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第二章 太一
第四話
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「ここです」
女の子の家につくと、夕輝は内心ほっとした。
話すことがなくて、黙って歩くのが結構つらかったのだ。
夕輝はそれほどおしゃべりな方ではないが、それでも知らない女の子と黙って歩くのはしんどかった。
「今、父を呼んできますので……」
「いいよ、気にしないで。それじゃぁね」
「あ、あの……」
女の子は声をかけてきたが、夕輝は逃げるようにしてその場を離れた。
吉次みたいに金目的だと思われるのが嫌だったのだ。
帰る途中で女の子の名前も聞いてなかったことを思い出した。
まぁ、もう会うこともないだろう。
お花の長屋に戻ると、
「お加代さんの部屋でみんな待ってるよ」
と、同じ長屋の女の人が教えてくれた。
ノックは西洋の習慣だよなぁ……。
お加代の部屋の前でどうしようか迷っていると、
「お花さん、夕ちゃんが戻ってきたよ」
と、女の人が声をかけてくれた。
「夕ちゃん、入っとくれ」
お花の声に、夕輝は障子を開いた。
「失礼します」
お加代の部屋に入ると、お加代とお花、平助と伍助、正吾がいた。
「お帰り」
お花が言った。
夕輝が、多分下座だろうと思われる、一番戸口に近い場所へ座ると、
「今、親分さん達と話してたんだよ。お里ちゃんのことどうするか」
お花が言った。
「要は起請文が問題なんだろ」
「起請文さえ取り返せば吉次をお縄にしても問題ねぇよな」
「まぁ、そうなりますね」
「それにしても、そこそこいい見世の娘にしちゃ軽はずみな子だな。起請文なんて堅気の娘が書くもんじゃねぇだろうに」
確かにその通りだ。
「伍助、吉次って名前に聞き覚えあるか?」
「ねぇなぁ。ただ、源次ってケチな野郎がそういうことしてるらしいって聞いたぜ」
「源次か、俺も聞いたことあるぜ。そう言や年格好やなんかは似てるな」
「ちょっと洗ってみるか」
「そうだな」
「俺は何をすれば……」
夕輝が訊ねた。
「こういうのは俺達の仕事だ。任せときな」
「片ぁ付けるときに手ぇ借りるから、そのとき頼まぁ」
そう言うと、
「行ってくるぜ」
と言って平助と伍助、正吾は出て行った。
早速探索に行くらしい。
翌日も、平助達は朝早くから探索へ出かけた。
夕輝は平助達が吉次を見つけ出してくるまで大人しく待つことにして、いつも通り剣術の稽古場に向かった。
夕輝は午前中に稽古場へ行き、帰ると湯屋を手伝っていた。
ある日、夕輝は自分が尾けられているのに気付いた。
この前、女の子を助けたときの男の一人だった。物陰から物陰へ移動しながら尾いてくる。
あれで気付かない者はいないだろう。
人通りがあるんだから普通に歩いてればいいのに。
きっと仕返しをしようと付け狙ってるのだろう。
仕返しをする気ならこの前より人数は多いに違いない。
大勢を相手にして勝てるとは思えない。
今度は負けるかもしれないが、庇わなければならない相手がいないなら、負けても殺されなければいいと思うことにした。
下手にやり返すと、また仕返しに来て、と言う負の連鎖になりそうだと思ったのだ。
しかし、無策のまま多勢を相手にするのも芸がない。
とりあえず、どう対応するか決めるまでは人通りのないところは歩かないようにしよう。
お峰に頼まれてお花に届け物をしに行く途中、この前お花の長屋で見かけた少女が歩いていた。
手には野菜を入れた籠を抱えている。
「やあ」
夕輝が声をかけると少女が振り返った。
「天満さん」
「俺の名前、知ってるの?」
「この前、長屋で……」
少女が頬を染めて言った。
「俺もそのときに君のこと見かけて覚えてたんだ。荷物、持つよ」
夕輝は少女の荷物を持った。
「いえ、いいんです」
少女が慌てて取り返そうとした。
「これからお花さんの長屋に行かなきゃならないんだけど、道、覚えてなくてさ。荷物持つから案内してよ」
「はい」
少女は恥ずかしそうに俯いた。
この前ならず者から助けた女の子とはまた違った可愛さだった。
ただ、まだ十二歳くらいだから夕輝の守備範囲外だが。
