いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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46:主導権※

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部屋に連れていかれ、ベットに下された。
本当に悪い顔をしている。

「愛しい人、服は自分で脱げるよね。
 きれいにしてあげる。ね?見せて?」

なにいってんだ?こいつ?
力の言葉は効かないってゆったでしょ?

なのに、するすると服を脱ぎ、ベットの上で足を開いている。
なんですとっ!

「ああ、かわいい人。きれいだ。じっとしてて。
 そんな顔しないで?力は込めてない。
 願ってるけど、これはどうしようもない。
 受け入れてくれてるのがうれしい。」

自身も服を脱ぎ捨て、覆いかぶさる。

「きすはしたくなったら、くれる?
 さきにきれいにするからね?」

したくなったらって、いま、したいんだよ!
なのに、唇の横に、軽く触れるだけで、
下へ下へと下りて言った。
痕が残るキスだ。

「もっと開いて?そう。さっきは滴るほど濡れたね?おいしかったよ?」

舐めたのか?おいしい?味覚障害?

「もっと、欲しい。ね?かわいい声も聞かせて?」

じゅるりとすする。声も出てしまう。言葉ではないが。
指でこじ開けられ、舌先が外から内へと這っていく。
絶対わたしだけの水分量じゃない!なんか、ドロドロ。

上体を起こすと、口を拭ってこちらに来る。
指はそのまま。

「ん?きすか?したくなった?してくれる?」

したい、したい
起き上がり膝を付、マティスの頭を抱えるようにキスをした。

キスしたかった。求められてるのに。抱きしめたかった。


口内でも唾液があふれる。マティスからも。
指をかき回されているところも。

「ん、きすして抱きしめて?あとは?どうしてほしい?」

入れてほしい。舌でも指でもなく。
マティスだってそれだけ固くしてたらそうでしょ?

「マティス、そんなこといわないで、マティスの好きなようにして!
それがわたしのしてほしいこと!」

そういってしまった。マティスのいいようにしてほしいと。

「ん、愛しい人。私も愛している。」

ああ、主導権を渡してはいけない。



そして今、お風呂である。
同じ轍は踏まない。
啼かぬなら啼かせてしまえ俺の嫁。
いざ、出陣。

新しく作った洗面所で歯も磨く。
ガムはここに置くことにした。塩もある。


「ん?中も変えたのか?」
「うん、シャワー室はいいんだけど、立ってからだをあらうのはしんどい。
 洗い場を作ったの。それで、お湯は循環にした。
よりよく、どんどん改造していくよ。」
「ん?そうか。ああ、便所、といれな、あれを私の寝床近くにも作ってほしい。
作業部屋にある方の大きさで。」
「なんで?」
「あっちのほうが、落ち着く。」
「あー、そうだよね。うん、それは否定できない。
 そうか、マティスの部屋っていうのがないものね。
 どーんとベット置きっぱなしじゃ落ち着かないし。
 マティスも好きなように作れるんじゃないの?どんなのがいいの?」
「棚なんかは作れるが、大きな空間とかは無理だった。
 どけた土はどうなるとか考えるとできなかった。
 そうだな、体を動かす、鍛錬する場所が欲しい。
 当分、砂漠には出ないだろう?左腕の筋肉をつけていきたいし、
 両手を使った、槍の型を思い出さないと。」
「なるほど、運動不足になるもの、この空間は。
 詳しくないけど、そういうの作るね。
 深く考えるとだめよね。適当にね。
 ”考えるんじゃない!感じるんだ!”ってやつよ。」
「そうか?そうだな。しかし、部屋はお願いする。」
「うん。了解。」

さらりと、2人でシャワーを浴び、湯舟に浸かる。
歩いたので、足がだるい。いや、そのあとのアクロバティックな体位が問題だ。
ふくらはぎをもみほぐす。

「ん、触ってほしいのか?」
「ちがう。マッサージ。こう筋肉の疲れをもにほぐすみたいな。」
「ああ、騎士訓練のあとでやっていたようなものだな。しようか?」
「いや、それはなんだか、本格的すぎるとおもうからいいや。」
「そうか」

ジャグジーのボタンを押し、ぷくぷくを堪能する。
先に仕掛けないとな。

「マティス、わたしはさっき体はあらったから、洗ったげる。
髪の毛もね。頭皮もマッサージしてやろう。」
「頭皮?」
「そう、頭皮が固いと将来はげるよ?」
「・・お願いします。」

少し警戒していたが、将来・はげのキーワードには逆らえまい。
スキンヘッドとかもに合いそうだけどね。

あらたに作った洗い場の椅子に座ってもらう。

「お湯掛けるよ、目はつぶってね。」
髪を濡らし、お湯で軽く洗う。
石鹸を泡立て毛先を洗う。また、軽く流し、今度は頭皮をマッサージしつつ洗った。

てっぺんから指で押しながら首筋へ。そして首筋から上に押し上げる。
耳たぶも揉み、こめかみも柔らかぐりぐりする。
心地よいため息が出ている。

「流すよ~。どう?すっきりした?次はからだね。」
「うん。」
返事が幼くなってる。かわいい。

「このホースを閃くのが時間かかったんよ。
石をくりぬくには、もったいないし、やわらかくないし。
結局薄く、布状にして、それを数枚重ねたの。いいでしょ?」
「革をなめしたものでは、こんな風に細くはできないものな。すごいな。」
「うん、薄くすれば、小さな石で結構な大きさになるよ。
 ラップみたい。はい、首、んーってして。」

