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180:尊厳
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セサミンがその状況を思い出しているのか怒りをにじませている。
「尊厳のない扱いって?」
「毎年この時期の会合に合せて妖精の振る舞いがあります。
大聖堂の上空を酒を飲みながら飛ぶんです、妖精が。
その落ちるしずくを王族が口を開けて待ってるんです。
口に入らず床に落ちたものを舐めるものもいます。
それを離れたところから領主は見ないといけない。
なんて恥知らずなと思ってみてると思っていたのに、
本当はあの中に入りたかたんですね。情けない!!」
デザートを食べ終わったルグとドーガーもいつの間にか真剣に聞いている。
「あの、紫の海峡石。あれで出せるんじゃないんですか?」
「ドーガー、残念。試したけどダメだった。あれは酒ではないんだろうね、きっと。
でも、そこまでおいしいかな?」
「そうだな、そこまでいかないな。酒より、そのあとの丸いほうがうまい。」
「そうだね、数滴だけ飲むから?上空から落とすからおいしいとか?
やってみようか?」
「やめてください!口を開けて落ちてくるのを受けるのですか?そんなこと!!」
「あははは!そんなバカなことはしないよ?ま、お行儀悪いけど、こんなことはしたことない?」
木苺を上にほり投げて、ぱくりと食べる。
「!!」
「ね?移動で上空に投げて、口にいれればいい?どう?」
「姉さんは悪だくみの天才だ!!」
・・・それ、褒めてないよね?
「丸いほうとは?」
師匠のうまいものセンサーにひかかったようだ。
「うん、種もおいしかったのね。で、もっとおいしくできないかなーってなったのが丸いの。
これも食べてみよう。」
まずは、普通にコップに入れた酒。
「「「「!」」」」
「うまいですよ?これは。」
「ええ、確かに。酒ではないが酒のようなもの?」
「うまい!」
「おいしいです!」
「でもさ、おいしいけど、床を舐めてまで欲しい?
クツクツの酒かお澄ましのほうがいいな。」
「「「クツクツ!!」」」
「お澄まし!」
うん、そうだろうね。
で、種だけも食べてみる。
「うん、おいしいですね。」
感想はそれだけだ。
で、ずっと食品庫に入れておいた、常温のものと冷やしておいてもの。
半分に切って、お皿に乗せる。冷たいほうは、レモンの皮を飾る。リコッタチーズも添えてみる。
コーヒーも用意した。
「まずはレモンのないほうを。で、コーヒーのんで、レモンのほうを。
透明なのと、レモンと一緒に食べるとおいしかったよ。リコッタも一緒にためしてみて?
では、どうぞ召し上がれ。」
初めてのものを食べるのは師匠の役目、それからセサミン、ルグとドーガーの順。
毒見もなにもあったもんじゃない。
「!」
「!」
「!」
「!」
あっという間だった。
わたしたちは2回目なのでゆっくり食べている。でも、あっという間だ。
コーヒーをのんで、次!
沈黙だった。うん、リコッタチーズに合うねー。
「どう?」
「驚きました。」
「毎日食べたいって思う?」
「んー、それはないですね。」
「うん、わたしもそう思った。お酒自身も、種もね。そこまで必死になるのが分からない。」
「そうですね。わたしの中ではクツクツか温泉卵ごはんのほうが上をいきます。」
さすが、師匠です。
「じゃ、本命の上空放り投げうまく呑めるかな大会を開催しよう!」
「大会なんですね、姉さん。」
「うん、楽しんだもの勝ち。玄関ホールに行こう。」
玄関ホールは吹抜けになっているので、
天井の高さがちょうど妖精が飛ぶ高さと同じぐらいらしい。
で、そこまで上げて落としてキャッチ。これは空気に触れる時間が倍。
半分まで上げて落としてキャッチ。空気に触れる時間は同じだけど落下速度が違う。
コップごと上にあげてそこから落としてキャッチ。これで条件は一緒。
「ちょっと怖いこと言ってもいい?」
「ダメです!姉さんのちょっとしたことは本当に怖いから!」
「いやいや、みんなが怖がる怖さじゃないよ。ほんとほんと。」
「モウ殿、軽く、軽くいってください。」
「師匠まで!いやね、妖精が飲んでる酒が落ちてくるのを飲むわけでしょ?
その妖精の唾液が混ざっておいしいとか?」
「「「「「いやー!!!!!!」」」」」
絹を裂くような悲鳴でした。
「じゃあさ、こう、自分の口の中でぐちゅぐちゅして、
いったん出して、また飲んでみる?駱駝の反芻みたいな?」
「モウ殿はよくそういうことを知ってますね?」
「あ、合ってた?それは?」
「愛しい人、まずは最初の3つを試そう。それで、なにも変化がなければ、
各自で4つ目を。私は愛しい人のが飲みたい。」
「「「「「いやー!!!!!!」」」」」
わたしも参加できました。
結果、4つ目にチャレンジです。
「あ!思い出した!唾液の成分が大根おろしにも含まれるって!
ちょっと待って!4番目はセサミンが言うように人としてダメだ!ちょっと待って!!」
赤い大根と、急遽、おろし金を作って、ジャクジャクおろす。
その絞り汁を、ちょっとずつ入れる。
これはせーので飲むことにした。だって大会だから!
