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第2章 魔導使い襲来。
第47話 最強は日本へと帰国する。
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修二がイギリス女王と密会中、忍は一人で『ダークネスホール』を使い、こっそりと日本に帰国していた。
「あのババアと話すぐらいなら頑固ジジイと交渉した方がマシって訳か。」
忍は不機嫌で愚痴るように独り言を発し、『ダークネスホール』から金色の腕時計を取り左腕に装着し、時間を確認していた。
(…四時ぐらいか。今ならアポを取らず屋敷に入れるだろうな。面倒だが正面から行くか。)
忍が『ダークネスホール』でワープした場所は、日本の伝統を感じる。木製で建造された和屋敷の裏方だった。
忍はサングラスを外し、胸ポケットに仕舞い、『覇気』を使わず、少し緊張ぎみで眉をしかめて徒歩で正面へ回った。
正面に回ると『魔界連合本部鮫島組』と書かれた看板があり、門の前にはスーツを着た二人が立って見張りをしていた。
そう忍は最上級悪魔によって構成された。関東最大暴力団組織、『魔界連合』の鮫島組長に出会うため日本に戻って来たのだ。
「鮫島組長はいるか?」
意を決して忍は二人のヤクザに声を掛け、組長の在宅を確認していた。
「アポを取っていますか?」
ヤクザの一人が忍に警戒を強め、アポの確認をしていた。
「急ぎの用だ。鬼塚本部長に神崎忍が来たって言えば分かる。」
「おい、そいつは通して良いぞ。俺が組長の所まで案内するから引き続き警備してくれ。」
屋敷から丸坊主、両耳に二つのピアス、黒いスーツを身に纏い、ガタイの良い、右眉に小さい切り傷が目立つ強面の鬼塚弘人が現れ、忍を案内すると二人に説得した。
「本部長がそう仰るなら…。」
ヤクザの二人は間を空け、忍が屋敷へと入りやすくした。
鬼塚が最初に入り、忍が後を追うように屋敷へと入って行った。玄関で靴を脱ぎ、庭が見える木造で作られた長い廊下を歩いていた。
「多分、『魔導使い』と魔王ウロボロスの件で来るとは思ってました。」
「だろうな。幾ら中立の立場でも人間を数十人殺した話だからな。ウロボロスは余裕と覚悟の上で戦争を仕掛けたんだろう。」
「えぇ、ですから魔界連合も動き出す事態となりました。久し振りですからね、今まで教会ばかりに頼ってましたので体が鈍ってないか心配です。」
「お前等が本気で戦うと世界は終わる。それだけは止めてほしいな。」
鬼塚の軽く発言した事が忍にとっては冗談には思えず、目は外へと逸らし、頬を少し引き吊らせツッコんでいた。
「本気で戦いませんよ。ただウロボロスだけは半殺しするだけですよ。」
「…その戦いで世界が耐えきれねぇから言ってんだろうが脳筋ヤクザ。」
話を理解していない鬼塚の言葉に忍は小さくポツリと悪態をついていた。
「脳筋ってなんですか?」
鬼塚は脳筋という言葉が理解できず思わず忍に尋ねていた。
「…いや俺が悪かった。今のは忘れてくれ…。」
ふと忍は思い出した。鬼塚は幼少の頃からヤクザとして育った為、金勘定と簡単な言葉、礼儀と暴力以外は全くの無知だった事を。
「…アイツは帰って来たのか?」
忍は鬼塚に誰かを訪ねた。鬼塚はピタリと足を止め、少し曇った表情を浮かべて、同じく立ち止まった忍と向き合った。
「幻魔達が人間界に来る半年前、雨に打たれながら帰って来ました。兄貴とは数年振りの再開でした。親父と数時間話した後は傘もささず、何も言わないまま何処かへ行ってしまいました。」
「…そうだったのか。俺も暫く五年いなかったからな、最新の情報を得られていないんだ。」
「そうだったんですか。てっきり変な所へ誘拐され面倒事に巻き込まれて、変な仲間と一緒に世界を救ってたと思ってました。」
「お前見てた?」
五年前の起こった出来事が殆ど当たっていたので、絶対何処かで見てただろという疑惑が出て忍は鬼塚を疑っていた。
「いえ、俺は五年前に本部長へ昇進し、飲み行く時でも護衛がいたので自由には動けないですよ。」
「疑わしいんだよ。テメェの兄貴が化物みてぇな存在で、それに付いて来てる弟分のテメェも怪しいんだよ。」
「そんな事言ったって…そんな難しい言葉並べないでくださいよ。疑わしいとか怪しいとか人を信用してないみたいな、仁義に反してる性格だと思われたくないですよ。」
「言ってる通りじゃねぇかよ…。」
鬼塚の馬鹿なのか天才なのか分からない性格に忍は翻弄されツッコミ疲れていた。
「さあ、急ぎましょう。」
(本当に見てなかったのか?)
