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3巻
3-2
「止まれ! 我々はナッハトーム軍第十一強襲機械化部隊だ! 貴殿等は既に包囲されている!」
「武装を解除し、所属を明らかにして投降せよ!」
「グランダール魔導船定期便二〇八エスルア号の船長だ。こっちにゃ怪我人しかいない」
魔導船技術の漏洩防止義務により、こっそり魔導機関の中枢部分に破壊処置を施していた船長がそう答える。
どうにか水平姿勢を保ちながら不時着しようとした魔導船は、一本の大木に激突して操舵室が大破。その際に投げ出された船長はぶつかった木に引っ掛かり、折れた木がゆっくり倒れたので軽い打ち身程度で済んだが、操舵士は圧し潰されて死亡した。
船体に掴まっていた見張り役や護衛の兵も同じく衝撃で投げ出され、相当な高さから落ちた為に助からなかった。
「定期便だと……?」
「輸送船か? 積荷は何だ」
「アリアトルネに送る働き手だよ。なあ、あんたらに治癒術士はいないのか?」
船室にいた使用人達も頭を強く打つなどして二人の死亡が確認され、残った内の半数が骨折や打撲で重軽傷を負っている。治癒を施せばまだ助かる筈だと怪我人の救助を要請する船長に促され、ナッハトーム兵が残骸の裏側に回り込むと――
「あ、コウ君……気が付いた?」
「あれ? ここは……」
「よかった、何処も痛い所ない?」
「うん、ボクはだいじょうぶだけど……なんだかさっきまで別のばしょにいた気がする」
そこには、小さな子供や怪我人を介抱する若い使用人達の姿があった。船体の近くには両手を胸に交差して横たわる二人の遺体。こちらも使用人の服を着た女性だ。
「まさか、民間船だったのか!?」
「いや、魔導船は軍が管理してるから一応軍属ではあるが……まあ、運用内容は民間の乗合馬車みたいなもんだ」
撃墜した魔導船に乗っていたのは殆どが民間人の女子供であった事を知り、強襲部隊の兵士達は若干テンションを下げている。
とりあえず捕虜として連行する事にした彼等は、運搬用の車両を呼び寄せる。やがて独特の機械音を響かせながら、足場の悪い森の中を切り開くように進む戦車が現れた。
バラッセの街での戦闘に投入された拠点制圧用の重装甲型と違い、こちらは機動性を重視した強襲機械化部隊仕様の軽量戦車である。
魔導船の残骸が調べられている間、船長と使用人達、それにコウの八人は捕虜として二台の戦車に分乗させられた。転落死した護衛や見張り役の兵、使用人の遺体は、その場で魔導船の残骸と共に火葬される。
船長は遺品として乗組員の兵士から形見の品となる物を預かり、使用人達も同僚の家族や知り合いと再会できた折に返せるよう、死者が身に着けていたモノをそれぞれ預かった。
「コウ君、大丈夫? 顔色が悪いみたい」
「だいじょうぶ、なんともないよ」
言葉少なに答えるコウは、戦車の後部扉から魔導船の残骸を見つめていた。死亡した使用人の二人は、魔導船に乗る際、最初に声を掛けてくれた人達だ。
どうして助けられなかったんだろう? と自問自答するコウは、先程の現象を思い出す。
船が墜落し始めた時、コウは複合体を出して皆を護ろうと考えたのだが、突然意識を突き破るように浮かんだ情景によって自身の存在がぶれるのを感じた。まるで自分が消滅するかの如く霞んでいく感覚。遠くなる音と景色。
気が付くと、横倒しになった船室で今声を掛けてくれているお姉さんの腕の中にいた。そして、先程目覚めた時から何処かに意識を引っ張られているような感覚が消えないでいる。顔色が優れないように見えるのはその為であった。
「私達、どうなるのかしら……」
後部扉が閉じられた薄暗い戦車の中で、使用人の誰かが呟いた。
◆ ◆ ◆
グランダール西域の街、グリデンタに近い森上空で魔導船エスルア号が消息を絶ったのと同じ頃、ナッハトームの宮殿内には、寝着姿のまま廊下を駆け抜ける皇女スィルアッカの姿があった。
薄い寝着姿で夜の廊下を駆ける皇女様に驚いたりうろたえたりする巡回中の兵達を尻目に、離宮の奥部屋へ飛び込んだスィルアッカは、世話係の侍女に事情を訊ねる。
「〝彼〟の意識が戻ったと?」
「いえ、それが……」
今まで何の反応も示さず眠り続けていた〝彼〟が、突然もがくように呻きながら腕を持ち上げる動作を見せたのだという。すぐにそれは治まり、今はまた静かに眠っている。
「まるで、うなされているようでした」
「ふむ……精神や意識のない状態でも、悪夢を見たりするのだろうか」
