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二年の春
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俺はもう二年生になってしまっていた。クラス替えを終え、二年三組になり、落ち着いて学生生活を送ろうとしていた。
しかし、やつが俺の平穏をまた、邪魔しに来たのだ。
「杉原くん~今日も放課後。」
お馴染みとかでもなく、特に仲良くなかったのだが、俺にしつこく、つきまとってくる。
クラスの周りの人間は一年からの友達や、新たな友達、(見方によってはグループ)をきづきあげていた。そのなか、俺の目の前の席を占領した布石。この布石は、俺との建設的な友好関係を結ぼうとしているのかはわからない。今、まさに不敵に微笑んでいるのがそうである。
「俺はいかんぞ。あんな部活」
「何でぇ。」
「杉原くんあってこその部活じゃん。というか。杉原くんが作ったのも、同然ジャン」
俺は頭を抱えながら、ため息をつく。
「だから、俺は部活を作ったんじゃない。」
「だって、三原さんからそう聞いたよ。杉原くんあっての、部活だってさ」
またまた、三原は余計なことを話したらしい。これ以上、部活に関わりたくないものだ。
「あのサー。杉原くんはさー。何か三原さんとなんかあったわけ?」
「含みのある言い方だな」
髪の毛をいじりながら、布石は問いかける。俺自身、もうあの部活とは関わらないと冬に決めたんだ。
「答えられないわけ?でもそうか、あれは、本当だったんだ。だからか~」
「何だ?」
明らかにトゲのある言い方が耳についた。
「気になるんだ?」
「う~ん、どうしようか。じゃあ、私を捕まえたら、教えてあげる」といったのもつかの間、足早に去って行ってしまった。
俺は呆気にとられていた。普通は追いかけるものだろうが、当然、無視した。
布石は、その態度が想定どおりだったのか、次の作戦にうつる。
「みなさーん。杉原くんは二年四組の三原さんと....」
まだ、放課後早々に、大声で喋り始めた。
くそっ、めんどくさいことしやがって。
俺はとっさに学生鞄を肩にかけて、布石を追いかけた。布石は、たまに後ろを見ながら、俺がついてくるのをしっかりと見ながら、部活棟にはいっていく。
「くそっ早い」
体力のなさがでたのか。俺はゼェゼェ言いながら、走っていった。
「うわ。鍵しまってるよ」
布石は、ガシャガシャとある一室のドアを開けようと苦戦していた。俺はまた、ため息を吐きながら、ポケットにある鍵を取り出した。
「いひひ。やっぱし。スペアキー持ってたんだ」
布石は自分の手を軽く口に押さえてクスクスと笑った。俺自身、ここには、来たくなかったのだが。
「ここまで来たのだから、開けて」
ため息をつきながら、開けた先には、ソファーに寝転んでる先生?らしき女性がいた。
「えっ、誰?何しているの?」
「「先生こそ、そこで何やってるんですか」」
寝癖がおさまらない先生は、あわてて、ソファーから立った。俺は、現状に大体予想がついたが、悪知恵が働く布石は、問いかける。
「赴任されてきた英語の西山先生ですよね?どうしたんですか?頭ボッサボッサですよ」
なおも。笑がとまらない布石。あわてて、長い髪の毛をなおす西山先生。ばつが悪いのか、西山先生は何も話そうとしない。
「西山先生は部室棟、とある部屋でいつも、休憩をとっていたと」
メモ帳に書き込む仕草をとる。そうすると、西山先生は重い口を開けた。
「あなたたちも、何でここの鍵を持っているの?この部屋の鍵は一つだけで、私が持っているだけで、部室棟の鍵はスペアキーなんてないのに。
まさか?.....................ピッキング?」
俺はこの英語教師の発言に笑いだしそうになった。一方で、こらえているが、布石はもう、お腹に手を抱えて笑っている。