気を取り直し鬼塚は歩き出し、忍を鮫島組長の元へ案内する。が、忍は本当に鬼塚は知らないのか未だに疑っていた。
「…着きました。親父はここで刀を手入れしてます。くれぐれも興奮させない様に…昨日、しこたま飲んで二日酔いなんです。」
鬼塚から緊迫感のある思わせ振りな空気を出し、鮫島組長の対応に注意が必要と言われ、警戒していた忍がガックシと落胆していた。
だが、忍にも二日酔いで判断を誤った経験があるので人の事は言えないなと反省し、鮫島組長との面談に励んでいた。
「失礼します。神崎忍様がウロボロスの件で来訪されました。親父は今、大丈夫ですか?」
鬼塚は襖を少しだけ開き、先に入室し鮫島組長へ忍との面談許可を得ようとしていた。
「神崎の小僧が来てるのか…入れろ。」
「忍様、どうぞお入りください。」
鮫島組長からの許可を得られ鬼塚は忍が入れる様に襖を奥まで開き、対応していた。
「…お久し振りです。鮫島大河組長、十年振りになります。」
「おう、神崎忍。本当に十年振りだな…」
「あのババアと話すぐらいなら頑固ジジイと交渉した方がマシって訳か。」
忍は不機嫌で愚痴るように独り言を発し、『ダークネスホール』から金色の腕時計を取り左腕に装着し、時間を確認していた。
(…四時ぐらいか。今ならアポを取らず屋敷に入れるだろうな。面倒だが正面から行くか。)
忍が『ダークネスホール』でワープした場所は、日本の伝統を感じる。木製で建造された和屋敷の裏方だった。
忍はサングラスを外し、胸ポケットに仕舞い、『覇気』を使わず、少し緊張ぎみで眉をしかめて徒歩で正面へ回った。
正面に回ると『魔界連合本部鮫島組』と書かれた看板があり、門の前にはスーツを着た二人が立って見張りをしていた。
そう忍は最上級悪魔によって構成された。関東最大暴力団組織、『魔界連合』の鮫島組長に出会うため日本に戻って来たのだ。
「鮫島組長はいるか?」
意を決して忍は二人のヤクザに声を掛け、組長の在宅を確認していた。
「アポを取っていますか?」
ヤクザの一人が忍に警戒を強め、アポの確認をしていた。
「急ぎの用だ。鬼塚本部長に神崎忍が来たって言えば分かる。」
「おい、そいつは通して良いぞ。俺が組長の所まで案内するから引き続き警備してくれ。」
屋敷から丸坊主、両耳に二つのピアス、黒いスーツを身に纏い、ガタイの良い、右眉に小さい切り傷が目立つ強面の鬼塚弘人が現れ、忍を案内すると二人に説得した。
「本部長がそう仰るなら…。」
ヤクザの二人は間を空け、忍が屋敷へと入りやすくした。
鬼塚が最初に入り、忍が後を追うように屋敷へと入って行った。玄関で靴を脱ぎ、庭が見える木造で作られた長い廊下を歩いていた。
「多分、『魔導使い』と魔王ウロボロスの件で来るとは思ってました。」
「だろうな。幾ら中立の立場でも人間を数十人殺した話だからな。ウロボロスは余裕と覚悟の上で戦争を仕掛けたんだろう。」
「えぇ、ですから魔界連合も動き出す事態となりました。久し振りですからね、今まで教会ばかりに頼ってましたので体が鈍ってないか心配です。」
「お前等が本気で戦うと世界は終わる。それだけは止めてほしいな。」
