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第6話:軋む現実
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画面の向こう、匿名の「シグレ」と「月の雫」として交わす言葉は、日に日に熱を帯び、親密さを増していく。夜更けまで続くDMでの語らいは、八雲にとって現実の鬱屈を忘れさせてくれる甘美な麻薬だった。シグレとしてなら、彼は雄弁で、知的で、共感的でいられる。月の雫の繊細な悩みに寄り添い、感謝されることに、彼は抗いがたい中毒性のある喜びを感じていた。彼女が「シグレさんは特別です」と言ってくれた言葉は、彼が「柳田八雲」であることを隠しているという重い事実を突きつけると同時に、彼の歪んだ自尊心を支える唯一の柱となっていた。そして、画面越しの彼女の信頼と好意に触れるたび、八雲自身の栞への想いは、以前よりもずっと深く、切実なものになっていた。
だがその一方で、現実の教室に座る「柳田八雲」の心は、正体を隠していることへの罪悪感と、理想化された「シグレ」との埋めがたいギャップによって、まるで万力で締め付けられるように軋んでいた。隣の席に座る月山栞。ネット上であれだけ親密な言葉を交わしている相手が、すぐ物理的な距離にいる。その事実が、彼の罪悪感を増幅させ、どうしようもない緊張感で体を強張らせた。告白して振られた気まずさと、ネットで彼女との秘密の関係を続けているという背徳感。その二重のプレッシャーが、八雲の振る舞いをますますぎこちなくさせていた。彼女と視線が合うのが怖い。話しかけたいのに、どんな言葉を選べばいいのか分からない。深まる想いとは裏腹に、現実での距離は開くばかりだった。
栞の方は、八雲に対して特に何かを気にする素振りは見せなかった。その様子が、今の不安定な八雲には眩しく、同時に自分がいかに彼女の思考の外にいるかを突きつけているようでもあった。彼だけが、彼女の何気ない視線や沈黙に過剰反応し、拒絶のサインを読み取ろうとしていたのだ。
そんな不安定な関係性が続く中、歴史の授業でグループワークの課題が出された。近現代史のテーマ研究。八雲にとっては最も苦手な形式の課題だった。思考力や知識には自信があっても、それを他者と共有し、協力して形にする作業は全く別次元の難しさだ。ましてや、想いを寄せる彼女の前で、無様な姿を晒すかもしれない。彼の胸に嫌な予感がよぎる。
しかし、祈りは届かなかった。
「――次は、柳田、月山、佐々木、中村、以上4名でグループCだ」
教師の声が無情にも二人の名前を続けて読み上げる。八雲の心臓がドクンと大きく跳ね、全身の血の気が引くのを感じた。
重い足取りで教室後方の指定スペースへ向かう。他のメンバーが既に集まっており、最後に栞がやってきた。彼女は特に八雲を気にする風でもなく、空いていた席に静かに腰を下ろす。それでも同じ空間にいるというだけで、八雲の呼吸は浅くなり、手のひらにじっとりと汗が滲んだ。彼女から微かに漂う清潔なシャンプーの香りが、彼の意識をかき乱した。
グループの席に着くと、栞がすぐにプリントを広げて口火を切った。
「えっと、じゃあまずテーマを決めましょうか。いくつか候補があるけど、どれがいいかな」
その声は落ち着いていて、自然と場を進行させる響きがあった。
「私はこの時代の文化とか文学に興味があるかな。当時の人々の暮らしや考え方がどう変わっていったのかとか。面白そうじゃない?」
彼女は他のメンバーに同意を求めるように言う。その冷静な様子に、八雲は内心感心すると同時に、自分との差を痛感する。DMで弱い部分を見せる彼女と、現実でこうして場を仕切る彼女。どちらの姿も、彼にはたまらなく魅力的に映り、そして同時に、現実の自分との隔たりを思い知らされて苦しかった。
クラスでも大人しめの女子の中村が「私もそれいいと思います」と小さく頷く。栞はそれに頷き返し、次に八雲に視線を向けた。
「柳田くんはどう? 文化史で進めて大丈夫そう?」
突然話を振られ、八雲は完全に不意を突かれた。何か言わなければ。貢献しなければ。「シグレ」としてなら、気の利いた意見を言えるはずなのに。焦りが思考を空転させ、言葉が喉に詰まる。
「あ、俺は…その…文化もいいけど、経済とか? いや、技術革新とかも…戦争の影響とかも…うーん…ごめん、よくわかんない…」
