ディストピア〜元鬼畜ゲー最強が金にまみれたゲームを攻略したい〜

もぐら

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3話 初戦闘

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3話

 1匹の狼型のモンスターを叩き飛ばすと3匹分のHPバーがでた。
飛ばされた狼型のモンスターはHPが4分の1削れている。

倒せるな

[サイオスオンライン]時代は雑魚モンスターを倒そうとすると100匹近く周りから沸いて出てくる。しかも、こんな初期装備の木の棒なんかではダメージすら与えることが出来なかった。
 しかし、この狼型のモンスターHPは少ないが動きが早い。
 
残りの2匹が同時に飛びかかってきた。木の棒を横にしなんとか防いだが飛ばされた方の1匹が後ろから噛み付いてきた。
みるみるとHPが減っていく。2匹を払い除け噛み付いた1匹を振り解いた。

やっぱりこうでなくちゃなゲームは!

楽しかった。クエストの報酬などどうでもいい。簡単にできるクエストなんてつまらない。

「来いよ、わんちゃん」

狼達は3方向から同時に飛びかかってきた。俺はその内の1匹に向かって木の棒を投げた。空中で狼が落ちる。
そしてもう1匹を拳で殴りつけもう1匹に同時に蹴りを入れた。
木の棒が当たった狼が立ち上がった直後付近に落ちた木の棒を拾いあげて再度叩きつけた。

後方にいた2匹が再度飛びかかってくる。
すかさず背中を地面につけ巴投げの要領で両足で2匹を飛ばした。
すると2匹は消滅した。攻撃が弱点に当たったようだ。
残された1匹は尻尾を俺の方に向かって大きく振った。その尻尾からは斬撃のようなものがでた。
不意をついた攻撃に避けようとしたがかすってしまった。HPはミリ単位でしか残っていない。
一か八か木の棒を狼に投げつけた。
疲労してた狼は避けることができずダイレクトに当たった。そしてそのまま消滅した。

なんとか勝てた。2年ぶりのゲームでの戦闘だったが思ったよりは動けた。
[サイオスオンライン]では俺のことを[野生児クロッド]とか呼んでる奴がいた。
俺の戦い方は使える物はなんでも使うからな。
剣士だとしても普通に相手を殴りつけたりしてた。そのせいでよく怖がられたりしてた。
少し自重すべきなのだろうか。

「ウォォォン」

後方から狼の鳴き声がした。また、3匹の狼が迫って来ていた。
HPはほぼ無い。今から逃げても遅い。

やるか?

覚悟を決めたその時だった。

「クゥゥン」

俺の目の前で禍々しい薙刀を持ち黒いパーカーを着た細身の男の子?が1撃で3匹の狼を倒した。

「ありがとう、助かったぜ」

その子は被っていたパーカーの帽子をあげてこちらを見た。
男の子だと思っていたその子はどうやら女の子っぽい。金髪のショートカットで黒いパーカーとマッチしている。男の子と間違える人もいそうだ。

「よくその装備で生きてたね」

彼女は冷たい目で言った。

「ああ、3匹倒すのが限界だったけどな」

「見栄張るとかっこ悪いよ。木の棒でスラッシュウルフを倒せる訳ないじゃん」

彼女は依然冷たい目でこちらを見ている。

「スラッシュウルフって言うのか。俺の木の棒は当たりだったのかもな」

彼女は沈黙し俺のことを呆れたような目で見た。
 
「......じゃあ、僕は行くよ」

「なぁ、聞きたいことがあるんだけどいいか?」

絶好のチャンスだ。外見を見るにそれなりにやってるプレイヤーだ。ハッキングとか分かるかもしれない。

「今度会ったらね。会うことないと思うけど」

彼女は振り返りもせず街の方に帰って行った。
絡みにくそうなプレイヤーだ。
長くなったがスラッシュウルフとやらのドロップ品も回収できたしあの店主の元に戻るとしよう。

街の中はやはり人が多い。けど、さっきの女の子の外見を基準とするとスタート地点だけあってランクが高いプレイヤーはほぼいないようだ。案外すぐ見つかりそうだな。

店の前まで来ると中から話し声が聞こえた。

「相変わらず凄いな雪ムラは、こんな量の薬草とモンスターのドロップ品まで」

「報酬は」

「はいはい、お前なら第2大陸でも通用するんじゃないのか?」

「...」

他のプレイヤーにも依頼してたのか。

「店主、戻ったぞ。依頼内容が俺の情報と釣り合ってないぞ」

「おう、ご苦労」

俺は、店主と話してた黒パーカーの金髪ショートカットと目が合う。

「よっ、奇遇だな」

「...どうも」

2人のやりとりを見た店主は

「なんだ?2人共知り合いなのか?」

「さっき狼に襲われた時に助けられてな」

「狼?ああスラッシュウルフのことか。良かったな初心者キラーだからなあの狼は」

「スラッシュの由来ってあの尻尾から出る斬撃のことか?」

「そうだ。基本3匹で群れていてその内リーダー1匹が斬撃を打ってくるんだ。お前にはまだ倒せないがな」

「最後までしぶとかったのはリーダーだったのか。なぁ、店主スラッシュウルフの素材も買い取って貰えるか?」

「いいけど、何でお前が持ってるだ?さてはおこぼれを貰ったな」

「いや、倒したんだけど」

「...」

「まぁ、弱ってたんだろ。いいぜ一緒に買い取ってやるよ」

「...来て」

店主に雪ムラと呼ばれる女の子が俺の袖を掴んで店の外に連れ出した。

「武器だして」

俺は言われるがまま唯一の武器である木の棒を出した。

「...本当にそれだけ?」

「数時間前に始めたばかりだからな」

目の前にPvPの招待状がでた。

「受けるか受けないかは君が決めて、招待状を送らないとPK扱いでペナルティくらうから」

「こんな街中でやるのか?」

「不満?」

「いや、上等」

「ルールは君が僕に一撃でも入れたら勝ち」

店主も慌てて店から出てきた。

「おい、勘弁してくれよ2人共。店の前でPvP始めたら客が来なくなっちまうだろ」

雪ムラは店主を睨んだ。店の物は誰が仕入れてきた物だと言いたそうな目だ。

「分かったよ。
兄ちゃん!どうせ雪ムラには勝てっこないんだからさっさと負けてくれ」

俺が受領ボタンを押すと戦闘が始まった。


続く




<hr>


名前      黒下 進人
ユーザーネーム クロッド
年齢      20
ランク     ブロンズ
概要      
 元サイオスオンライン最強パーティの5人の内の1人。
お金が関わるゲームを好まない。
サイオスオンラインサービス終了後2年間の間を開けてハッキング?の影響でディストピアを始める。


名前      ?
ユーザーネーム ?(店主)
年齢      27
ランク     ブロンズ
概要
 [ディストピア]で店屋の店主をやってるが最近は材料不足で客足が少ない。めんどくさがりやなので自分で調達しようとはしない。


名前      ?
ユーザーネーム 雪ムラ
年齢      ?
ランク     ?
概要
 金髪のショートカット、黒いパーカーを着て背中にはいつも禍々しい薙刀を担いでいる。女の子なのだが男のような雰囲気をだしている。
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