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第1章 未曾有の新世界!?
6kg.システム系クラフター
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『エルド』では、アイテムの重量が加味される。ゲームでは、魔法の力か根性かで重量による所持限界がない事は珍しくない。しかし『エルド』はそこを厳しくプレイヤーに管理させる。
ギルドに登録した時点で、プレイヤーキャラクタには荷車が1つ与えられる。それまでにも初期状態で革の荷袋を持っているが、荷車があるだけでかなりの積載が許されるようになる。
よって、余程の縛りプレイでもなければギルドに登録するのが基本だ。
なんなら、NPCである道具屋の主人さえギルド登録しているほどだ。
ちなみに、ステータスを確認してみると、ワダツィルの道具屋「鈴風の森」の主人であるバタム氏はシールド・マスターという最上級のクラスらしい。
道具屋を守り抜く覚悟が並大抵ではない、という設定の細かさなのだろう。
更に余談にはなるが、だからこそバタムは、半端な気持ちで仲間に勧誘しても断固として辞退される。
なぜ知っているかというと、やはり魅力的な強力キャラに釣られたバッシュは実際に勧誘したからである。
「この力は町を豊かにする為のものなんだ。すまない」
にべもない、とはこの事だろう。
重量の話題に戻そう。
荷車はギルドである程度の強化改造を請け負っており、強化料として支払ったゲルドがギルドの運営費となる、というまたも細かい設定がある。
強化とは、荷車の積載を増やしたり、重量軽量化の永続魔法を掛けてもらう事を指す。
しかしバッシュはケチなので、いずれそんな事は自力で可能になるはず、と相手にもしていない。
重量の単位は現実と同じだ。グラム(g)が基本単位で、千倍ならキロ、千分の一ならミリが付くなどの単位名のルールまで同じである。
ただ、ゲームの所持アイテム表示はそこまで細かくはなく全てkg、すなわちキログラムで統一されている。
例えば、10グラムなら0.01kgと表示されるのだ。
現在のバッシュのアイテム重量は、荷袋に7kgほど、荷車は20kgほどという状態だ。
荷重の大半は、小刀の重さによるものだ。小刀だけで5.47kg。あとは食料という名目の単なる食パンや、道中で摘んだ植物が袋の中身だ。
一方、荷車には製作のためにと購入した各種の素材が積まれている。
食堂でかなり働けていたので、予算がないとはいえ安価な物で妥協さえすれば、思ったよりはたくさん買えたのだ。
バッシュのエルドラ、隠れ家周辺。
バッシュとシロン、そしてNPCであるフォヒエは早速、製作に向けての準備を開始した。
裏庭にある切り株を作業台として改修。システム的に不可能な場合は流石に諦めるしかなかったが、そこは作り込みにかけて裏切らない《エルド》。
切り株をチェックした時の選択肢は次のような物だ。
- 話す
- 座る
- 調べる
- 作業台にする
- 設備を取り付け
- 破壊する
- 魔法
- 手入れする
話す、が意味深だ。
一見、完全な無駄コマンドなのだが、《エルド》には、ギルドではなる事が出来ない未知のクラスが数多く存在する。
植物と心を通わせるクラスがあってもおかしくはないのだ。
座る、は意外と危険らしい。
シロンが、隠れ家の裏手にある森、つまり裏庭から入れる森で狩りをしており、休憩がてら無造作にあった岩に座ると、その岩が魔物で奇襲を喰らったという。
よって、どんなに座りたくても魔物がいる所に限っては、せめて調べてから座るべきなのだそうだ。
だが、今回は休憩所の確保ではなく、作業台の入手が目的だ。
作業台にする選択を取るバッシュ。すると、工程の第一段階が何種類か現れた。
実は『エルド』における製作はかなりリアル志向だ。
プレイヤーが持っているであろう予備知識やキャラクタが所持している素材、そしてキャラクタのゲーム内での経験などに応じて、同じ物を作るにも、有り得る何通りかの選択から検討する事が出来るのだ。
そして作業台については次のような選択肢が第一工程としてリストアップされた。
- 磨く
- 削る
- アイテム
- 魔法
いずれにせよ、対象は存在する物質なので、基本的にやり直しが効かない。
まず、バッシュたちとしては、削るのは器用さなどの関わるリスキーさが見え隠れするという理由で避けたいという点で意見が一致した。
次に、製作に役立ちそうな魔法はフォヒエも含めパーティーに誰も所持者がいないので、実質的に選択肢から外れる。
残るのは磨く、またはアイテムだ。
若干の歳月の仕業で、衛生的にも宜しくなさそうな成りをしている切り株。
何らかの殺菌作用のある物で消毒しないと、製作したら状態異常になった、などというお粗末な事態になりかねない可能性がある。
そこまで気にするならば、今一度、何でも屋でそれらしきアイテムを探すか、あるいはワダツィルを探索して目指すべき、薬品であろうそれを取り扱う店を見つけ出さない事にはどうにもならない。
そうでなくとも、研磨の為のアイテムも現時点では誰も持っていない。
フォヒエはと言うと、それなりの資産家の出なので、家に高級な作業台があるそうだ。
(そりゃどんな良い楽器でも作れるよ!)