どもりながら視線を彷徨わせ、結局何を言いたいのか分からない言葉を垂れ流してしまう。声も情けなく上ずっていた。
しん、と一瞬、場が静まり返る。栞が少し眉をひそめたが、すぐに表情を和らげ、辛抱強く尋ねる。
「えっと…つまり、社会的な背景とか、そういう視点も入れたいってことかな?」
確認するように尋ねる声は、努めて平静を装っていた。だが、それでも彼はうまく言葉を継げない。
「まあ、文化って言っても社会と切り離せないしな」
クラスのムードメーカー的存在の男子、佐々木が慌てて助け舟を出す。
「とりあえず文化史を軸に進めて、関連する話も拾っていくっていうのは?」
栞は、八雲がそれ以上話せないことを察したのか、「うん、それがいいかもね」と短く頷き、すぐにプリントに視線を戻した。その諦めたような切り替えの早さに、八雲は自分が役立たずだと宣告されたように感じ、落ち込んだ。
役割分担も、八雲にとっては針の筵だった。栞はまず佐々木に向き直る。
「佐々木くん、現代文学が好きだったよね? この時代の小説をいくつか調べて、当時の空気感をまとめてもらえるかな」
「おう、分かった。やってみる」
次に、彼女は中村に視線を移した。
「中村さんは、美術部だったよね? 当時の美術や音楽が世相をどう反映していたか、資料を探してもらえると助かるな」
「はい。分かりました」
そして最後に、栞は八雲に向き直った。彼のコミュニケーション能力には不安を感じつつも、授業中に見せる集中力から、地道な調査作業には向いていると判断したのかもしれない。
「柳田くん、資料の調査をお願いしてもいいかな。この時代の新聞記事とか、一次資料を深く掘り下げてほしいんだ。図書館のアーカイブを使えば、面白い発見があるかもしれないから」
彼女は淡々と、しかし明確に役割を伝えた。八雲は、その言葉を、自分への期待だと解釈したかった。コミュニケーションは駄目でも、調査ならできる。ここでなら、彼女に少しでも認められるかもしれない。
「う、うん! わかった! 新聞! 任せて! アーカイブね! 行ってくる!」
またしても必要以上に大きな、裏返った声が出てしまう。顔が熱くなるのを感じながら俯くと、栞が小さく、ほとんど聞こえないくらいの溜息をついたのが、気のせいか彼の耳に届いた。
調査自体は、八雲にとって苦ではなかった。むしろ得意分野だ。図書館のアーカイブに籠り、持ち前の集中力と分析力で、テーマに関連する興味深い記事や証言をいくつも見つけ出すことができた。
しかし、問題はその後だった。後日、調べた内容を共有する場は、さらに悲惨なものとなった。佐々木と中村はそれぞれそつなく報告を終え、栞が的確なコメントを加える。そして、八雲の番。彼は見つけ出した資料のコピーを手に立ち 上がったが、三人の視線が自分に集まった瞬間、頭の中が真っ白になる。
「えっと、これは…当時の、その、生活というか…文化に関する記事で…えーっと、つまり…」
しどろもどろの説明に、誰もが困惑しているのが空気で分かる。
「その記事、具体的にどういう論調だったの?」
栞が内容を理解しようと、少し身を乗り出して尋ねる。
彼女なりに、彼が話しやすいように促してくれているのかもしれない。だが、不意に視線がかち合い、その吸い込まれそうなほど綺麗な、それでいて真剣な眼差しに見つめられた瞬間、八雲の思考は完全に停止した。心臓が警鐘のように大きく鳴り、近づいた彼女からふわりと香るシャンプーの匂いに、頭の中が真っ白になる。頭の中では記事の内容やその意義について明晰な言葉が渦巻いているのに、それが喉を通って音になる段階で、意味不明なノイズに変わってしまうのだ。好きな人の前で、こんなにも無様な姿を晒している。その事実が、彼のプライドを粉々に打ち砕いた。
「えっと、その…なんか、いろいろ書いてあって…当時の雰囲気? が伝わる感じで…」
ネットでの自分と、現実の自分のあまりの落差に、彼は絶望的な気持ちになった。
栞が、ふう、と小さな息を吐いた。その表情は、今度こそ明確な諦めと、疲れたような色を浮かべていた。
「…そっか。じゃあ、その資料、後で共有フォルダに入れといてもらえる? みんなで読んでみるから」
そしてすぐに中村の方を向く。
「わかった。じゃあ次、中村さん、お願い」
その声はあくまで事務的で、感情を排しているように聞こえた。八雲には、もうこれ以上関わっても無駄だという最終宣告のように響いた。