「いくよ!せーの!」
謁見の呼び出しが来るまでみな寝てしまっていた。
「尊厳のない扱いって?」
「毎年この時期の会合に合せて妖精の振る舞いがあります。
大聖堂の上空を酒を飲みながら飛ぶんです、妖精が。
その落ちるしずくを王族が口を開けて待ってるんです。
口に入らず床に落ちたものを舐めるものもいます。
それを離れたところから領主は見ないといけない。
なんて恥知らずなと思ってみてると思っていたのに、
本当はあの中に入りたかたんですね。情けない!!」
デザートを食べ終わったルグとドーガーもいつの間にか真剣に聞いている。
「あの、紫の海峡石。あれで出せるんじゃないんですか?」
「ドーガー、残念。試したけどダメだった。あれは酒ではないんだろうね、きっと。
でも、そこまでおいしいかな?」
「そうだな、そこまでいかないな。酒より、そのあとの丸いほうがうまい。」
「そうだね、数滴だけ飲むから?上空から落とすからおいしいとか?
やってみようか?」
「やめてください!口を開けて落ちてくるのを受けるのですか?そんなこと!!」
「あははは!そんなバカなことはしないよ?ま、お行儀悪いけど、こんなことはしたことない?」
木苺を上にほり投げて、ぱくりと食べる。
「!!」
「ね?移動で上空に投げて、口にいれればいい?どう?」
「姉さんは悪だくみの天才だ!!」
・・・それ、褒めてないよね?
「丸いほうとは?」
師匠のうまいものセンサーにひかかったようだ。
「うん、種もおいしかったのね。で、もっとおいしくできないかなーってなったのが丸いの。
これも食べてみよう。」
まずは、普通にコップに入れた酒。
「「「「!」」」」
「うまいですよ?これは。」
「ええ、確かに。酒ではないが酒のようなもの?」
「うまい!」
「おいしいです!」
「でもさ、おいしいけど、床を舐めてまで欲しい?
クツクツの酒かお澄ましのほうがいいな。」
「「「クツクツ!!」」」
「お澄まし!」
うん、そうだろうね。
で、種だけも食べてみる。
「うん、おいしいですね。」
感想はそれだけだ。
で、ずっと食品庫に入れておいた、常温のものと冷やしておいてもの。
半分に切って、お皿に乗せる。冷たいほうは、レモンの皮を飾る。リコッタチーズも添えてみる。
コーヒーも用意した。
「まずはレモンのないほうを。で、コーヒーのんで、レモンのほうを。
透明なのと、レモンと一緒に食べるとおいしかったよ。リコッタも一緒にためしてみて?
では、どうぞ召し上がれ。」
初めてのものを食べるのは師匠の役目、それからセサミン、ルグとドーガーの順。
毒見もなにもあったもんじゃない。
「!」
「!」
「!」
「!」
あっという間だった。
わたしたちは2回目なのでゆっくり食べている。でも、あっという間だ。
コーヒーをのんで、次!
沈黙だった。うん、リコッタチーズに合うねー。
「どう?」
「驚きました。」
「毎日食べたいって思う?」
「んー、それはないですね。」
「うん、わたしもそう思った。お酒自身も、種もね。そこまで必死になるのが分からない。」
「そうですね。わたしの中ではクツクツか温泉卵ごはんのほうが上をいきます。」
さすが、師匠です。
「じゃ、本命の上空放り投げうまく呑めるかな大会を開催しよう!」
「大会なんですね、姉さん。」
「うん、楽しんだもの勝ち。玄関ホールに行こう。」
玄関ホールは吹抜けになっているので、
天井の高さがちょうど妖精が飛ぶ高さと同じぐらいらしい。
で、そこまで上げて落としてキャッチ。これは空気に触れる時間が倍。
半分まで上げて落としてキャッチ。空気に触れる時間は同じだけど落下速度が違う。
コップごと上にあげてそこから落としてキャッチ。これで条件は一緒。
「ちょっと怖いこと言ってもいい?」
「ダメです!姉さんのちょっとしたことは本当に怖いから!」
「いやいや、みんなが怖がる怖さじゃないよ。ほんとほんと。」
「モウ殿、軽く、軽くいってください。」
「師匠まで!いやね、妖精が飲んでる酒が落ちてくるのを飲むわけでしょ?
その妖精の唾液が混ざっておいしいとか?」
「「「「「いやー!!!!!!」」」」」
絹を裂くような悲鳴でした。
「じゃあさ、こう、自分の口の中でぐちゅぐちゅして、
いったん出して、また飲んでみる?駱駝の反芻みたいな?」
「モウ殿はよくそういうことを知ってますね?」
「あ、合ってた?それは?」
「愛しい人、まずは最初の3つを試そう。それで、なにも変化がなければ、
各自で4つ目を。私は愛しい人のが飲みたい。」
「「「「「いやー!!!!!!」」」」」
わたしも参加できました。
結果、4つ目にチャレンジです。
「あ!思い出した!唾液の成分が大根おろしにも含まれるって!
ちょっと待って!4番目はセサミンが言うように人としてダメだ!ちょっと待って!!」
赤い大根と、急遽、おろし金を作って、ジャクジャクおろす。
その絞り汁を、ちょっとずつ入れる。
これはせーので飲むことにした。だって大会だから!
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