mk-2の毎日がBLACK HISTORY

mk-2

文字の大きさ
88 / 95

2021年10月7日。感情が波立つ日。あと思春期ってつらいね。

しおりを挟む
 エッセイ10月7日。

 今日は朝から妙に感情が波立つ、穏やかではない感覚に苛まれている。

 特別嫌なことがあったわけではないし、未来への不安はもともとずっと傍らにあるものだ。胸騒ぎとか虫の報せとは違う。母もゆうべ眠れなかったらしい。

 まあ、母の場合は夜中にテレビの深刻な内容のドキュメンタリー番組ばかり見過ぎたせいなのだが。水俣病とか、戦争の歴史とか。

 うちの母は64歳。所謂テレビっ子の世代な上に、祖母も外で働いていることが多かったから孤独な子供時代を過ごしたから、尚のことテレビにかじりついてしまう悪い癖がある。

 この前も精神的に完全に倦んで、ゴールデンの時間帯の活気溢れるバラエティ番組などは食傷が過ぎて観たくないし、かといって憂鬱過ぎるドキュメンタリー番組も鬱陶しくて観たくない。なのに延々とリモコンのボタンを押してチャンネルをずーっと変えているのだ。

 見かねて僕は、母のリモコンを弄る手を止めて、落ち着いた気分になれるような動画などを見せてあげた。

 人間とは、大半が自立しているようでそうでなく、何かに大いに依り縋っているのではないか。そんな気さえしてくる。

 かく言う僕も云わば『ゲームっ子』世代で、ゲームやネットにお守りをしてもらっているようなものだ。僕より若い世代の人たちの多くがそうではなかろうか。

 時として、ネット上の全くの赤の他人の動向にすら神経を尖らせ、異常なほど執着してロックオンしてしまう。これも現代の病だろうな。

 ツイッターやってても、気が付けばあの人がアカウントを消した、消しはしないけれど読み専に変わってしまった、延々と何かに苦悩して燻り続ける中高生ぐらいの人……大局を見ればさしたる変化ではないのだが、俄に沸き立つ不穏の炎がある。

 ある絵描きの高校生は優れた画力を持ちながら、自分の認識よりも遥かに多く増え続けるフォロワーに喜ぶどころか逆に恐怖する。性別も性的少数者という自己認識らしいのだが、理解のなさにいつまでも炎のように燻り続ける。『フォロワーが増え過ぎたらアカウントを消そうかな……』などと言っているが、恐らく別のアカウントにしても同じことだ。

 本人がいくら苦悩したり悪態をついていようが年寄りの冷や水もいい所なので説教めいたことはしないが、何だかなあ。

 10代という年代は、本当に厄介なものだと思う。周囲よりかは、本人が。



 若さという強力なもので何日も徹夜する。友人と馬鹿をやる。親や社会に反発する。肉体的精神的に無理をする。

 それぐらいはかわいいもので、ひたすら何かに鬱屈して苦悩している。意味もなく悪態をついたり、物事を考え過ぎて勝手に自己完結させてしまう。自分の身に起こることに対して酷く無頓智だったり脆かったりする。


 彼らはとても頭が良いのかも知れないが、とにかく繊細で脆く、弱い。

 僕自身もそんな時期は長くあったから理解出来ないはずはないのだが、いざ自分が30代になってみると10代の人たちの心の裡は理解に苦しむ。だってSNSで平然と顔やら身体やら個人情報やら自ら明かすんだよ?????


 10代、思春期の人間はホルモンバランスやら脳の発達やら身体の成長やらで急激な変化に襲われている。それはそれは自分というものが混沌としている人も多いだろう。

 中には若さや自分の至らなさを自覚して、無茶をせずに自分をコントロール出来てる人もいるが、それはよっぽと早く大人になれた幸運な子だろう。大半は混沌としている。

 この時期のほんの10数秒の出来事が、のちのちの何十年分かかっても消化しきれないような大問題にもなりうる。


 現代社会はそれそのものが神経症の塊のような、病んだ存在。


 そんな時代を生きなければならない彼らは不憫なのかもしれない。無論、僕たちも。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

アルファポリスとカクヨムってどっちが稼げるの?

無責任
エッセイ・ノンフィクション
基本的にはアルファポリスとカクヨムで執筆活動をしています。 どっちが稼げるのだろう? いろんな方の想いがあるのかと・・・。 2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。 あくまで、僕の場合ですが、実データを元に・・・。

処理中です...