲームやってたら楽しくないだろ!
俺は向かってきた狼の1匹を木の棒で叩き飛ばした。
続く
<hr>
名前 黒下 進人
ユーザーネーム クロッド
年齢 20
ランク ブロンズ
概要
元サイオスオンライン最強パーティの5人の内の1人。
お金が関わるゲームを好まない。
サイオスオンラインサービス終了後2年間の間を開けてハッキング?の影響でディストピアを始める。
名前 ?
ユーザーネーム ?(店主)
年齢 27
ランク ブロンズ
概要
[ディストピア]で店屋の店主をやってるが最近は材料不足で客足が少ない。めんどくさがりやなので自分で調達しようとはしない。
目を開けると直径100mくらいあるドーム状の建物にいた。
周りには悔しがる者やあたふたしている者がいる。おそらく、ここがスタート地点とリスポーン地点なんだろう。
同時接続1億を越すだけあってリスポーン地点も巨大だ。
このゲームについてプレイヤーに聞きたいのだが
「くそー!また負けた!」
「早く戻るぞ」
ここで聞くと厄介払いされそうだ。
ドーム状の建物は360度吹き抜けになっており天井部分は空中に浮いている。
ドーム状の建物の外は大きな通路が十字になっておりその中心にこの建物が存在する。
十字の通路には店が間を開けずに並んでいる。
まるで中世の都会のような感じだ。
とりあえず俺は当てもなく街の中を歩いた。
それにしても人の数がすごい渋谷の街中を歩いているようだ。
苦手だ。
少し歩くと人の入りが少ない店があった。
ちょうどいい、ここで色々聞くとしよう。
「いらっしゃい、なんだ新人か?」
俺は少し違和感を覚えた。俺はこの店にいるプレイヤー目当てで入ったのだがどうやらこの店主もプレイヤーぽい。
「不思議そうな表情だな。俺はお前と同じプレイヤーだぞ。そこら辺歩いてる奴も他の店の奴らも全員だ」
「NPCはいないのか?」
「NPCはモンスターだけだ。人は全てプレイヤーだぞ。
リアルマネーが稼げるからなゲームの中でも商売する奴が山ほどいるんだ、俺もだが」
街を歩いてたのも全てプレイヤーなのか。改めてこのゲームの人口の多さに驚く。
「で?にいちゃん買いたい物があるのか?悪いが今、回復の材料を切らしててな。あまり初心者に買わせる物はないんだ」
「いや、少し教えてもらいたいことがあるんだ」
俺はこの店主にこのゲームを始めた成り行きを話した。
「ははは、機械から声がした?前のゲームのアカウントの名前を呼んでいた?
ありえねぇ、今使われているフルダイブ機器は音声を出す機能は付いてないしハッキングされたなんて聞いたこともないな」
「ありがとう、また別の人をあたってみるよ」
「待て待て、お前からの願いを聞いたよな?次は俺の願いを聞いてくれないか?」
「始めたばかりだしたいした事は出来ないぞ」
「なに、たいした事はないよ。回復の材料を回収きて欲しいんだ」
俺はお使いがしたいためにこのゲームを始めたわけじゃない。店主に背を向けて店を出ようとした。
「ありがとうございました」
「待て待て、これはクエストだ。NPCがいないからプレイヤーがクエストを作ることが出来るんだ。少しは金があったほうがいいだろ?」
店主は俺の返事を聞く前にクエストの依頼書を出してきた。俺の目の前にデジタル用紙が浮かんでいる。
「後はその紙の下にある受領ってボタンを押せばいいんだ」
面倒な店に入ってしまった。これ以上反論しても駄目そうだ。
「分かった、受けるよ」
「おう、助かるぜ。場所と集める物はクエスト依頼書に書いてあるからな」
店主は上機嫌に笑顔を浮かべていた。
店を出た俺はクエスト依頼書に書いてある場所へと向かった。
移動中気づいたのだがこのゲームは手で特定のアクションをすると地図や自分の情報を見れる。
プレイヤーネーム クロッド
ランク ブロンズ
保有G 500
持ち物 木の棒
保有Gとは今持ってるお金のことだろう。
初期の持ち物が木の棒とはこれで戦えということなのだろうか。
自分の情報を見ながら街を出て南側の印された場所に着いた。
付近は芝生が生い茂っている草原だ。少し遠くにさっきまでいた街が見える。
プレイヤーもちらほら周りにいる。
俺と同じく材料を集めているプレイヤーだろうか。クエスト依頼書を見ながら薬草を取っている。
初心者は誰しもが通る道なんだろうな。
俺も周りのプレイヤーを横目に依頼書に記載された薬草を探した。
花が緑の薬草と赤の薬草を50個ずつだ。
50か...。多すぎるだろ。
幸いにも視界に入るだけでも何個かあるため無心でやれば早く終わりそうだ。
1時間後
やっと終わった。早くあの店主にこの薬草を叩きつけてやりたい。
街の方を向いて帰ろうとした瞬間
「モンスターだ!モンスターが出たぞ!」
周りにいたプレイヤーが大声を上げた。
それを聞いたプレイヤー達は一目散に逃げ出した。
なんでそんなに必死に逃げるのか疑問だった。
俺は前から走ってきたプレイヤーに聞いてみた。
「なぁ、なんで逃げるんだ?そんなにやばいモンスターなのか?」
「馬鹿!早く逃げろ!今死んだら手持ちの薬草全部無くなっちまうぞ」
「倒せないのか?」
「お前初心者か?死亡するリスクを考えたら逃げる方がいいだろ!?金がなくなっちまう」
プレイヤーは俺の脇を全速力で逃げていった。
死んだらこの薬草が全部なくなっちまうのか。
目の前からは3匹の狼型のモンスターが迫ってきた。俺は手持ちにあった木の棒を右手に持った。
金がなくなる?そんな理由でゲームやってたら楽しくないだろ!
俺は向かってきた狼の1匹を木の棒で叩き飛ばした。
続く
<hr>
名前 黒下 進人
ユーザーネーム クロッド
年齢 20
ランク ブロンズ
概要
元サイオスオンライン最強パーティの5人の内の1人。
お金が関わるゲームを好まない。
サイオスオンラインサービス終了後2年間の間を開けてハッキング?の影響でディストピアを始める。
名前 ?
ユーザーネーム ?(店主)
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