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翌日、目を覚ました私は体の違和感を覚えた。
体が火照り、足の間が湿っている。微かな布の擦れで電撃が走るような感覚になる。
体内の魔力量は微量しかなく空腹が襲う。下腹部の疼きが止まず精液が欲しくてたまらない。
血縁者は甘い香りがしないはずなのにどこからか漂うこの香り。多分隣の家の男の匂いがどこか遠くを歩く男の匂いだろう。
この体では理性を保てるかわからない。しかもほとんど魔力がない。休んでしまいたいがなけなしのプライドが休んだら負けだと叫ぶ。
震える足で立ち上がり制服を着ていく。布ズレで腰がビクつく。
「ふっ⋯⋯」
漏れそうになる声を抑え母に会う前に家を出た。外に出ればむせ返るほどの異性の香りに眩暈を覚える。
家を出て数分、すでに休めば良かったと後悔をしている。しかし落ちこぼれである私が休めば学校では要らぬ噂がたつだろう。
落ちこぼれと言われることに対し何も思わない訳ではない。成績上位だった私が落ちこぼれなんて言われれば腹も立つ。やっと魔力の戻し方を知りこれから馬鹿にしていた人たちを見返せると言うのにこれ以上屈辱的な噂が流されるのはプライドが許さない。
なけなしの魔力を使い嗅覚を鈍感にする魔法をかける。さっきよりいくらかマシになったものの近づかれれば何をするかわからない。
今日はできるだけ異性に近づかないよう1日を過ごす。夜になれば摂取にいける、たったの1日だ。
校舎に入ると色んな匂いがする。お菓子のような匂い、花のような匂い、果物のような匂い。人により発する香りは様々。混ざり合いより強い香りとなるからタチが悪い。
無意識にフェロモンを出しているのか周りの異性の目が厭らしい。
──とりあえずこの場を離れないと。
腕を抱き逃げるように人の少ない空き教室の方へ向かう。
「はぁっ⋯⋯はぁ、」
口から熱い吐息が漏れ、膝が折れる。壁に寄りかかり息を整える。
手の震えが止まらない。
目が霞み意識が遠のく。
「さい、あくっ」
意識を手放す手前、誰かの気配とムスクのような香りがした気がした。
────────
見知った顔を見つけた。空き教室ばかりのこの辺は人も少ない、こんな所に来るのは何かがおかしい。
微かな空気の流れを感じとる。息が上がっているのか、空気の流れが早い。
声をかけようとしたその瞬間、目の前の女が突然膝をついた。
「おいっ」
急ぎ駆け寄り肩を支える。苦しそうに息を吐き眉を顰める女。香水でもつけてるのか甘い匂いがする。
「おいっ。ユナイデル。聞こえてるのか」
蒸気した頬と赤く染まる唇、そこから除く濡れた舌。毛穴1つない肌、手には柔らかな体の感触。
ユナイデルから香るこの匂いを嗅ぐと年甲斐もなく嫌な感じがする。下半身に熱が溜まりそうになる。
「くっそ。なんでこんな時に⋯⋯」
頭に手を置き項垂れる。
昔は遊んでいたから経験は十分すぎるほどだ。こんなホイホイおっ勃てる歳じゃないくせに半勃ち状態。一体どうゆうことなんだ。
しかし、今は自分の下半身状態じゃなくユナイデルを保健室に連れて行くことが先だ。
保健室に置いたら次の授業まで時間もある。少し出るかして発散しなければ変態教師のレッテルが貼られてしまう。
「はぁ⋯⋯この女は、なんなんだ。魔力またねぇし」
ユナイデルを横抱きにして歩き始める。体が熱い、熱でも出してるんだろう。
俺の腕の中で眠る女生徒は優秀といわれていた。しかしある日突然魔力が枯渇し成績がだいぶ落ちた。かなり参っているようで多少苦手に思っていただろう俺に相談してくるほどだった。
事実を突きつけるのは気が引けたが彼女のためだ、そう思い魔力がない事を伝えれば傷つきながらも気にしていないように気丈に振る舞っていた。
荒い息遣いと熱い体。風邪でもひいているのだろう。無理して学校に来る必要などないはずなのに。
あれほど優秀であった女だ。落ちこぼれと呼ばれることはかなり屈辱的なことだろう。しかし休息も大切だ。昨日はなぜか魔力が蓄積されており実技に参加することができていた。どのようにして魔力を補給したのか、目が覚めたらゆっくり聴くとしよう。そして一教師として休息の大切さを教師らしく指導することとしよう。
腕に横抱きにしたユナイデルに振動がいかぬようにしつつ早足で保健室へ向かった。
