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カルパディア編
第十八章:自重の隙間
しおりを挟む翌朝。悠介達が朝食をとっている時に、昨夜から今朝に掛けて、ガゼッタとブルガーデンで何か大きな動きがあったらしいという情報が、ラサナーシャの情報網経由で飛び込んで来た。
宮殿に行けば、正式に詳しい情報が下りて来るかもしれない。
「やっぱり栄耀同盟関係かな。都築さん辺りからも報告が来そうだけど」
「ガゼッタでは厳戒態勢が敷かれているそうですよ?」
悠介は、ラサナーシャの情報から現在進行形で何か起きている状況なのかと、カスタマイズ画面を開いてシフトムーブ網を呼び出し、接続されているパトルティアノーストの全体像を映し出す。
(特にどこかが崩れたりはしてないみたいだな)
ざっと見た感じ、街に大きな異常は無さそうだ。とりあえず、何時でもシフトムーブで出向ける心構えだけしておこうと気持ちを切り替えた悠介は、手早く朝食を片付けた。
「じゃあ行こうか」
「はい」
今日は自家用動力車は使わず、スンを伴って宮殿にシフトムーブで出勤する。廊下を歩いていると、やけに視線を感じた。様々な視線に晒される事には随分慣れて来た悠介だったが、今日の視線は探るような気配はあれど、悪意は感じない。
どちらかと言えば好奇よりな、何かを期待しているかのような視線に近かった。そんな宮殿の雰囲気に首を傾げているところへ、ヴォーマルとシャイードが現れた。
「隊長、おはようございやす」
「お疲れ様です」
「二人ともおはよう。ところで、なんか宮殿の空気変じゃないか?」
挨拶を返しつつ悠介が訊ねると、ヴォーマルが昨日の特殊訓練の事が衛士達の間で噂になっているせいでしょうと答えた。
「隊長が特殊効果付き装備を参加者に配ったって話が、かなり伝わってるようですな」
「今日は朝から訓練場も混んでいます」
「あー、それでか……」
特殊訓練と装備の配布を期待しているのだろうと、シャイードも推察する。訓練場に空きが無く、二人ともそれで仕方なく上がって来たそうな。
「巨大セット使った訓練はともかく、装備配るのは自重したほうが良かったかな」
「隊長の装備が宮殿衛士を差し置いて一般衛士に配られたって事で、また上の方から不満が出てるようですぜ?」
「げっ、マジか」
宮殿衛士隊に定期的に配っている『神技の指輪』は、昨日ばら撒いた『効果が微妙』な装備より遥かに高性能なので問題無いだろうと思っていたのだが、少々見込みが甘かったようだ。
やはり『特殊効果付きの装備』を持つ事は、衛士達にとってかなりのステータスになるらしい。
「う~ん、ポルヴァーティアが来てから状況も変わってるし、そろそろ本格的に制作縛り解く事も考えた方がいいかもしれんな」
「隊長はここまでずっと自重してきやしたからね」
「今後、魔導技術の浸透を加味すれば、今までのような慎重さは逆に危険になるかもしれない」
悠介の、自重するのを緩和しようかという考えには、シャイードもヴォーマルも肯定的だった。ここらで世間に対して悠介の力を、今一度ハッキリと見せつけておくべきだという。
「うーむ」
それはさておき、やはりブルガーデンとガゼッタで一騒動あったらしい。
「控え室で姫様が待ってやすぜ」
「ヴォレットが?」
いつもの第二控え室に入るなり、クレイヴォルを伴ったヴォレットが立ち上がる。
「来たかユースケ、スン。待ちわびたぞ」
「おはよう。つか何でまたわざわざ?」
「おはようございます、ヴォレット様」
ヴォレットは少しでも早く情報を伝えるべく、悠介が出勤して来るのを待っていたそうな。他の闇神隊メンバーも揃っている。
「昨日の件も含めて空風から報告が来ておってな、早くユースケに教えたかったのじゃ」
朔耶から悠介を通じてもたらされた例の書類に関連する報告もあるので、ヴォレットは自分の口から伝えたかったのだという。
昨夜、ブルガーデンとガゼッタでは、暗躍する栄耀同盟と協力体制を結んでいた一部の反抗勢力に対して一斉取り締まりが行われた。
ガゼッタでは覇権主義派が、ブルガーデンではイザップナー派がそれぞれ摘発され、栄耀同盟の工作員も多数拘束されたらしい。
「おおー、やばい内戦とかの大事になる前に抑えられたか」
