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252:彼女の強さ
しおりを挟む「ガイライ殿、うらやましいですね。
彼女の棒術をもう少し底上げすればわたしも体験できますかね。」
「そうなるのか?彼女の棒術はそこまで行くのか?いや、行くんだろう。」
「彼女は剣術も相当なんですよ。」
「剣術?師はマティスか?」
「師ではないですね。彼女の故郷である程度の知識はあるようで。
棒術は知ってる程度でしたから。」
「ああ、だからワイプは師なのだな。それはそれでうらやましい。」
「ふふふ。そうですね。師と呼ばれるたびに嬉しさがこみ上げます。」
「彼女はセサミナ殿たちとコットワッツに帰るわけでないのだな?」
「ええ、イリアスに行くと。ニック殿を尋ねに。」
「そうか。そういっていたな。」
「だめですよ?着いていくのは。
軍部の安泰はニバーセルの安泰、コットワッツの安泰だと
彼女が言っていたでしょ?」
「ああ、あのとき居たのだったな。そうだ。することは山ほどある。
わたしは、あの声の大きさでわたしには聞こえていないと思われていたのだな。」
「ああ、後ろの?そうのようですね。」
「女相手だからわたしが勝って当然、か。
マティスの読みより悪かった。情けない。母が心配するはずだ。」
「仕方ないでしょう。このまま相手をしてあげればよろしいのでは?
審判はわたしがしましょうか?」
「ああ、そうだな。そうしてくれ。」
「ガイライ殿?わたしたちも見ていてよろしいか?」
「そうだぜ?もうすこし、この酒を飲みながら見ていたいもんだ。
奥さんとの対戦は見入ってしまって酒を飲む暇がなかったからな。」
「ええ、ぜひ。
おい!わたしはまだ動けるのだが、お前たちが相手をしてくれるか?
そうだな、勝てば副隊長に推薦しよう。ほかになにか褒美をやろうか?」
「コットワッツが振る舞う甘味がすばらしいと聞きました!
それを!」
「なんでしょうか?プリン?クッキー?コンポート?
フルーツタルト?アイスか芋菓子?しふぉんけーき?」
「そ、そんなに種類が?資産院のダナフとサーナルが食べたと。」
「あの2人か。いらぬことを。だったら、芋の菓子かクッキーでしょうか?」
「ああ、それならありますよ。いろいろ持ってきてます。
どうぞ。ガイライ殿に勝てればこちらに来てお食べください。」
「セサミナ殿、申し訳ない。なんともお恥ずかしい話です。」
「かまいませんよ。」
「では、始めよう。何人掛かってきてもいいぞ?」
「セサミナ様?少しひどい話なのでは?
彼らが勝てるわけがない。」
「ルグ、ドーガー、お前たちはガイライ殿にかなうと思うか?」
「まさか!ガイライ様はマティス様、ワイプ様とは違う強さがあります。
それぐらいわかります。」
「わたしもですよ。先ほどの奥方様との手合わせをみてまだ勝てると思うほうがおかしい。」
「そうだ、おかしいんだ。わたしでもわかる。でも、彼らにはわからなかったんだ。
だったら教えてやらないと。ああ、人数分の芋とプリンは残しておいてくれ。」
「セサミナ殿?それはなぜ?万に一つも勝つ可能性はないですよ?
ほら?次々倒れる。」
「ワイプ殿、そうなんですが、姉上がいれば、きっとたべさせているでしょ?
ガイライ殿をよろしく頼むということで。それを代わりにしておきましょう。
ガイライ殿の味方は多いほうがいい。
それが食い物でつられてもいい。我が配下2人がそうなので。」
「な!セサミナ様!それはそうなんですが!」
「間違いではないだろう?
それと、ドーガー?お前は姉上にすき焼きの作り方を聞いたそうだな?