鬼塚の軽く発言した事が忍にとっては冗談には思えず、目は外へと逸らし、頬を少し引き吊らせツッコんでいた。
「本気で戦いませんよ。ただウロボロスだけは半殺しするだけですよ。」
「…その戦いで世界が耐えきれねぇから言ってんだろうが脳筋ヤクザ。」
話を理解していない鬼塚の言葉に忍は小さくポツリと悪態をついていた。
「脳筋ってなんですか?」
鬼塚は脳筋という言葉が理解できず思わず忍に尋ねていた。
「…いや俺が悪かった。今のは忘れてくれ…。」
ふと忍は思い出した。鬼塚は幼少の頃からヤクザとして育った為、金勘定と簡単な言葉、礼儀と暴力以外は全くの無知だった事を。
「…アイツは帰って来たのか?」
忍は鬼塚に誰かを訪ねた。鬼塚はピタリと足を止め、少し曇った表情を浮かべて、同じく立ち止まった忍と向き合った。
「幻魔達が人間界に来る半年前、雨に打たれながら帰って来ました。兄貴とは数年振りの再開でした。親父と数時間話した後は傘もささず、何も言わないまま何処かへ行ってしまいました。」
「…そうだったのか。俺も暫く五年いなかったからな、最新の情報を得られていないんだ。」
「そうだったんですか。てっきり変な所へ誘拐され面倒事に巻き込まれて、変な仲間と一緒に世界を救ってたと思ってました。」
「お前見てた?」
五年前の起こった出来事が殆ど当たっていたので、絶対何処かで見てただろという疑惑が出て忍は鬼塚を疑っていた。
「いえ、俺は五年前に本部長へ昇進し、飲み行く時でも護衛がいたので自由には動けないですよ。」
「疑わしいんだよ。テメェの兄貴が化物みてぇな存在で、それに付いて来てる弟分のテメェも怪しいんだよ。」
「そんな事言ったって…そんな難しい言葉並べないでくださいよ。疑わしいとか怪しいとか人を信用してないみたいな、仁義に反してる性格だと思われたくないですよ。」
「言ってる通りじゃねぇかよ…。」
鬼塚の馬鹿なのか天才なのか分からない性格に忍は翻弄されツッコミ疲れていた。
「さあ、急ぎましょう。」
(本当に見てなかったのか?)
気を取り直し鬼塚は歩き出し、忍を鮫島組長の元へ案内する。が、忍は本当に鬼塚は知らないのか未だに疑っていた。
「…着きました。親父はここで刀を手入れしてます。くれぐれも興奮させない様に…昨日、しこたま飲んで二日酔いなんです。」
鬼塚から緊迫感のある思わせ振りな空気を出し、鮫島組長の対応に注意が必要と言われ、警戒していた忍がガックシと落胆していた。
だが、忍にも二日酔いで判断を誤った経験があるので人の事は言えないなと反省し、鮫島組長との面談に励んでいた。
「失礼します。神崎忍様がウロボロスの件で来訪されました。親父は今、大丈夫ですか?」
鬼塚は襖を少しだけ開き、先に入室し鮫島組長へ忍との面談許可を得ようとしていた。
「神崎の小僧が来てるのか…入れろ。」
「忍様、どうぞお入りください。」
鮫島組長からの許可を得られ鬼塚は忍が入れる様に襖を奥まで開き、対応していた。
「…お久し振りです。鮫島大河組長、十年振りになります。」
「おう、神崎忍。本当に十年振りだな…」
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