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162:晩餐会
しおりを挟むもう少し時間あるので、セサミンの部屋で一緒に待つことになった。
部屋に入ると、若干、師匠の居た部屋のほうが広いし豪華だ。
王都の高級官僚と隣の領主。どちらに重きを置いているかだな。
部屋ではそれぞれが防音を施しているので、
なにを話しても大丈夫だ。
「姉さん、その、かわいいですね。」
「え?かっこいんじゃなくて?」
「ええ、弟のようです。」
「セサミナ兄さん?」
「うわー、かわいい、かわいい!!もういっかい、兄さんって言ってください!」
「離れろ!かわいいのはわかっている!」
また2人でじゃれ出したので、
師匠に晩餐会とはどんなものかを聞いておいた。
「そうですね、あたりさわりのない会話があるだけですよ。
しかし、今回は、財産譲渡、武の祭り、砂漠変動、このことを聞きたいと
前もって言ってますからね。
メディングの護衛との手合わせ後は、2人とも演武を披露したんですよね?
それを見たいというかもしれませんね。」
「赤い塊はいないのに?」
「最初にこちらがやらかしてますからね、なにかと理由を付けて叩いてくるでしょう。
モウ殿とマティス君も何かしら披露しろと言われるかもしれませんね。」
「その時は、ワイプ師匠の弟子として棒術を披露しますよ!」
「それは頼もしい。あとは、そうですね、料理自慢があるんじゃないでしょうかね。
ここは食が豊かですからね。自慢気にいろいろ出してくると思いますよ?
いかに自領国のものが優れているかを自慢するんですよ。
いままでは、コットワッツは砂漠石がありましたからね。
ここぞとばかり自慢してくるでしょう。」
「へー、あ!食事の毒見とかは?」
「それは必要ないですね。ここでの食事に何かあれば
それこそ威信にかかわる。安心して食べることが出来ますよ。
ま、時間差で効いてくるものがあれば別ですが。」
「そうか、それはたぶん大丈夫。みなに不利なものは除くようにするね。」
「移動ですか?対象が分からなければ無理なのでは?」
「そこは大丈夫。食事が始まる前に、食べ始める前に師匠はわたしを近くに呼んでくれますか?」
「呼ぶ?それでいいのですか?では、それに関してはお任せしましょう。」
「はい。あ、ルグ、ドーガー、これ先に食べよう。食べてるの見とくのはつらいからね。
ホットドック、おいしいよ。で、これはクッキー。ドーガーには多めにね。」
ドーガーは嬉しそうだ。
「ありがとうございます!」
「え?クッキーは先ほど食べましたが、それは?わたしも食べたい。」
「姉さん!わたしも食べたい!」
じゃれつかれたのか、マティスはわたしを後ろから抱きかかえ、
また匂いを嗅いでいる。皆はもうなれたので何も言わない。
「え?ごちそう出るんでしょ?食べられなくなるよ?」
「そうですが!これを逃すことはできません!ああ、なんてことだ。
ドーガーの気持ちが分かる。」
「ははは、1つだけにしときなよ?
さ、食べよう。師匠は食べれるならどうぞ?」
パンは甘味を押さえたほうがいいとか、辛子とマヨの組み合わせを絶賛したり、
ソーセージは初めて食べるそうで、
豚の腸のだと言えば、皆驚いていた。
メーウーの腸でも大丈夫かもしれないとか、
メーウーの砂漠での畜産はうまくいきそうだとか、
クッキーはそれぞれで好みは別れた。
これも作れるよ?という話をしながら、
呼ばれるまで待っていた。
「お待たせしました、みなさま、大食堂にご案内いたします。」
気配を消したものが、後ろにまた3人。
大変だね~。
セサミンを先頭に、部屋に入っていくと、
シャンデリアとは私のことでございます、というようなジャンデリアが目に入った。
ガラスでもないよね?カッティングはされてる?水晶かな?
すごいなー、いくらぐらいするんだろ?
ん?もしかしてここでは一般的なのかな?
ガラスより価値があるのかないのか?
そもそもガラスのカッティング技術はあるの?
水晶をカッティングできるんならガラスもできるでしょう?
ん?ハーキマーみたいに最初からこの形とか?
え?これ全部がハーキマー?
おいおい、スゲーな!!
ボケーっと上を見ていたのだろう。
いつの間にか皆、座っている。
ホストの領主ファンロも席についてる。
はっと気づいたときはみながわたしのほうを見ていた。
(マティスゆってよ!!)
(いや、かわいらしく見つめていたから、それを堪能していた。かわいい!)
(もう!)
「モウ、十分見ましたか?」
「はい、師匠。あまりにきれいだったので見とれてしまいました。
無作法、お許しください。」
一礼をして壁際に待機した。
ルグとドーガーがそうしていたからだ。
「ははは、かまいませんよ。これは自慢の飾りの一つです。
すべてガラスでできております。
ささ、今日はゆるりと堪能してください。
ワイプ様なかなかの食通でいらっしゃるとか?
どうぞ、我が領国の味を堪能していただきたい。」
「いえいえ、そのようなことは、ただ食い意地が張ってるだけなのですよ。」
「ご謙遜を。王都、生産院メディング様と同格と伺っております。
そのメディング様の財産をほぼすべてお受け取りなるとか?
それも、賭けをして!!」
「ファンロ様、まずは、食事をはじめられては?」
斜め後ろに控えている、タンタン?が興奮したファンロをたしなめている。
ファンロは少し若いのだろうか?この世界の年齢感がいまいちつかめない。
青年期間が長いからだ。ゼムさんは老人期になれば若々しいのだろう。
しかし、ガラスか。ちょっとがっかり。
「ああ、タナガ、そうだな。さ、始めよう。」
タナガね。ごめん、わたしの中ではタンタンになってる。
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