悪女で悪魔

１３

授業は基本的に座学と実技。
3学年からは実技は選択方式となり将来を見据えて3つから選ぶ。騎士団入団希望者、研究所入所希望者、婚約が決定しており入団も入所もしない女性で選択し内容の違う実技を受ける。

今日は5時限の座学と1時限の実技がある。
座学は主に歴史や薬草、基本的魔法構成についてをやる。

「ユナイデル」
「なんですか」
「次お前だ」
「わかりました」

実技担当教師に声をかけられる。第2演習室で行う今日の実技は対魔法人形戦闘訓練検定。人形が繰り出す魔法を避けながら自分の魔力を打ち込む。人形破壊で合格。
クラスの生徒の前に行き検定を受けるため他生徒の視線が突き刺さる。

「⋯⋯始め」

怪しい目を向けてくる教師を無視し手に魔力を込める。水魔法を扱う私は〝球〟をイメージしながら魔力を魔法に変えていく。

この教師は私に魔力がないことを言った人でかなり優秀な人らしく、なくなったはずの私の魔力が復活したことに疑問を抱いているのだろう。昨日の行為がバレても困るしばらくは2人で話さないようにしよう。

目の前にあるマネキン型の人形が手を突き出し魔法を繰り出し土の塊が飛んでくる。
私もそれに合わせ水の球をぶつけ相殺する。左手で水の球を出しながら右手に〝ロープ〟をイメージした水縄を作り出す。

人形の土の塊を避けながら走り近づき水縄を首に巻きつける。そのまま背を向け水縄を引けばバキバキッという音をたて人形の首がもげる。
ゴトリ。人形の首が地面に落ちれば生徒たちのざわめきが広がった。

「やめ」

教師の静止に魔力を戻す。もうほとんどは残っていない。自分の席へ戻る間他生徒からは色んな声が聞こえてきた。
「落ちこぼれじゃなかったの？」「なんで魔法使えるの？」「あんなの偶然」
恐怖混じりの声や蔑む声、戸惑う声など様々。

教師からは物言いたげな視線。
魔力枯渇で異性の匂いに体が疼き始める。求めるのは昨夜の快感と甘い液。
もう認めるしかないだろう。

私は──淫魔魔族だ。