それから暫くして側近の侍女がやって来たので、スィルアッカは報告に耳を傾ける。側近によれば、監視させている祈祷士にこれといった怪しい動きは見られなかったという。
「何が原因かは分からないが、〝彼〟が目覚める予兆かもしれんな」
また何か反応があればすぐに知らせるようにと、引き続き〝彼〟の世話と観察を申し付けたスィルアッカは、離宮の奥部屋を後にした。
「スィル将軍! って――し、失礼しましたっ!」
離宮を出て宮殿の自室へ戻る途中、軍施設区画に向かう廊下を走っていた若い将校がスィルアッカに気付いて声を掛けて来た、が、身体のラインが艶かしく透けて見える薄い寝着姿に目を見張ると、顔を真っ赤にしながら慌てて背を向けた。
「構わん、何があった?」
「は、はっ、実は――」
国境の砦を攻めていた部隊からの急報によると、グランダールが雇った傭兵集団の急襲を受けて包囲網が一部崩れているとの事で、大至急の応援要請が来ているそうだ。
「アリアトルネの攻略も予定が遅れているな……」
「周辺の街も防備を固めて来ましたから、強襲部隊の遊撃作戦は効果が落ちてきています」
「やはり拠点を確保しなければ限界があるか」
スィルアッカには、今回の戦いで南東部への入り口である国境地帯の砦だけは押さえておきたいという思惑がある。
砦はあの一帯に設けられた強固な門であり、その開閉によって軍隊に限らず一般の商人達が扱う穀物や日用品など流通全般に影響を与える事ができる。土地柄上、食糧事情が厳しいナッハトームとしては往来を司る門の主導権は握っておきたい。
グランダール領の街を攻略するのも、軍民含めてできるだけ多くの捕虜を得て、捕虜交換や、身代金をせしめて機械化兵器開発に費やした膨大な資金の回収を図るのが主な目的である。
――膨大な研究開発費、つまりは支分国からの借金も返さなくてはならないのだ。
「せっかく稼いだ緒戦の勢いをここで削がれたくはないな、私が出るか」
「っ! 将軍自ら砦の攻略に?」
砦の攻略に時間を掛ければ、必ずレオゼオス王からの巻き返しが来る。その前に一気に攻め落とさなければならない。今が攻め時と見たスィルアッカは、そのまま総司令部へ足を向けた。
アリアトルネの街から『魔導船の定期便が到着予定日になっても現れない』と報せを受けたグランダール軍は、冒険者協会の協力を得て航路で捜索していた。そこへグリデンタの街より『行方不明になった魔導船エスルア号の乗組員と思われる男性を保護した』との報せが届けられた。
見張り役だった彼はエスルア号が撃墜される直前に船から落ちたのだが、幸いにも木の枝に引っ掛かって一命を取り留めていた。
そしてこれも不幸中の幸いか、戦車を引き連れたナッハトーム軍の強襲部隊が十数日間も付近の森の中で活動していた為に、獣や魔物の類がこの辺りから居なくなっていた。その為、森の中を単身さまよったにもかかわらず、彼は魔物や獣に襲われる事なく生還できたのだ。
どうにかグリデンタの街に辿り着いた彼からエスルア号の事が知らされたのは、墜落から三日目。王都にその一報が入ったのは四日目の事であった。
これまでにも魔導器の故障や悪天候による事故などで魔導船が墜落した事はあったものの、敵対者からの攻撃を受けて撃墜された例はなく、エスルア号はグランダール軍に所属する魔導船で初の被害船となった。
軍仕様の船ではなかったとはいえ、魔導船が撃墜された事実は今まで各地域で制空権をほしいままにしてきた優位性が揺らいだ事を示しており、王都では急遽対策を練る為の会議が開かれた。
「今回の戦い、少々厳しくなるかもしれんな」
レオゼオス王は城の最上階にあるテラスから西の砦方面の空を見詰めると、独りそう呟いた。
2
ナッハトーム帝国領に向かう第十一強襲機械化部隊は、グリデンタ近郊の森を抜けて湾沿いに北上し、これからナッハトーム側へ抜ける国境地帯に差し掛かろうとしていた。砦の近くを横切るので、攻略中の部隊が展開している様子を眺める事ができる。
「前方に友軍!」
「第三機械化歩兵部隊ですね」
「アリアトルネ方面に向かってた連中だな」
「確か〝滑走機〟を導入してた部隊だっけか?」
並走する二台の戦車の上から味方部隊の武装馬車に合図を送り、互いの距離を詰めていく。戦車内に押し込められているエスルア号の船長や使用人達は外の様子が分からないので、兵達の話し声から周囲の状況を窺っていた。
「よう! そっちも砦に向かうのか?」