「あ、君の名前なんて言うの?」
「唯です」
「お唯ちゃんか、俺のことは夕輝でいいよ。これからもお花さんの長屋に行くことあると思うからよろしくね」
「はい。短い間ですけどよろしくお願いします」
「短い間って?」
「今度……奉公に行くんです。年季が明けるまでは帰ってこられないから……」
悲しそうな顔だった。
このときは、親から離れて一人で知らないところへ働きに行く不安からだろうと思っていた。
「そっか。その年で働きに行くなんて偉いね」
江戸時代はこの年でもう働くんだな。
それに引き替え自分は峰湯の居候だ。
なんだか肩身が狭い。
俺ももっと峰湯の仕事の手伝いしなきゃな。
「ちょうど良かった。今、夕ちゃんを呼びに行こうと思ってたんだよ」
長屋へ続く木戸を通ったとき、お花がやってきた。
夕輝はお唯に荷物を返すと、手を振ってからお花についてお加代の部屋へ向かった。
お唯が恥ずかしそうな顔で小さく手を振り返した。
お加代の部屋にはお里もいた。
「どうしたんですか?」
夕輝が訊くと、
「どうしたもこうしたもありませんよ。吉次さんのことはどうなってるんですか」
お里がきつい声で訊ねてきた。
「今調べてるところだけど……何かあったの?」
「とても柄の悪い人がお店に来たんです。吉次さんの使いって言って、お金は用意出来たかって訊いてきたんです」
「それで?」
「とりあえず、お金を用意しているところだからと言って帰ってもらいました。でも、用意出来るまでは何度でも来るって」
「分かった。もう少し待って」
その夜、お加代の部屋で、夕輝、平助、伍助、正吾、お花とお加代が顔を揃えた。
「一応、兵蔵に橋本屋――お里の店――を見張らせてたんだけどな。あいつ、気付かれやがったな」
「それで警戒して使いをよこしたんだな」
「どうやら俺達の顔は知られてるようだな」
「他に使えるヤツは……」
「俺がやりましょうか? 俺は素人だけど顔は知られてないと思うし」
「お前ぇみたいにひょろ長いのは目立つからなぁ」
平助は、腕組みをして考え込んだ。
「でも、他にいないんだろ。この際頼んじゃどうだい」
「仕方ねぇな。よし! 夕輝、頼んだぜ」
渋い顔をしてた割には決断が早いんだな。
女の子の家につくと、夕輝は内心ほっとした。
話すことがなくて、黙って歩くのが結構つらかったのだ。
夕輝はそれほどおしゃべりな方ではないが、それでも知らない女の子と黙って歩くのはしんどかった。
「今、父を呼んできますので……」
「いいよ、気にしないで。それじゃぁね」
「あ、あの……」
女の子は声をかけてきたが、夕輝は逃げるようにしてその場を離れた。
吉次みたいに金目的だと思われるのが嫌だったのだ。
帰る途中で女の子の名前も聞いてなかったことを思い出した。
まぁ、もう会うこともないだろう。
お花の長屋に戻ると、
「お加代さんの部屋でみんな待ってるよ」
と、同じ長屋の女の人が教えてくれた。
ノックは西洋の習慣だよなぁ……。
お加代の部屋の前でどうしようか迷っていると、
「お花さん、夕ちゃんが戻ってきたよ」
と、女の人が声をかけてくれた。
「夕ちゃん、入っとくれ」
お花の声に、夕輝は障子を開いた。
「失礼します」
お加代の部屋に入ると、お加代とお花、平助と伍助、正吾がいた。
「お帰り」
お花が言った。
夕輝が、多分下座だろうと思われる、一番戸口に近い場所へ座ると、
「今、親分さん達と話してたんだよ。お里ちゃんのことどうするか」
お花が言った。
「要は起請文が問題なんだろ」
「起請文さえ取り返せば吉次をお縄にしても問題ねぇよな」
「まぁ、そうなりますね」
「それにしても、そこそこいい見世の娘にしちゃ軽はずみな子だな。起請文なんて堅気の娘が書くもんじゃねぇだろうに」
確かにその通りだ。
「伍助、吉次って名前に聞き覚えあるか?」
「ねぇなぁ。ただ、源次ってケチな野郎がそういうことしてるらしいって聞いたぜ」
「源次か、俺も聞いたことあるぜ。そう言や年格好やなんかは似てるな」
「ちょっと洗ってみるか」
「そうだな」
「俺は何をすれば……」
夕輝が訊ねた。
「こういうのは俺達の仕事だ。任せときな」
「片ぁ付けるときに手ぇ借りるから、そのとき頼まぁ」
そう言うと、