母君に食べさてやりたいと。それはいい。
姉上があとで、いいところのサイの肉を安く分けてやってくれと
また2頭まるまる頂いたぞ?きっとまだ手持ちは少ないだろうからと。」
「さすが奥方さま!」
「喜ぶな!そんなことを姉上に心配させたことを恥に思え!」
「!申し訳ありません。」
「ははは。奥さんはドーガーの母ちゃんにうまい肉を食べてもらいたかたんだろうよ。
しかし、すき焼きはうまかったな。次の日のおじやも。
米があんなにうまいとは知らなかった。」
「トックスさんが好んで飲んでるお酒も米からできているらしいですよ?」
「へー、そいつも知らなかった。お!ガイライの旦那の圧勝だ。」
「そりゃそうでしょ。」
「お前たちは少しでもわたしに勝てると思っていたのか?」
「・・・はい。」
「あの手合わせを見た後でもか?」
「・・・はい。」
「なぜ?」
「・・・」
「答えろ。」
「相手は女性でしたし、ガイライ様は気配に疎かったので。」
「気配にか?」
「はい。普段、われわれが何をしていようと気付いておられない。
対戦すればお強いとはわかっていますが、その、、、」
「続けろ。」
「そろそろ実力は落ちて来たのではないかと。」
「そう思われていたか。わたしのことはいいが、
彼女はコットワッツ、セサミナ殿の護衛赤い塊モウ殿だ。
戻ってすぐに甘味の話を聞いたぐらいだ、彼女の話も聞いただろう?」
「な!あれが赤い塊?話と全く違う!」
「どのように聞いたのだ?」
「その、赤い衣を纏って、弾丸も指で弾き飛ばし、この世の物とも思えぬ大柄の女性だと。」
「なんだそれは?」
「あれでしょ?彼女に負けた軍部の連中が流してるんでしょう?
女性に負けたのが恥ずかしくて。」
「ああ、情けない。お前たちはワイプの実力は知っているな?」
「それはもちろん。」
「では、コットワッツのマティスは?」
「ええ、先ほどまでおられた方ですよね?セサミナ殿との話も聞きました。
わたしはマティス殿にあこがれて軍部に入りましたので。
大会での雄姿が見れなくて残念です。」
「実力はわかるな?」
「もちろん。試合中もこちらに一度気を飛ばしていました。
踏みとどまるのに苦労しました。」
「ああ、彼女が少し色っぽい型を披露したときですね。」
「そうです。あれは良かった。」
「彼女はワイプの一番弟子で、マティスの唯一の伴侶だ。」
「そうですよ?いま、マティス君がここにいなくてよかったですね。
あ、ちなみにマティス君もわたしの弟子です。
末席ですが。」
「な!」
「ほんとうに情けない。わたしは今まで何をしていたんだろうか。」
「はは!ガイライ殿!よい手合わせを見せていただきありがとうございます。
ルグもドーガーも勉強になったことでしょう。」
「セサミナ殿!こんな情けないことは初めてです。」
「そうおっしゃらずに。彼らはガイライ殿の大事な配下、
姉上ならきっと振る舞いをしていると思うので、これを皆さんで食べてください。
コットワッツ、ティータイではやりのプリンもあります。
さ、どうぞ。」
「ああ、ありがとうございます。
お前たち、彼女の実力も、わたしの力もわかっただろう?
あの手合わせをみてその力のほどが分からなかったのはお前たちだけだ。
わたしの力が分からないのは今までをみてのことだろうが、彼女の力を読めぬとは。」
「ガイライ様、それは直接彼女と対峙しなければわからないですよ。
恥ずかしながらわたしは、殺気を纏わぬ彼女を鼻であしらったら、
殺気があれば主を守れるのかと、気は放たれ即、気を失いましたから。」
「おや?その話は聞いてませんね?おもしろそうです。
くわしくお聞きしても?」
「ああ、かまわないでしょう?ルグ、話してもいいぞ?お前の恥になるがな。」
「そんなことは有りません!彼女との出会いがあったからこそ、今の自分があるのです!」
「わたしもです!」
「さ、ガイライ殿、みなさんもここに。酒もありますし、彼女のことを少し話しましょう。
なに、彼女の強さを話すだけですよ。さ、こちらへ、、、、」
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