悪女で悪魔

１４

皆が寝静まった夜中、私はひっそり部屋を抜け出した。
昨日はあまりの空腹に首席という極上を求めたが、優秀な者には気づかれる危険性もある。今日は家の近い同級生2人の所へ行こう、そう決め走り始めた。

キィ、木製のドアが小さな音をたて開いた。
まず向かったのは同じクラスの生徒。魔力の質はいい方。私をたまに好色そうな目つきで見てくるから万が一目を覚ましても催眠の効果は期待できるだろう。

ゆっくりベッドに近づき布団を捲り足元に座る。ゆっくりズボンを下げればすでに勃ち上がった陰茎が現れる。私のフェロモンに当てられたのだろう。首席よりは劣るものの甘い匂いが香ってくる。

微かな鼾が聞こえてくる。眠っていることを確認後、昨夜の行為を思い出しながら先から垂れる液を塗り広げながらゆっくり擦る。

くちゃくちゃ、

粘着音がし始め男の息が荒くなってきたのを見計らい、口腔内に溜めた唾液を塗り付けながら根本から舐め上げる。
先端を口に含み舌でなぞりながらそのまま頭を落としていく。

昨夜よりいくらか余裕のある口腔を窄ませ吸い上げる。

「んぐっ」

その瞬間だ、口腔内に甘い味が広がった。射精したのだ。
早い射精に体の疼きが増すだけで魔力の増加は感じられない。なんでなのだろう。
2度射精するとこの男の魔力量的に死に至るだろう。
枯渇したままの魔力と疼きが増す体を堪え男の体を清潔にし服を整える。そして催眠をかけ、部屋を後にした。

闇夜の道を震える足で走る。なぜか魔力の増加が少なすぎる。この辺りに住む学校の男を記憶の中から掘り出す。

街外れのログハウスに忍び込み眠る男を襲うように脱がす。ほんの少し硬くなっている陰茎を咥え性急に口淫を始める。

「うっぐぅ⋯⋯ぅあっ」

男は快感に腰を揺らし始める。ビクビクと震え怒張する陰茎に吸い付き舐め上げ射精を促す。
男の腰が跳ね、口腔内にビュクビュク、と白濁が吐き出される。先程同様甘い液を飲み干す。下腹部に熱い感覚がする。

──魔力が溜まった⋯⋯

2人の精液を摂取した。しかし何かがおかしい。魔力が枯渇したまま少量しか摂取できていない。これでは日常生活すら営むことができない。
昨日は生活魔法、さらに授業までも受けられたのに今では枯渇も疼きも止まらない。

このままでは目の前の男の精液を吸い付くし殺してしまう。
催眠をかけるのが精一杯、体を拭くことも服を着させることもできず逃げるように家を出た。

このままでは淫魔の血が騒ぎ素知らぬ男を快楽死させてしまう。
早く家に帰る、そのことだけを考え1番早く自宅に着く道を走る。そこらじゅうの家から香る甘い香りに誘われぬよう唇を噛み締める。

口には鉄が広がった。