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05:飴玉
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気づくと寝床に横になっていた。体の痛みはない。
部屋を見渡すと、女も荷物もない。
慌てて飛び出したが、静かなものだ。
かなり時間がたったのだろうか?
砂漠石を使ってみるか?
部屋に戻り、砂漠石を入れている箱を取り出すために寝床の下をのぞき込む。
ふと、寝床の横に丸い5つの砂漠石が置いてあるのに気づいた。
すごい。形状もすごいがかなりの大きさだ。
私が確保しているものよりはるかに大きかった。
迷ったがその中で一番大きなもの握り締め再びそとにでる。
『さがせさがせあの女はどこにいる?』
ふっと上空からあの女の気配がした。
上?どこだ?
しかし、振り向き見上げた瞬間に気配は消えた。
ダメか。
手の中の砂漠石はさらさらと砂になり消えた。
こんなところはとっととおさらばしているはずだ。
石はなんで置いていったのか?わからん。
「はははは・・・」
久しぶりに立てた笑い声は何とも情けないものだった。
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
それから2つの月が3回あがり、
その2つの月は少しずつ重なって昇ってくる。
相変わらず太陽というものが上がることはない。
その間わたしはここにいた。
食べることもなく空間を漂い、
ワイルダーマンことマティスのそばにいた。
彼の名が知れたのは2つ月が少し重なり沈んだときだ。
いつもなら沈んだと同時に砂漠に出るのだが、
その日は家でゆっくりとしていた。
休日か?人が来たのだ。
「マティスいるかい?はいるよ?」
その人は恰幅のいい、いかにも商人っぽいひとだ。
ラクダと馬を足して若干ラクダよりの生き物に、
幌馬車を曳かせてやって来た。
「生きてるか?なんだ、不景気な面しやがって!
この前の爆裂の振動は街まで響いたんだぜ?
砂トカゲと言われるお前の事だ。いい成果が出たんじゃないのかい?ん?」
返事をまたずして大きな荷物をテーブルに置き、椅子に座ると、
タイミングよく出した、水を一気に飲んだ。
ふーと、満足げな息をはきつつマティスを見上げる。
と、まじまじとマティスを眺めていたその商人は驚きの声を上げた。
「目をどうした?とうとう、治したのか!!すごいじゃないか!
どんだけでっけぇ石を手にいれたんだ!!
左腕もか?どんだけででっけぇ石だったんだ!!
まさか、全部使ったんじゃないだろうな!?
いや、それでもいいんだが、いや、やっぱり、ほれ、そこは、、、、」
「・・・・・・今回はこれだけだ。」
そう言ってワイルダーマンことマティスはテーブルに皿を置くと
不思議石の破片を袋からその上にぶちまけた。
「?まぁ、前回と同じか。なんだよ、やっぱり全部使ったのか?
ま、誰だって、そうなるさな。
やっぱり、あの爆裂ででかいのがでたのか?
どんだけのものが出たかは教えてくれよ?」
「・・・・」
何も言わすポケットから小さな袋をだし、そこから1つの石を出した。
わたしが置いていった最後の1つだ。
あれから3回、月が昇るたびに砂漠に出て、石を握りしめ、目を閉じ
さらさらと砂にしてはため息をついていた。その最後の1つだ。
「すごいじゃないか!!しかも球体!!これで治したんだな!すごい!
こ、これはもちろん、売ってくれるよな?な!!
今日はきっといい取引ができると思って多めに持ってきているんだ。
この石の大きさと形状では到底足らないが、すぐさま足りない分をもってくるさ、な!!」
「ああ、そうだな、いや、食料はいつもの分でいい。
そのかわり、俺の体が治ったことを誰にも言わないでくれ。
この前の爆裂でこの石だけが収穫できたと、そうしてくれ。」
「それは、こっちにしてみればありがたいが。
・・・そうか、俺もまだまだ甘いな。」
「だろ?この体が治ったとうわさになれば、
どんだけの砂漠石がでたんだと、
領主の取り締まりがやってくるかもしれん。
くず石だから俺たちの商売がなりたってるんだ。
その石だって人に見せれば取り上げられるぞ?
崩して売るか、いざって時に置いとくのがお互いの為さ。」
「ま、そうだな。砂漠石の管理は領主様の仕事だからな。
崩したとしても結構な大きさだ。ありがたいこった。
で、その体を治したのはどれくらいの石を使ったんだ?
