いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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56:武器

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ごそごそといってもなにをするか?
マティスが自分の部屋でする作業中は、たいていわたしもここでなにかしらしている。

さて、なにをしようか?
なんかいるもの?

ハサミとか剃刀とか、爪切りとかがほしい。
ハサミは何とか作れそう。
布をもらったときにナイフも貸してくれたが使いにくいのだ。
女性でも髭は生える。
砂漠石を薄く鋭利にして朝こっそり使ってるけど、もっと持ち手を工夫したい。
爪切りは難しいからやすりかな?
マティスのために爪は短くね。ふははははは!

あとは?
わたしも武器でも作ろうか?

例えば、草むらにうさぎみたいな小動物がいたとする。
かわいいより、おいしそうと思えるだろう。
水族館の魚をみておいしそうと言える人種なのだ。

で、その小動物にむかって、ナイフなりなんなりを投げる。
たぶんうまく飛んでいくだろう、願うんだから。
でも、向こうも命懸けだからそうそう当たらん、で、数を打つ。
一撃必殺ではなく百発百中でもなく百発一撃。この路線で。

くないみたいな?いや、もっと細い感じ?
あ、編み棒みたいな!で、先がとがってる。

あー、編み物したい。

ときどき、なにかがしたい病にかかる。

編み物、機織り、ステンドグラス、陶芸などなど。
金をつぎ込むがどれも物にはならない。

ミシンを掛けたくて、ハイスペックなミシンを買ったこともある。
これは結構使い倒した。もったいないから。
でも、ブームは去るのよね。

とりあえず、鋼の芯に砂漠石でコーティング。
そうすれば石の力でコントロールも効く。
専用の収納袋、もちろん不思議空間付きで作りたいが、なんせ、布がない。
ドテラは上掛け、その裏地はカバン。スエットは寝間着、おパンツは現役。
もらった布はカバンには不向き。
タロスさんの服は崩したくはない。

砂トカゲの皮は?
内臓とかはまとめてるってゆってたから、皮もかな?

なめしたりしないのかな?
タロスさんの服に使ってる革って砂トカゲじゃないのかな?
うむ、聞いてみよう。
てなことで休憩。もう、夕方5時。ちょっとおなかがすいた。


台所を覗くと、マティスがいい匂いとともになにかを作っている。

「ん?どうした?ごそごそは終わったのか?」
「うん、いい匂い。マティスは?いいのできた?」
「ああ、思い描いたものができたよ。この前分けてもらった金と銀もつかった。」

素材はいつでも使えるようにしている。

「そりゃ、よかった。それで、そのうまそうなものは?」
「外で食べるものを作っている。ほら、味見。」

サボテンの肉巻き。端を切って口に入れてくれた。
うまいなぁ。

「おいしいね。あまっからいのは砂糖となに?」
「砂糖も少しれいれたが酒だ。強めの酒で酒精を飛ばせば甘さとコクがでる。」
「うーまーいー。もっと!」
「なんだ?それは?これは、持っていく用だから、もうだめだ。」
「うーん、さめてもおいっしい味だった。たのしみだ。
 あ、トカゲのさ、皮ってどうしてるの?捨ててる?」
「あれは、内臓とは別に洗って置いてある。数がそろえば街で引き取ってもらえる。
外に干していたからいままでのはこっちには来ていなかった。家と一緒に燃えたんだろう。」
「街で売ったほうがいいお金になるの?」
「いい金とはいわないな。革を扱う専門の店がある。
皮のまま持っていても仕方がないから
安くても売って金にする。革になると数十倍になるがな。」
「そうか、たぶんね、革にできると思う。ちょっともらってもいい?
 鞄を作りたいんだ。武器専門の。」
「武器?つくったのか?そんなことをしなくてもいいぞ?」
「いや、なんとなくよ。で、もらってもいい。」
「薬草の部屋に干している。習慣で置いていたものだ。全部もっていってもいいよ。」
「ん、ありがとう。」
「これを作り終わったら晩飯も作る。食べるだろう?
 食べて、風呂にはいってから外に出よう。」
「あ、お風呂に入るのね。じゃ、ご飯前に革を作ってみていい?
あ、ご飯の用意手伝う?」
「はは、飯の手伝いはいい。鞄を早く作りたいんだろう?
いいよ、できたら呼ぶから。」
「はーい。ありがとう。」

薬草部屋にはリアルな姿で皮が干してあった。
うらにうっすら油というか肉がついている。においもする。
ほんとに干してるだけ。かなりの数があった。
これだけ食べたということだ。うむ、感謝。


部屋に戻って、さて、どうするかと思ったが、
タロスさんの外套におしゃれに使ってる革にすればいいんだから、
そう、さすりさすりお願いしてみる。

『余分なものは排除。加工しやすい革に。』

見た目は変わらないが、革そのものに。
つやは全くないが。
小さく切った布で磨いてみる。
おお!!

使いやすく、柄のいいところを切り出していく。
それを並べてつなげていく。
一番長い背骨あたりの革をつなげて、ベルトにし、ウエストポーチっぽくした。
あ、いい感じ。マティスの分も作ろう。お揃いで、ちょっと大きめ。
普通に物が入るところと、内ポケットに不思議空間。

部屋の入口からマティスが顔をだし、飯ができたという。
え?結構時間がたったのね。

「マティスの鞄も作ったよ。腰に巻くタイプ。どう?」
「できたのか!すごいな!中は不思議空間?」

手に鞄をもって。裏を返し、中身をみながら、拍手はできないのか
またすごいを連発している。

「喜んでもらえてうれしいよ。なんか要望とかある?」
「いや、・・・そうだな、作ったナイフをここに、下げたい。こんな風に。」

パネルに簡単にスケッチしていく。
なるほど、ポッケみたいなのを付ければいいかな?
こんな感じ?石を薄くしたものを挟み込んで、不思議空間。
どんな長さも収納。その口は革で斜めに取付。
角度を相談しつつ取り付けた。

「いいな、鞄もいいが、その小袋?ぽっけもいい。
どこにでも付けれるのなら、どんな服にも武器を仕込める。」
 「どこの暗殺者なんだ?でも、便利だよね。不思議空間ポッケ。
うん、2つ3つ作っておこう。」

小さいものを3つマティスに渡しておいた。
不思議空間はわたししか作れない。
たいていのものは、わたしが作れば、あんな感じにとコピーできるが、
この空間だけはなぜに?となって無理みたいだ。
そんなものなんだろうか?


夕飯はごろごろ肉のシチューでした。
肉巻きの横で煮込んでいたみたい。芋もごろごろ。
夜出発するので、お酒はなし。
お風呂に入って、もちろんいちゃこらして、目も光がなくても見えるようにもどして、
身支度を整えたら出発です。


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