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第13話 定位置は膝の上
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今日は猪に追われた大変だったが、おかげでレベルが上がってくれた。
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名前:シュン
種族:ワイルドキャット
レベル:4
体力:7
魔力:6
スキル:「自動翻訳」「自己鑑定」「毒耐性(小)」
称号:「シャスティの加護」
------------------------------------------------------
産まれた直後に比べるとマシにはなったけど、まだまだ全然だ。
それにおそらくレベルは上がるにつれて、上がりにくくなっていくのだと思う。毎日レベルが上がっていくなんてことはないはずだ。
レベルを上げ続けるためには、余裕で倒せる相手だけではなく、同等以上の相手とも戦っていかなくてはならないのだろう。ただ、ゲームと違って、死んだら終わりだということを考えると、そうそう無茶なレベル上げはできない。八割勝てる戦いでも、回数をこなしてる内に負けのニ割を引いたら、そこで死ぬことになる可能性が高い。悩ましいところだけど、この世界の冒険者はどうしてるのだろうか。
そんな考えを巡らせてる間に、リルが夕飯の準備をしてくれている。兎から内蔵を取り出す等の下処理を済ませてから、芋、香草、セロリ、シメジを中に詰めていく。これに似たフランス料理があったような気がする。下準備ができたようで、簡易のかまどみたいなものに火をつけ、串に刺した肉を火の上にくるように設置した。リルはかまどの傍の切り株に座っている。
「こっちにおいで」
両手を広げて俺を呼ぶリル、足元まで近づくとヒョイッと持ち上げられ、膝の上に乗せられた。肉が焼けていく様子を一緒に眺める。薪が燃えるパチパチした音と、撫でられる背中の心地よさが相まってとても落ち着いた気持ちになる。
後ろを振り向くと、リルと目が合った。少し寂しそうな表情をしているのは気のせいだろうか。
ふいに両脇に手を入れられて、お互いが向き合った状態に持ち上げられた。俺は足も尻尾もダラーンとしている。
『この格好は、なんだかちょっと恥ずかしいんだけど……』
そんなことを思いながらも、何か言いたそうなリルを見つめる。
「シュンはずっとリルの傍に居てくれる?」
リルの目が潤んでいることに気づいた。両親のことを思い出していたのかもしれない。
普段は逞しいけど、歳は……子供だもんね。大人にだってキツイ環境だし、今までも挫けそうになったことは多かったのかもしれない。
「ニャンッ!」
リルが俺を必要としなくなるまで、傍にいようと自分に誓った。
「ずっと一緒だよ」
「クルニャ!」
この世界の猫の寿命がどれくらいか分からないけど、俺はリルの為にできる限りのことをしよう。
助けてくれた恩を返すという気持ちだけではなく、リルと一緒に居たいという気持ちは日々強くなっている。
「ふふー、シュン! モフモフー」
リルは鼻声でそんなことを言いながら首筋に顔を埋めてくる。リルの方を見ると涙が頬を伝っていた。
反射だったと思う。本能だったかもしれない。気づいたら頬を伝う涙を、猫がそうするように舐め取っていた。
「ヒャア、ザラザラするぅ……」
笑ってるリルを見て、とりあえず嫌がられなかったことにほっとした。
その後しばらく、定位置になりつつあるリルの膝の上で肉が焼けるのを待った。
焼いてる肉は、途中から凄くいい匂いがして、何度もリルの方をチラチラ見たのだが、その度に「もう少しだよ」と笑われた。全然もう少しじゃなかった件。
焼き上がったところで、リルが板の上で切り分けてくれた。香草の食欲をそそる香りと肉の香ばしい匂いが、文字通り目と鼻の先から漂ってきて、それを「待て」できる猫はいないと思う。
リルの「どうぞ」という言葉には若干フライングしてしまったのはしょうがないと思う。
肉はとてもジューシーで噛むと肉汁が口の中に溢れてくる。パリパリしていて香ばしい皮は北京ダックを彷彿させる。さらに、中の野菜は肉の旨味がたっぷり染みていて、幸せを感じる美味しさだ。
料理してくれたリルに感謝しながら、お腹いっぱいになるまで堪能した素晴らしい夕食だった。