「俺らは捕虜の輸送だよ、あんたらは砦の攻略に加わるのか?」
「ん? ああ、グリデンタ方面の部隊にはまだ連絡が行ってないんだな。今こっちに来てる部隊には召集が掛かってるんだぜ」
ナッハトーム軍の最高司令官、スィルアッカ皇女殿下が自ら砦の攻略に出向くとあって、グランダール領に侵攻中だった他の部隊もその指揮下に入るべく、引き揚げて来ているのだという。
「スィル将軍がご出陣するのか!? そりゃ凄い」
戦車の上にまたがる兵士と武装馬車に乗り込んでいる兵士達がそんな会話を交わしている間に、第十一強襲機械化部隊にも同様の指令の通達が、〝対の遠声〟の劣化模造品から伝えられた。
砦を奪取して拠点にできれば捕虜を置いていけるため、輸送する数は半分で済むようになる。見張りに兵力を割かれるのも問題なので、軍属の敵兵はそのまま本国へ輸送。脅威にならない一般民の捕虜は砦攻略の間、陣後方で待機させる。
――ちなみにこの〝対の遠声〟の模造品、声を届けられる範囲は正規品の半分ほどしかなく、音も小さくて聞き取り難いので互いに大声になってしまう。この事から、兵達の間では〝対の大声〟などと揶揄されている。
おかげで戦車内にいる捕虜のコウ達にも、通信内容が丸分かりであった。
「私達、砦の所で降ろされるみたいね」
「今後の待遇が気になるわ……この部隊の人達は紳士的だったけど、人って群れると豹変する事もあるから」
ナッハトームの兵達が話題にするスィル将軍という人物の人柄によっては、色々覚悟しなければならないだろうと使用人達は囁き合う。そんな中、コウは何処かへ引っ張られる感覚に少しずつ馴染んできており、意識が流れようとする方向に集中してその原因を探っていた。
『うーん、方角は北西かぁ』
憑依して身体を得ている間はこの場に留まっていられるようだが、憑依を解いたら一気に引き寄せられてしまいそうだ。何処へ引かれて行くのか興味はあるものの、自分の存在が消えてしまいそうな感覚には不安を覚える。
国境に近付くにつれて、ナッハトームの侵攻部隊がぞくぞくと集まってくる。やがて第十一強襲機械化部隊は西の砦前に置かれたナッハトーム軍の陣地に入ると、そこで車両を停車させた。
スィル将軍が率いる精鋭団が来ているらしく、軍旗の翻る陣の中央に張られたひと際大きなテントが目立っている。
陣地後方に捕虜を一時収容する場所が設けられ、捕虜の一般民や非戦闘員を集めると、ここでの生活について注意事項などの説明がなされた。
食事と身の安全は保証されるが、雑用など一定の労働を課せられるという。集められた捕虜達を観察するコウは、自分達と同じく比較的健康そうな一団とは別に、痛々しい痣を顔に残す、見るからに憔悴している様子の人達を何人か見掛けた。
彼等がナッハトーム兵に向ける眼差しは、ぎらつくような恨みの籠もったものから達観めいたものまで様々だ。やがて見張りの兵を残して仮収容所の柵が閉じられると、捕虜達はそれぞれのグループで固まってテントに向かったり、他のグループと交流を図ったりし始める。
エスルア号の船長は積極的によそのグループに話しかけて、情報収集を始めたようだ。コウも冒険者の心得とばかりにそれに倣おうとしたが――
「もう~、コウ君はちょっと目を離すとすぐどっか行っちゃうんだから」
「移動中も殆ど寝てなかったみたいだし、まだ調子も悪そうだし……」
「テントの中なら落ち着いてゆっくり眠れると思うわ」
――使用人のお姉さん方から『子供は休まなくちゃダメ』と、テントに連行されていく。
「ひとりで歩けるよー」
「だーめっ」
『むぎゅ』と、逃げられないようがっちり抱っこされて運ばれるコウなのであった。
◆ ◆ ◆
夜、皆が寝静まった頃。狸寝入りの修業を終えたコウはお姉さん方の隙間から抜け出し、テントの外に出た。砦のある方角に沢山の篝火が焚かれているので、街の近くにいるように明るい。
その炎によって橙色に照らし出された大型投擲器の影が地面に長く延びて揺れ、天辺で作業をしている人影を映し出す。昼間の攻防で砦から反撃を受けて、何処か壊れたらしい。
「今度は第二部隊が急襲を受けたんだってな」
「ああ、またヴァロウ隊だよ」
てくてくと柵の近くを歩いていたコウは、兵士達の話し声が聞こえたので耳を欹てた。
「あいつらか……やっぱ影術士の仕業か?」
「らしいな、いっそエイオアから呪術士を呼んで簡易結界を張らせようかって話も出てる」
「エイオアは協力しないだろう」
「いや、また暗部同盟を使うつもりなんじゃないかな」
