いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

文字の大きさ
236 / 869

236:銃

しおりを挟む




「姉さん!!」
セサミナが飛び込んできた。
「大丈夫。試合は?」
「え?ああ、終わりました。兄さんの一撃で。」
「そうだろうね。はー。」

なんちゅうことを想像するんだ?
マッパでダイヤだけを身に付けて、ベットの上ならいい。あり得るだろう。
なんで、謁見の館をその姿で、ファッションショーのごとく歩く。
そのあとは、もう、ダメだ。

「モウ殿?」
「ガイライ殿、大丈夫ですから。」
「ガイライと呼んでください。」
「?それはかーちゃんとして?」
「いえ、主として。」
「誰を主と思うかは自由だと思うけどね。んじゃ、もう一度、
あの形、やってみてください。」
「ええ、何度でも。」

水平に重ねる拳。
それを両手で包む。

「!」
「守るから。ガイライ。」
「はっ。」





「愛しい人、糸だ。」
「マティス、マティス!!却下だからね!」
「どこまでが?」
「どこまでって?考えたらわかるでしょ?」
「んー、ああ、飯も食べずにって所か?」
「ちーがーうー!!あーいうことをするのは家の中だけ!」
「ああ、そうか。もちろん。誰にも見せない。誰も見なければいいのだろう?」
「ん?そうなるの?」
「そうだ。想像でも誰もいなかっただろう?」
「そうだよね。ん?あれ?」
「ほら、大丈夫だ。」
「ね、姉さん!兄さんの大丈夫は大丈夫じゃないですよ?」
「あ!危ない!セサミンにさっそく守ってもらったよ!マティス!
このピンク関連はあとでゆっくり話し合いましょう!」
「ああ、もちろん。ゆっくりな。
・・・セサミナ?余計なことをいうなよ。」
「ひえっ!」
「マティス!」
「ははは!冗談だ。」
「・・・冗談の殺気じゃなかった。」

「もう!で?試合はもちろん勝ったよね?」
「もちろん。愛しい人が閉じてしまった後、体が重かった。
糸だな。まとめてここに。なかに何かいる。
それと、棄権してきた。」
「棄権はいいよ。最初からそういってたんだもの。
その試合を見てないってのは問題だけど、もう十分だしね。
糸はいいけど、中にいるの?その蜘蛛が?」
「元なるものだ。だから、蜘蛛かどうかはわからない。」
「生き物?」
「それもわからない。」
「んー、移動させようか?生き物なら閉じ込めてるのはかわいそうだしね。」
「?愛しい人は虫は嫌なのだろ?」
「そうだけど。それとこれはまた違う問題だよ?
 でも、そうだね。こう、移動させた瞬間、ぶわって、なにかがわしゃわしゃって出てきたら、
Gが発動するね。断言できる。」
「ダメです!師匠として許可できません。」
「しかし、師匠!条件反射です。」
「はぁ、わかりました。
次はルグの試合です。勝てば続けてルカリアの銃使いとです。
今しなくてよろしい。」
「そうだ、そうだ。銃の対策を考えないと。
ルグ?次が終わったら必ず戻ってきて?それまでに考えておくから。
とりあえず、ドーガーが手こずった相手をけちょんけちょんにしておいで。」
「はっ。」
「奥方様?わたしはやはり弱かったんでしょうか?」
「ははは。糸を使われたらルグは負けるね。でも、ドーガーは糸には勝った。
誇っていい。二刀流もね。
でも、相手の方が純粋に槍使いとして上だった。相手は次は最初から戦士としてくる。
そうなると、ドーガーにはまだ早い。その差だよ。
師匠と同士なったんだ。次の段階に行かないとね。」
「はい!」



「次戦、準決勝
ルカリア ライガー 対 コットワッツ マティス戦は マティス棄権の為
ルカリア ライガーが決勝へ。」


どよめきが起こる。
黄色い悲鳴も。

「準決勝、
コットワッツ ルグ対 マトグラーサ ケーブ 始め!」



「やはり模範だな。」
「前も言ってたね。ダメなの?」
「いや、基礎が出来てるが、変則の対応には少し間が開く。
すぐに物にするがな。次の銃ではどうだろう。私も銃使いと対戦したことはない。」
「そうか。師匠は?」
「1発銃ならありますよ。それを避ければ次に撃つまで時間がるので問題はなかったんですがね。
連射はどうでしょうか?」
「そこだよね。ガイライ殿、ああ、ガイライ?どう見る?」
「ワイプと同意見です。連射というのがまずい。
ルグには不利だ。
銃問題はこの後マトグラーサを呼んでの会議あります。
連射ができることに王族はずいぶん乗り気ですね。
マティスは銃を恐れての棄権といわれるでしょうね。」
「ああ、そうなるか。んー、セサミン?」
「はい、姉さん、なんでしょうか?」
「少し話をしようか。」
「はい。」