「いや、まだ予断は許さん状況だそうじゃ」
ブルガーデンの方は栄耀同盟の工作員もイザップナー派も大体一ヵ所に集まっていたので、ほぼ根こそぎ摘発出来たようだ。そして、件の近衛兵の家族も、無事救出されたらしい。
「そっか、良いニュースだな」
「じゃが全てが上手く行ったわけではないようじゃ」
一方でガゼッタ側は、パトルティアノーストの造りが入り組んでいる事もあり、中々一網打尽とはいかず、指導者クラスの人物は捕縛出来ていないという。
「どうも栄耀同盟の連中の本命はガゼッタのようじゃからな」
「ふーむ、まあ実際一番不安があったのもガゼッタだったしなぁ」
悠介は、イザと言う時はシフトムーブを使ってパトルティアノーストまで救援に飛ぶ事を想定している。これに関しては既に闇神隊の皆にも話をしているし、ヴォレットを通じてエスヴォブス王にも許可はとってある状態だ。
いよいよその機運も高まって来たかというところであった。
「まあガゼッタにはコウ君もいるし、大丈夫だろう」
ガゼッタとブルガーデンに関する報告も済んだところで、悠介は先程ヴォーマル達とも相談していた話を、ヴォレットとクレイヴォルにも話す。
「ふむ、ユースケが本気で力を振るいたいなら、わらわは止めぬぞ?」
「本気で力を振るう、か……」
むしろ推奨するというヴォレットに、悠介は唸りながら考える。
特殊効果付き装備品の制作縛りに限らず、ポルヴァーティアから入って来る魔導技術で実現可能な程度の便利な利器を作って馴染ませておけば――
「魔導技術を取り入れてからの技術革新が捗るかもしれない」
カスタマイズ能力で製作する機械や装置は、動力となるギミック機能が謎の力であり、朔耶曰く『精霊の力によって引き起こされる現象』として動いているので、技術もへったくれもない。
だが、ガワだけでもそれっぽい物があり、皆が使い慣れていれば、魔導技術でそれを再現しようとした時にイメージとして役立つ筈。
現在、サンクアディエットの街にはギミック機能を動力の大元にした動力車が走り回っているが、将来的には動力部分を魔導技術に乗せ換える事で、自分の力に頼らない乗り物を職人達の手で造れるようになるだろう。
カルツィオの技術力の底上げを狙っている悠介は、自分の能力を使って取れる策の一つとして、この計画は中々悪くないのではないかと思えた。
「いきなり街に文明の利器をあふれさせても一般民は戸惑うだけだろうし、ここは指導者達が詰める宮殿からかな。ヴォレット」
「なんじゃ?」
「宮殿を改造する許可って貰えると思うか?」
「改造?」
ヴォルアンス宮殿の内部に関しては、以前からカスタマイズ画面内だけで弄っていた『ヴォルアンス宮殿魔改造案ファイル』があるので、許可さえ下りれば直ぐに取り掛かれる。
まずは宮殿内をハイテク仕様の設備で固めて、上層の人間を便利で快適な環境に慣れさせるのだ。宮殿で過ごす時間をより心地良いモノにする事で、皆がその快適さを自分の屋敷にも取り込みたくなるように誘導する。
悠介はその力で造り出すハイテク設備を個別に配布する事はせず、仕組みのヒントだけ教える。カルツィオの職人達が設備を再現しようと試行錯誤しているところへ、ハイテク設備と同じような機能を持つ魔導製品が入って来る。
職人達がそれらを解析する事で、魔導技術への理解も深まり、一気に技術力が躍進する――かもしれない。
「――てな事を考えてるんだけどな」
ヴォーマル達を第二控え室に残し、ヴォレットを伴って上層階の自室に向かう悠介は、その道中で今回の宮殿魔改造案の目的と構想について説明した。
「なんだか面白そうじゃな!」
「宮殿の大改装か……今の貴殿の提案であれば、そこまで反撥する者もいないと思う」
一緒に付いて来たクレイヴォルにも意見を求めて、肯定的な反応を貰った悠介は、それなら本気でやってみようかと、具体的な進行スケジュールを思い描いた。
自室にやって来た悠介は、改造予定のリストを書き出してヴォレットに託す。
「流石に全部は無理だと思うけど、この中で弄っても大丈夫な分を聞いて来てくれ」
「うむ、任せよ。行くぞクレイヴォル」
ヴォレットがエスヴォブス王に直接許可を取りに行っている間、悠介はカスタマイズメニューから『ヴォルアンス宮殿魔改造案ファイル』を開くと、細かい部分をチェックしていく。