これと同じぐらいか?」
「それは、いえんな、おおきいかもしれんし、
ちいさいかもしれん。それを含めての口止め料だ。」
「ふん、まあいいさ。なんにしても今日はいい日だ。
な?酒も持って来てるんだ、俺の勘もなかなかのもんだろ?
なんでもいいから、祝おうぜ!」
「ああ、そうだな」
それからひとしきり、飲んで食べて、商人が街の出来事を面白おかしくはなしていた。
ひとしきりしゃべって満足したのかそろそろ帰るかと立ち上がった。
「なぁ、街に来る気はないのか?」
「ないな。親父の墓もここにあるんだ、ここにいるよ。」
「そうだな、今日は墓に参ってから俺も帰るよ。」
「そうしてやってくれ、親父、タロスも喜ぶ。」
「そうだな。。」
商人さんは扉を出ると、ラクダもどきをひとなでしてから裏手に回る。
そこは、大きな木があり、その根元に、不自然に積み上げた石の前にこうべをたれた。
「タロスよ、あんたの息子は傷を癒したよ。
これまでも結構な大きさの石がでても自分で使うことはなかったが、
今回よっぽどの石が手に入ったんだろう。
それを使ってくれたことをうれしく思うよ。
しかし、街には戻らないってさ。血がつながらないのにあんたにそっくりだ。
そんなにここがいいのかね、わからんでもないがね。
ま、そのおかげで商売ができるんだ、文句はねえがな。
また、月が混合う頃にくるよ。」
そういうと馬車に乗り込み手綱をしならせ森へと入っていった。
きっとこの森の向こうに街があるのだろう。
ついていくか?
いや、その「月が混合う頃」にまた来るのならそのときでいいだろうか?
名前が分かっただけで大金星だ。
彼の一日は、月が沈み、砂漠に出て、爆裂と呼ばれる音を聞き、
そこまで走り、砂を這い、
小さな不思議石あらため砂漠石の破片を拾い集める。
やはりこの砂漠石は魔法の石のようだ。
握り願いをかければその大きさによってかなうようだ。
毎日這いつくばってあつめる小さな破片もそれなりの力があるようで、
小指の先ほどの石が3つほどで1日の生活が賄えるようだ。
水を出し、火をだし、明かりを灯す。
エネルギーの塊、電池みたいなものか?
それが、球体の金柑ぐらいの大きさで目が治ったり、
けがが治ったりできるとおもわれても不思議はないようだ。
しかし、マティスの目と(眼帯はおしゃれではなかった)
左腕も悪かったそうだがそれを治したのは石のちからではない。
『問題はすべて解決してるよ』
この言葉だろう。
魔法というか、言霊が強烈に働く世界か?
砂漠石をランタンのような容器にいれて、
それにふれながらなにかひと呼吸して使っている。
心の中で『水よ出ろ』とか『火よ』とか、
厨二病的な呪文を唱えているに違いない。
その砂漠石を這ってあつめるのはなにも彼だけではない。
砂トカゲだ。彼より先に砂トカゲは石を長い舌でなめとっている。
こちらから横取りはしないが、遅れてやってきたトカゲは
彼の収穫を奪おうとする。そうなると、その砂トカゲは彼の夕食となる。
トカゲを例の槍でつき、サボテンもどきをはいで帰る。
探しているあいだにも、ポスンと這いつくばってるすぐ横で爆裂は起こる。
それを器用に除け砂トカゲのように石を回収していく。
家に帰ると、井戸から水を汲み頭からかぶり、
もちろんその時はマッパだ、家に入る。
穀物を湯で温め、おかゆ状態にして、
焼いたトカゲとサボテンを食べる。
残ったトカゲは干し肉に。
2日に一度の飴玉と、3日に一度の湯あみ。
この時石は小さな石を2つ使う。
規則正しい生活。
そんな日々を姿を消し、気配を消して、ずっと見ていた。
ちょっと怖いくらいのストーカーぶりだ。
砂漠に出てる間に、家に残り、彼の蔵書を読むこともあった。
『文字を理解したい』
と願えば、文字を理解できた。
歴史書、料理、砂漠石の利用方法など。
ピンクっぽいものはなかったから、
この前の事はたまっていたのかな?とおもう。
淡白なほうなのか?日々出してる様子はない。
いや、四六時中観察してるわけではないんだが。
だがその日は少し違った。
あれから14回目の月が昇り、2つが完全に重なるとき、