リルの温かい膝の上で、美味しいご飯を食べて、体も心も温まるのを感じた。
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名前:シュン
種族:ワイルドキャット
レベル:4
体力:7
魔力:6
スキル:「自動翻訳」「自己鑑定」「毒耐性(小)」
称号:「シャスティの加護」
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産まれた直後に比べるとマシにはなったけど、まだまだ全然だ。
それにおそらくレベルは上がるにつれて、上がりにくくなっていくのだと思う。毎日レベルが上がっていくなんてことはないはずだ。
レベルを上げ続けるためには、余裕で倒せる相手だけではなく、同等以上の相手とも戦っていかなくてはならないのだろう。ただ、ゲームと違って、死んだら終わりだということを考えると、そうそう無茶なレベル上げはできない。八割勝てる戦いでも、回数をこなしてる内に負けのニ割を引いたら、そこで死ぬことになる可能性が高い。悩ましいところだけど、この世界の冒険者はどうしてるのだろうか。
そんな考えを巡らせてる間に、リルが夕飯の準備をしてくれている。兎から内蔵を取り出す等の下処理を済ませてから、芋、香草、セロリ、シメジを中に詰めていく。これに似たフランス料理があったような気がする。下準備ができたようで、簡易のかまどみたいなものに火をつけ、串に刺した肉を火の上にくるように設置した。リルはかまどの傍の切り株に座っている。
「こっちにおいで」
両手を広げて俺を呼ぶリル、足元まで近づくとヒョイッと持ち上げられ、膝の上に乗せられた。肉が焼けていく様子を一緒に眺める。薪が燃えるパチパチした音と、撫でられる背中の心地よさが相まってとても落ち着いた気持ちになる。
後ろを振り向くと、リルと目が合った。少し寂しそうな表情をしているのは気のせいだろうか。
ふいに両脇に手を入れられて、お互いが向き合った状態に持ち上げられた。俺は足も尻尾もダラーンとしている。
『この格好は、なんだかちょっと恥ずかしいんだけど……』
そんなことを思いながらも、何か言いたそうなリルを見つめる。
「シュンはずっとリルの傍に居てくれる?」
リルの目が潤んでいることに気づいた。両親のことを思い出していたのかもしれない。
普段は逞しいけど、歳は……子供だもんね。大人にだってキツイ環境だし、今までも挫けそうになったことは多かったのかもしれない。
「ニャンッ!」
リルが俺を必要としなくなるまで、傍にいようと自分に誓った。
「ずっと一緒だよ」
「クルニャ!」
この世界の猫の寿命がどれくらいか分からないけど、俺はリルの為にできる限りのことをしよう。
助けてくれた恩を返すという気持ちだけではなく、リルと一緒に居たいという気持ちは日々強くなっている。
「ふふー、シュン! モフモフー」
リルは鼻声でそんなことを言いながら首筋に顔を埋めてくる。リルの方を見ると涙が頬を伝っていた。
反射だったと思う。本能だったかもしれない。気づいたら頬を伝う涙を、猫がそうするように舐め取っていた。
「ヒャア、ザラザラするぅ……」
笑ってるリルを見て、とりあえず嫌がられなかったことにほっとした。
その後しばらく、定位置になりつつあるリルの膝の上で肉が焼けるのを待った。
焼いてる肉は、途中から凄くいい匂いがして、何度もリルの方をチラチラ見たのだが、その度に「もう少しだよ」と笑われた。全然もう少しじゃなかった件。
焼き上がったところで、リルが板の上で切り分けてくれた。香草の食欲をそそる香りと肉の香ばしい匂いが、文字通り目と鼻の先から漂ってきて、それを「待て」できる猫はいないと思う。
リルの「どうぞ」という言葉には若干フライングしてしまったのはしょうがないと思う。
肉はとてもジューシーで噛むと肉汁が口の中に溢れてくる。パリパリしていて香ばしい皮は北京ダックを彷彿させる。さらに、中の野菜は肉の旨味がたっぷり染みていて、幸せを感じる美味しさだ。
料理してくれたリルに感謝しながら、お腹いっぱいになるまで堪能した素晴らしい夕食だった。
リルの温かい膝の上で、美味しいご飯を食べて、体も心も温まるのを感じた。
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