ディストピア〜元鬼畜ゲー最強が金にまみれたゲームを攻略したい〜

もぐら

文字の大きさ
4 / 6

4話 PvP

しおりを挟む
4話

 戦闘が始まると雪ムラは木剣を構えた。

「お前は剣なんだな」

「一番弱い武器がこれしかない。
それとこれ」

雪ムラは俺に回復アイテムを投げた。

「君のHPもミリしかないから一撃当たったら負ける」

俺は回復アイテムを拾い上げ持ち物のインベントリーに入れた。

「フェアにいこうぜ。お互い一撃食らったら負けだ」

雪ムラはため息をついた。
お互い武器を構える。

周りには野次馬が集まり店を横に半円を作っている。

「あれ雪ムラじゃねーか?」

「雪ムラが誰かと戦うぞ!」

「対戦相手頑張れ!まぁ、無理だろうが」

この最初の街では彼女は有名人らしい。

彼女はまたため息をついた。
その瞬間を狙って俺は木の棒で彼女に攻撃した。

「「うわ、きたね」」

野次馬をよそに雪ムラは綺麗に木剣で攻撃を受け流しガラ空きになった俺の懐に切りかかった。

「あぶねぇ」

瞬時につま先で軽く後ろにジャンプして避けた。

「おお、すげぇ。何だ今の反射神経!?」

野次馬達は盛り上がる。

今度は雪ムラが攻めてきた。剣を振る動作をしたと思ったらそのまま剣で突いてきた。
なんとか避けるが彼女は体勢を変えてさらに追撃してくる。
薙刀を使うだけあって突きの動作が速い。

木の棒と反射神経だけでなんとか避けているがこれが木剣じゃなければもう負けていただろう。

「攻撃しないの?」

彼女は澄ました顔で言ってくる。

正直スラッシュウルフの時の戦闘法はあまり人に使いたくない。[サイオスオンライン]時代この戦い方でPvPをしたことがあるが皆が口を揃えて怖いと言った。
なので極力使わないでいたが彼女なら確証は無いが大丈夫なような気がした。

「本気で殺すつもりで来てくれよ」

俺は上空に木の棒を投げた。
手ぶらで雪ムラに襲いかかる、彼女も油断はせず俺の体のど真ん中を突いてきた。
体を捻らせ紙一重で避ける。
また雪ムラは追撃をしてくるが上空から落ちてきた木の棒を片手に取り雪ムラの剣に叩きつけた。剣が地面に着くと同時に蹴りを入れた。
しかし、彼女は剣を手から放し後ろに引いた。
彼女は目を大きく開けている、

驚いているのだろうか?

俺は剣を雪ムラに返した。

「まだ、一撃は入れてないぞ」

雪ムラは何故か嬉しそうな表情をした。

そしてまた剣で突いてきた。
今度は木の棒で防ごうとしたが雪ムラは急に剣を持っている手を変えようとした。
右手から左手へと剣が入れ替わる、その瞬間俺は足で剣を上に蹴り上げた。
蹴られた剣が上空で回って俺の前に落ちてきた。
俺は剣を取り彼女の頭にコツンと当てた。

「俺の勝ちだな。質問に答えてもらうぞ」

雪ムラは下を向いた。

「おい、あいつ雪ムラに勝っちまったぞ」

「なんつー反射神経してんだ」

いつの間にか野次馬の数が凄いことになっていた。

「2人共とりあえず俺の店に入れ、野次馬が周りの店屋の邪魔になっちまう」

店主は店の扉を開け俺達を中に入れてくれた。

「おら、お前らも散れ!通行人の邪魔になってるぞ!」

店の中に入ると雪ムラは顔を上げた。

「凄い!今の技どこで習ったの!?」

彼女は今までの冷めていた表情が嘘のように笑顔で聞いてきた。

「私がなんで剣を持ち変えることが分かったの!?」

「私?」

彼女は、はっとした後我にかえった。

「あっ、いや...僕が...今のは聞かなかったことにして」

何か事情があって男の子のような振りをしているのだろうか?
その時、野次馬を払った店主も中に入ってきた。

「すげーな、お前。これならスラッシュウルフを倒したのも嘘じゃないっぽいな」

やっとこれでハッキングについて聞くことができる。何故このゲームはプレイヤーに質問するだけでこんなにも大変な思いをしなければならないのだろうか。
俺は雪ムラにも店主と同じようにこのゲームを始めた成り行きを話した。

