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152:ファッションショー
しおりを挟む一瞬で済むわけがない。
さっぱりした後で、いそいそとマティスが着る衣装を並べている。
ボディースーツ作製後、マティス自身もわたしの着る下着類を作っている。
もともとこの世界では下着類は自分で作るらしいので、ある程度裁縫はできるみたいだ。
レースをふんだんに使ったもの、レースそのもの。基本はシースルー。
「これが今回下に着るぼでぃすうつだ。」
一応きわどくはない。色は黒だ。ファスナーがないので脇で細かくボタンで留めている。
着るのにも脱ぐのにも時間がかかりそうだ。
トイレは?
「ここが重なっているからずらせばいい。」
これだけ着るのね。はい、わかりました。
脚の部分は伸縮性のあるレースでラインが入っていた。
屈伸はしやすい。なんというか気遣いがあるのだが、その方向性がエロいのだ。
靴はピンヒールを出されたが、これは疲れるということで
太いものに変えてもらった。器用に変えるもんだ。
これに赤く染めた上着を着る。いつの間に染めたんだ?
悪の組織だ。しかも幹部級だ。
ここからファッショショーの始まりだ。
マティスを寝椅子に座らせ、モデルのように歩いて見せる。
で、ターン。
拍手をいただいた。
ちなみにマティスはゆったりとしたタオル地のガウンを着ている。
上着と毛皮を交換して、背を見せながら歩く。
呼び寄せの逆でボディースーツだけ向こうに。
振り返れば素肌に毛皮とヒール。
前をはだけ、マティスの前で仁王立ち。
もう一度ターンして、肩を見せる。
ストリップショーになってしまっている。
そのままベットに移動され押し倒されていた。
月が沈めば、あの分かれ道の近いところにテントを張り、
砂漠石の膜でかなりの範囲を覆った。もし、ラーゼムの人か、卵屋さんが通っても
わからないように気配は消している。
リゾート施設のように露天風呂を作っておいた。
トイレも。セサミン一行は大丈夫だし、ワイプさんも問題ないらしい。
あとは、ゆったりと着れるジャージとお風呂あがりのバスローブ、とサンダル。
そこから食事の準備に大忙しだ。
コンブから水分を取って、昆布にしてみる。
急ごしらえだが、出汁はでた。はー、ほっとする。
カニの足はやはり身が詰まっている。
買ってもらった鋏で間接1cm内側を切り込みをいれ、ポーション状態にする。
いくつかは、氷水にさらし、カニ刺し。
魚醤か紹興酒、酢、昆布だしをなどをつかった三杯酢でどうぞ。
マティスは生というものにかなり抵抗があるようだ。
お醤油が手に入ったら卵ご飯を勧めてみたい。
「はぁぁ、甘い。たべてみ?」
「生なのか?」
「うん、どうしてもだめだったらお肉みたいにこのお出汁のなかでしゃぶしゃぶしていいよ?
軽くね、あんまり火は入れないほうがいい。それはそれでおいしいから。」
意を決して、たれに付け、口に入れる。
「!!!!」
「ね?うまいであろう?それを今まで捨ててたんよ?びっくりだ。
で、これがクツクツ。日本酒は辛口で。もういいかな?はい、どうぞ。」
「!!!!」
「これをあてに呑む。
あとは、鍋に焼きに蒸。脚はこんな感じで。もう、面倒だから殻はそのままでいいよ。
カニ刺しだけ、作っておくから。あとは、こことここ鋏で切って、細いほうで押し出したらいいから。
先の細いところも鋏できればいいからね。」
「・・・うまい。」
「ふふふ、よかったね。あ、そのクツクツのあとの殻にご飯入れて出汁いれたらまたおいしいよ?
