161 / 869
161:味見
しおりを挟む小麦、米、じゃがいも、野菜類、果実類、卵、乳、肉、チーズ。
バターはなかったのが残念だ。
週末の買い物のように大量に購入。
領主館に届けてもらうように手配した。
お肉はまさしく牛肉で、
これで、豚と牛の合びきミンチができる。3:7だったかな?
お母さん、ほんと、お手伝いもっとしておけばよかった。
コットワッツの野菜類はここから仕入れているようだ。
そうなるとセサミンが領主館を置いていた街は
砂漠石が産業だったんだな。
そりゃ、困るわ。
晩餐会にも着ていけるような服も調達。
ここら辺は、マティスもわたしも疎かった。当然師匠も。
さすが、セサミンです。
無難なところを押さえてもらいました。
いっしょに食べるわけでもないのにね。
従者と弟子は後ろに控えているだけだ。
ちらちらと姿の見えない気配を感じながら、
師匠の食に関するレクチャー聞きながら買い物。
これがなかなかに楽しい。
師匠の博識のすばらしさを称えるたびにマティスは師匠に絡む。
それを制するセサミン。
ルグとドーガーも楽しく聞いている。
ドーガーも自分の欲望に素直なら大丈夫だ。
あとでクッキーを焼いて渡しておこう。なんとなくの保険だ。
ここの領主館は、なんというか、成金趣味?
貧乏人が想像するお金持ちの家のようだ。
このメンバーはお貴族様が2人、高級官僚、
地方に派遣されるということは出身もそこそこ良いところの2人、
で、わたし。
みな平然としているのだが、わたしだけがキョロキョロしたいのをぐっと我慢していた。
ちょっと緊張する。
(どうした?愛しい人?)
(おお!マティス!心の友よ!ちょっと、このキンキラ加減に驚いただけ)
(驚くほどのものはない。領主館はだいだいこんなもんだ。
コットワッツも父の代では似たようなものだった)
(そうなんだ)
(ただ、すこしばかり、鼻につくな。みたか?正面の暦を。海峡石を使っている)
(ほんとに装飾として使ってるんだね)
(自慢なんだろう)
(ふふふ、バッカスの石を見せたら驚くだろうね)
(だろうな)
マティスと話しているうちに落ち着いてきた。
そもそも緊張することもない。
主と従者とが扉でつながっているタイプをそれぞれあてがわれ
各部屋で晩餐会まで待機。
師匠はどんな食事だろうかと楽しみにしている。
セサミンたちはよく話し合うそうだ。
ドーガー頑張れ!
どれぐらい待つのかと聞くとマティスは2時間ぐらいだという。
マティスは屋敷を一通りに見てくるというので、
わたしは家に戻ることにした。
師匠が2時間とは?と聞くので、故郷の時の計り方だと説明した。
海で月無し石君たちにもらった白い砂で砂時計を作ったので、
これが全部落ちたら2時間だと説明した。
いくつか作ったので、1つ師匠にプレゼントした。
この砂時計の優秀なところは。1時間といえば、1時間だし
2時間といえば2時間で落ちる。
もちろん砂漠石にお願いしている。
扉を出したが、それには、ほぉほぉといういうだけで、
癒しグッズを取り出して自分で癒されていた。
この人も自分の欲望に忠実だ。
2時間あればクッキーが焼けるかな?
だっておなかがすくものね。
ああ、腸の塩漬けでソーセージを作ろう。
豚腸だからフランクフルトになるのかな?
しかし、イメージはウィンナーだ。
思うに、台所が常にきれいだと料理もしたくなる。
片付けが簡単だとなおさらだ。
食器洗浄乾燥機なるものは画期的だったんだなーといまさら感心した。
バターたっぷりなクッキーにする。
砂糖、樹脂蜜、塩味、チーズ、胡椒まどなど。
材料を混ぜて火加減さえ間違わなければ大丈夫なはず。
バターはまた作らないと。
これはお願いするより、振って作るほうが
なんとなくいいな。
低温でじっくり焼いている間に、ソーセージも作る。
これも記憶の中だけだが、うまくいったと思う。
これを一晩置いておくんだったかな?
1本だけ、湯がいてみる。
いい感じである。
パンにはさんでホットドック。
人数分を作っている間にクッキーも焼きあがった。
あー、いい匂い。
サクサクとしている。
「甘い匂いがするな。」
マティスが帰ってきた。
「お帰り。もう時間?」
「いや、まだある。ワイプがうるさいから逃げてきた。」
「そうなの?クッキー作ったの。おなかすくでしょ?たべて?」
「これ?ああ、うまいな。」
「ふふふ、好きな人にクッキー焼いて食べてもらうなんて、
もうね、青春してますね。」
ひとりで照れまくってしまう。ああ、幸せだ。
その気持ちがマティスにも伝わったのか、マティスが抱きしめてくれる。
ああ、ほんとうに幸せだ。
「お前の匂いと甘い匂いが混ざってる。はぁ、落ち着く。
さっきまで、ワイプと九九の練習に付き合わされていた。
あと時間の概念の説明と。むさくるしいことこの上ない。
あいつに数字関連のことはいうな。面倒だ。」
「ふふ、クッキーもきっと喜ぶよ?」
「だろうな。ドーガーも。」
「うん、もっと早くに聞いてあげればよかったね。ずっと葛藤してたんだよ。」
「おまえは皆に甘すぎる。ワイプに対してもだ。」
「そう?マティスがいるからね。ほかの人にも優しくなれる。」
「私がいるから?」
「そうだよ?マティスとそれ以外の人、その中でもマティスのことが好きな人には優しくなれる。
そんなもんだよ。」
「私はお前だけでいい。」
「でも、セサミンたちとワイプさんにはマティスも優しいでしょ?
わたしが気に入ってるから。それといっしょ。」
「そうか?そう考えればそうだな。
ああ、愛しい人、私は幸せなんだ。」
「うん、わたしも」
ちょっと濃厚すぎる抱擁を繰り返し、
扉君が呼んでるような気がして終了となった。
師匠が呼んでくれたみたいで、
ぼちぼち着替えないといけないし、扉は開かないしで、
ドアを叩いてくれたようだ。
それを扉君が教えてくれたみたい。ありがとう、扉君。
用意してもらった服にそれぞれ着替える。
もちろん、従者用の部屋で。
はー、マティスかっこいい!
わたしは思っただけだが、マティスは抱き付きながら
かわいいを連発している。
かっこいいじゃないのか?
髪を後ろに撫でつけ、男らしくをイメージしたのに。
「師匠!どうですか?師匠の弟子にふさわしいでしょうか?」
「ええ、モウ殿。なかなかなものですよ?
マティス君は、そうですね。
昔の貴族然とした雰囲気が出てしまいますね。」
「え?それはまずい?」
「どうでしょうか?セサミナ殿と並べば、気付くかもしれませんね。
できるだけモウ殿と2人でいればいいでしょう。」
「師匠がいうんだ、愛しい人、私のそばに。」
「いや、そういう意味じゃないですよ?ん?モウ殿?甘い匂いがしますね?」
「嗅ぐな!」
「さすが師匠です。故郷のおやつをつくたんです。
ドーガーが負けないように。それと、わたしも食べたかったから。
ここの小麦がいいのかな?よい感じでできました。
味はいろいろ。ご飯前ですが食べてみますか?」
「もちろん!」
一通り味見をして、塩味とチーズ味がお気に召したようだ。
そうね、ワインとかに合うよね。
あとで大量に作っておきますと約束した。
食べることはできないけど、
どんな料理が出るかはたのしみだ。
13
あなたにおすすめの小説
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった
仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる