魔法高等学校に入学したら首席ではなく、次席なんだが

macron caramel

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第一章 生徒会勧誘編

会長vs次席

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九条藍子は、戦闘用のボディスーツに着替え、刀の柄を片手に持っていた。先には刀身はない。

「それが九条家の刀ですか?」

魔法が発達したことにより、刀や剣などの武器は時代錯誤のものとなっていたからだ。

「そうですね。三井家も武芸を重んじるお家と聞いているので、三井くんはなぜ、銃学科に行ったのか、理解できません」

刀の刀身が魔法の輝きによって出現する。青く光る刀身は、周囲に冷気を漂わせていた。

「そうですね。俺は落ちこぼれですから、三井家の技は妹に任せます」

湊は、小銃のデバイスを握りしめる。

「それでは、三井くんの掛け声で初めていいわよ」

「それでは、いきます」

湊の銃弾が発射と同時に六つに分かれて、九条を攻撃する。

しかし、銃弾は九条に到達する前に、刀を振り落としただけで、銃弾は凍って落ちてしまう。

「すごいですね。三井くん。魔法銃は銃弾を一発しか打てないはずなのに、6発も同時に打つなんて。どんな仕組みなんでしょうね」

九条は微笑みながらも、間合いを近づけてくる。近接格闘になったら、湊の方は弱い。

「六発に見えましたかね?俺の場合は、錯覚魔法が得意なもんで、色々と先輩を惑わせると思いますよ」

「なるほど。気をつけなければなりませんね」

九条は氷にした銃弾を見るが、氷の中に銃弾があるのは一つだけで、他は銃弾もなく、氷だけのものであった。

自分の手の内を相手に教えてしまうと不利になるが九条にとって小細工は通じない。

「ストレイク・フレンジャー」

銃弾が大きくなり、九条に迫る。

「今度のは幻覚じゃなさそうですね」

九条は、両手で大きく構えて、一刀両断する。

銃弾は二つに割れて、後方で爆発する。

「やはり、銃学科の戦いではなく、魔法科の戦いのようですね」

ため息つき、九条は、刀の刀身の魔法を解いて、ベルトにしまう。

すると、ベルトのポシェットの中から、小銃のデバイスを取り出した。

「湊くん、あなたは銃の扱いがなっていません。私が銃戦闘のなんたるか、教えて差し上げます」

本来、魔法科に所属する生徒は、佐伯のようなパワー型と刀などの装備を使うことが多い。今年新設された銃学科は、本来の銃戦闘の戦いではなく、多くは自身の魔法効力でカバーしている部分の方が大きい。あくまでも、4月のこの時期は自身のセンスで戦うものが多かった。

「会長は銃も使えたんですね」

「そうです。この学校のトップですからね。準備はよろしいですか?。これから、三井くんの防戦となりますから」

九条は銃を構えたら、一瞬で装填数六発をほぼ同時のように撃ってきた。

「三井くんの幻影の弾と違って、こちらのは本物です。避けられますか?」

九条はマガジンを魔法で大量に生み出し、乱射をしてくる。

湊も銃弾で相殺しようとするが、あまりにも、一方的でだった。

「くそっ」

量と速さで、湊を凌駕し続ける。

「もう終わりですかね?」

九条は100数発を打ち込んでおきながら、平気な顔で、向こうにいるであろう湊の姿を目視で確認する。

「あらら、やりすぎたのですかね」

粉塵の中に湊の人影は見られない。もう終わったと思われたが、湊は九条が持っていた刀型のデバイスと銃を両方に持っていた。

「刀はやめたのでなかったのですか?」

九条は少し不満そうに言葉を返す。

「刀も捨てたもんじゃないですね」

多くの銃弾を切り裂いた刀身は炎のように赤く、火花が散っていた。湊の小型銃も炎纏っていた。

「やはり、まだまだ、一年生。たとえ、刀と銃を両方使えたとしても、私には届きませんよ」

「アイスザセレクション」

九条は銃弾を発射した瞬間、周りが一瞬のうちに凍ってしまう。

「向井さんから私も学びました。使えますね」

向井が先程の戦いで使っていた銃を発射したのと同時に、魔法が発動する。見ただけで、戦闘スタイルを真似できるのは才能以外の何者でもなかった。

「本当に人間かよ?」

湊は一瞬のうちに凍ってしまう。氷の造形物となってしまった。段々と意識が朦朧として視界が真っ暗になった。




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「もしもし、起きてますか?」

「熟睡中のようですね。私の錯覚魔法が強すぎたようですね。どのような夢を見ているんでしょうかね」

九条は床に寝転んで眠っている湊に囁くように呟いた。氷漬けにされた湊という現実はなく、フィールド上には仰向けで寝ている湊とそれを上から覗く九条しかいなかった。


 本来の九条は氷魔法が得意である。

九条がこの学校で一番である理由の一つは目の前にいる相手の魔法をコピーできることである。それもより強力に魔法を発動できる。

 だが、九条はこの才能を誇示することはない。

「それにしても、寝顔が可愛いですね」

九条が微笑みながら、バトルフィールドが去ったのであった。



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