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243:手品
しおりを挟む撃った本人は気絶、失禁している。なんなんだ。
別に呪い何ぞかけてないのに。
3日殺しの話は聞いているのだろう。
「慰労会主催の中央院、院長、今回警備担当の軍部ガイライ殿、
この始末、どうなさるおつもりか?」
そうか、責任はガイライにもいくのか。
うーん、でも、仕方がないね。
「始末も何も、セサミナ殿は無事ではないか?
ああ、スホーム殿は帰ってもらえ。
それにしても素晴らしいですね、モウと呼んでもいいですか?」
なにいってんだ?
「ならば、わたしにあたっていれば?」
「はは!それは護衛の不始末でしょう?」
「・・・ああ、なるほど。」
「お待ちください!ジンク殿、何をおっしゃっているんですか!
武器の所持が認めていられない中での発砲ですよ?
新たなる武器の発表ということもありましたが、
危険性を理解しないものがただの激情で発砲し、
今回たまたま無事だっただけに過ぎない。
メジャートの従者がけがをした時点で回収すべきだったんだ。
非は発砲したスホーム殿も当然だが、こちらにも当然ある。
それを何を言ってるんだ?」
ガイライが怒りとあきれを爆発させている。
「なら、警備担当の貴殿の責任であろう?貴殿の処遇はセサミナ殿に任せよう。
中央院が許可しますよ。」
「あなたは?あなた自身は?」
「わたしがなぜ責められる?」
ああ、この人の違和感はこれだ。
ことなかれ主義もここまで行くと病気だ。
おまけに、言霊に近いものを無意識に持っているのだろう。
自分のいいようにしか理解できないし、いいように動かしてしまう。
わたしも一歩間違えればこうなるのか。
「それで、モウ?呼んでもよろしいか?わたしのことはジンクと。」
『なりません。我が名は神聖なもの。
我が名を呼んでいい者はわたくしが認めたものだけ。
貴様はその中には決して入らない。』
「なにをいってる?わたしは中央院院長ジンクだ?もう一度言う、
わたしのことをジンクと。
あなたのことはモウと呼びたい。」
『ならん!貴様の世界にはわたくしは入らない!それがなぜかわからぬ時点で
終わっているのだ。二度と我が名をその口にのせることはまかりならん!』
「あ!あ、あ、あ、あ、あ、あーーーーーーーーー!!!」
拒否されたことが始めたのか、頭を抱えて震えている。
「お静かに!これで懇親会は終了だ。
だれか、ジンク殿を中央院にお連れしろ!!
今後、銃の携帯は一般の武器と当然、同等だ。いったんすべて回収しろ!
ここでまた発砲があれば即牢屋行きとなる。領主といえども同じだ。
さぁ!ルクリア領から出して下さい。」
「あとできちんと返却してくれるんでしょうね。」
「武器の同等の扱いだ。」
「第一、今のはガイライ殿の責任ではないのか?」
なんでそうなる?ガイライに責任があるなら、ここで配り歩いたルカリアにも責任がある。
「そうだ。これが終わってから、処遇はセサミナ殿がお決めくださる。」
ガイライが控えていた軍部の人たちに指示を出していく。
師匠はここでの仕事はないのだろう。
いっしょに帰ることになった。
「セサミナ殿、後で館に伺います。」
「ええ。お待ちしています。」
ガイライはわたしの手を見て、小さく笑っていた。
そりゃ、気づくだろう。
銃をガイライさんに渡し、そのまま城を出る。
出口でいつのも武器は返してもらう。
ルグ、ドーガーの槍、マティスの三日月、わたしの如意棒。
サンプルでもらった銃と弾も。
出た途端、セサミンが抱き付く。
「姉さん!手を!けがはないですか!
ごめんなさい!けがの心配よりも領主としての仕事を優先してししまった。
中央院院長の違和感もやっとわかりました。まじないを言っていなかったら、
わらって次の話をしていた!姉さん!手を!」
「あははは!なんだ、セサミン騙されたの?
弾なんか握って取ってないよ?握ってたやつをそれらしくしただけ。
ドーガーはわかったよね?」
「もちろん!それはわたしがいつかやろうとしていたのに!
先を越されましたが、あの動作!かっこいいです!」
「だろ?」
跳弾に加えて、剣で弾をはじいたり、こういうトリックがあったり、
漫画の中でのあるあるシリーズで大いに盛り上がったのだ。
「え?」
「だって、弾は狙われたら砂漠に飛ぶって。」
「あ!」
「ふふふ、セサミン、我が主。かっこよかったよ。
けがをしようが何であろうが、あれが正解だよ。ね?マティス。」
マティスもぽかんとしている。珍しい顔だ。
ルグも。
あれ?
「ドーガー以外ほんとにわたしが取ったと思ったの?」
師匠とドーガー以外、みなが頷く。
「姉さんならできると思ったので。」
「愛しい人なら可能だろ?」
「奥方様なので。」
「んー、そりゃやればできそうだけど、あんまりわたしのこと過信しちゃだめだよ?」
「だいたい、弾道と手の位置が違ったでしょ?」
「さすが師匠!」
「ワイプ!うるさい!」
「ははは。みな純粋だね。じゃさ、こういうのもびっくりする?」
親指が離れる子供の時に一度はやったことのある手品を披露する。
これは全員が雄たけびを上げてしまった。
明日からマジシャンで生きていけます。
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