いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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73:耳飾り

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どんな嫁なのだと話になった時に、
異国から砂漠に流れ着いたと説明した。
異国との交流は普通にあるしので”異国”といっても
なにも言われなかった。
ほかにどんな感じだといわれたので、無難なところで、
3度の飯を食べる風習があり、肉が好きだといった。

それは大変だと、きっと腹を空かせていると
別れ際に様々な肉料理を持たされた。
それらをテーブルに並べる。

量に驚いていたが、おいしいと、
これはまた作れる?と、嬉しそうに食べたいた。
酒も店で買ったものを飲んでいたが、
口にあったのかあっという間に開けてしまった。
急いで紫の海峡石を握り、うまい酒をと願った。

セサミナにあげてしまった石と同じぐらいで、
ほかの色の海峡石もあるという。
また、解読していこうと笑っていた。

黒い実を取ったことやそこから樹液も取れたこと
ごむ?の樹液や、寝具を作った話、
石鹸屋、本屋、飴の雑貨屋の話、
先ほどと話した話をもう少し詳しく話していった。
彼女も質問をしてくるので、話も弾み
酒も進んだ。
雑貨屋の店主に勧められるまま買った、
肉挽き機は彼女の世界にもあるものらしく、
それでも喜んでくれた。
今度はチーズ入りのはんばあぐを作ってくれるという。うれしい。

店主も仕入れたのはいいが、使い道がよくわからなかったと
肉をくだいてどうするのだと包みながら聞いてきた。
知らぬものを仕入れて、よくそれを私に売りつけたもんだと
飽きれたが、ほかにもこまごまとしたものを祝いだと言って付けてくれた。
それに、ここの飴のおかげで彼女の存在がわかったんだとおもえば、
怒りも納まる。
聞いた話にして、はんばあぐの作り方を教えてやった。
横で見ていたので、大体あってるはずだ。
在庫はまだあるからと試してみるらしい。


耳飾りの話になり、穴が開いていないことに初めて気づいた。
開けているものだと思い込んでいた。
耳飾りは成人の証だ。娼婦になりたてや、娼婦通いを始めるときには
皆孔を開けて耳飾りをつける。
開いてないのはまだ、他人の肌を知らないものか、子供だけだ。

それを私に開けろという。

匂いを嗅ぐより興奮する。
私はこんなことで興奮するのか?

だまって、言われた通り
強い酒で耳たぶをふき、言霊で痛くないように、血が出ないようにする。
ぎゅっと目をつぶり身構えている彼女。
これから彼女に孔を開けると思っただけで興奮する。
その興奮と同じ速さで心の中は冷静になっていく。
贈った耳飾りはずっと持っていたらしく取り出して耳に飾った。

私が作った物を
私が彼女のからだに孔を開けてつける。

私のものだ。その思いが強くなる。
誰が手放すものか、たとえ、彼女が先に年老いていっても
彼女が彼女であるなら、いや、どう変わろうとも
この者は私のものだ。

左右の石に彼女の憂いがなくなること願い、同じ時間を生きることを誓った。

彼女が潤んだ目で見つめる。




私のものだ。




手を引き黙って彼女の部屋に向かった。












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