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373:双子
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「いまからね、お悩み相談会があるの。
人を呼ぶけど、ビャクはどうする?眠くない?寝床作るよ?」
竹かごに、真綿を入れて、絹の端切れでまく。
色は桃色がいいとのこと。
温かいそうだ。そうだね、蛇は冬眠するからね。
真綿の中に小さい樹石も入れておく。
電気毛布のような感じ。大喜びだ。
「じゃ、ルグ呼ぼうか。ルグは何してるかわかる?」
「外に出ているな。いつ呼ばれてもいいようにしているんだろう。」
「さすがだね。」
(ルグ?来れる?呼ぶよ?)
(!お願いします)
『ルグ!おいで!』
「マティス様、奥方様。」
力なく、声を出す。
「とにかく、おこたにはいって?
なんか食べた?とりあえず、コーヒーね。おいしいよ。」
お茶菓子は大人のお菓子で。
これ、もっと買っておこう。
とにかく、おこたに入ってもらう。
コーヒーを飲ませて、一息つかせた。
「ここは?へ?屋根の上?ああ、そうですか。
この気配にも気づかないとは。」
「いや、師匠も気付いてないよ?」
「ワイプ殿もですか?そうですか。」
「ん?ほんとどうしたの?」
「・・・その、奥方さま?以前、タナガの気配がどうのといった時に
双子ということをおっしゃっていましたよね?」
「うん。それが?」
「先日、妻が、産婆のところに行きました。双子だと。
その晩、その産婆が訪ねてきました。」
「わ!おめでとう!!」
「え?」
「いやー!素敵!双子の赤ちゃん!もう、キュンキュンしちゃうね!
お祝い2倍だね。あー、なにがいいだろ?Wベビーカーとか?
絶対抱っこさせてね?」
すごい!残念ながら故郷では双子の赤ちゃんを抱っこしたことがない。
外で、Wベビーカーでのせてるのを見せてもらうぐらいだ。
もちろん、赤の他人だ。ちょっとしたアイドル状態。
ご両親は大変だろうが、かわいい、かわいいと言われて、
夫婦2人して照れる姿もまたかわいいのだ。
「あれ?その報告?」
「はははは、奥方様は祝ってくれるのですね?」
「もちろんだよ!倍以上にね。
でも、大変だって聞くよ。片方が泣いたらもう片方もないて。
お父さんがちゃんと育児の手伝いしないとね。
おっばいは2つあるけど、腕は2本だ。お父さんの腕もいるからね。」
「・・・普通のことなのですか?」
「そうだよ?
?
ああ、産婆さんはなんて?あ!逆子?とか?なんか問題って?」
「さかご?いえ、問題は、双子は、双子は忌み子だと。
育てる方法もあるが手に負えぬなら、引き取ると。よく考えろと。」
「お金を要求された?」
「・・・はい。」
「マティス?そういう話あるの?」
「すまない。まったく。」
「ルグ、ルグ?双子は忌み子ってはなし聞いたことあるの?」
「いえ。双子という言葉も奥方様から初めて聞きましたので。
腹の大きさが前の子よりも大きいのです。
それで、産婆に相談をしに。」
「いや、そりゃ、2人入ってるんだから大きいよ。当たり前じゃん。
むしろ、すくすく育ってえらいってことだよ?」
「は、はははは。そうなんですね。」
「この話、セサミンにはしてないの?どうして?」
「・・・忌み子というのは、その国に良くないことが起る前触れだと。
セサミナ様に相談すれば、きっとわたしたちの夫婦のことを優先にされる。
どうなろうと憂いは残ります。だから。」
「双子の話、コットワッツでの共通の認識は?そもそも聞いたことがない?」
「ええ。」
「あのね?ルグ。出産て命懸けなんだよ?母体にとってはね。
それはそれはものすごく負担がかかるよね?それは1人でも同じ。
それがいっぺんに2人、同時に2回。ものすごいよね?
だからお母さんが力尽きてしまうこともある。今もあるでしょ?
いくら産婆さんが石を使って、
産まれの言葉だったけ?それを言ったって
絶対はないんだ。
だから、昔は双子が生まれるってこと自体を避けたんだろうね。
でも、今は?医術も進んでるでしょ?
産まれてもね、母さん一人では負担が大きい。
それで育たない場合もあるかもしれない。
でも、それは1人でも、2人でも一緒だよ?何ら問題はない。
母体の健康、環境、気持ち。これが一番優先すべき問題。
1人でも、2人でも、そりゃ、出産に関する問題はある。
それこそ、産婆さんに頑張ってもらうしかない。
お金を要求したのは悪い意味ではないとおもうよ?
