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2020年2月14日。小説とエッセイを一旦中断した理由

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 2020年2月14日。

 僕が小説とこのエッセイの筆を置いてからはや3ヶ月は経っただろうか。もはや『あけましておめでとうございます』は通じない時候になってしまった。

 いきなり書くのをストップをして音信不通な感じになってしまうのも、貴重な読者の皆さんに不義理な気がしてきたので、ここで連載をストップしている理由……或いは言い訳のようなことを書いておこう。


 結論から言おう。



 小説(文章媒体)での執筆よりも創作意欲や意識が強く向かうモノが出来てしまったのだ。


 去年の春頃にAppleストアでiPad ProをGETしていて、去年の暮れに描画用ソフトの決定版とでも言うべきクリップスタジオEX(試用版)をインストールした。目的は、勿論デジタルで絵を描く為だ。

 だが、今まででもただ趣味の為や作業所からアート展に出す為にデジ絵を描くなら、小説の執筆の片手間でも出来たはずなのだ。

 なら、何故なのか。


 それは、新たな創作媒体である『漫画』を描いてみたくなったからだ。


 全くと言っていい初心者で、目標を設けて新たな創作に取り組むには、どうしても他のことは頑張り切れなくなる。

 否。創作そのものは多大な時間と体力が要る。殆どの創作者は創作に取り組む為に多くの時間や他の活動を犠牲にしているものだ。異なる媒体の創作を二足も三足も草鞋を履いて等しく成り立たせることが出来る人は、余程の天才か時間もお金も有り余っている人ぐらいではなかろうか。

 ちなみに漫画だが、実は過去に挑戦したことがある。

 今から9年前。当時はツイッターのタイムラインやニュースを読んで愕然としたあの東日本大震災の時期だ。

 アナログで人生初の同人誌制作に挑戦した。作ったのは『暁が教えてくれたもの。』の加筆修正する前の前身のような状態の小説、そして漫画『創世樹』だ。

 そう。今は小説にして30話ほど書いている『創世樹』だが、当初は漫画で作るつもりだったのだ。

 当時は作業所にも通わず生活リズムも整わない、心身共に不安定な状態だった。そしてアニメーターになるべく一度は専門学校に身を置いていた僕だが、とてもプロにはなれない、と画力実力において苦い想いだけを抱えたままの僕。断続的に絵の練習はしていたが、それでも漫画版の『創世樹』は絵が下手だった。即売会に出してみても結果は推して知るべし、だ。

 絵が下手。苦い想いを抱えながらも、熱にうかされていた僕は徹夜などしてみて1ヶ月とない期間の中で机に齧り付いて30ページもの原稿を描いた。そして思うような結果が出ず、続編も途中まで描いて体調を大きく崩して未完のまま時が流れ……それでも絵による表現への執着は消えなかったのだ。

 本来なら『諦め』が真っ先に来るはず。なのにそれから年月が過ぎても、また漫画に挑戦しようとしている。きっと僕の中で捨て切れない、譲れない何かがあるのだと思う。


 という訳で、数少ない貴重な、このエッセイや小説版『創世樹』を楽しみにしてくださっている皆さん。誠に申し訳ございません。

 完全に筆を折るつもりはなく、ただ自分の可能性を試したいので、しばらく待っていてください。いずれ、執筆は再開するつもりです。

 ……これまで、色んなジャンルの、色んな媒体の創作に挑戦してみた。両手で数える程の種類の創作を試していれば、さすがに自分が向いていない創作ぐらいは理解出来る。そして多くの人が客観的にアドバイスをくださるなら、僕が一番得意な創作は小説なのだと自分でも感じる。


 だが、少なくとも今はひとつの創作に落ち着いていたくないのだ。


 自分が真に充実して、心から楽しんで創作表現活動出来るものは何なのか。模索し続けていたいのだ。


 もし、僕が小説一本に完全に創作活動を絞りきれたのなら、それはあらゆる可能性を試し切った結果……やはり小説が一番か、と納得して落ち着いた状態だろう。

 自分の中で納得の出る結論が出るまで、度々周囲や読者の方を振り回すだろう。その身勝手さや節操のなさには平身低頭するしかない。だが、自分の人生だ。自分の創作者としての生き方だ。どうか自分の心で決めさせて欲しい。


 漫画の描き方もデジタルの強みを最大限活かすことを目的のひとつにしている。そして、もう徹夜だとか、1ヶ月で30ページなどと無茶はせず、現実的な範囲内で余裕を持った漫画制作を心掛けている。


 あと3ヶ月もすればひと区切りつく。


 その時、決定的な『諦め』が来て小説一本に絞るのか? それとも、可能性は持ちつつも漫画も小説も細々と続けるのか?

 いずれにせよ、小説版『創世樹』に関しては納得のいく物語を描いてきちんと最後まで終わりたいので、どこかで切り替えポイントを設けて執筆は続けようと思う。


 ただ、今は開拓し始めた『漫画』という、かつて夢や希望を持っていた媒体の可能性を試していきたい。ただそれだけ。

 このエッセイ共々、小説の更新は不安定になるだろうが、それでも大目にみていただけるなら……引き続き、ゆるーく応援して欲しいです。いや、応援してください。よろしくお願いします。
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