(ああ、まただ…変な奴だって、使えない奴だって思われた…。『シグレさん』とは全然違うって…彼女は俺のことなんて、やっぱり理解できないんだ…)
自己嫌悪が、黒い靄のように八雲の心を覆っていく。
この出来事は、ネット上での甘美な関係と、現実世界での惨めな自分との、埋めがたいギャップを、八雲に痛烈に自覚させた。現実世界での関係は、音を立てて軋み、崩れ始めていた。彼がネット上で秘密を抱え続ければ続けるほど、現実の彼はますます歪んでいくようだった。
だがその一方で、現実の教室に座る「柳田八雲」の心は、正体を隠していることへの罪悪感と、理想化された「シグレ」との埋めがたいギャップによって、まるで万力で締め付けられるように軋んでいた。隣の席に座る月山栞。ネット上であれだけ親密な言葉を交わしている相手が、すぐ物理的な距離にいる。その事実が、彼の罪悪感を増幅させ、どうしようもない緊張感で体を強張らせた。告白して振られた気まずさと、ネットで彼女との秘密の関係を続けているという背徳感。その二重のプレッシャーが、八雲の振る舞いをますますぎこちなくさせていた。彼女と視線が合うのが怖い。話しかけたいのに、どんな言葉を選べばいいのか分からない。深まる想いとは裏腹に、現実での距離は開くばかりだった。
栞の方は、八雲に対して特に何かを気にする素振りは見せなかった。その様子が、今の不安定な八雲には眩しく、同時に自分がいかに彼女の思考の外にいるかを突きつけているようでもあった。彼だけが、彼女の何気ない視線や沈黙に過剰反応し、拒絶のサインを読み取ろうとしていたのだ。
そんな不安定な関係性が続く中、歴史の授業でグループワークの課題が出された。近現代史のテーマ研究。八雲にとっては最も苦手な形式の課題だった。思考力や知識には自信があっても、それを他者と共有し、協力して形にする作業は全く別次元の難しさだ。ましてや、想いを寄せる彼女の前で、無様な姿を晒すかもしれない。彼の胸に嫌な予感がよぎる。
しかし、祈りは届かなかった。
「――次は、柳田、月山、佐々木、中村、以上4名でグループCだ」
教師の声が無情にも二人の名前を続けて読み上げる。八雲の心臓がドクンと大きく跳ね、全身の血の気が引くのを感じた。
重い足取りで教室後方の指定スペースへ向かう。他のメンバーが既に集まっており、最後に栞がやってきた。彼女は特に八雲を気にする風でもなく、空いていた席に静かに腰を下ろす。それでも同じ空間にいるというだけで、八雲の呼吸は浅くなり、手のひらにじっとりと汗が滲んだ。彼女から微かに漂う清潔なシャンプーの香りが、彼の意識をかき乱した。
グループの席に着くと、栞がすぐにプリントを広げて口火を切った。
「えっと、じゃあまずテーマを決めましょうか。いくつか候補があるけど、どれがいいかな」
その声は落ち着いていて、自然と場を進行させる響きがあった。
「私はこの時代の文化とか文学に興味があるかな。当時の人々の暮らしや考え方がどう変わっていったのかとか。面白そうじゃない?」
彼女は他のメンバーに同意を求めるように言う。その冷静な様子に、八雲は内心感心すると同時に、自分との差を痛感する。DMで弱い部分を見せる彼女と、現実でこうして場を仕切る彼女。どちらの姿も、彼にはたまらなく魅力的に映り、そして同時に、現実の自分との隔たりを思い知らされて苦しかった。
クラスでも大人しめの女子の中村が「私もそれいいと思います」と小さく頷く。栞はそれに頷き返し、次に八雲に視線を向けた。
「柳田くんはどう? 文化史で進めて大丈夫そう?」
突然話を振られ、八雲は完全に不意を突かれた。何か言わなければ。貢献しなければ。「シグレ」としてなら、気の利いた意見を言えるはずなのに。焦りが思考を空転させ、言葉が喉に詰まる。
「あ、俺は…その…文化もいいけど、経済とか? いや、技術革新とかも…戦争の影響とかも…うーん…ごめん、よくわかんない…」
どもりながら視線を彷徨わせ、結局何を言いたいのか分からない言葉を垂れ流してしまう。声も情けなく上ずっていた。
しん、と一瞬、場が静まり返る。栞が少し眉をひそめたが、すぐに表情を和らげ、辛抱強く尋ねる。
「えっと…つまり、社会的な背景とか、そういう視点も入れたいってことかな?」
確認するように尋ねる声は、努めて平静を装っていた。だが、それでも彼はうまく言葉を継げない。
「まあ、文化って言っても社会と切り離せないしな」
クラスのムードメーカー的存在の男子、佐々木が慌てて助け舟を出す。