もっとも、『エルド』のプレイヤーは一文無しスタートがデフォルトだ。よって、最初からフォヒエのような貴族ロールプレイは残念ながら出来ない。
フォヒエのようなキャラクタをプレイヤー側で目指すなら結婚し、子どもに資産を継がせる。もしくは店主として育てた従業員に出世させ、実質的な後継ぎにするなどし確固たる人間関係を作ってから「継承の書」と呼ばれる引き継ぎアイテムを使う事でも引き継ぎ可能だ。
あるいは、玉の輿や逆玉を狙う方法もある。人付き合いがリアルで得意と言えるならば、案外悪くない手段だ。手段というと人聞きは悪いが、事実ではあるのでしょうがないのである。更に言えば、引き継ぎなしの初期キャラクタが、早期に成り上がる数少ない方法でもある。
だがバッシュはそんな事にそこまで詳しいはずはなく、せっせと切り株の手入れの計画に入る。フォヒエがNPCで良かったとは思っているらしいバッシュ。PCだったら笑われるのが目に見えている。
(仮想の世界でまで冴えないのは嫌だ)
とは思いつつ、演奏職にこだわるあたりが現実でもここでも夢見勝ちである。
まずは、何はなくとも研磨道具、そして殺菌薬だ。後は野外で剥き出しの切り株である事を考えると、たっぷり仕入れた木材は切り株を囲う小屋、特に屋根として有用になる。
楽器以外の使い道がここに来て見えてきたのだ。
出来れば丈夫な丸太小屋が良い。しかし流石に丸太は市販されていない。
丸太を手に入れるには木こりとしても活動する必要が出てくる。もし本当に必要が出てきたら検討するが、少なくとも今、この時点ではそこまでする必要はなさそうだ。
また、『エルド』の世界には建築家などもいる。資金さえ整えば、作業場も含めてコンクリート打ちっぱなしの、耐用年数だけなら抜群の我が家を新築するというビジョンもあり得るのだ。
それが実現可能になるには、やはり現実でもそれを成しうる程度の予算がいる、ただそれだけなのだ。
研磨用の削り紙は何でも屋にあった。在庫が僅かなのが気になったが、町の噂話によれば今は現実でいう所のDIYブームのようだ。
また、抗菌薬としては消毒用のアルコールを購入した。『エルド』の一応の時代設定となる1700年代に消毒の発想まであったかは謎だが、とりあえずあるから買う、これに尽きる。
現実の中小企業の社長クラスも、勘が凄いわけではないという自覚から、選りすぐるよりは買いまくる人こそ生き残りやすい。これと同じかもしれない。
まあ、それが真実であるかというよりは、金は天下の回りもの、ケチってはいても勇気を出して少しは市場に投資していかないと経済が成り立たないとも言える。
何も為せずに死ぬよりはマシだから、人は他力本願の免罪符として金を運用するのである。
が、今のバッシュはそのレベルに達してはいない。ケチるのが最大限の仕事だ。
ただ、楽器製作の技術はエルドラではかなり貴重である。腕前を上げれば演奏職を妥協して楽器販売店を開く、そこまでは行かなくともバザーで自作楽器を売りさばくくらいは可能だ。
いずれはそうした事にもチャレンジしていきたい。バッシュはこの時、そんな未来まで思い描いていたのだ。
ノコギリや釘などの大工道具も買い込み、いざ再び隠れ家へと戻るバッシュ。一行とは言わないのは、シロンたちはまたも稼ぎのために別行動となったからだ。
幸い、隠れ家周辺に限ってはデンクロが張った結界があり、周囲に住む魔物程度なら侵入する事が出来ない。後は見晴らしの良い小山だし、仮に死んでも『エルド』なら気楽だ。
デス・ペナルティとしては、戦闘経験やスキル経験がランダムに少量失われ、手数料としてゲルドを所持金の1割取られはする。しかし序盤ならそんなに大した支出でもないから安心だ。
さて、無事に隠れ家に戻り、切り株を作業台として手入れし、バッシュは簡素な小屋を立てた。
ドアは蝶つがいが必要と気付き断念し、代わりに獣皮を入り口に暖簾のように垂らして雨除けにした。
裏庭も結界の範囲なので魔物を気にする必要もない。
結界の存在はゲーム設定上では実施者と結界の範囲が分かる魔法をデンクロが掛けている。そしてゲームプレイ上では、画面に「結界、デンクロ実施」とサブ画面に表示されている。
ちなみに結界の効果は《ギルドリーダーズ・ブック》に書いてあった。
これだけの作業の中で、バッシュの様々なスキルが上がり、レベルも2上がり4になった。
上がったスキルは建築、製作、読書(手記の読破ページ数が経験値)、戦闘である。
戦闘スキルは、多少の戦いが道中であったからだ。例えば野盗とも戦った。人間などの、知性が高い生命は結界を抜けてくるので厄介だ。
家を空けすぎると、野盗や獣人らの棲みかになる事さえある。これはシロンが教えてくれた。
クエストの中に、そうした者を退治する依頼はごまんとあるらしい。
ギルドに登録した時点で、プレイヤーキャラクタには荷車が1つ与えられる。それまでにも初期状態で革の荷袋を持っているが、荷車があるだけでかなりの積載が許されるようになる。
よって、余程の縛りプレイでもなければギルドに登録するのが基本だ。
なんなら、NPCである道具屋の主人さえギルド登録しているほどだ。
ちなみに、ステータスを確認してみると、ワダツィルの道具屋「鈴風の森」の主人であるバタム氏はシールド・マスターという最上級のクラスらしい。
道具屋を守り抜く覚悟が並大抵ではない、という設定の細かさなのだろう。
更に余談にはなるが、だからこそバタムは、半端な気持ちで仲間に勧誘しても断固として辞退される。
なぜ知っているかというと、やはり魅力的な強力キャラに釣られたバッシュは実際に勧誘したからである。
「この力は町を豊かにする為のものなんだ。すまない」
にべもない、とはこの事だろう。
重量の話題に戻そう。
荷車はギルドである程度の強化改造を請け負っており、強化料として支払ったゲルドがギルドの運営費となる、というまたも細かい設定がある。
強化とは、荷車の積載を増やしたり、重量軽量化の永続魔法を掛けてもらう事を指す。
しかしバッシュはケチなので、いずれそんな事は自力で可能になるはず、と相手にもしていない。
重量の単位は現実と同じだ。グラム(g)が基本単位で、千倍ならキロ、千分の一ならミリが付くなどの単位名のルールまで同じである。
ただ、ゲームの所持アイテム表示はそこまで細かくはなく全てkg、すなわちキログラムで統一されている。
例えば、10グラムなら0.01kgと表示されるのだ。
現在のバッシュのアイテム重量は、荷袋に7kgほど、荷車は20kgほどという状態だ。
荷重の大半は、小刀の重さによるものだ。小刀だけで5.47kg。あとは食料という名目の単なる食パンや、道中で摘んだ植物が袋の中身だ。
一方、荷車には製作のためにと購入した各種の素材が積まれている。
食堂でかなり働けていたので、予算がないとはいえ安価な物で妥協さえすれば、思ったよりはたくさん買えたのだ。
バッシュのエルドラ、隠れ家周辺。
バッシュとシロン、そしてNPCであるフォヒエは早速、製作に向けての準備を開始した。
裏庭にある切り株を作業台として改修。システム的に不可能な場合は流石に諦めるしかなかったが、そこは作り込みにかけて裏切らない《エルド》。
切り株をチェックした時の選択肢は次のような物だ。
- 話す
- 座る
- 調べる
- 作業台にする
- 設備を取り付け
- 破壊する
- 魔法
- 手入れする
話す、が意味深だ。
一見、完全な無駄コマンドなのだが、《エルド》には、ギルドではなる事が出来ない未知のクラスが数多く存在する。
植物と心を通わせるクラスがあってもおかしくはないのだ。
座る、は意外と危険らしい。
シロンが、隠れ家の裏手にある森、つまり裏庭から入れる森で狩りをしており、休憩がてら無造作にあった岩に座ると、その岩が魔物で奇襲を喰らったという。
よって、どんなに座りたくても魔物がいる所に限っては、せめて調べてから座るべきなのだそうだ。
だが、今回は休憩所の確保ではなく、作業台の入手が目的だ。
作業台にする選択を取るバッシュ。すると、工程の第一段階が何種類か現れた。
実は『エルド』における製作はかなりリアル志向だ。
プレイヤーが持っているであろう予備知識やキャラクタが所持している素材、そしてキャラクタのゲーム内での経験などに応じて、同じ物を作るにも、有り得る何通りかの選択から検討する事が出来るのだ。
そして作業台については次のような選択肢が第一工程としてリストアップされた。
- 磨く
- 削る
- アイテム
- 魔法
いずれにせよ、対象は存在する物質なので、基本的にやり直しが効かない。
まず、バッシュたちとしては、削るのは器用さなどの関わるリスキーさが見え隠れするという理由で避けたいという点で意見が一致した。
次に、製作に役立ちそうな魔法はフォヒエも含めパーティーに誰も所持者がいないので、実質的に選択肢から外れる。
残るのは磨く、またはアイテムだ。
若干の歳月の仕業で、衛生的にも宜しくなさそうな成りをしている切り株。
何らかの殺菌作用のある物で消毒しないと、製作したら状態異常になった、などというお粗末な事態になりかねない可能性がある。
そこまで気にするならば、今一度、何でも屋でそれらしきアイテムを探すか、あるいはワダツィルを探索して目指すべき、薬品であろうそれを取り扱う店を見つけ出さない事にはどうにもならない。
そうでなくとも、研磨の為のアイテムも現時点では誰も持っていない。
フォヒエはと言うと、それなりの資産家の出なので、家に高級な作業台があるそうだ。
(そりゃどんな良い楽器でも作れるよ!)
もっとも、『エルド』のプレイヤーは一文無しスタートがデフォルトだ。よって、最初からフォヒエのような貴族ロールプレイは残念ながら出来ない。
フォヒエのようなキャラクタをプレイヤー側で目指すなら結婚し、子どもに資産を継がせる。もしくは店主として育てた従業員に出世させ、実質的な後継ぎにするなどし確固たる人間関係を作ってから「継承の書」と呼ばれる引き継ぎアイテムを使う事でも引き継ぎ可能だ。
あるいは、玉の輿や逆玉を狙う方法もある。人付き合いがリアルで得意と言えるならば、案外悪くない手段だ。手段というと人聞きは悪いが、事実ではあるのでしょうがないのである。更に言えば、引き継ぎなしの初期キャラクタが、早期に成り上がる数少ない方法でもある。
だがバッシュはそんな事にそこまで詳しいはずはなく、せっせと切り株の手入れの計画に入る。フォヒエがNPCで良かったとは思っているらしいバッシュ。PCだったら笑われるのが目に見えている。
(仮想の世界でまで冴えないのは嫌だ)
とは思いつつ、演奏職にこだわるあたりが現実でもここでも夢見勝ちである。
まずは、何はなくとも研磨道具、そして殺菌薬だ。後は野外で剥き出しの切り株である事を考えると、たっぷり仕入れた木材は切り株を囲う小屋、特に屋根として有用になる。
楽器以外の使い道がここに来て見えてきたのだ。
出来れば丈夫な丸太小屋が良い。しかし流石に丸太は市販されていない。
丸太を手に入れるには木こりとしても活動する必要が出てくる。もし本当に必要が出てきたら検討するが、少なくとも今、この時点ではそこまでする必要はなさそうだ。
また、『エルド』の世界には建築家などもいる。資金さえ整えば、作業場も含めてコンクリート打ちっぱなしの、耐用年数だけなら抜群の我が家を新築するというビジョンもあり得るのだ。
それが実現可能になるには、やはり現実でもそれを成しうる程度の予算がいる、ただそれだけなのだ。
研磨用の削り紙は何でも屋にあった。在庫が僅かなのが気になったが、町の噂話によれば今は現実でいう所のDIYブームのようだ。
また、抗菌薬としては消毒用のアルコールを購入した。『エルド』の一応の時代設定となる1700年代に消毒の発想まであったかは謎だが、とりあえずあるから買う、これに尽きる。
現実の中小企業の社長クラスも、勘が凄いわけではないという自覚から、選りすぐるよりは買いまくる人こそ生き残りやすい。これと同じかもしれない。
まあ、それが真実であるかというよりは、金は天下の回りもの、ケチってはいても勇気を出して少しは市場に投資していかないと経済が成り立たないとも言える。
何も為せずに死ぬよりはマシだから、人は他力本願の免罪符として金を運用するのである。
が、今のバッシュはそのレベルに達してはいない。ケチるのが最大限の仕事だ。
ただ、楽器製作の技術はエルドラではかなり貴重である。腕前を上げれば演奏職を妥協して楽器販売店を開く、そこまでは行かなくともバザーで自作楽器を売りさばくくらいは可能だ。
いずれはそうした事にもチャレンジしていきたい。バッシュはこの時、そんな未来まで思い描いていたのだ。
ノコギリや釘などの大工道具も買い込み、いざ再び隠れ家へと戻るバッシュ。一行とは言わないのは、シロンたちはまたも稼ぎのために別行動となったからだ。
幸い、隠れ家周辺に限ってはデンクロが張った結界があり、周囲に住む魔物程度なら侵入する事が出来ない。後は見晴らしの良い小山だし、仮に死んでも『エルド』なら気楽だ。
デス・ペナルティとしては、戦闘経験やスキル経験がランダムに少量失われ、手数料としてゲルドを所持金の1割取られはする。しかし序盤ならそんなに大した支出でもないから安心だ。
さて、無事に隠れ家に戻り、切り株を作業台として手入れし、バッシュは簡素な小屋を立てた。
ドアは蝶つがいが必要と気付き断念し、代わりに獣皮を入り口に暖簾のように垂らして雨除けにした。
裏庭も結界の範囲なので魔物を気にする必要もない。
結界の存在はゲーム設定上では実施者と結界の範囲が分かる魔法をデンクロが掛けている。そしてゲームプレイ上では、画面に「結界、デンクロ実施」とサブ画面に表示されている。
ちなみに結界の効果は《ギルドリーダーズ・ブック》に書いてあった。
これだけの作業の中で、バッシュの様々なスキルが上がり、レベルも2上がり4になった。
上がったスキルは建築、製作、読書(手記の読破ページ数が経験値)、戦闘である。
戦闘スキルは、多少の戦いが道中であったからだ。例えば野盗とも戦った。人間などの、知性が高い生命は結界を抜けてくるので厄介だ。
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