鍋のあとの雑炊もね。
カニは当分いりませんってぐらい食べよう。
さ、頑張って捌くね。これは、向こうでもやってたからできるんだ。
マティスはサイと豚のお肉を切っていって。野菜も。ご飯も炊くから。
穀物類は王都で調達しようね。あ、アイスも作っておこうか。」
だいたいの準備、思いつく限りの料理を作って、大きなテーブルに並べていく。
砂漠石でカバーを作ったので冷たいものは冷たく、暖かいものは暖かく。
もう少しで月が昇るころに、マティスが馬の蹄が聞こえてきたという。
「思っていたより早い。」
「そうだね。」
分かれ道のところで待ていると、ワイプさんが操る馬車、スーとホーと、
その後ろに1頭の赤馬、2頭の赤馬も馬車を引いている。そのうちの1頭はレンタルした馬だ。
「あれ、あのサボテン大好き君だよ?」
「どれ?」
「セサミンが乗ってるやつ。こっちに来たんだね。
おーいい!!」
セサミンがワイプさんを抜いてこっちに向かってきた。
かっこよく馬から降りると抱き付いてくる。
「姉さん!姉さん!!」
胸にぐりぐり頭を押し付けてくる。
「セサミン、元気そうだね。どう?もろもろ順調?」
「はい、タオルは商品化にこじつけました。
ゴムは形になりましたので、そこから何に使っていくかを検討しています。
あと、冷蔵庫、冷凍庫、保温庫も石の隠匿は掛けました。」
「おお!すごい急ピッチだね。ちゃんとご飯たべて寝てる?」
「はい。屋敷の湯殿がいつでも入れるようになったので、
仕事が終われば、入ってから寝ています。共同浴場ももうすぐできます。」
「離れろ!それ以上はダメだ!!」
「ふんっ小心な。ああ、姉さん、ラーゼムでの話聞きました。姉さんは何一つ悪くないんですよ?」
「ああ、ごめんね。あとの話も聞いたんだけど、セサミンに迷惑掛けたね。
絨毯のことは置いといて、乳の金額は決めておけばよかった。
需要と供給。専売なんだから先に金額を押さえておくべきことだった。
気が付かなかったよ、ごめんね。」
「いえ、気づかなかったのはこちらも同じです。
まさか、5倍まで値を上げるとは思いませんでした。」
「おい、そこらへんの話はあとでいい。。
ワイプ、お前も、鼻を引くつかせるな、すぐに用意するから。
で?往復の警護なんて聞いたことないが?何があった?」
「ええ、いろいろと。その話はまたあとで。」
「そうだね、とりあえず、向こうにお風呂作ったから、入っといで。あ、トイレもあるから。
セサミン説明してあげてね。着替えも、置いてあるよ。
馬たちの世話はしておくから、マティス、案内してあげて。
ワイプさんもルグ、ドーガーもここまでお疲れさま。
ここは石の結界を使ってるから、楽にしてね?」
ルグとドーガーは馬を馬車から外し、
こちらにやってきた。
「はい、奥方様、お元気そうでなによりです。」
「うん、元気だよー。ん?ルグとドーガーはちょっと雰囲気変わったね。
最初にあった時は気配を消してるってことがわかったんだけど、
今自然だね。ワイプさんみたいだ。」
「ほんとですか?そういっていただけると嬉しいです。」
『2人とも、よく頑張りましたね』
「「はっ、ありがたきお言葉。これからも精進いたします!」」
「お前たち2人はだれの配下なのだ?」
セサミンがあきれている。
「ふふふ、さ、先にお風呂はいっといで。」
スーとホーに久しぶりと声を掛け、サボテン大好き君とその仲間にも挨拶した。
飼葉は積んであるものをおろし、おいしい水を出す。
スーとホーが言うにはわたしが出すほうがおいしいらしい。
サボテンの葉は契約で、月に1度だけ食べることができるそうだ。
ワイプさんについっていった石とセサミンについていた石が、
集まっている。腰の石も集まってわいわいしている。
どうやら水浴びがしたいらしい。
大きなくぼみを作り、そこにたくさんの水を入れる。
馬たちはそれも飲んでいいのかと聞いてくる。
月無し石はかまわないというので、石を食べないようにだけ注意した。
肌触りのいいタオルも置いておく。
お好きなように過ごしてくださいと、そこを離れた。
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