我が国は魔術関連には弱いからなぁと、兵士達はボヤキのような雑談を交わす。砦の包囲網が完成しようとする度に、ヴァロウ隊の急襲を受けて布陣の一角が崩されてしまうので、中々総攻撃の足並みが揃わないでいるのだ。
どうやら以前武闘会でコウと戦ったヴァロウ隊の影術士、リトアネーゼが頑張っているらしい。
複合体に乗り換えて砦の防衛やヴァロウ隊の援護に行きたいコウだったが、召喚を解いて精神体になると何処かに引っ張っていかれそうなので少年型を解除できないでいた。それに、捕虜仲間である使用人のお姉さん達の事もある。
やたらとコウを構いたがる彼女達の思考を読んで理解した事が一つあった。
ある意味極限状況でもある、捕虜生活という今の環境下。保護者のように小さな子供を護るという責任感が彼女達の不安を軽減し、それによって心のバランスを保っている事が窺えた。コウを心配して構うのは、彼女達自身が抱える不安の裏返しでもあるのだ。
(敵を倒す事だけが戦いではないって、エルメールさんも言ってたよね)
テントに戻って来たコウが寝床に潜り込もうとすると、コウを挟んでいたお姉さんがむっくり半身を起こして寝ぼけ眼で問い掛けた。
「コウ君……何処行ってたの?」
「ちょっとおしっこ」
「そう……ああ、かぶれたら大変だわ、拭いてあげようか?」
「だいじょうぶだよー」
彼女達の心の平穏を護る為、コウは今しばらく、癒し系マスコットのポジションに身を置く事にしたのだった。
◆ ◆ ◆
コウ達がこの陣地に運ばれて二日目。スィル将軍の参戦で兵達の士気が上がっているナッハトーム軍は戦車や大型投擲器、機械化歩兵の筒型火炎槍や携帯砲、携帯炸裂弾といった新型兵器を大量に投入して、砦を一気に落とさんと苛烈に攻めている。
しかし、砦を護るユタ司令官もよく踏ん張っており、ヴァロウ隊を中心にした傭兵部隊での夜襲と砦防壁の突貫修復でナッハトームの猛攻を凌いでいた。
崩しても崩しても翌日には修復される無限防壁に、崩しても崩しても翌日には再編成される無限包囲網の攻防が続く。そんな折、近くレイオス王子が軍を率いて戦場入りするという噂が両軍に流れた。
「レイオス第一王子は〝金色の剣竜隊〟という冒険者グループを率いる武闘派王子ですね」
「ふむ……レオゼオス王の将器を受け継ぐやもしれぬ相手か」
側近とそんな会話を交わしたスィルアッカは、『攻略を急がねばならんな』と呟くと、思いの外堅牢でてこずっている砦を睨む。
本国から連れてきた自分の精鋭団は砦攻略を始めて四日ほどしか経っていないので、士気もまだ十分に高く戦闘意欲を保っている。だが、開戦当初から砦の攻略に当たっていた部隊にはそろそろ疲弊が目立ち始めている。
「最悪、砦を落とせず撤退する事になっても、既に目的は果たしています」
「まあ、確かにな」
戦場においても侍女のスタイルを崩さない側近に、苦笑で応えるスィルアッカ。ここを押さえておきたいのは確かだが、それはもっと先を見越しての思惑であり、今やらねばならない事ではない。
今回の戦いの本当の目的は、今現在グランダールと互角に戦っている時点で達成している。
「しかしまあ、折角ここまで来たのだ。なるべく良い形で終わらせたいじゃないか?」
「砦の兵を捕虜にできれば、借金も一気に返せそうですしね」
スィルアッカの肩の力を抜いた話し方に応じ、側近の侍女は硬い雰囲気を崩してクスリと笑う。そして、エパティタに派遣した遠征艦隊も、捕虜の数が勝っている今の内にとっとと引き揚げさせるのがよろしいでしょうと進言した。
「そうだな。明日もう一当て総攻撃を仕掛けて、それで駄目なら帝都に帰ろう」
「では、そのように」
◆ ◆ ◆
十四回目の攻防がひと段落した夕刻頃。火炎樽が底をついて後方に下げられる投擲器や故障した戦車の牽引、燃料となる触媒鉱石の補給など、ナッハトーム軍の砦攻略部隊陣営では明日の総攻撃に備えて最後の調整が行われていた。
当初の作戦ではこの砦攻めと同時にアリアトルネやその周辺の街にも攻撃を仕掛け、早い段階で砦かアリアトルネを占領し、そこを拠点に国境線を押し上げ、兵力を逐次投入する事でこの区域一帯を完全に掌握、帝国領に組み込む予定だった。
だが砦の堅牢さは予想以上で、緒戦の一撃にて半壊させたにもかかわらず機能を失わなかったばかりか、開戦二日目で砦上空に現れたグランダール軍の魔導船より支援を受けて、一夜で防壁を修繕してみせるという魔導建築技術の高さを見せつけた。