「なぁ、兄ちゃんこいつもたぶん知らないぞ」

「知ってる」

「本当か!?」

「けど、ハッキングは知らない」

「え?じゃあ何を知ってるんだ?」

「声」

「おい、雪ムラこのフルダイブ機器に音を発する機能なんて付いてないぞ」

「分かってる。けどリベレーターはみんな聞いてる」

リベレーター?始めて聞いた単語だ。

「リベレーターって何なんだ?」

雪ムラと店主は2人で俺の方を見た。

「そういえば説明してなかったな。簡単に言えばこのゲームの上位10人だ」

「今の俺がブロンズだからその一番上のランクってことか?」

「そうだ。ランクって言うのはランキングなんだ。
5000万位以上がブロンズ
5000万位以下がシルバー
100万位以下がゴールド
10万位以下がダイヤ
1000位以下がマスター
100位以下がレジェンド
そして10位以下がリベレーター」

「結構ランク分けされてるんだな。店主と雪ムラはどのくらいなんだ?」

「俺はこの始まりの街で店主やってるだけだからブロンズだぜ」

「僕はマスター258位。マスターまでくると現在何位かも含まれる」

雪ムラで258位なのか。
雪ムラがメイン武器を使ったら勝ち目なさそうだな。

「てか、何で雪ムラがレベレーターの情報を知ってるんだ?」

「そ、それはあの...友人から聞いた」

雪ムラはこれ以上は話しづらそうに沈黙した。


(ユグドラシルミッションが更新され再配置されました)

突如、最初に聞いた。あの声が聞こえた。

「何だ?いきなり、ユグドラシルミッション?」

「また、誰か見つけたな。このユグドラシルミッションは見つけるだけで100万G貰えるんだ」

「見つけるってランダムなのか?」

「そうなんだ。サッカーボールくらいの球体らしいんだが、何せランダムすぎてな。
深い森にあったり空に浮いてたり時には街のど真ん中にあったり。まぁ、宝くじが当たるような物だ。探して見つかるもんじゃねぇ」

しっかり運営側からのミッションもあるのか。

「そういえば、このゲームに運営が存在しないと言われたんだが何かそう言う世界環なのか?」

「本当」

店主に聞いたつもりだったのだが雪ムラが説明してくれるらしい。

「この[ディストピア]には運営は存在しない。誰が作ったのか誰が管理してるのか一切不明。
分かっているのはこのゲームが存在していることだけ」

「待て待て、本当なのか!?よくこんな得体の知れないゲームが人気になったな」

「得体が知れないからこそ。未知を求めて人気になったんだと思う。それと2回目のログイン時にはストーリーの説明がある」

1回目から情報が多い。軽い気持ちで初めてすぐに辞めるつもりだったのだがもう少しこのゲームのことが知りたくなってしまった。
結局、知りたかったことは分からずじまいだったな。

時間の都合上今日はここで解散になった。


続く



<hr>

名前      黒下 進人
ユーザーネーム クロッド
年齢      20
ランク     ブロンズ
概要      
 元サイオスオンライン最強パーティの5人の内の1人。
お金が関わるゲームを好まない。
サイオスオンラインサービス終了後2年間の間を開けてハッキング?の影響でディストピアを始める。


名前      ?
ユーザーネーム ?(店主)
年齢      27
ランク     ブロンズ
概要
 [ディストピア]で店屋の店主をやってるが最近は材料不足で客足が少ない。めんどくさがりやなので自分で調達しようとはしない。以外にも面倒見はいい。


名前      ?
ユーザーネーム 雪ムラ
年齢      ?
ランク     マスター258位
概要
 金髪のショートカット、黒いパーカーを着て背中にはいつも禍々しい薙刀を担いでいる。女の子なのだが男のような雰囲気をだしている。
自分の興味があることが起きると素を見せるが本人は隠そうとしている。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ

のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
 リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。  目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。

この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~

夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。 全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった! ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。 一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。 落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

処理中です...