ギミック機能の検証をしていた頃から、科学技術製品の再現実験はちょくちょく研究していた。実際に使う機会は無かったが、割と完成度の高い仕上がりになっている。
(乗り物関係は安全第一だからなぁ)
悠介邸内限定で使っている『現代技術風設備』も幾つかあるので、それらも宮殿に置く事を意識したデザインにして解禁する予定だ。
悠介は、久しぶりに宮殿の自室でカスタマイズ画面の作業に没頭する時間を過ごした。そうして昼を過ぎた頃に、ヴォレットがやって来た。
「おおむね許可が取れたぞー!」
「概ねか」
著しく美観を損ねたり、間取りを大きく変える様なものでなければ好きにやって構わないというお墨付きを得られた。
リストに書いてあった水回りと空調設備の改造案は、警備上の問題があるので却下されている。
「水道引いたり換気とか冷暖房を纏めて弄りたかったんだけど、確かに一括管理は毒とか投げ込まれたら危なそうだな」
ならば空調設備は部屋毎に独立した物を取り付ける。水はサーバーを設置し、水を入れる容器と、水の入った重い容器を簡単に運べるように専用のカートを用意。使用人の仕事を増やしつつ、負担は軽減する方向で修正案を出す。
「エレベーターと搬入口のベルトコンベヤはOKか。ならまずはエレベーターの設置からだな」
「それはどんなモノなのじゃ?」
「平たく言うと階層移動用に設置する箱状の乗り物かな」
「ほほう!」
ヴォレットは乗り物と聞いて期待を高めているようだ。
(そういやジェットコースターもまだ作ってやれてなかったな)
五族共和制の施行が宣言されてから間もなくポルヴァーティアとの戦争もあって、最近は実験品の小物や実用的な物ばかり研究していた。
遊びに使える乗り物などは作っていなかった事を思い出した悠介は、今回の大改装が終わって落ち着いたら何か遊具でも作ってやろうかと考えるのだった。
エレベーターは宮殿の入り口から正面奥の壁辺りに、上層階まで突き抜ける大きな柱を立てて、それをシャフトに人が乗る箱を埋め込む形にする。
機械的な構造を無視してギミックモーターは使わず、ギミック機能の動作現象をそのまま使う。自動ドアは安全装置の構築が面倒なので基本的に手動で開閉する。
モーションスイッチによる仕掛けの都合上、移動後に一度全開になる動作だけギミックに追加して、閉じるのはほぼ手動。扉を完全に閉じている状態でないと各階行きのボタンが押せないよう、扉と連動した仕掛けを設けた。モーションスイッチの押し順をストックする機能はないので、一度に指定出来る行き先は一ヵ所のみ。
従って、何処かの階で停まる度に新たに行き先を押し直さなくてはならない。これは、各階の扉脇にある呼び寄せボタンにも連動している。
各階がエレベーター待ちで渋滞すると、早押し合戦の勃発が予想される。
実際に運営する時は、地球世界のデパートに昔居たエレベーターガールのような、管理する人間を置いた方が良いかもしれない。
(ギミック機能のスイッチはモーションのON、OFFと、それに設定した動作しか出来ないからなぁ)
電子制御や魔導技術のような、使い心地の行き届いた便利な動かし方は出来ないが、特定の動きを繰り返す現象故に、誤作動の危険は一切ない。
定員は九人を想定。フル装備の衛士を十人乗せた状態でギミック機能を設定して動力を与える。今日は訓練場に沢山詰め掛けているようなので、手伝い探しには事欠かないだろう。適当な重石ではなくわざわざ人を使うのは、不測の事態にも対応出来るよう考えた。
(移動中に中で大きな動きをして、瞬間的に重量が変わった場合の挙動とか見ておかないとな)
搬入口と倉庫、厨房などを繋ぐベルトコンベヤや、一階の厨房から上層階まで通す小型の荷物専用エレベーターも同じく、ギミック機能をそのまま使った構造で設置する。
「よし、こんなもんか」
悠介は、カスタマイズ画面の中で十分に準備を整えたところで、その内容を現実に反映させるべく自室を後にした。
ヴォルアンス宮殿内に、風技の伝達による『広伝』が響き渡る。
「――間もなく、闇神隊長の神技による改装工事が行われます。対象の区画内に居る人は安全の為、指定の区画へ移動してください。繰り返します――」