「そんなはずありません。ここの部屋には、鍵は二つあります。ここに一つと西山先生のところに一つ。」
俺は、ポケットからスペアキーを取り出して見せてみる。
「あ、そういうことなんですね。でも、スペアキーは、どうして君のもとにあるのかな?いつも見回りの先生は帰る際に紛失していないか確認するんですから」
西山先生は、自分が優位になったのだと思ったのだろう。
「もしかして、先生は俺が悪いことをして、スペアキーを作ったんじゃないかと疑っているんですか?」
「そうですとも、あなたは何らかの方法でこの部屋の鍵を作ったんでしょう?」
「いいえ、違います」
俺は、にべもなく答えて言葉を続けた。
「この鍵は、元々のこの部屋の鍵です。先生のが、ここのスペアでしょうよ」
「私はこの鍵を職員室にの鍵棚から持ってきたんです。これが本物です」
西山先生は俺にからかわれていると思い、憤慨している。
「落ち着いてください。鍵元々、二つ、あったんですよ」
「二つですか」
「真相は、一度、俺がここの部室の鍵をなくしたから、もう一つ、スペアを学校に作ってもらったんですよ。でも、そのあと、鍵が出てきて、元々の鍵は俺が所有することになったんです。」
布石は、面白そうに
「ナーンだ。偶然、偶然」
しかし、西山先生は納得がいかないらしく....
「それでは、その鍵は返してもらいましょ」
俺に詰め寄る西山先生を布石がなだめながら、
「でも、赴任されてきた先生がサボって寝ていたなんて、印象悪いだろうな」
明らかに、悪意を丸出しで西山先生の耳元で脅してくる。西山先生は、赤面した。
「わかりました。この鍵の件は不問にするので、あなたたちも、さっきのことは忘れてくだだい」
俺は、この先生をからかってみたくなった。
「俺は西山先生が寝ていたなんて言いません」
「私も西山先生がおねんねしてたなんて言いませんよ」
西山先生はアワアワして「約束ですよ」と言いながら、この部屋を去っていった。
「杉山君もいい先生に出会えたね」
「お互い様だろ」
そういいながら、ようやく、椅子に座ることができた。
しかし、やつが俺の平穏をまた、邪魔しに来たのだ。
「杉原くん~今日も放課後。」
お馴染みとかでもなく、特に仲良くなかったのだが、俺にしつこく、つきまとってくる。
クラスの周りの人間は一年からの友達や、新たな友達、(見方によってはグループ)をきづきあげていた。そのなか、俺の目の前の席を占領した布石。この布石は、俺との建設的な友好関係を結ぼうとしているのかはわからない。今、まさに不敵に微笑んでいるのがそうである。
「俺はいかんぞ。あんな部活」
「何でぇ。」
「杉原くんあってこその部活じゃん。というか。杉原くんが作ったのも、同然ジャン」
俺は頭を抱えながら、ため息をつく。
「だから、俺は部活を作ったんじゃない。」
「だって、三原さんからそう聞いたよ。杉原くんあっての、部活だってさ」
またまた、三原は余計なことを話したらしい。これ以上、部活に関わりたくないものだ。
「あのサー。杉原くんはさー。何か三原さんとなんかあったわけ?」
「含みのある言い方だな」
髪の毛をいじりながら、布石は問いかける。俺自身、もうあの部活とは関わらないと冬に決めたんだ。
「答えられないわけ?でもそうか、あれは、本当だったんだ。だからか~」
「何だ?」
明らかにトゲのある言い方が耳についた。
「気になるんだ?」
「う~ん、どうしようか。じゃあ、私を捕まえたら、教えてあげる」といったのもつかの間、足早に去って行ってしまった。
俺は呆気にとられていた。普通は追いかけるものだろうが、当然、無視した。
布石は、その態度が想定どおりだったのか、次の作戦にうつる。
「みなさーん。杉原くんは二年四組の三原さんと....」
まだ、放課後早々に、大声で喋り始めた。
くそっ、めんどくさいことしやがって。