「とりあえず文化史を軸に進めて、関連する話も拾っていくっていうのは?」
栞は、八雲がそれ以上話せないことを察したのか、「うん、それがいいかもね」と短く頷き、すぐにプリントに視線を戻した。その諦めたような切り替えの早さに、八雲は自分が役立たずだと宣告されたように感じ、落ち込んだ。
役割分担も、八雲にとっては針の筵だった。栞はまず佐々木に向き直る。
「佐々木くん、現代文学が好きだったよね? この時代の小説をいくつか調べて、当時の空気感をまとめてもらえるかな」
「おう、分かった。やってみる」
次に、彼女は中村に視線を移した。
「中村さんは、美術部だったよね? 当時の美術や音楽が世相をどう反映していたか、資料を探してもらえると助かるな」
「はい。分かりました」
そして最後に、栞は八雲に向き直った。彼のコミュニケーション能力には不安を感じつつも、授業中に見せる集中力から、地道な調査作業には向いていると判断したのかもしれない。
「柳田くん、資料の調査をお願いしてもいいかな。この時代の新聞記事とか、一次資料を深く掘り下げてほしいんだ。図書館のアーカイブを使えば、面白い発見があるかもしれないから」
彼女は淡々と、しかし明確に役割を伝えた。八雲は、その言葉を、自分への期待だと解釈したかった。コミュニケーションは駄目でも、調査ならできる。ここでなら、彼女に少しでも認められるかもしれない。
「う、うん! わかった! 新聞! 任せて! アーカイブね! 行ってくる!」
またしても必要以上に大きな、裏返った声が出てしまう。顔が熱くなるのを感じながら俯くと、栞が小さく、ほとんど聞こえないくらいの溜息をついたのが、気のせいか彼の耳に届いた。
調査自体は、八雲にとって苦ではなかった。むしろ得意分野だ。図書館のアーカイブに籠り、持ち前の集中力と分析力で、テーマに関連する興味深い記事や証言をいくつも見つけ出すことができた。
しかし、問題はその後だった。後日、調べた内容を共有する場は、さらに悲惨なものとなった。佐々木と中村はそれぞれそつなく報告を終え、栞が的確なコメントを加える。そして、八雲の番。彼は見つけ出した資料のコピーを手に立ち 上がったが、三人の視線が自分に集まった瞬間、頭の中が真っ白になる。
「えっと、これは…当時の、その、生活というか…文化に関する記事で…えーっと、つまり…」
しどろもどろの説明に、誰もが困惑しているのが空気で分かる。
「その記事、具体的にどういう論調だったの?」
栞が内容を理解しようと、少し身を乗り出して尋ねる。
彼女なりに、彼が話しやすいように促してくれているのかもしれない。だが、不意に視線がかち合い、その吸い込まれそうなほど綺麗な、それでいて真剣な眼差しに見つめられた瞬間、八雲の思考は完全に停止した。心臓が警鐘のように大きく鳴り、近づいた彼女からふわりと香るシャンプーの匂いに、頭の中が真っ白になる。頭の中では記事の内容やその意義について明晰な言葉が渦巻いているのに、それが喉を通って音になる段階で、意味不明なノイズに変わってしまうのだ。好きな人の前で、こんなにも無様な姿を晒している。その事実が、彼のプライドを粉々に打ち砕いた。
「えっと、その…なんか、いろいろ書いてあって…当時の雰囲気? が伝わる感じで…」
ネットでの自分と、現実の自分のあまりの落差に、彼は絶望的な気持ちになった。
栞が、ふう、と小さな息を吐いた。その表情は、今度こそ明確な諦めと、疲れたような色を浮かべていた。
「…そっか。じゃあ、その資料、後で共有フォルダに入れといてもらえる? みんなで読んでみるから」
そしてすぐに中村の方を向く。
「わかった。じゃあ次、中村さん、お願い」
その声はあくまで事務的で、感情を排しているように聞こえた。八雲には、もうこれ以上関わっても無駄だという最終宣告のように響いた。
(ああ、まただ…変な奴だって、使えない奴だって思われた…。『シグレさん』とは全然違うって…彼女は俺のことなんて、やっぱり理解できないんだ…)
自己嫌悪が、黒い靄のように八雲の心を覆っていく。
この出来事は、ネット上での甘美な関係と、現実世界での惨めな自分との、埋めがたいギャップを、八雲に痛烈に自覚させた。現実世界での関係は、音を立てて軋み、崩れ始めていた。彼がネット上で秘密を抱え続ければ続けるほど、現実の彼はますます歪んでいくようだった。
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