いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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31:愛する人※

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名前の事は納得してくれたみたいだが、愛しい人は勘弁願いたい。
そういったが、再び組み敷かれてしまった。
少しマゾッケがあるのは分かっていたが、さらに言葉攻めも好きとは。
恥ずか死ねる。

正面から抱き付かれ、受け入れゆすぶられる。
「んっ」
先ほど出されたものがあふれるようにぐちゃりと音を出す。

体温が高くなっているのか冷たく感じ、それを消すようにマティスの肌がこすれる。
頭を固定され、キスが降る。目を開けると、マティスと目が合う。
ああ、青い、もっと深い青い色。海峡石よりも、もっと。

ああ、なんでこんなにはっきり見えるの?
目がいい人はいつもこんな感じ?わたし、きつい近視だったから、
朝から眼鏡大捜索が日課だし、抱き合うときも、こんなにはっきり見えなかった。

「あ、、電気ついてるから?明るい・・電気消して・・・ん」
「ん?デンキ?明るいな?よく見える。
白い肌も、赤い花も、潤んだ黒い瞳、甘い唇、蜜を出す様、すべてだ。」
「な!」
「ん?うれしいのか?締め付けてるぞ?」
「ちがう!恥ずかしい・・・あ、あ、」
「恥ずかしい?なにが?
「あ、ん、見られ、てる・・」
「見ずにはできぬがな。では、少なくしてやろう?」


どこの介護柔術だ?と聞きたくなるぐらい見事にうつぶせにされ、
腰を高くあげられた。いわゆるバックだ。
「や、あ、あ、あ・・んぁ」
言葉が出ない。

お尻を強くつかまれ、横に上にと、揉まれていく。
背中にチクリととした刺激があると、レロリと下から上に舐められる。

腕で支えきれなくなり、顔と胸が毛布に沈む。
胸、すごいな。いろいろできそう。

「ん、ん、うふっ」

思わず笑ってしまった。
「なにがおかしい?」
あ、しまった。ピンクモードからお笑いモードになってしまった。
なんとか、腕をたて、上半身を起こそうとすると、
あっという間に、胡坐を組んだマティスにだっこちゃん状態になった。
もちろんイン状態で。

「ぶひゃひゃひゃひゃ!!」
申し訳ないが、止まらない。違う涙がでる。

「おかしいか?いやなのか?」
あ、マティスの瞳の色が変わる。深い青から緑に?え?

動きを止め、わたしの体を強く抱きしめた。
緑の目でわたしを見つめる。グリーンアイズモンスター。
「嫌がらないで。気持ちよくなかったか?
 あんたの世界に契を交わした男がいるのか?愛しい人はいるのか?
 私ではダメか? あんたと生きたいんだ。」

驚いた。ほんとに嫉妬している。
しかし、これはわたしが悪い。

「マティスマティス。元いた世界に誰もいない。友達はいたよ。女友達。
 家族はいないんだ。わたしがいなくなって、そりゃ、友達はびっくりして、
 悲しんでくれるとおもうけど、彼女たちにはそれぞれ大切な家族がいるからね。大丈夫。
 ああ、仕事先の人は違う意味で悲しむかな?ははは。悪いことをした。
 新規の物件を受ける前だから何とかなるでしょ。
 ほら?向こうはもう、元なんだ。ここが今なの、ね?
 笑ったのは、ははは、タイミングが悪かったね。ごめんね。」

 両手でマティスの顔を包み込んで、こちらからキスの雨を降らせる。

おでこ、目じり、鼻、ほっぺ、唇。

「愛する人はマティスだ」

あう、自分でゆってこっぱずかしい。
マティスの手が首に廻り、深いキスをする。
されるがままに受ける。目を開けると、深い青色の瞳に戻ったマティスが見つめていた。

「ではなにを笑った?」

「え?なにって・・・ぶ、ぶひゃひゃひゃひゃ!!」

あ、ツボにはまった。
 

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