三度ほど警告アナウンスが流れた後、宮殿内の対象区画に無数の光のエフェクトが立ち昇った。一階入り口前ホールの奥の壁付近から上層八階まで突き抜けた巨大な光の柱は、そのまま実体化して新たな柱となった。
各階の正面の開けた空間を乗り場のエレベーターホールとして、柱には扉が付いている。扉の脇には呼び寄せボタン。
訓練場まで下りて来た悠介は、ヴォーマル達に指示して予め集めておいた衛士九人に模擬戦用の武具を装備させると、一緒にエレベーターに乗り込んでギミック機能の付与と動作テストを行う。
この場にはヴォレットも居たが、悠介は何時も安全性が確認されるまで新しい乗り物には乗せてくれないと学習しているので、今回は大人しく待っていた。
「とりあえず各階に停まって乗り降りだな。ヴォーマル達も上の階で待機しててくれ」
「了解です」
宮殿衛士隊の自室がある七階にはヒヴォディルも待機していて、呼び寄せボタンを押すテストに参加してくれる。
一般の神民衛士達は、宮殿の上層階に上がるだけでも緊張してしまうので、上層階でのテストは宮殿衛士隊員と闇神隊メンバーで行う予定だ。
「まずは二階に上がってみようか。扉を閉めたらそこのパネルの二階と書いてあるボタンを押してくれ」
「こ、これですか」
扉を閉じると、天井付近に設置されているリーンランプの明かりで、すし詰め状態になっている衛士達の影が浮かび上がる。
パネルの近くに居た衛士が二階行きのボタンを押す。すると、僅かな浮遊感が起きてざわめきがあがった。それらは直ぐに収まり、自動的に扉が開かれる。
「おおっ」
「に、二階の廊下だ」
一階で巨大な柱の中の小さな部屋に入り、ボタンを押した後扉が開かれると、一つ上の階に移動していた。初めてエレベーターを体験した衛士達は、事前に悠介から説明されていたものの、部屋の出口が移動した事に唖然としていた。
こういう驚きも、新しい技術に触れた最初のひと時だけに感じられる新鮮な感動なのだろうなと、微笑ましくも羨ましい気分になる悠介。普通にエレベーターシャフト内に箱を吊り下げて動かしていれば、また反応も違ったのかもしれないが……。
その後も順調に動作テストを重ねて、移動時に箱の中で少々暴れても揺れさえ起きない事。
あまりに大きな衝撃だと一瞬止まる事もあるが、直ぐに何事も無かったように正常に動き出す事が確認出来た。
各階の呼び寄せボタンと箱内の行き先ボタンで早押し合戦をやった場合にどうなるか等も検証し、エレベーターを二基に増やして片方を四階までしか移動しない一般衛士向け、もう片方を上層階まで行き来する宮殿衛士や官僚向けに分けた。
これで、二階や三階に上がろうとした一般衛士が扉を閉じた瞬間、タイミング悪く上層階で先に呼び寄せボタンを押されてしまい、上まで行って気まずい思いをするトラブルを避けられる。
「わはははっ、これは便利じゃ!」
「警備の面で多少気になる部分もあるが、階段での移動が省略されるとここまで速くなるとは」
安全が確認されて悠介から乗ってもOKサインが出ると、ヴォレットは早速大喜びで乗り込んでは、上がったり下りたりして遊んでいる。
そろそろお稽古事の時間なので、直ぐに姫君を確保出来るよう付いて回っているクレイヴォルも、エレベーターによる宮殿内での移動速度の向上ぶりには感心していた。
「ユースケよ、これは展望塔には付けぬのか?」
「そうだな。展望塔に設置してもいいかもな」
今やサンクアディエットの観光名所でもある展望塔。元々はヴォレットの為に悠介が建てた物だ。
エレベーターを設置すれば、休憩階での水技の回復という商売が成り立たなくなるので、小遣い稼ぎをしていた一部の者達からはブーイングが出そうだ。
しかし、凡そ二十階建ての展望塔に上る手段が階段のみというのは、やはりキツイだろう。
「まあ、まずは宮殿からだ。エレベーターの設置は出来たんで、次は搬入口のベルトコンベヤーを調整に行って来るよ」
「うむっ、わらわも後で乗りに行くぞ!」
「あっちは荷物用なんだけどなぁ」
何時ものように、クレイヴォルにお稽古事へと連行されていくヴォレットを見送り、悠介は倉庫と搬入口に繋がる廊下へと歩き出した。
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