「武装を解除し、所属を明らかにして投降せよ!」
「グランダール魔導船定期便二〇八エスルア号の船長だ。こっちにゃ怪我人しかいない」
魔導船技術の漏洩防止義務により、こっそり魔導機関の中枢部分に破壊処置を施していた船長がそう答える。
どうにか水平姿勢を保ちながら不時着しようとした魔導船は、一本の大木に激突して操舵室が大破。その際に投げ出された船長はぶつかった木に引っ掛かり、折れた木がゆっくり倒れたので軽い打ち身程度で済んだが、操舵士は圧し潰されて死亡した。
船体に掴まっていた見張り役や護衛の兵も同じく衝撃で投げ出され、相当な高さから落ちた為に助からなかった。
「定期便だと……?」
「輸送船か? 積荷は何だ」
「アリアトルネに送る働き手だよ。なあ、あんたらに治癒術士はいないのか?」
船室にいた使用人達も頭を強く打つなどして二人の死亡が確認され、残った内の半数が骨折や打撲で重軽傷を負っている。治癒を施せばまだ助かる筈だと怪我人の救助を要請する船長に促され、ナッハトーム兵が残骸の裏側に回り込むと――
「あ、コウ君……気が付いた?」
「あれ? ここは……」
「よかった、何処も痛い所ない?」
「うん、ボクはだいじょうぶだけど……なんだかさっきまで別のばしょにいた気がする」
そこには、小さな子供や怪我人を介抱する若い使用人達の姿があった。船体の近くには両手を胸に交差して横たわる二人の遺体。こちらも使用人の服を着た女性だ。
「まさか、民間船だったのか!?」
「いや、魔導船は軍が管理してるから一応軍属ではあるが……まあ、運用内容は民間の乗合馬車みたいなもんだ」
撃墜した魔導船に乗っていたのは殆どが民間人の女子供であった事を知り、強襲部隊の兵士達は若干テンションを下げている。
とりあえず捕虜として連行する事にした彼等は、運搬用の車両を呼び寄せる。やがて独特の機械音を響かせながら、足場の悪い森の中を切り開くように進む戦車が現れた。
バラッセの街での戦闘に投入された拠点制圧用の重装甲型と違い、こちらは機動性を重視した強襲機械化部隊仕様の軽量戦車である。
魔導船の残骸が調べられている間、船長と使用人達、それにコウの八人は捕虜として二台の戦車に分乗させられた。転落死した護衛や見張り役の兵、使用人の遺体は、その場で魔導船の残骸と共に火葬される。
船長は遺品として乗組員の兵士から形見の品となる物を預かり、使用人達も同僚の家族や知り合いと再会できた折に返せるよう、死者が身に着けていたモノをそれぞれ預かった。
「コウ君、大丈夫? 顔色が悪いみたい」
「だいじょうぶ、なんともないよ」
言葉少なに答えるコウは、戦車の後部扉から魔導船の残骸を見つめていた。死亡した使用人の二人は、魔導船に乗る際、最初に声を掛けてくれた人達だ。
どうして助けられなかったんだろう? と自問自答するコウは、先程の現象を思い出す。
船が墜落し始めた時、コウは複合体を出して皆を護ろうと考えたのだが、突然意識を突き破るように浮かんだ情景によって自身の存在がぶれるのを感じた。まるで自分が消滅するかの如く霞んでいく感覚。遠くなる音と景色。
気が付くと、横倒しになった船室で今声を掛けてくれているお姉さんの腕の中にいた。そして、先程目覚めた時から何処かに意識を引っ張られているような感覚が消えないでいる。顔色が優れないように見えるのはその為であった。
「私達、どうなるのかしら……」
後部扉が閉じられた薄暗い戦車の中で、使用人の誰かが呟いた。
◆ ◆ ◆
グランダール西域の街、グリデンタに近い森上空で魔導船エスルア号が消息を絶ったのと同じ頃、ナッハトームの宮殿内には、寝着姿のまま廊下を駆け抜ける皇女スィルアッカの姿があった。
薄い寝着姿で夜の廊下を駆ける皇女様に驚いたりうろたえたりする巡回中の兵達を尻目に、離宮の奥部屋へ飛び込んだスィルアッカは、世話係の侍女に事情を訊ねる。
「〝彼〟の意識が戻ったと?」
「いえ、それが……」
今まで何の反応も示さず眠り続けていた〝彼〟が、突然もがくように呻きながら腕を持ち上げる動作を見せたのだという。すぐにそれは治まり、今はまた静かに眠っている。
「まるで、うなされているようでした」
「ふむ……精神や意識のない状態でも、悪夢を見たりするのだろうか」
それから暫くして側近の侍女がやって来たので、スィルアッカは報告に耳を傾ける。側近によれば、監視させている祈祷士にこれといった怪しい動きは見られなかったという。
「何が原因かは分からないが、〝彼〟が目覚める予兆かもしれんな」
また何か反応があればすぐに知らせるようにと、引き続き〝彼〟の世話と観察を申し付けたスィルアッカは、離宮の奥部屋を後にした。
「スィル将軍! って――し、失礼しましたっ!」
離宮を出て宮殿の自室へ戻る途中、軍施設区画に向かう廊下を走っていた若い将校がスィルアッカに気付いて声を掛けて来た、が、身体のラインが艶かしく透けて見える薄い寝着姿に目を見張ると、顔を真っ赤にしながら慌てて背を向けた。
「構わん、何があった?」
「は、はっ、実は――」
国境の砦を攻めていた部隊からの急報によると、グランダールが雇った傭兵集団の急襲を受けて包囲網が一部崩れているとの事で、大至急の応援要請が来ているそうだ。
「アリアトルネの攻略も予定が遅れているな……」
「周辺の街も防備を固めて来ましたから、強襲部隊の遊撃作戦は効果が落ちてきています」
「やはり拠点を確保しなければ限界があるか」
スィルアッカには、今回の戦いで南東部への入り口である国境地帯の砦だけは押さえておきたいという思惑がある。
砦はあの一帯に設けられた強固な門であり、その開閉によって軍隊に限らず一般の商人達が扱う穀物や日用品など流通全般に影響を与える事ができる。土地柄上、食糧事情が厳しいナッハトームとしては往来を司る門の主導権は握っておきたい。
グランダール領の街を攻略するのも、軍民含めてできるだけ多くの捕虜を得て、捕虜交換や、身代金をせしめて機械化兵器開発に費やした膨大な資金の回収を図るのが主な目的である。
――膨大な研究開発費、つまりは支分国からの借金も返さなくてはならないのだ。
「せっかく稼いだ緒戦の勢いをここで削がれたくはないな、私が出るか」
「っ! 将軍自ら砦の攻略に?」
砦の攻略に時間を掛ければ、必ずレオゼオス王からの巻き返しが来る。その前に一気に攻め落とさなければならない。今が攻め時と見たスィルアッカは、そのまま総司令部へ足を向けた。
アリアトルネの街から『魔導船の定期便が到着予定日になっても現れない』と報せを受けたグランダール軍は、冒険者協会の協力を得て航路で捜索していた。そこへグリデンタの街より『行方不明になった魔導船エスルア号の乗組員と思われる男性を保護した』との報せが届けられた。
見張り役だった彼はエスルア号が撃墜される直前に船から落ちたのだが、幸いにも木の枝に引っ掛かって一命を取り留めていた。
そしてこれも不幸中の幸いか、戦車を引き連れたナッハトーム軍の強襲部隊が十数日間も付近の森の中で活動していた為に、獣や魔物の類がこの辺りから居なくなっていた。その為、森の中を単身さまよったにもかかわらず、彼は魔物や獣に襲われる事なく生還できたのだ。
どうにかグリデンタの街に辿り着いた彼からエスルア号の事が知らされたのは、墜落から三日目。王都にその一報が入ったのは四日目の事であった。
これまでにも魔導器の故障や悪天候による事故などで魔導船が墜落した事はあったものの、敵対者からの攻撃を受けて撃墜された例はなく、エスルア号はグランダール軍に所属する魔導船で初の被害船となった。
軍仕様の船ではなかったとはいえ、魔導船が撃墜された事実は今まで各地域で制空権をほしいままにしてきた優位性が揺らいだ事を示しており、王都では急遽対策を練る為の会議が開かれた。
「今回の戦い、少々厳しくなるかもしれんな」
レオゼオス王は城の最上階にあるテラスから西の砦方面の空を見詰めると、独りそう呟いた。
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ナッハトーム帝国領に向かう第十一強襲機械化部隊は、グリデンタ近郊の森を抜けて湾沿いに北上し、これからナッハトーム側へ抜ける国境地帯に差し掛かろうとしていた。砦の近くを横切るので、攻略中の部隊が展開している様子を眺める事ができる。
「前方に友軍!」
「第三機械化歩兵部隊ですね」
「アリアトルネ方面に向かってた連中だな」
「確か〝滑走機〟を導入してた部隊だっけか?」
並走する二台の戦車の上から味方部隊の武装馬車に合図を送り、互いの距離を詰めていく。戦車内に押し込められているエスルア号の船長や使用人達は外の様子が分からないので、兵達の話し声から周囲の状況を窺っていた。
「よう! そっちも砦に向かうのか?」
「俺らは捕虜の輸送だよ、あんたらは砦の攻略に加わるのか?」
