異世界召喚戦記

第5章 モスコーフ帝国へ

第5章 異世界の設定 聖術と魔術

【聖術と魔術について】


≪聖術とは…≫

人の気の力（聖力）により、聖石の力を引き出して治癒術などを行う事を聖術と言われている。
太古の昔には、人を害することが出来る聖術もあったようだが、現在は失われ治癒術以外残っていない。

治癒術とは、聖石の力を怪我をした人へ注ぐことで、身体を活性化させ人の回復力を大きく高める術である。
その為、大きな外傷や急速に進行する病気、重度な病気には対応できない。



治癒術で使われる聖石の大きさは、小指の先の大きさから、手のひらほどはないが、指３本分（下級魔物の中で上位に位置する魔物の魔石の大きさ）ほどの大きさ程度までさまざまである。
教皇レベルの者でも、指3本分ほどの大きさの聖石をコントロールするのがやっとである。

又、聖石をコントロールするための聖力の習得は、我流ではほぼ困難である。
一般的には、教会に属し聖力を学び、指導を受け得ていく。
そのため、教会に所属しているもの以外で治癒術を使えるものはかなり少数である。



聖石は、魔石である。
忌み嫌われ、恐れられている魔物の中にある魔石を、教皇の力で浄化し聖石に変えると言われている。

しかし、真実は…5大宗教の聖地にある聖堂院の中に、魔石を聖石に変える前世界の遺物がある。
又、同じく人の手で作成された武具に聖石を付与できる遺物もある。
その遺物の使用方法は、教皇や一部の者達しか知らない為、５大宗教の聖地はもちろんの事、教会内にて殺生を行った場合、その国には二度と聖石が付与された武具を与えられることはない。
この事が、特に聖地（聖ギイス領・聖イシューレ領など）が独立性を保てる理由である。

注：城外につくられた簡易治癒所などが、戦に巻き込まれた場合、例え教皇や大司教と言えども、容赦はされない。守られる場所は、あくまで聖地や教会内だけである。



<聖石の加護を付与してある武具>

武具へ聖石を取り付けてある場合、その武具の聖石へ聖力を注ぐことで、

1. 剣など…硬さや切れ味を向上させる。重さは、変わらない。

2. 甲冑などの防具…甲冑の継ぎ目は、鎖帷子や魔物の皮で出来ている。装着者の体より大きめの甲冑を装着した後、付与されている聖石に聖力を注ぐことで、収縮し体にフィットする。その為、一人で防具を脱着できる利点がある。

3. 甲冑などの防具…人用・馬用とも、聖力を注ぐことでほぼ重さをなくすことが出来る。

4. 大盾…上級騎士のみが扱える大盾は、強い聖力が必要。又、付与されている聖石の力は硬さにすべて注がれているため、重さは軽減されておらず、取り扱いが難しい。


注：上記のような力があるため、聖石が付与された防具を使用している騎士に対し、弓矢は致命傷を与えることは出来ない。
特に中級騎士以上が使用する防具には、傷一つつけることが出来ない。
その為、戦は騎士同士の戦いが主で、市民兵は輜重隊としての荷運びや、陣固め、攻城戦の際の城壁を登り内側から門を開ける、城内の人々を制圧するなどの役目となる。

騎士は、基本的に騎士学校へ通い、そこで聖石をはめ込んである武具の使い方を学ぶ。



≪魔術とは…≫

太古の技術で、現在は失われている。

魔石を体内に持つ者が行える術。
魔石が自分の体の一部だから、手足を動かすように魔石の力を使い魔術をおこせる。

はるか…太古の昔、一部の人々は魔石を体内へ取り入れる方法を持ち、攻撃魔術により国と国との戦に加担していた。
一人だけでなく、数人で力を合わせ行う、攻撃魔術も多くの国で、開発されていき、より強大な攻撃魔術が戦争に使われた。
その結果…世界の人々の9割が死滅する結果となった。

そこで、神々？は人から、魔石を体内に取り入れる方法と、攻撃魔術を取り上げ、一部の回復魔術（回復術）等を人々へ残した…と伝えられている。



<黒騎士（博影）の魔法陣…>

博影が、使用している魔法陣は、異世界召喚された際の魔法陣と同じである。

魔法陣を出現させるためには、博影の体内に魔石か、もしくは魔石と同等の物がないと発動しないと考えられる。
又、古の神々？の関わりにより、博影の魔法陣も火を噴く、雷を発生させる…などの攻撃的な魔術は発動しない。
あくまで、自然現象・物理現象を増幅させるような魔術か、回復系の魔術である。
そして、回復系の魔術を逆手に取って人に危害を与えることも出来ない（血管を破裂させる、血液を抜く…など）。


<黒い術袋に入っている黒い武具>

黒い武具は、武具に魔石をはめ込んでいるわけではなく、どうやら全体が魔石により作られているようだ。
現在、魔石で武具を作るような、そのような技術はない。
又、全体が魔石で作られているため…使用するときは、かなりの魔力が必要となる。