遠くの砂漠では夜には聞かなかった音がする。
爆裂音とは少し違う、ポスポスという音。
収穫し放題じゃん!とおもったが、あまりに連続で爆裂が起こるから
かわすことも難しいのかしれない。
いつもベットに入ればすぐに寝るのに、自分の体を抱きしめ、声を殺して泣いていた。
あまりに悲しげに泣くものだから、
「これは夢だ。」
と、いいつつ姿を表し、ベットに腰かけた。
目を見開いて驚いていたが、夢だといったことが効いたのか、
子供のように抱き着いてきた。
そこに性欲はなく、わたしもそっと抱き返す。
「眠れないの?」
頑是ないこどものように首を振る。
「どこか痛いの?」
また首を振る。
「寝れないんなら、今日はとくに明るいし、砂漠にいこうか?」
「・・・?・・・いかない。」
「?なんで?音が聞こえてるよポスポスって。
きっといっぱい石が表に出てる。取りに行かないと、
トカゲにみんな取られるよ?」
そういうと、体を起こし、さも、不思議なものをみるようにわたしを見つめた。
「・・・合わさりの月の夜は砂漠に出てはいけない。」
「?なんで?」
いうが早いか、うつろな目は一転して殺気を帯び、
ベット横に立てかけていたあの槍を構え、またしてもわたしの首にあてがった。
うん、お約束だね。
「待て、何もしない、話がしたい!」
「何もしないって、槍刺さってるじゃん!!」
そういうと、槍をそっと外した。
「・・・・おやすみ、泣き虫さん」
瞬く間もなく姿と気配を消し、上空に逃げた。
「っちくしょう!!!!出てこい!!!」
ガッシャーん。と何かが割れる音。
「いるんだろう!勝手に本を読んだり、
飴をくすねたのも知ってるんだぞ!!出てきやがれ!!」
何もしないといった口からでてる言葉としては恐ろしいと思ったが、
あら、いろいろバレてる。
飴玉の数を数えてるとは恐れ入った。
ま、これで、涙も止まったことでしょう。
怒りで眠れるかどうかは別だが。
部屋を見渡すと、女も荷物もない。
慌てて飛び出したが、静かなものだ。
かなり時間がたったのだろうか?
砂漠石を使ってみるか?
部屋に戻り、砂漠石を入れている箱を取り出すために寝床の下をのぞき込む。
ふと、寝床の横に丸い5つの砂漠石が置いてあるのに気づいた。
すごい。形状もすごいがかなりの大きさだ。
私が確保しているものよりはるかに大きかった。
迷ったがその中で一番大きなもの握り締め再びそとにでる。
『さがせさがせあの女はどこにいる?』
ふっと上空からあの女の気配がした。
上?どこだ?
しかし、振り向き見上げた瞬間に気配は消えた。
ダメか。
手の中の砂漠石はさらさらと砂になり消えた。
こんなところはとっととおさらばしているはずだ。
石はなんで置いていったのか?わからん。
「はははは・・・」
久しぶりに立てた笑い声は何とも情けないものだった。
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
それから2つの月が3回あがり、
その2つの月は少しずつ重なって昇ってくる。
相変わらず太陽というものが上がることはない。
その間わたしはここにいた。
食べることもなく空間を漂い、
ワイルダーマンことマティスのそばにいた。
彼の名が知れたのは2つ月が少し重なり沈んだときだ。
いつもなら沈んだと同時に砂漠に出るのだが、
その日は家でゆっくりとしていた。
休日か?人が来たのだ。
「マティスいるかい?はいるよ?」
その人は恰幅のいい、いかにも商人っぽいひとだ。
ラクダと馬を足して若干ラクダよりの生き物に、
幌馬車を曳かせてやって来た。
「生きてるか?なんだ、不景気な面しやがって!
この前の爆裂の振動は街まで響いたんだぜ?
砂トカゲと言われるお前の事だ。いい成果が出たんじゃないのかい?ん?」
返事をまたずして大きな荷物をテーブルに置き、椅子に座ると、
タイミングよく出した、水を一気に飲んだ。
ふーと、満足げな息をはきつつマティスを見上げる。
と、まじまじとマティスを眺めていたその商人は驚きの声を上げた。
「目をどうした?とうとう、治したのか!!すごいじゃないか!
