『万物異転、猫が世界の史を紡ぐ【出会い編】 ~出会ってすぐにモフられる~』

メイン君

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第5話 リルが可愛すぎてツライっ!! ▼▼

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 チョロロロロ………………

 俺の後方で湧き水が流れてる。山だからそういうこともあるよね…………
 そんな風に思い込もうとしたけど……無理でしたっ!!

 猫って耳の形のせいで、自分の手で自身の耳を塞ぐってことができないのね。猫になってこそ分かる猫のこと。
 まあ、耳を塞ごうとする猫自体、俺くらいかもしれないだけどさ……
 耳を抑えても、隙間が空いちゃって、音は聞こえてしまう。手を耳の奥に突っ込めば、音が聞こえなくなるかもしれないけど、それは流石に……

 まあ何が言いたいかというと。

「ルン♪ ルンルンルルーン♪」

 俺を膝に載せて、ご機嫌で鼻歌を歌いながら『お花摘み』をしてる狼っ娘が、油断しすぎな件について!?

 なぜかリルは『お花摘み』に行くのに俺を抱えて連れてきた。
 まあ本人は猫のそばに居たくて連れてきただけのつもりで、何も気にしてないのも当然かもしれないけど……けど!! 俺は気にする!
 振り向いてリルの顔を見ることができない……

 耳を塞ごうとして塞げなかった俺は、心を無にして自然の湧き水のイメージで頭を埋め尽くそうとした。そこで冒頭の部分に戻る……
 
 猫って確かにトイレの中でもついて来たりするよね。その猫が人化するようなことがあったら、恥ずかしい思いをするよ世の中の飼い主さん!

 その後、リルは何も気にしてない様子で(当然だよね……)今日のお出かけの準備を始めた。


◇◇◇


「今日は川に遊びにいっくよー!!」

「ニャン!」

「ついでに魚が取れたらいいね!」

「ニャーン♪」

 そんなわけで、三十分程歩くと川に到着した。

「この川が、シュンの流れてきた川だよ。あっちの方からプカーって流れてきたんだよ」

 リルは上流を指差して教えてくれた。気を失ってたから覚えてないけど、そんな出会いの場所だと思うと感慨深いものがある。

「クルニャーン♪♪」

 『助けてくれてありがとう』の気持ちを込めて鳴いたら、頭をナデナデされた。
 少しでも気持ちが伝わってるといいな。

 
 リルが川用の服に着替え終わったみたいだ。リルが着替えてる間、紳士な俺は川の方を見てたよ。耳が後ろを向いてたのは……気のせいだということにしよう。

 振り向くと、リルがなんだか可愛らしいポーズを取ってた。
 着てる服は、水着のビキニに似ている。茶色のトップを皮紐で結んでいるものだ。
 サバイバル生活してるのに、シミ1つ無い白磁のように透明感のある白い肌。メラニン的にアレだったり、異世界的な何かだったりするのだろうか。

 白い肌にタイトなビキニというリルの姿は、得もいえぬ色気がある。それでいて、躍動的でもあるのだから、魅力満載すぎると思うのは俺だけじゃないだろう。

 そして忘れてはならないのが、ビキニのボトムの穴からファッサっと出て揺れている尻尾! 狼尻尾!!
 俺の尻尾が左右に勢い良く振れて、飛びつきたくてウズウズしてるのは猫の本能に違いない。ネコジャラシに戯れる猫の本能であって、俺の欲望では決してないのだ!

「いっくよー!」

 俺はリルにガシッと掴まれた。体力に差があるからだろうか全く反応できず、掴まれた後も身動きができない。ちょっと狩られる獲物の気分が分かってしまった俺は悪くないと思う。

 そのまま一緒にザバーンと勢い良くダイブした。

「冷たくて気持ちイイねー」

「ウニャー!」

 ちょっ! 待っ! 人間としての泳ぎ方は分かるけど、猫の状態で泳げるかがまだ分からないんだってば!
 ただでさえ落ちて流されたばかりで、なんとなく川が怖いんだってば!

「ニャハッ! シュンがホッソリしちゃった」

 濡れて毛がペッタリ張り付いてる姿を見て笑われた。

「きもちい~ね~! シュン!!」

 リルが膝まで川に浸かってバシャバシャと俺に水をかけてくる。
 それだけ聞くと水遊びしている微笑ましい光景だが…… 

「クルニャー!」

 そうなんだよ……リルのかけてくる水の威力が強すぎる……
 これはアレだ……幼い子どもがお父さんとプールに行った時、体力の違いのせいで一緒に遊ぶとアップアップになるアレだ…………溺れそう……

 俺は猫と言っても魔物だからか、産まれたばかりのはずなのに既に成猫くらいの大きさはある。
 あるけど、体力はそんなにないのだよ……

 さっきも、「一緒に飛び込み」という名の「掴まれて強制ダイブ」させられ、水をだいぶ飲んだからね。
 まだ鼻が痛いよ……

 だ・け・ど! リルが可愛いから全てを許した!!

 太陽を浴びてキラキラ輝く綺麗な髪に、フワフワの尻尾。尻尾はもっと水を吸うとペッタリになるんだよね。分かるよ、俺も尻尾あるから!
 ビキニ姿に笑顔満開のリル。水しぶきのキラキラした輝きが、リルをより一層輝かせている。

『ホント、楽しそうに笑うよね……』

 晴れ渡る空に、川底まで見える透き通った水面、森の木々が良いアクセントになっている。
 けど……そんな自然いっぱいの素敵な風景も、全てがリルの引き立て役だ。

『リルが可愛すぎてツライっ!!』

 なんかそんなフレーズが頭をよぎった。





 ああ……リルに会えて良かった……
 いつまでもこんな日が続けばいいなあ……
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