いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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33:朝ごはん

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暦をみると、もう月も沈み半分ぐらい経っている。
暦を動かしていないと今がどれぐらいなのかが全くつかめない。
腹の減り具合もあてにはならない。眠くもない。

風呂での行為は、声も出なかった。
いや、声は出た。
私が喘いでいた。男なのに。思い出すだけで恥ずかしいのと、また、体が熱くなる。

「ふふふ、どう?お気に召しましたか?」
ただ首を上下に振った。
「よかった。知識で知ってても、物がなかったから実践できなかたんだよね。喜んでもらえてよかった。」
また、胸をゆさゆささせている。
「さ、1日の大半がお風呂てのはまずいから、上がろうか?
台所作ったから見て。使い勝手は使う人の意見優先だからね。
朝ごはん作ってくれる?そのあいだ、お風呂とトイレの改造しときたい」

2人で、体についた水分を飛ばす言葉を作りあった。
結局持ってきたは寝る用だからと、羽織るだけで、服を着替えに部屋に戻っていく。

私は砂漠に出るわけではないので、そのまま着込んだ。

さきに飾り棚の裏側にできた台所に行くと、火を使う口が2つ。
水を流せる桶が1つ。白い箱が1つ。と横一列並んでいた。

この赤いのは海峡石の火に特化した石だろう。周りは砂漠石か?
これは、ちょっとまずいかもしれない。砂漠石は万能だとわかったが、火には弱い。
砂漠石で火が出せるが、近くにあれば、出すのではなく一緒に燃えてしまう。
水も海峡石だ。上にかぶせてある砂漠石に触れるか触れないかで、水が出る。湯もだ。
出た水は桶、これも砂漠石で作ってある。その隅に開いた穴に流れていった。

白い箱は入り口の扉のように前に開く。
中は薄暗いが先が見えない。手を入れるのを戸惑ってしまう。
思い切って入れたが、肩まで入って、見えなくなる。
あわてて引き戻したが、あ、これは不思議鞄と同じものか?
ああ!食糧庫。さすがだ。

鞄の中の食料品をすべてこの箱の中に移した。
ナベや皿、すぐ使うものは壁の棚に。
手を入れ思い浮かべたものが手元にやってくる。
数量の把握はできないのは不便かもしれないとおもったが、手を入れると、なんとなくわかる。
ん?どういう仕掛けだ?

手を入れたり出したりしていると彼女、愛しい人がやってきた。
足元は少し大きめの靴下のようなものをはいていた。
タロスの靴を作り直したようだ。

「あ!どうどう?食品庫!
先に箱の内側に薄くした石貼って、それから不思議空間にしたの。
石たちに中のものを教えてねってお願いしたから、ざっくり数が分かるでしょ?
これ、最近の冷蔵庫についてる機能らしいよ、自動じゃないけど。」

うれしそうに説明をしてくれた。石が数を把握するなど聞いたこともない。
いや、お願いしたからできるんだろう。
とりあえず、風呂と便所を改装する前に、火の回りを治してもらいことにした。
 
「おお、そうか。そんな弱点があったとは。あ、鉄で作るよ。」
「鉄?鉄鉱石か?あれは炉がないと鉄が抽出できないぞ?炉も作るのか?」
「いや、鉄の塊をダイレクトに。たぶんこの壁の中にもいっぱいあるとおもう。
砂漠でも酸化鉄で存在しているけど、その鉄だけ取り出せたよ。
どんどん取れたから、あえて集めなかったけどね。
んー?炭素と結合して鋼になるのか?」

『鉄、鉄、炭素。鋼になって。熱に強い。火の回りの五徳になって。
海峡石を守って。おいしい料理を作るのを手伝って。』

壁に手を当てて、そういうと、ごろんと丸い輪っかが2つ出てきた。

「おお、なんて君たちは賢いんだ。ありがとう。」

こともあろうに、壁にきすをした。
「なんで!!」
「え?お礼ですよ。西洋風っぽく。え?ダメなの?
「だめだ、絶対にだめだ!」
「えーそれはこの世界的に?マティス的に?」
「両方だ!!」
「・・・アイアイアサー」
おでこに手を縦に宛がって言う。
「なんだ?了解したってことか?」
「うん、了解であります!ってことで。」
「ふざけてるように聞こえるのは気のせいか?」
「まっさかー。」
なんだか、私一人が振り回されてる気がする。

「・・・食べるのは軽くでいいんだな?」
ゴトク?を鉄製のものに変え、海峡石を嵌めて、水をいれた鍋を置く。
とんとんと火の大きさを想像しながらお願いすれば、思う通りの火が出た。
これは砂漠石で火をくべるのと同じだが火の願い言葉は使っていない。

「うん。軽く。昨日の半分の半分ぐらい?」
「わかった。できたら出来たら呼ぶよ。」
「うん、ありがとう、マティス。」

うしろから抱き着いてきた。振り向くと頬にきすをくれた。

「扉君の様子も見て来るよ。」

そういうとすぐに離れていった。
きすは私だけでいい。
ゆるむ頬をさすりながらそう思った。



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