俺はとっさに学生鞄を肩にかけて、布石を追いかけた。布石は、たまに後ろを見ながら、俺がついてくるのをしっかりと見ながら、部活棟にはいっていく。
「くそっ早い」
体力のなさがでたのか。俺はゼェゼェ言いながら、走っていった。
「うわ。鍵しまってるよ」
布石は、ガシャガシャとある一室のドアを開けようと苦戦していた。俺はまた、ため息を吐きながら、ポケットにある鍵を取り出した。
「いひひ。やっぱし。スペアキー持ってたんだ」
布石は自分の手を軽く口に押さえてクスクスと笑った。俺自身、ここには、来たくなかったのだが。
「ここまで来たのだから、開けて」
ため息をつきながら、開けた先には、ソファーに寝転んでる先生?らしき女性がいた。
「えっ、誰?何しているの?」
「「先生こそ、そこで何やってるんですか」」
寝癖がおさまらない先生は、あわてて、ソファーから立った。俺は、現状に大体予想がついたが、悪知恵が働く布石は、問いかける。
「赴任されてきた英語の西山先生ですよね?どうしたんですか?頭ボッサボッサですよ」
なおも。笑がとまらない布石。あわてて、長い髪の毛をなおす西山先生。ばつが悪いのか、西山先生は何も話そうとしない。
「西山先生は部室棟、とある部屋でいつも、休憩をとっていたと」
メモ帳に書き込む仕草をとる。そうすると、西山先生は重い口を開けた。
「あなたたちも、何でここの鍵を持っているの?この部屋の鍵は一つだけで、私が持っているだけで、部室棟の鍵はスペアキーなんてないのに。
まさか?.....................ピッキング?」
俺はこの英語教師の発言に笑いだしそうになった。一方で、こらえているが、布石はもう、お腹に手を抱えて笑っている。
「そんなはずありません。ここの部屋には、鍵は二つあります。ここに一つと西山先生のところに一つ。」
俺は、ポケットからスペアキーを取り出して見せてみる。
「あ、そういうことなんですね。でも、スペアキーは、どうして君のもとにあるのかな?いつも見回りの先生は帰る際に紛失していないか確認するんですから」
西山先生は、自分が優位になったのだと思ったのだろう。
「もしかして、先生は俺が悪いことをして、スペアキーを作ったんじゃないかと疑っているんですか?」
「そうですとも、あなたは何らかの方法でこの部屋の鍵を作ったんでしょう?」
「いいえ、違います」
俺は、にべもなく答えて言葉を続けた。
「この鍵は、元々のこの部屋の鍵です。先生のが、ここのスペアでしょうよ」
「私はこの鍵を職員室にの鍵棚から持ってきたんです。これが本物です」
西山先生は俺にからかわれていると思い、憤慨している。
「落ち着いてください。鍵元々、二つ、あったんですよ」
「二つですか」
「真相は、一度、俺がここの部室の鍵をなくしたから、もう一つ、スペアを学校に作ってもらったんですよ。でも、そのあと、鍵が出てきて、元々の鍵は俺が所有することになったんです。」
布石は、面白そうに
「ナーンだ。偶然、偶然」
しかし、西山先生は納得がいかないらしく....
「それでは、その鍵は返してもらいましょ」
俺に詰め寄る西山先生を布石がなだめながら、
「でも、赴任されてきた先生がサボって寝ていたなんて、印象悪いだろうな」
明らかに、悪意を丸出しで西山先生の耳元で脅してくる。西山先生は、赤面した。
「わかりました。この鍵の件は不問にするので、あなたたちも、さっきのことは忘れてくだだい」
俺は、この先生をからかってみたくなった。
「俺は西山先生が寝ていたなんて言いません」
「私も西山先生がおねんねしてたなんて言いませんよ」
西山先生はアワアワして「約束ですよ」と言いながら、この部屋を去っていった。
「杉山君もいい先生に出会えたね」
「お互い様だろ」
そういいながら、ようやく、椅子に座ることができた。
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