目付きの悪い俺が黒猫に振り回されてます。

海野(サブ)

文字の大きさ
33 / 51
前編

33

しおりを挟む
 同窓会が開かれてから良いことばかり起きるようになった。まず休憩中に先輩も話に加わるようになったのだ。まぁ相変わらず上から目線でそこは灰島さんも困っているようだが、以前より横暴な態度は見せなくなっていた。前よりも親しくなったとは思う。
 そして銀原君からメールが来て、一緒に飲みに行かないかと誘われた。まさか誘われるとは思っていなかったので俺は驚いて、喜んだ。そして銀原君とは仕事が終わった後に少しばかりだが一緒に飲みに行ったりしている。今日も飲みに行く約束をしている。
 俺は浮かれっぱなしで気分良く生活していた。

「ねぇ、シロウ。明日暇だよね?久しぶりに一緒に過ごしたいなー♪」
 
 それとは対照に、クロは最近妙に機嫌悪い気がする。いや表面上では笑顔で過ごしているが、なんとなく目が笑ってない気がする。

「あー、悪いけど明日は灰島さんと出かける予定出来ちまって…」

「……ふーん、わかった。」

 正確にはカフェで飾る装飾品を買うためであって、別にデートではない。ちゃんとお金は支払ってくれる。
 クロはこれ以上は何も言ってこない。
 なんか申し訳ない。けど先約があるわけだし仕方ないとは思っている。

「あ、もうこんな時間だ。行ってくる。今日も遅くなるから先寝ててくれ。」

「……わかった、いってらっしゃーい。」

 ーーーーーーーーーー

 仕事が終わって、銀原君と飲みに行った。銀原君と共通の趣味があって、それについて2人で語り合った。
 そして居酒屋から出た後、酔っ払ってふらついている銀原君を支えながら駅に向かっていた。

「銀原君大丈夫…?」

「大丈夫だいじょうぶ…!オレへいきだからぁ。」

 どう考えても大丈夫ではない様子。しょうがない、家まで送って行った方が良さそうだな。

「…なんかここまで楽しく話せるやつ、今までいなかったからさぁ。つい飲みすぎちまったよ!」

 ガハハと笑い出す銀原君。酔っ払ってそう言ってくれるということは、本心だと思って良いのだろうか。

「…………ほんと、中学の時に、怖がらずに話しかければ良かったなぁ。そうすればもっと学生時代楽しく過ごせたんだろうなぁ…」

「銀原君…それは俺もそう思う。」

「やっぱりそうだよな!!」

 そう言ってバンバンと背中を叩いてきた。地味に痛い。

「……色野くんは本当は優しいもんな!なんで中学のオレ気づかなかった!なぐりてぇ!」

「いや、中学の頃の俺は人が怖かったから…たとえ話しかけられても、そっけない態度とってたと思う…そう思うと今、こうして飲みに行けて良かったと思ってる…」

「……同窓会参加したの、灰島から誘われたから参加したのか?」

「…もちろん。けど、最近人と関わろうって思い始めたのもある。自信付いてきた訳ではないし、今でもこの目付きの悪さで相手を怖がらせたらどうしようって不安もある。だけど、堂々としてればいいって言われてさ、だから少しずつ変わっていきたいと思って…参加してみようって思ったんだ。」

「……そっかぁ。偉いなぁ、色野君は…」

 銀原君は俺のこと感心していた。

「色野くん!オレ達は友達だ!そうだろう!?」

「えっ、俺なんか、いいのか…?」

「当たりめーだ!友よ!」

 友達と言われて俺はじんと感動してしまった。今まで友達なんかいなかったから、すごく嬉しい。

「お、おい泣くなよ!」

「だ、だってうれしくて…」

「そうか…だったら良かった…」

 それから俺は銀原君を家まで送って行った。帰ろうとしたタイミングで、また銀原君が嘔吐しそうになり、俺は慌てて対応した。
 ようやく銀原君の体調が安定してた頃にはだいぶ遅い時間になってしまった。銀原君が心配ではあったが、明日予定あるのと、本人が大丈夫だと言うので、俺はそのまま帰宅した。
 家に着いた時には0時はとっくに過ぎていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ヒーロー組織のサポートメンバーになりました!

はちのす
BL
朝起きたら、街はゾンビだらけ!生き残りたい俺は、敵に立ち向かうヒーロー組織<ビジランテ>に出逢った。 ******** 癖の強いヒーロー達の"心と胃の拠り所"になるストーリー! ※ちょっとイチャつきます。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

『定時後の偶然が多すぎる』

こさ
BL
定時後に残業をするたび、 なぜか必ず同じ上司が、同じフロアに残っている。 仕事ができて、無口で、社内でも一目置かれている存在。 必要以上に踏み込まず、距離を保つ人―― それが、彼の上司だった。 ただの偶然。 そう思っていたはずなのに、 声をかけられる回数が増え、 視線が重なる時間が長くなっていく。 「無理はするな」 それだけの言葉に、胸がざわつく理由を、 彼自身はまだ知らない。 これは、 気づかないふりをする上司と、 勘違いだと思い込もうとする部下が、 少しずつ“偶然”を積み重ねていく話。 静かで、逃げ場のない溺愛が、 定時後から始まる。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます

なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。 そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。 「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」 脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……! 高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!? 借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。 冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!? 短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた

こたま 療養中
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。

処理中です...