「行ってくるぜ」
と言って平助と伍助、正吾は出て行った。
早速探索に行くらしい。
翌日も、平助達は朝早くから探索へ出かけた。
夕輝は平助達が吉次を見つけ出してくるまで大人しく待つことにして、いつも通り剣術の稽古場に向かった。
夕輝は午前中に稽古場へ行き、帰ると湯屋を手伝っていた。
ある日、夕輝は自分が尾けられているのに気付いた。
この前、女の子を助けたときの男の一人だった。物陰から物陰へ移動しながら尾いてくる。
あれで気付かない者はいないだろう。
人通りがあるんだから普通に歩いてればいいのに。
きっと仕返しをしようと付け狙ってるのだろう。
仕返しをする気ならこの前より人数は多いに違いない。
大勢を相手にして勝てるとは思えない。
今度は負けるかもしれないが、庇わなければならない相手がいないなら、負けても殺されなければいいと思うことにした。
下手にやり返すと、また仕返しに来て、と言う負の連鎖になりそうだと思ったのだ。
しかし、無策のまま多勢を相手にするのも芸がない。
とりあえず、どう対応するか決めるまでは人通りのないところは歩かないようにしよう。
お峰に頼まれてお花に届け物をしに行く途中、この前お花の長屋で見かけた少女が歩いていた。
手には野菜を入れた籠を抱えている。
「やあ」
夕輝が声をかけると少女が振り返った。
「天満さん」
「俺の名前、知ってるの?」
「この前、長屋で……」
少女が頬を染めて言った。
「俺もそのときに君のこと見かけて覚えてたんだ。荷物、持つよ」
夕輝は少女の荷物を持った。
「いえ、いいんです」
少女が慌てて取り返そうとした。
「これからお花さんの長屋に行かなきゃならないんだけど、道、覚えてなくてさ。荷物持つから案内してよ」
「はい」
少女は恥ずかしそうに俯いた。
この前ならず者から助けた女の子とはまた違った可愛さだった。
ただ、まだ十二歳くらいだから夕輝の守備範囲外だが。
「あ、君の名前なんて言うの?」
「唯です」
「お唯ちゃんか、俺のことは夕輝でいいよ。これからもお花さんの長屋に行くことあると思うからよろしくね」
「はい。短い間ですけどよろしくお願いします」
「短い間って?」
「今度……奉公に行くんです。年季が明けるまでは帰ってこられないから……」
悲しそうな顔だった。
このときは、親から離れて一人で知らないところへ働きに行く不安からだろうと思っていた。
「そっか。その年で働きに行くなんて偉いね」
江戸時代はこの年でもう働くんだな。
それに引き替え自分は峰湯の居候だ。
なんだか肩身が狭い。
俺ももっと峰湯の仕事の手伝いしなきゃな。
「ちょうど良かった。今、夕ちゃんを呼びに行こうと思ってたんだよ」
長屋へ続く木戸を通ったとき、お花がやってきた。
夕輝はお唯に荷物を返すと、手を振ってからお花についてお加代の部屋へ向かった。
お唯が恥ずかしそうな顔で小さく手を振り返した。
お加代の部屋にはお里もいた。
「どうしたんですか?」
夕輝が訊くと、
「どうしたもこうしたもありませんよ。吉次さんのことはどうなってるんですか」
お里がきつい声で訊ねてきた。
「今調べてるところだけど……何かあったの?」
「とても柄の悪い人がお店に来たんです。吉次さんの使いって言って、お金は用意出来たかって訊いてきたんです」
「それで?」
「とりあえず、お金を用意しているところだからと言って帰ってもらいました。でも、用意出来るまでは何度でも来るって」
「分かった。もう少し待って」
その夜、お加代の部屋で、夕輝、平助、伍助、正吾、お花とお加代が顔を揃えた。
「一応、兵蔵に橋本屋――お里の店――を見張らせてたんだけどな。あいつ、気付かれやがったな」
「それで警戒して使いをよこしたんだな」
「どうやら俺達の顔は知られてるようだな」
「他に使えるヤツは……」
「俺がやりましょうか? 俺は素人だけど顔は知られてないと思うし」
「お前ぇみたいにひょろ長いのは目立つからなぁ」
平助は、腕組みをして考え込んだ。
「でも、他にいないんだろ。この際頼んじゃどうだい」
「仕方ねぇな。よし! 夕輝、頼んだぜ」
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