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第一章 生徒会勧誘編

戦いの後

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「はは、やはり会長にはかなわなかったか」

副会長の佐伯は医務室のベットで高笑いをする。佐伯は、自慢の体力と魔法力のおかげで、すぐに回復したが、大事をとって、ベットにいた。

「もう、うるさいんですけど。この人」

桜子は隣のソファーで、佐伯の講釈を聞いていた。桜子は、魔法力の枯渇で、専用の魔法力回復のドリンクを飲みながら、佐伯の相手をしていた。

「戦いも終われば、みんな仲間よ」

「別に先輩と仲良くしたくないんですけど」

「右に同じく」

湊はすぐに目が覚めたが、錯覚魔法の影響で、歩行が困難となっていたので、佐伯の横のベットで横たわっている。

「みんな、仲良しそうね。元気になってよかったわ」

九条は桜子の隣に座り、紅茶を飲んでいた。

「三井くんと向井さんには、生徒会の雑務をやってもらうわ」

カップをソーサーに置き、桜子と湊の両方を見る。

「はぁ、負けちゃったのね。湊」

「面目ない」

「三井くんと向井さんの最初の仕事は、平松さんを生徒会の役員への勧誘です。あくまでも穏便に解決してくださいね。二人ともわかりましたか?あなたたちには雑務ワッペンをつけて活動していただきます」

九条は、胸ポケットから、雑用と書かれたワッペンを取り出し、二人に配った。

「こんなダサいワッペン・・・・・・」

「しょうがない負けたんだから」

明らかに、幼稚園生がつけるチューリップの名札であった。

「何ですか?二人とも、可愛いワッペンじゃないですか?」

九条は頬を膨らませて、不満げに話す。

「三井、向井、頑張れよ、ガハハ」

湊と桜子は、生徒会の雑務係となったのであった。




次の日、湊と桜子は放課後に平松を体育館の裏に呼び出した。

平松は警戒するような目でこちらを見てるが、ちゃんと約束の場所に来た。


「三井くんと向井さんはいつ、生徒会に入ったの?」

平松はめざとく、湊と桜子のワッペンを見て、軽蔑したように話す。

桜子と湊は恥ずかしそうにチューリップのワッペンを隠す。

桜子はえっへんと威張るように

「昨日、会長からどうしてもと言われて入ったんです」

桜子は自分のメンツを保つために、嘘をつくが、チューリップのワッペンをつけた高校生の言葉に説得力はなかった。

「桜子、言ってて情けなくないのか?」

桜子を嗜めるように話す。

「それはわかってるわよ。平松さんが、憧れるような生徒会のメンバーなら入りたくなるでしょ?」


「そんな単純な話なのか?」

「あの、私、頼まれても生徒会には入りませんよ」

桜子はあっさりと拒否されてしまう。

「なんで、もう入っちゃいなよ」

「入らないわ」

頑なに平松も抵抗をし、平松と桜子の距離が近くなる。

「入りなさい」

「入らない」

桜子と平松はまるで口喧嘩のように、言い合いをしている。

「お前ら、もっと、建設的な話をだな」

湊がヒートアップした二人の間に割ってはいるが、まだ、冷めることはない。

「それじゃあ、私と勝負して、負けたら入ってもらうから」

「いいですよ。望むところです」

九条会長に言われていた穏便な生徒会勧誘ではなく、逆方向のものになってしまっていた。

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