「ん? ああ、グリデンタ方面の部隊にはまだ連絡が行ってないんだな。今こっちに来てる部隊には召集が掛かってるんだぜ」
ナッハトーム軍の最高司令官、スィルアッカ皇女殿下が自ら砦の攻略に出向くとあって、グランダール領に侵攻中だった他の部隊もその指揮下に入るべく、引き揚げて来ているのだという。
「スィル将軍がご出陣するのか!? そりゃ凄い」
戦車の上にまたがる兵士と武装馬車に乗り込んでいる兵士達がそんな会話を交わしている間に、第十一強襲機械化部隊にも同様の指令の通達が、〝対の遠声〟の劣化模造品から伝えられた。
砦を奪取して拠点にできれば捕虜を置いていけるため、輸送する数は半分で済むようになる。見張りに兵力を割かれるのも問題なので、軍属の敵兵はそのまま本国へ輸送。脅威にならない一般民の捕虜は砦攻略の間、陣後方で待機させる。
――ちなみにこの〝対の遠声〟の模造品、声を届けられる範囲は正規品の半分ほどしかなく、音も小さくて聞き取り難いので互いに大声になってしまう。この事から、兵達の間では〝対の大声〟などと揶揄されている。
おかげで戦車内にいる捕虜のコウ達にも、通信内容が丸分かりであった。
「私達、砦の所で降ろされるみたいね」
「今後の待遇が気になるわ……この部隊の人達は紳士的だったけど、人って群れると豹変する事もあるから」
ナッハトームの兵達が話題にするスィル将軍という人物の人柄によっては、色々覚悟しなければならないだろうと使用人達は囁き合う。そんな中、コウは何処かへ引っ張られる感覚に少しずつ馴染んできており、意識が流れようとする方向に集中してその原因を探っていた。
『うーん、方角は北西かぁ』
憑依して身体を得ている間はこの場に留まっていられるようだが、憑依を解いたら一気に引き寄せられてしまいそうだ。何処へ引かれて行くのか興味はあるものの、自分の存在が消えてしまいそうな感覚には不安を覚える。
国境に近付くにつれて、ナッハトームの侵攻部隊がぞくぞくと集まってくる。やがて第十一強襲機械化部隊は西の砦前に置かれたナッハトーム軍の陣地に入ると、そこで車両を停車させた。
スィル将軍が率いる精鋭団が来ているらしく、軍旗の翻る陣の中央に張られたひと際大きなテントが目立っている。
陣地後方に捕虜を一時収容する場所が設けられ、捕虜の一般民や非戦闘員を集めると、ここでの生活について注意事項などの説明がなされた。
食事と身の安全は保証されるが、雑用など一定の労働を課せられるという。集められた捕虜達を観察するコウは、自分達と同じく比較的健康そうな一団とは別に、痛々しい痣を顔に残す、見るからに憔悴している様子の人達を何人か見掛けた。
彼等がナッハトーム兵に向ける眼差しは、ぎらつくような恨みの籠もったものから達観めいたものまで様々だ。やがて見張りの兵を残して仮収容所の柵が閉じられると、捕虜達はそれぞれのグループで固まってテントに向かったり、他のグループと交流を図ったりし始める。
エスルア号の船長は積極的によそのグループに話しかけて、情報収集を始めたようだ。コウも冒険者の心得とばかりにそれに倣おうとしたが――
「もう~、コウ君はちょっと目を離すとすぐどっか行っちゃうんだから」
「移動中も殆ど寝てなかったみたいだし、まだ調子も悪そうだし……」
「テントの中なら落ち着いてゆっくり眠れると思うわ」
――使用人のお姉さん方から『子供は休まなくちゃダメ』と、テントに連行されていく。
「ひとりで歩けるよー」
「だーめっ」
『むぎゅ』と、逃げられないようがっちり抱っこされて運ばれるコウなのであった。
◆ ◆ ◆
夜、皆が寝静まった頃。狸寝入りの修業を終えたコウはお姉さん方の隙間から抜け出し、テントの外に出た。砦のある方角に沢山の篝火が焚かれているので、街の近くにいるように明るい。
その炎によって橙色に照らし出された大型投擲器の影が地面に長く延びて揺れ、天辺で作業をしている人影を映し出す。昼間の攻防で砦から反撃を受けて、何処か壊れたらしい。
「今度は第二部隊が急襲を受けたんだってな」
「ああ、またヴァロウ隊だよ」
てくてくと柵の近くを歩いていたコウは、兵士達の話し声が聞こえたので耳を欹てた。
「あいつらか……やっぱ影術士の仕業か?」
「らしいな、いっそエイオアから呪術士を呼んで簡易結界を張らせようかって話も出てる」
「エイオアは協力しないだろう」
「いや、また暗部同盟を使うつもりなんじゃないかな」
