いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

文字の大きさ
2 / 869

02:夢の世界はまだ捨てがたい

しおりを挟む
よくあるきっかけはトラックにはねられるとか、
車にはねられそうな動物を助けたら実は女神様だったとか、
病気ではかなく散って次は健康でとか、ド定番の勇者召喚とか。

召喚も神様もないけどチートっぽいのはある。
そもそも、ここには人がいるのか、文明はあるのか。
魔法有の中世ヨーロッパ風も定番だが、
近未来もパターンも数は少ないが有るだろう。
石鹸やマヨネーズ、リバーシにトランプ、
そんなものは同じ構造をしたお脳様がいれば同じように進化しているはずだ。
このチートと思しき力も一般ピーポー標準装備かもしれない。


わかっていることは、
思ったことが実現可能だが、質量保存の法則は働く。
ドテラの余りで石油まで戻しプラスチックができるかもと思ったが、
なにかが足らないのかできなかった。
裏地で作ったかばんはショルダータイプで、
不思議石を削り出してボタンをつくり付けある。
『ちょっと、薄くまーるく、こんな形になってね』と思えばできる。
ボタンの糸はおパンツのものだが、お天道様でも気がつくめぇ。

この石、なかなかきれいである。鋭利になったり、磨けばオパールのようだ。
お願いしてるだけだが。

もしかしたらこの世界では価値あるものかも、
と、裏地バックに入れておこうとおもったが、
そんなに入るものでもないし、なにより重いだろう。
定番チートの空間魔法が使えるかもと、カバンの中に亜空間をつくってみる。
いや、想像しただけだけどね。

空間というのはいくつもの層が存在しその一つの層の中で、完結している。
しかし、すぐ隣には同じような層があり、時間が3秒だけ進んでいるとか、
ほんの少しの違いが無数に重なっている。
平行世界、パラレルワールドだ。

異世界も大雑把に言えばパラレルワールドの一つだとしよう。
普段は行き来はできないが、現にわたしがここにいる。
次元の狭間、神隠し。
その層の間に新たな空間をねじ込むこともできるとすれば、
ほら、亜空間の完成。

そのまま、ずぼばっと、出し入れができた。
うーん、すごい。
けど、想像しても元の世界には帰れない。
どのタイミングで来たのかそれすらもわからん。
お風呂に入って、着替えて、布団にはいるにはまだ早いからドテラを着て。
そこから記憶が森に飛んでる。
寝落ちで、仕事先からの電話で目が覚めるパターンかな?

まだ、夢の世界ってのは捨てがたいから。

この石を粘土のようにカバンからちぎりだし、
丸くしたり、薄くしたり、固くしたり、やわらかくしたり。
すごい。これはほんとの不思議石だ!!
服もこれで作るか?と考えたが、半透明は如何ともしがたく、あきらめた。
ドテラコートにスエットのリフォーム的外着に裏地カバン。
しかし、靴はどうしようかな?
裏地で靴下っぽくして、1cm浮いとくか?
ド〇えもんも3cm浮いてるらしいから、OKかな?

そんな作業をしていたらいつの間にかあたりは明るくなっていた。


「************************」

靴下を片方履きかけの状況で聞きなれぬ言葉を、音を、かけられれば、
振り向きざまに喉に槍先を刺されれば、
誰だってこの世の終わりの言葉を紡ぎだすだろう。

『うぎゃーーーーー』

わたしを中心に球体状になにかが膨れ上がる。


ズドーン

ええ、ぶっ飛びましたよ、槍っぽいものを構えていた人間っぽいなにかが。


うそーん、
殺すつもりはなかった、ってこういうときに言うセリフだよね。

飛ぶこともわすれ、靴下のままはしり、その人に駆け寄る。

気を失ってるだけ?外傷無し?息はしてるね?
へたにゆするとお脳さまが危ない?
そっと首元にふれ、鼓動を確かめる。
最悪『必殺!元に戻れ!』で大丈夫なはず。必ず殺してどーするの?だけどね。

しかし、まー、男くさいわー
片目を隠したアイパッチがワイルドさを増している。
あ、これって、イケメンパターンDの亜種じゃないの?


砂漠の民?ちょっと古めかしい感じ。
毛皮をまとっているわけではないが、手作り感満載の服。機能美ですな。
文明は有るようだけど、中世?

でも、槍先は鋭く、ぶっとんでも離さなかった柄は装飾が施されている。
うーん、わからん。言葉もわからんかったっぽい。

けど、人間ぽいから言語進化は同じなはず。理解できるよね。
とりあえず、村人発見ってことで、いいよね。

あれから、ぶっ飛び男ことワイルダーマンは目を覚ますこと眠り続ける。
気を失っていることをいいことに一通り観察を終えると、
唸り声上げ、苦しそうにする。

慌てて、手を握り、頭を撫でた。

『大丈夫、大丈夫、目が覚めたら元気いっぱい、問題はすべて解決してるよ。
 ゆっくりお休み』

すーっと、息遣いが落着き、完全に眠りに入ったようだ。
それから、あたりは薄暗くなり、2つの月が昇り始めた。
1日がはやい。そして太陽はない。月が昇り沈むが、太陽は昇らなかった。
ただ、あたりが明るくなっただけだ。そして少し寒い。
パラレルワールド、平行世界。少しずつ違う世界の、少しずつ似た世界。
やはり異世界。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった

仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

処理中です...