体が火照り、足の間が湿っている。微かな布の擦れで電撃が走るような感覚になる。
体内の魔力量は微量しかなく空腹が襲う。下腹部の疼きが止まず精液が欲しくてたまらない。
血縁者は甘い香りがしないはずなのにどこからか漂うこの香り。多分隣の家の男の匂いがどこか遠くを歩く男の匂いだろう。
この体では理性を保てるかわからない。しかもほとんど魔力がない。休んでしまいたいがなけなしのプライドが休んだら負けだと叫ぶ。
震える足で立ち上がり制服を着ていく。布ズレで腰がビクつく。
「ふっ⋯⋯」
漏れそうになる声を抑え母に会う前に家を出た。外に出ればむせ返るほどの異性の香りに眩暈を覚える。
家を出て数分、すでに休めば良かったと後悔をしている。しかし落ちこぼれである私が休めば学校では要らぬ噂がたつだろう。
落ちこぼれと言われることに対し何も思わない訳ではない。成績上位だった私が落ちこぼれなんて言われれば腹も立つ。やっと魔力の戻し方を知りこれから馬鹿にしていた人たちを見返せると言うのにこれ以上屈辱的な噂が流されるのはプライドが許さない。
なけなしの魔力を使い嗅覚を鈍感にする魔法をかける。さっきよりいくらかマシになったものの近づかれれば何をするかわからない。
今日はできるだけ異性に近づかないよう1日を過ごす。夜になれば摂取にいける、たったの1日だ。
校舎に入ると色んな匂いがする。お菓子のような匂い、花のような匂い、果物のような匂い。人により発する香りは様々。混ざり合いより強い香りとなるからタチが悪い。
無意識にフェロモンを出しているのか周りの異性の目が厭らしい。
──とりあえずこの場を離れないと。
腕を抱き逃げるように人の少ない空き教室の方へ向かう。
「はぁっ⋯⋯はぁ、」
口から熱い吐息が漏れ、膝が折れる。壁に寄りかかり息を整える。
手の震えが止まらない。
目が霞み意識が遠のく。
「さい、あくっ」
意識を手放す手前、誰かの気配とムスクのような香りがした気がした。
────────
見知った顔を見つけた。空き教室ばかりのこの辺は人も少ない、こんな所に来るのは何かがおかしい。
微かな空気の流れを感じとる。息が上がっているのか、空気の流れが早い。
声をかけようとしたその瞬間、目の前の女が突然膝をついた。
「おいっ」
急ぎ駆け寄り肩を支える。苦しそうに息を吐き眉を顰める女。香水でもつけてるのか甘い匂いがする。
「おいっ。ユナイデル。聞こえてるのか」
蒸気した頬と赤く染まる唇、そこから除く濡れた舌。毛穴1つない肌、手には柔らかな体の感触。
ユナイデルから香るこの匂いを嗅ぐと年甲斐もなく嫌な感じがする。下半身に熱が溜まりそうになる。
「くっそ。なんでこんな時に⋯⋯」
頭に手を置き項垂れる。
昔は遊んでいたから経験は十分すぎるほどだ。こんなホイホイおっ勃てる歳じゃないくせに半勃ち状態。一体どうゆうことなんだ。
しかし、今は自分の下半身状態じゃなくユナイデルを保健室に連れて行くことが先だ。
保健室に置いたら次の授業まで時間もある。少し出るかして発散しなければ変態教師のレッテルが貼られてしまう。
「はぁ⋯⋯この女は、なんなんだ。魔力またねぇし」
ユナイデルを横抱きにして歩き始める。体が熱い、熱でも出してるんだろう。
俺の腕の中で眠る女生徒は優秀といわれていた。しかしある日突然魔力が枯渇し成績がだいぶ落ちた。かなり参っているようで多少苦手に思っていただろう俺に相談してくるほどだった。
事実を突きつけるのは気が引けたが彼女のためだ、そう思い魔力がない事を伝えれば傷つきながらも気にしていないように気丈に振る舞っていた。
荒い息遣いと熱い体。風邪でもひいているのだろう。無理して学校に来る必要などないはずなのに。
あれほど優秀であった女だ。落ちこぼれと呼ばれることはかなり屈辱的なことだろう。しかし休息も大切だ。昨日はなぜか魔力が蓄積されており実技に参加することができていた。どのようにして魔力を補給したのか、目が覚めたらゆっくり聴くとしよう。そして一教師として休息の大切さを教師らしく指導することとしよう。
腕に横抱きにしたユナイデルに振動がいかぬようにしつつ早足で保健室へ向かった。
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