我が国は魔術関連には弱いからなぁと、兵士達はボヤキのような雑談を交わす。砦の包囲網が完成しようとする度に、ヴァロウ隊の急襲を受けて布陣の一角が崩されてしまうので、中々総攻撃の足並みが揃わないでいるのだ。
どうやら以前武闘会でコウと戦ったヴァロウ隊の影術士、リトアネーゼが頑張っているらしい。
複合体に乗り換えて砦の防衛やヴァロウ隊の援護に行きたいコウだったが、召喚を解いて精神体になると何処かに引っ張っていかれそうなので少年型を解除できないでいた。それに、捕虜仲間である使用人のお姉さん達の事もある。
やたらとコウを構いたがる彼女達の思考を読んで理解した事が一つあった。
ある意味極限状況でもある、捕虜生活という今の環境下。保護者のように小さな子供を護るという責任感が彼女達の不安を軽減し、それによって心のバランスを保っている事が窺えた。コウを心配して構うのは、彼女達自身が抱える不安の裏返しでもあるのだ。
(敵を倒す事だけが戦いではないって、エルメールさんも言ってたよね)
テントに戻って来たコウが寝床に潜り込もうとすると、コウを挟んでいたお姉さんがむっくり半身を起こして寝ぼけ眼で問い掛けた。
「コウ君……何処行ってたの?」
「ちょっとおしっこ」
「そう……ああ、かぶれたら大変だわ、拭いてあげようか?」
「だいじょうぶだよー」
彼女達の心の平穏を護る為、コウは今しばらく、癒し系マスコットのポジションに身を置く事にしたのだった。
◆ ◆ ◆
コウ達がこの陣地に運ばれて二日目。スィル将軍の参戦で兵達の士気が上がっているナッハトーム軍は戦車や大型投擲器、機械化歩兵の筒型火炎槍や携帯砲、携帯炸裂弾といった新型兵器を大量に投入して、砦を一気に落とさんと苛烈に攻めている。
しかし、砦を護るユタ司令官もよく踏ん張っており、ヴァロウ隊を中心にした傭兵部隊での夜襲と砦防壁の突貫修復でナッハトームの猛攻を凌いでいた。
崩しても崩しても翌日には修復される無限防壁に、崩しても崩しても翌日には再編成される無限包囲網の攻防が続く。そんな折、近くレイオス王子が軍を率いて戦場入りするという噂が両軍に流れた。
「レイオス第一王子は〝金色の剣竜隊〟という冒険者グループを率いる武闘派王子ですね」
「ふむ……レオゼオス王の将器を受け継ぐやもしれぬ相手か」
側近とそんな会話を交わしたスィルアッカは、『攻略を急がねばならんな』と呟くと、思いの外堅牢でてこずっている砦を睨む。
本国から連れてきた自分の精鋭団は砦攻略を始めて四日ほどしか経っていないので、士気もまだ十分に高く戦闘意欲を保っている。だが、開戦当初から砦の攻略に当たっていた部隊にはそろそろ疲弊が目立ち始めている。
「最悪、砦を落とせず撤退する事になっても、既に目的は果たしています」
「まあ、確かにな」
戦場においても侍女のスタイルを崩さない側近に、苦笑で応えるスィルアッカ。ここを押さえておきたいのは確かだが、それはもっと先を見越しての思惑であり、今やらねばならない事ではない。
今回の戦いの本当の目的は、今現在グランダールと互角に戦っている時点で達成している。
「しかしまあ、折角ここまで来たのだ。なるべく良い形で終わらせたいじゃないか?」
「砦の兵を捕虜にできれば、借金も一気に返せそうですしね」
スィルアッカの肩の力を抜いた話し方に応じ、側近の侍女は硬い雰囲気を崩してクスリと笑う。そして、エパティタに派遣した遠征艦隊も、捕虜の数が勝っている今の内にとっとと引き揚げさせるのがよろしいでしょうと進言した。
「そうだな。明日もう一当て総攻撃を仕掛けて、それで駄目なら帝都に帰ろう」
「では、そのように」
◆ ◆ ◆
十四回目の攻防がひと段落した夕刻頃。火炎樽が底をついて後方に下げられる投擲器や故障した戦車の牽引、燃料となる触媒鉱石の補給など、ナッハトーム軍の砦攻略部隊陣営では明日の総攻撃に備えて最後の調整が行われていた。
当初の作戦ではこの砦攻めと同時にアリアトルネやその周辺の街にも攻撃を仕掛け、早い段階で砦かアリアトルネを占領し、そこを拠点に国境線を押し上げ、兵力を逐次投入する事でこの区域一帯を完全に掌握、帝国領に組み込む予定だった。
だが砦の堅牢さは予想以上で、緒戦の一撃にて半壊させたにもかかわらず機能を失わなかったばかりか、開戦二日目で砦上空に現れたグランダール軍の魔導船より支援を受けて、一夜で防壁を修繕してみせるという魔導建築技術の高さを見せつけた。
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