また、湯をかけ、首、肩、腕、もどって、顎下。
性的なものはなく。凹凸を付けた布でごしごし洗う。
気持ちよさそうだ。

「らっぷ?」
「うん、うすいうすい膜みたいで、食料品とか包んだりするの。」
「それはいいな。さばいた肉を食品庫に入れるのに、そのままほり込んでもいいのだろうが、
なかでどうなっているかわからなかったから、皿に入れて収納したんだ。
そしたら、皿がもうない。そのらっぷで包めばいいな。」
「お、そうだね。そのまま入れても中でくっついたりしてないと思うけど、
 取り出した時、手にべちゃっとつくのはいやだものね。ラップ使いやすいように作っとくね。
 製氷皿もつくらないと。丸い氷もできるよ。

次は足伸ばして。」

足もごしごし洗う。指の間、足裏、かかとは軽くマッサージ。

「ここ、痛くない?」
「いや、なんというか、気持ちいい、かな?腰に響く。」
「いたくないならいいかな?はい、反対のあしー。」

同じようにごしごしする。
背中も首からかけて押しながら洗う。

「じゃ、次、前あらうよ?」
「うん。」

ふふふ。気持ちいのが学習済みなので、されるがままだ。
もちろん気持ちよく洗っているが、次は気持ちよさのベクトルが違うのだよ。

前に廻り、布を使わず、手で、鎖骨のリンパからほぐす。
脇下も。あ、腋毛あるね。
そのまま横に、

「ん」

乳首は男でも感じるのだ。
強めに弱めに、
「ん?こしょばかった?我慢ね。」
そのまま、胸筋、細マッチョだね、をなぞっていく。
強く弱く。
腹筋、へそ廻り、うむ、哺乳類の証だね。
股関節は親ゆびでつかむようにちょっと強めにほぐす。
ほら、ちょっとピンクな雰囲気は飛んでいく。
「あー、そこも響くな」

膝を付き、腰も揉み上げる。
抱き付き、わたしの胸に頭を預ける体制にする。
後ろからお尻を揉む。
「またこちょばいけど我慢ね~」
油断しているとすぐにピンクモード。
後ろから孔の回りをさわさわ。軽くね。

「ん、ん、」

からだを離し、そのまま四つん這いになり
乳首をいじっているころから立ち上がっているものを咥えこんだ。

「あ、あ、あ、あん、・・・あ。」

くふふ、どうだ?もっとな啼きたまえ!
この前したのは胸に挟み込んでのいわゆるパイズリ。
これは今までの経験値の総決算である。

髪を優しく、撫でつけ、耳たぶをいじる。
ん?余裕があるな?なぜに?
見上げてると、あの悪い顔で笑っていた。
あれ?感じなかったの?さすがに弾切れ?
でも、むちゃむちゃ固いんですけど。


「いい眺めだ。愛しい人。疲れが取れる。」

ん?あ!鏡!
振り返ると、胸に行かなかった肉が、それなりに大きかったものを
形よくして、張りのあるものに変貌したお尻が何もかも丸見えでした。

立ち上がろうとすると、体を押さえられ、口に入れられ、
丸見えのところにも指を入れられた。

「トロトロだな?かき出してきれいにしないと、な。これも、そのまま続けて。」

・・・完敗でした。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



されるがままの彼女はそのままぐったりして、
立つこともおぼつかない。

湯をかけ、抱きかかえ、
そのまま、水気を飛ばし、彼女の部屋へ向かう。

水を飲ませ、もちろん口移しで、寝床に下す。

「寝るか?寝る時間なのだろう?」
「ん、少しだけ。マティスも横になって。」

のそのそと、端により、真ん中をポンポンと叩く。

「ちょっと、見え方をいじるよ。ご飯前に天井に埋め込んだからね。
暗くないと眠れない。」

『明かりのもとで物が見える』

一面真っ暗になる。なにも見えない。

『あかり、豆球ぐらい』

弱い光が上から灯った。

「こんな感じで言えば、明るくなったり暗くなるから。
お風呂とトイレは自動ね。うん、暗くなると眠くなる。
やぱり寝るね。マティスも寝て?」
ぐりぐりと頭をこすりつけ、安定する位置を見つけたのか、そのまま寝入ってしまった。

上掛け、あの赤い塊だった、上掛けを引き寄せ、肩までかける。
月の光でもない淡い光。
これだけ暗いのは会わずの月の夜のようだ。
彼女の言うように暗くなると眠くなる。
少し眠ろう。
起きたら、アサで、おいしいアサごはんを作らねば。








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