どんだけでっけぇ石を手にいれたんだ!!
左腕もか?どんだけででっけぇ石だったんだ!!
まさか、全部使ったんじゃないだろうな!?
いや、それでもいいんだが、いや、やっぱり、ほれ、そこは、、、、」
「・・・・・・今回はこれだけだ。」
そう言ってワイルダーマンことマティスはテーブルに皿を置くと
不思議石の破片を袋からその上にぶちまけた。
「?まぁ、前回と同じか。なんだよ、やっぱり全部使ったのか?
ま、誰だって、そうなるさな。
やっぱり、あの爆裂ででかいのがでたのか?
どんだけのものが出たかは教えてくれよ?」
「・・・・」
何も言わすポケットから小さな袋をだし、そこから1つの石を出した。
わたしが置いていった最後の1つだ。
あれから3回、月が昇るたびに砂漠に出て、石を握りしめ、目を閉じ
さらさらと砂にしてはため息をついていた。その最後の1つだ。
「すごいじゃないか!!しかも球体!!これで治したんだな!すごい!
こ、これはもちろん、売ってくれるよな?な!!
今日はきっといい取引ができると思って多めに持ってきているんだ。
この石の大きさと形状では到底足らないが、すぐさま足りない分をもってくるさ、な!!」
「ああ、そうだな、いや、食料はいつもの分でいい。
そのかわり、俺の体が治ったことを誰にも言わないでくれ。
この前の爆裂でこの石だけが収穫できたと、そうしてくれ。」
「それは、こっちにしてみればありがたいが。
・・・そうか、俺もまだまだ甘いな。」
「だろ?この体が治ったとうわさになれば、
どんだけの砂漠石がでたんだと、
領主の取り締まりがやってくるかもしれん。
くず石だから俺たちの商売がなりたってるんだ。
その石だって人に見せれば取り上げられるぞ?
崩して売るか、いざって時に置いとくのがお互いの為さ。」
「ま、そうだな。砂漠石の管理は領主様の仕事だからな。
崩したとしても結構な大きさだ。ありがたいこった。
で、その体を治したのはどれくらいの石を使ったんだ?
これと同じぐらいか?」
「それは、いえんな、おおきいかもしれんし、
ちいさいかもしれん。それを含めての口止め料だ。」
「ふん、まあいいさ。なんにしても今日はいい日だ。
な?酒も持って来てるんだ、俺の勘もなかなかのもんだろ?
なんでもいいから、祝おうぜ!」
「ああ、そうだな」
それからひとしきり、飲んで食べて、商人が街の出来事を面白おかしくはなしていた。
ひとしきりしゃべって満足したのかそろそろ帰るかと立ち上がった。
「なぁ、街に来る気はないのか?」
「ないな。親父の墓もここにあるんだ、ここにいるよ。」
「そうだな、今日は墓に参ってから俺も帰るよ。」
「そうしてやってくれ、親父、タロスも喜ぶ。」
「そうだな。。」
商人さんは扉を出ると、ラクダもどきをひとなでしてから裏手に回る。
そこは、大きな木があり、その根元に、不自然に積み上げた石の前にこうべをたれた。
「タロスよ、あんたの息子は傷を癒したよ。
これまでも結構な大きさの石がでても自分で使うことはなかったが、
今回よっぽどの石が手に入ったんだろう。
それを使ってくれたことをうれしく思うよ。
しかし、街には戻らないってさ。血がつながらないのにあんたにそっくりだ。
そんなにここがいいのかね、わからんでもないがね。
ま、そのおかげで商売ができるんだ、文句はねえがな。
また、月が混合う頃にくるよ。」
そういうと馬車に乗り込み手綱をしならせ森へと入っていった。
きっとこの森の向こうに街があるのだろう。
ついていくか?
いや、その「月が混合う頃」にまた来るのならそのときでいいだろうか?
名前が分かっただけで大金星だ。
彼の一日は、月が沈み、砂漠に出て、爆裂と呼ばれる音を聞き、
そこまで走り、砂を這い、
小さな不思議石あらため砂漠石の破片を拾い集める。
やはりこの砂漠石は魔法の石のようだ。
握り願いをかければその大きさによってかなうようだ。
毎日這いつくばってあつめる小さな破片もそれなりの力があるようで、
小指の先ほどの石が3つほどで1日の生活が賄えるようだ。
水を出し、火をだし、明かりを灯す。
エネルギーの塊、電池みたいなものか?
それが、球体の金柑ぐらいの大きさで目が治ったり、
けがが治ったりできるとおもわれても不思議はないようだ。
しかし、マティスの目と(眼帯はおしゃれではなかった)
左腕も悪かったそうだがそれを治したのは石のちからではない。
『問題はすべて解決してるよ』
この言葉だろう。
魔法というか、言霊が強烈に働く世界か?
砂漠石をランタンのような容器にいれて、
それにふれながらなにかひと呼吸して使っている。
心の中で『水よ出ろ』とか『火よ』とか、
厨二病的な呪文を唱えているに違いない。
その砂漠石を這ってあつめるのはなにも彼だけではない。
砂トカゲだ。彼より先に砂トカゲは石を長い舌でなめとっている。
こちらから横取りはしないが、遅れてやってきたトカゲは
彼の収穫を奪おうとする。そうなると、その砂トカゲは彼の夕食となる。
トカゲを例の槍でつき、サボテンもどきをはいで帰る。
探しているあいだにも、ポスンと這いつくばってるすぐ横で爆裂は起こる。
それを器用に除け砂トカゲのように石を回収していく。
家に帰ると、井戸から水を汲み頭からかぶり、
もちろんその時はマッパだ、家に入る。
穀物を湯で温め、おかゆ状態にして、
焼いたトカゲとサボテンを食べる。
残ったトカゲは干し肉に。
2日に一度の飴玉と、3日に一度の湯あみ。
この時石は小さな石を2つ使う。
規則正しい生活。
そんな日々を姿を消し、気配を消して、ずっと見ていた。
ちょっと怖いくらいのストーカーぶりだ。
砂漠に出てる間に、家に残り、彼の蔵書を読むこともあった。
『文字を理解したい』
と願えば、文字を理解できた。
歴史書、料理、砂漠石の利用方法など。
ピンクっぽいものはなかったから、
この前の事はたまっていたのかな?とおもう。
淡白なほうなのか?日々出してる様子はない。
いや、四六時中観察してるわけではないんだが。
だがその日は少し違った。
あれから14回目の月が昇り、2つが完全に重なるとき、
遠くの砂漠では夜には聞かなかった音がする。
爆裂音とは少し違う、ポスポスという音。
収穫し放題じゃん!とおもったが、あまりに連続で爆裂が起こるから
かわすことも難しいのかしれない。
いつもベットに入ればすぐに寝るのに、自分の体を抱きしめ、声を殺して泣いていた。
あまりに悲しげに泣くものだから、
「これは夢だ。」
と、いいつつ姿を表し、ベットに腰かけた。
目を見開いて驚いていたが、夢だといったことが効いたのか、
子供のように抱き着いてきた。
そこに性欲はなく、わたしもそっと抱き返す。
「眠れないの?」
頑是ないこどものように首を振る。
「どこか痛いの?」
また首を振る。
「寝れないんなら、今日はとくに明るいし、砂漠にいこうか?」
「・・・?・・・いかない。」
「?なんで?音が聞こえてるよポスポスって。
きっといっぱい石が表に出てる。取りに行かないと、
トカゲにみんな取られるよ?」
そういうと、体を起こし、さも、不思議なものをみるようにわたしを見つめた。
「・・・合わさりの月の夜は砂漠に出てはいけない。」
「?なんで?」
いうが早いか、うつろな目は一転して殺気を帯び、
ベット横に立てかけていたあの槍を構え、またしてもわたしの首にあてがった。
うん、お約束だね。
「待て、何もしない、話がしたい!」
「何もしないって、槍刺さってるじゃん!!」
そういうと、槍をそっと外した。
「・・・・おやすみ、泣き虫さん」
瞬く間もなく姿と気配を消し、上空に逃げた。
「っちくしょう!!!!出てこい!!!」
ガッシャーん。と何かが割れる音。
「いるんだろう!勝手に本を読んだり、
飴をくすねたのも知ってるんだぞ!!出てきやがれ!!」
何もしないといった口からでてる言葉としては恐ろしいと思ったが、
あら、いろいろバレてる。
飴玉の数を数えてるとは恐れ入った。
ま、これで、涙も止まったことでしょう。
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