いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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273:トイレ問題

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大爆笑で大会は終わってしまった。
モモのタルトはお酒が効いてとてもおいしい。
このシリーズはまた違う果物、と思われるものでたべたい。


今度、本家の姉さん!姉さん!と
なんと!を聞いてしまったら大爆笑になるだろう。
腹筋を鍛えようと2人で誓った。



石の水浴び後、タオルで拭きつつ、なんとかはなしを聞いていく。
砂漠石は減ってはいない、むしろ増えつつあるそうだ。
やはり、蜘蛛の砂玉が原因なのだろうか。
海峡石は?ときけば、あるといい、磁鉄鉱を出してきた。
そうか、月無し石にしてみれば、水をだそうが、火を出そうが、磁力を出そうが同じなんだ。
この磁鉄鉱もくれるそうだ。

別れを済ませ、そろそろあたりが明るくなる。
このまま西に進み、渓谷を超え、ジットカーフに入った。


「寒いね。」
「乾季に入ったからな。毛皮は早いが、タロスの一番暖かいものを着ておけ。」
「うん。」


少し歩いていくと街道に出る。
マティスも歩いたことはないようだ。
「この道を進めばイリアスだ。
道が続いているからそうだとわかるが、方位が分かるというのは便利だな。」
「たよっちゃうと、鉄が沢山あるところでは狂うから気を付けないとね。
なければないで、どうにかなってるんだから、へたに便利なものがあるってのも、考え物だよね。」
「しかし、砂漠縦断では、なければ夜しか進めなかったぞ?」
「そうか。んー、ならいいか。距離は?これはマティスの経験則?」
「経験というか、自分が移動した速さと時間が分かれば移動距離はわかるものだろ?」
「おお!わたしにはまったくわかりません!」
「そうなのか?」
「マティスが特殊じゃなくて一般人もわかるの?」
「わかるだろう?でないとみなが迷子になる。」
「そうなんだ。うん、必要な感覚だものね。」
「あなたは常に私と一緒にいるのだから必要ないかなら。
ここから歩けば、3日だな。砂漠の鍛錬のように走れば1日もかからないが、
街道だ、どこで誰の目があるかわからない。
国境沿いに街もあったとおもう。コムの貸し馬屋の主人が話してくれていただろう?
近くの街は赤馬だと1日の距離だと言っていたから、ここら辺の街の事だろう。」
「そうか、あの時はそのまま帝都に行ったからね。
その街はやぱり豚がうまいっていってたね。たのしみだ!!」
「では歩いていこう。」
「うん。」


街道は荒野の中進むようなもので、ところどころに林がある。
きっと豚もいるのだろう。
馬車が通った跡はあるから、人の行き来もあるようだ。
まさにピッタリの曲があるが歌えばマティスはまた泣くだろうか?

「毎回泣くわけではないぞ!!」

そうか。ならばと、母を訪ねてのあらすじをさっくり話す。
出稼ぎにいったまま連絡が取れなくなった母親を訪ねる話だ。
ちなみにわたしはオープニング曲で泣く。

「だ、大丈夫だ、どうぞ?」

え?すでに来てない?

まぁいいかと、歌う。
歌い始めとアップテンポに変わるところが好きだ。



イリアスにつづく この道を~

さあ 出発だ 今 月沈む


はるかな北を目指せ~

雲はかろうじてあるが、陽は昇らない。
そこら辺を変え、アンデスではなくイリアスに。
かあさんではなくニックさんにしようとおもったが、それはおふざけすぎだ。



「くっ。」

マティスが顔をそらす。

「それで?そのマルコは母さんにあえるのか?」
「もちろん。お母さんの方も騙されたり病気になったりで、
だから入れ違いになっちゃって。
最後は会えたよ。」
「そうか。よかった。いい話だ。」
「連絡がとれないってのは大変よね。
セサミンが連絡とろうと思ってもこっちには届かないからね。
手紙を飛ばせばいいんだって教えようかなって思ったけど、
そしたらセサミンは毎日のように連絡するんじゃないかと思って、やめたんだ。
緊急はわかるからね。」
「ああ、良い判断だと思うぞ?」
「うん。」
「それで、どうする?」

そうなのだ、後ろから付かず離れず、馬車が1台付けてきている。
渓谷から街道に降りたときにはいなかったから、不思議には思っていないだろう。
砂漠の民の服、背負子も背負っている。
不審なところはないはずだ。追い越せばいいのに。

「会話は聞こえるのかな?」
「ガイライならともかく聞こえはしないだろう。あの歌は聞こえたかもしれんが。」
「え?それは恥ずかしいな。」
「そうか?金をとってもいいくらいだ。」
「はははは!じゃ、普通なら馬車が来てることも気付かないね。
じゃ、なにも遠慮せず、今日はおしゃべりしながらゆっくり進もう。
向こうも逆にこっちが盗賊かと思って警戒してるかもしれないしね。」
「それはあるな。こんな街道を徒歩で歩くことはすくないだろうからな。」
「そうか、じゃ、途中で豚を狩らねば!1匹だけ」
「そうなるか。」


近くの林に入り、豚を仕留め、一般の方法で血抜きをする。
「顔色が悪い。」
「うー、大丈夫。うん。おいしいのは知ってるから。」

水も無限に使えないので、林の中で湧き水を見つけ水を汲む。

「大変だね。旅というのは。」
「はははは!なにをいまさら。いままでが快適すぎたんだ。」
「そうだよね。頑張るよ。あー、じゃ、お風呂にも入れない?」
「テントの中で扉君をだせばいいだろ?」
「で、出てきたらすっきり?ばれるよ。あの馬車がいなくなるまで、我慢する。」
「便所は?」
「うわー!どこでするの?普通は?」
「どこででもいいぞ?」
「いやいや、男の人のおしっこはそうだけど、うんちのときとか、女の人は?」
「ああ、行軍の時は決まった場所だな。移動中はしない。
単独なら匂いで居場所がばれると困るから、穴をほってそこで済ます。
女はどうしてたんだろうか?しらん。」
「行軍にも女性は参加するの?」
「数はすくにないがいるな。しかし、上官クラスだ。同じように穴にすることはなかったないな。」
「そうなんだ。でもま、個別に穴を掘るよ。」
「そこまでしなくていいだろう。囲いをして、扉君を出して家ですればいい。」
「あ!そうか。うん。そうさせてもらう。あ、だめだ。」
「なぜ?」
「だってさ、あの馬車がさ、なにかしらこっち探ってる人たちだとする。
だから、あとで、なにか不審なことがないか、うんちした後を掘り返すね。」
「・・・。」
「いや、逆の立場だったらするでしょ?」
「すまない、そこまではしない。」
「えー?そうかな?いやするね、師匠がいた暗部の人間ならする。それが仕事だ!」
「そうか、暗部はするか。大変な仕事だったんだな。」
「そうだよ?うん。頑張って穴でするよ!」
「そうか。いま?」
「え?いまは大丈夫。ご飯前と寝る前に。」
「そ、そうか。」
「うん。」

なんというか、ここに来ていまさらながらのトイレ問題!
はやく通り過ぎろ!馬車!!



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