この試合はルグが勝つだろう。
問題はやはり次の試合だ。


「マティスが棄権したのは銃を恐れてだ。それは好都合だ。
マティスが銃使いと対戦するなら、わたしがあらゆる方法で銃を無効化してしまう。
マティスが止めてもね。それほど、銃は怖い。
では、銃が無効化された後はどうなる?銃は銃で発展していくだろう。
防御の力があるとして、マティスが、コットワッツが注目される。
いい意味ではなく悪い意味でだ。ますます王都に煙たがられる。
わたしは身内は守る。でも、それだけだ。悪いけど、
見たこともない人たちまでは守れない。
砂漠石の加工もしない。セサミンは砂漠石を糸に変えることまでできる?ダメ?
一つにまとめるぐらい?そう。
だったら、砂漠石の糸化ができるというのは除外しないといけない。
ルグには砂漠石の糸で作るマントでも着せようかと思ったけど、
王族が乗り気なら、それは何だという話になる。
ルグを守れない。素早く移動して?それはダメだ。
この観衆の前ですることは得策じゃない。
マティス?いい?」
「ああ、私も同じ意見だ。セサミナ、我が主よ。あなたを護衛するものとして
ルグを失うことはできにない。ルグには棄権を。」
「・・・わかりました。ルグに話、いえ、これは命令ですね。」
「うん、セサミン、ごめん。ルグにはわたしからいうから。」
「いいえ。わたしも同じですよ。ルグを失うことはできないし、
姉さんの力を見せるわけにはいけない。」


「勝者、 ルグ!」

素晴らしい戦いだったのだろう。
大歓声だ。


「戻りました。?」
「ルグ、おめでとう。あのね、次は銃なの。それでね、」
「ええ、奥方様、赤い塊殿、我が主がお仕えする方、そして、モウさん。
わかっていますよ。棄権します。主を守ることがわたしの使命ですから。」
「ああ、ごめん、ルグ。ルグは強いのに。」
「ええ、強いです。しかし、銃相手ではね。審判に話してきます。」




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

神は激怒した

まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。 めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。 ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m 世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

異世界からの召喚者《完結》

アーエル
恋愛
中央神殿の敷地にある聖なる森に一筋の光が差し込んだ。 それは【異世界の扉】と呼ばれるもので、この世界の神に選ばれた使者が降臨されるという。 今回、招かれたのは若い女性だった。 ☆他社でも公開

R・P・G ~女神に不死の身体にされたけど、使命が最低最悪なので全力で拒否して俺が天下統一します~

イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の現地調査のために訪れた山の中で異世界の大地の女神と接触する。 半ば強制的に異世界へと転生させられた凛人。しかしその世界は、欲と争いにまみれた戦乱の世だった。 凛人はその惑星の化身となり、星の防人として、人間から不死の絶対的な存在へとクラスチェンジを果たす。 だが、不死となった代償として女神から与えられた使命はとんでもないものであった…… 同じく地球から勇者として転生した異国の者たちも巻き込み、女神の使命を「絶対拒否」し続ける凛人の人生は、果たして!? 一見頼りない、ただのおっさんだった男が織りなす最強一味の異世界治世ドラマ、ここに開幕!

大好きなおねえさまが死んだ

Ruhuna
ファンタジー
大好きなエステルおねえさまが死んでしまった まだ18歳という若さで

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

コンバット

サクラ近衛将監
ファンタジー
 藤堂 忍は、10歳の頃に難病に指定されているALS(amyotrophic lateral sclerosis:筋萎縮性側索硬化症)を発症した。  ALSは発症してから平均3年半で死に至るが、遅いケースでは10年以上にわたり闘病する場合もある。  忍は、不屈の闘志で最後まで運命に抗った。  担当医師の見立てでは、精々5年以内という余命期間を大幅に延長し、12年間の壮絶な闘病生活の果てについに力尽きて亡くなった。  その陰で家族の献身的な助力があったことは間違いないが、何よりも忍自身の生きようとする意志の力が大いに働いていたのである。  その超人的な精神の強靭さゆえに忍の生き様は、天上界の神々の心も揺り動かしていた。  かくして天上界でも類稀な神々の総意に依り、忍の魂は異なる世界への転生という形で蘇ることが許されたのである。  この物語は、地球世界に生を受けながらも、その生を満喫できないまま死に至った一人の若い女性の魂が、神々の助力により異世界で新たな生を受け、神々の加護を受けつつ新たな人生を歩む姿を描いたものである。  しかしながら、神々の意向とは裏腹に、転生した魂は、新たな闘いの場に身を投じることになった。  この物語は「カクヨム様」にも同時投稿します。  一応不定期なのですが、土曜の午後8時に投稿するよう努力いたします。

召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。

SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない? その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。 ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。 せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。 こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。

処理中です...