いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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27:女性の仕事

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髪を洗ったのだろう、後ろに流し、下を布を当てながら
ちゃぷんと隣に入ってきた。
120歳なのか?いや、娼婦でもそれくらいな年齢な人もいるという。
それよりも寿命が違うというのが問題だ。
あと、30年より短い時間しか一緒にいられないのか?


「マティス?大丈夫よ。そういうのはそういうものよ。
もしかしたらこっちの世界の尺に体が合うかもしれない。
ね?まだまだ先のこと。大丈夫、大丈夫。」

彼女の大丈夫という言葉は本当に安心する。
そうだ、大丈夫だ。彼女はここにいる。

「お?壁面細工気づいた?
これ、いいでしょ?銭湯みたいに富士山書こうと思ったけど、
見慣れてる風景のほうがいいかなって。
毎日変えられるのもたのしいでしょ?
これ?マティス作?いいーねー。」

段差に座りながら壁を見つめ、理解できない言葉をつぶやきながら
冷たい水を作り飲んでいた。

「私も欲しい」

「ん?」

コップを寄こすのではなく、再び水を飲みそのまま私に口づけた。
冷たい水と柔らかい暖かな唇、舌先で私の口内をくすぐる。
そのまま水を飲みこむと、にやりと笑って唇をはなした。

「なんなんだ?その、これは普通なのか?
 こんなことは娼婦でもしない!」
「え?いやだった?
娼婦のお姉さまのテクニックがどういうものかしらないけど、
男の人を癒す商売でしょ?受け身なの?てか娼婦ってどんなの?経験あり?」

経験ありに決まっているだろう?
娼婦という言葉の意味が違うのか?
事細かに説明することにした。

「娼婦というのはもちろん女性の仕事だ。
 その仕事だけをしているものもいるがたいていは家の仕事を手伝っている。
 それだけで食べていけるのはそれだけ人気ということで早々に嫁に行く。
 嫁に行かずそれで稼ぐものは極わずかだ。
 男たちは女を誘い、金を払って、抱く。
で、雨の日に自分の寝床に誘うんだ。
 断られれば、また、違う女を誘う。男は金が要るんだ。
 男を癒すとかはしない。逆だ。
女を喜ばせないと、雨の日に来てくれない。」

「よーうっし、わかった。」

彼女は手をこぶしを自分の手のひらに打ちして
大きな声で言いうと立ち上がった。

「わたしの思っていた娼婦とちがう。翻訳まちがいだ。
 それ、ただ、デートに金をつぎ込んで
結婚を申し込んでる普通の男たちだ。
 うん、ある意味、女性の人気の職業だよ。
 男女比も違うのかな?多妻制ならそうか。
そりゃ、男が求めるんなら、女性は受け身になるね
 なるほど。」

なにやら納得しているようだ。

「成人する年になって、
いろんな娼婦を抱いたよ。
でも、雨の日が来る前に砂漠に来た。
 腰に傷を受けたたなくなった。街に行くことがあっても、
娼婦に誘われても立たなきゃなにもできない。
 あんたに目と腕を治してもらったときに、それも治った。
あんたの肌を見たときに痛いくらいにな。」

さっきの話で落ち着いていたが、先ほどの口づけと目の前にある裸体で
今も痛いくらいだ。

「抱きたいんだ。あんたのほうが金持ちだが、金は払う。
そしてあんたには意味がないかもしれないが
雨の日に契を交わしたい。」

そういうと、またしてもにやりと笑い、こういった。
「お金はいらないよ。ま、払うっていうならいいけど。
 その契というのは子供の事?子供はできないよ?」
「子供だけの話ではない。いっしょにいたいんだ。」
「ふふ、プロポーズだね。ま、とにかく上がろう。
抱いてくれるんでしょ?ここでする?」
「え?ここで?え?」

2人とも裸だが、ここで、風呂でするのか?どうやって?

「ははは、ベットに行こう。わたしの部屋でする?
それともマティスのところで?」
「あんたの部屋で。雨の日に私の寝床に来てほしい。」
「うん、そうするよ。」

雨の日はまだまだ先だが、雨の日が待ち遠しいのは始めてだ。



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