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同級生(4月9日中編)
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「先ほどは、さんざんな目にあいましたわ」
不満をあらわにして、私は掲示板で確認した初等科三組に行く。クラスふりわけは、ランダムにしてあるという噂を聞き、私は、くらすの中にミリネア ・スティーさんの姿を探す。
探せど、探せども、ミリネア様の姿はいなかった。私はあきらめて、他の女学生とも仲良くなろうと、辺りを見渡した。
「あっ、あの人は」
私の斜め前に座っていたのは、あのときの女学生だった。
「こんにちは、私、クリスティア・ローズと申します。昨日、お会いしたの覚えていませんか?」
私は、昨日、ぶつかってしまった彼女と対面している。私に一瞥もしないで去っていった代わりに少し、意地悪がしたくなったのも当然だ。
「うっ、はぁーあ」
彼女は大きなあくびをかいて、私の方を見た。
はじめて、彼女の顔をハッキリと見たのだと思う。彼女の顔は、昨日のミリネア様に劣らないくらいの美貌なのに、気品溢れるオーラは何もなく、ただ、寂しげな雰囲気を漂わせていた。
「何かようでしょうか?」
彼女に見とれてしまった私が不覚でした。当初の目的を、思いだし、彼女に問いかける。
「不躾でもうしわけありませんが、昨日、私、あなたとぶつかったでしょう?」
彼女は、顔に❓️マークをかかげて、さも知らないという感じを出してきた。けれど、思い出したのでしょうか、手を叩いた。
「ああ、あのチンチクリンの娘#こ#、あなただったのですか?小さすぎて、私の視界にはいらなかったわ」
彼女の言葉が胸に突き刺さった。(「チンチクリン?」「小さすぎて?」)
「それは、ごめんなさい。チンチクリンで小さすぎて。でも、ぶつかってしまったのだから、あなたにも不注意な点が、あるのではなくて?」
彼女はすかした顔を浮かべた。
「あら、ごめんなさいと言って欲しかったのね。ごめんなさい。これでいい?」
私は、彼女の感情を逆撫でする行為に腹をたった。
けれども、ここで激昂すれば、クラスでの私の立ち位置がないので、ここは我慢。我慢。
「こちらこそ、あのときはごめんなさい」
そうにいうと、彼女はビックリした表情を浮かべたが、すぐに戻る。
「もう用がないなら」と言って、どこかにまた行ってしまった。
私は手持ちぶさたであったので、とりあえず、自分の席に座った。すると、隣の女学生が話しかけてきた。
「クリスティアさん。すごいね!アニアさんに話しかけるなんて、そうそうできないよ」
興奮ぎみの女学生は私にそう話しかけてきた。
「ごめんなさい。あなたの名前は?」
「ああ、ごめんなさい。ローメリア・サクシです。実家が商会やってて、私みたいな身分の人、この学園にお門違いだと思うけど」
私の心に痛く響く「お門違い」という言葉。私も、お母様などに別の学校を進められました。けれど、どうしてもここに入学したくて、入った身分なのだから、その気持ちがわかったのであった。
「そんなことないわ。私こそ、ローズ家は零落した貴族だし、この学園にお門違いだわ」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「「私の方がこの学園にふさわしくない」」
私たちの声は重なってしまいました。
私たちの声のせいで、クラスは少し静寂に包まれてしまいました。
けれども、それが、面白くて、二人して笑いだしてしまいました。
「何か、クリスティアさんとは、仲良くできそうな気がするよ」
「私もよ。ローメリアさん」
私も微笑みかけながら、華やかな学園生活を切望したのであった。
不満をあらわにして、私は掲示板で確認した初等科三組に行く。クラスふりわけは、ランダムにしてあるという噂を聞き、私は、くらすの中にミリネア ・スティーさんの姿を探す。
探せど、探せども、ミリネア様の姿はいなかった。私はあきらめて、他の女学生とも仲良くなろうと、辺りを見渡した。
「あっ、あの人は」
私の斜め前に座っていたのは、あのときの女学生だった。
「こんにちは、私、クリスティア・ローズと申します。昨日、お会いしたの覚えていませんか?」
私は、昨日、ぶつかってしまった彼女と対面している。私に一瞥もしないで去っていった代わりに少し、意地悪がしたくなったのも当然だ。
「うっ、はぁーあ」
彼女は大きなあくびをかいて、私の方を見た。
はじめて、彼女の顔をハッキリと見たのだと思う。彼女の顔は、昨日のミリネア様に劣らないくらいの美貌なのに、気品溢れるオーラは何もなく、ただ、寂しげな雰囲気を漂わせていた。
「何かようでしょうか?」
彼女に見とれてしまった私が不覚でした。当初の目的を、思いだし、彼女に問いかける。
「不躾でもうしわけありませんが、昨日、私、あなたとぶつかったでしょう?」
彼女は、顔に❓️マークをかかげて、さも知らないという感じを出してきた。けれど、思い出したのでしょうか、手を叩いた。
「ああ、あのチンチクリンの娘#こ#、あなただったのですか?小さすぎて、私の視界にはいらなかったわ」
彼女の言葉が胸に突き刺さった。(「チンチクリン?」「小さすぎて?」)
「それは、ごめんなさい。チンチクリンで小さすぎて。でも、ぶつかってしまったのだから、あなたにも不注意な点が、あるのではなくて?」
彼女はすかした顔を浮かべた。
「あら、ごめんなさいと言って欲しかったのね。ごめんなさい。これでいい?」
私は、彼女の感情を逆撫でする行為に腹をたった。
けれども、ここで激昂すれば、クラスでの私の立ち位置がないので、ここは我慢。我慢。
「こちらこそ、あのときはごめんなさい」
そうにいうと、彼女はビックリした表情を浮かべたが、すぐに戻る。
「もう用がないなら」と言って、どこかにまた行ってしまった。
私は手持ちぶさたであったので、とりあえず、自分の席に座った。すると、隣の女学生が話しかけてきた。
「クリスティアさん。すごいね!アニアさんに話しかけるなんて、そうそうできないよ」
興奮ぎみの女学生は私にそう話しかけてきた。
「ごめんなさい。あなたの名前は?」
「ああ、ごめんなさい。ローメリア・サクシです。実家が商会やってて、私みたいな身分の人、この学園にお門違いだと思うけど」
私の心に痛く響く「お門違い」という言葉。私も、お母様などに別の学校を進められました。けれど、どうしてもここに入学したくて、入った身分なのだから、その気持ちがわかったのであった。
「そんなことないわ。私こそ、ローズ家は零落した貴族だし、この学園にお門違いだわ」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「「私の方がこの学園にふさわしくない」」
私たちの声は重なってしまいました。
私たちの声のせいで、クラスは少し静寂に包まれてしまいました。
けれども、それが、面白くて、二人して笑いだしてしまいました。
「何か、クリスティアさんとは、仲良くできそうな気がするよ」
「私もよ。ローメリアさん」
私も微笑みかけながら、華やかな学園生活を切望したのであった。
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