どこかで育てれる環境を作ってくれる為かもしれない。
出産時に不幸があって赤ちゃんが生まれなかった人に預けるのかもしれない。
2人育てる負担は想像以上だって聞くから、それを知ってる産婆さんが
共倒れになるために先に救いの手を出してるのかもしれない。
でも、私も聞いた話だけど、大変さは2倍だけど、
喜びは2倍以上なんだって。」
「・・・・。」
「んー、かもしれないばかりだね。
先に聞くけど、ルグ?あなたは?あたたがた夫婦はどう考えているの?」
「・・・わたしが、双子の話を聞いたときに、その、妻に話しました。
決闘のことを含めて。奥方様のことは異国の方だと。
そこでは同時に2人生まれることもあるらしいと。
妻は笑いました。すごく大変だろうねって。どう抱くんだろうとか。
それで、産婆にこれは双子だと聞いたときに、うれしいと思ったそうです。
わたしに話をするときも嬉しそうでした。わたしも喜びました。
わからぬまま、同じ顔になるのだろうかとか、名前まで考えて。
しかし、その晩、産婆が、産婆がよくないと。忌み子だと。
わたしはセサミナ様に使える従者。
我が子たちのことでよからぬことがあってはなりません。
その、奥方様はほんとうに、なんでもないようにお話なっていたので、
しかも、5つ子?そんな話も、普通だよ、と。
なので、どうしたらいいか、その。」
「ああ、ルグルグ。奥さんも。なんていい夫婦なんだろ。
その最初に双子と知った時の気持ちが真実だ。大丈夫だ。
産婆にいいな。問題ないと。しかし、2人同時だ。どうすればいい?
たくさん食べればいいのか、なにか運動をすればいいのか?
祝福をすでにもらっている子たちだと言えばいい。
領主が臣の腕を捧げたものに。セサミンにも報告しな。
問題ないよ。決闘のときにルグをあらゆるものから守ろうとしたように、
あなたたち親子を守ってくれる。
それでも産婆がごねるなら、そんなやつに頼まなくていい。
直接ではないけれど、
双子を取り上げた産婆を知っている。双子を生んだ母君も。
不安ならその産婆さんに頼めばいいし、その母君からも話を聞こう。
母体が不安がることが一番いけないよ。」
「・・・いるのですか?双子?」
「そりゃいるよ。別に不思議でもなんともないんだもん。
本人たちは、んー、やっぱりなんか引け目を感じてるみたいけど、
その度に笑い話になってるよ?
師匠のところの、ツイミ兄弟。
下のチュラル君とルビス君。」
「あの2人?体の大きさも違うし、顔も違う。」
「チュラル君に与える食事を少なくして、2年間隠して育てたって。
いま、もりもり食べてるから成長期だよ?
からだの骨と筋肉の成長が追い付かないから、
落ち着くまで体がきしむんだよ。
ああ、これはうちの故郷では普通のことなんだ。わたしも有ったよ?
たぶん、ここの人でも、あれ?また背が伸びた?
そう言えば最近体がだるい?みたいなことね。
普通、普通。そんなもんなんだよ。
それをツイミ兄弟ったら、双子だからお互いが遠慮してね。
笑うよね?
顔が違うのは、精子と卵子はわかる?あ、そこからか。
奥さんにも一緒に説明しようか?
ちょっと戻って、あったかい格好して、抱きかかえてね?
あー、ぼくちゃんも一人にするの心配だからね。
ぐっと抱きしめて。それごと呼ぶから。」
「ああ、奥方様、モウ様!」
「ほら!父ちゃんはしっかりしないと。あ、赤い塊の老婆だからね。
見た目若い小娘に言われても余計不安になるから。」
「はい。」
「困ったもんだね。」
「セサミナも呼ぶか?」
「そうだね。うちの故郷も昔はそうだったらしいよ?
わからないことに不安がるのはどこも同じだよね。」
衣裳を着替えて、ふわふわのクッションを置いて、
子供のお菓子も用意。
ココアがいいかな?
(セサミナ?起きているか?)
(え?兄さん!遅いですね?なにかありましたか?)
(起きているならちょっと来れるか?ルグのことだ)
(!なにか?)
(奥方が妊娠しているのはしってるな?)
(ええ。具合が悪いのですか?だからルグの奴、
昨日からちょっと様子がおかしかった)
(ああ、それに気付いていたのならいい。呼ぶぞ?)
(はい)
『セサミナ!来い!』
「どこ?え?外?屋根の上?」
「お疲れ、セサミン。まだ仕事だった?」
「あ、いえ。もう終わるつもりでしたよ?ルグのことで?」
「うん、双子なんだって!」
「え?あの同時に2人生まれるという?うわ!それはすごい!
え?それでルグが心配して?」
「ああ、双子が忌み子、良くないことが起る前兆なんて話しらないね?」
「なんです?その話?だいたい、
双子という言葉も姉さんから聞いて知ったのに。」
「あははは。そうだろうね。ここの産婆さんて昔からいる人?」
「産婆ですか?何人かいますが、
あの仕事は、いつの間にか引き継いでいるので、
昔からというのはちょっとわかりません。
それに独特な技を引き継いでいるので、領主といえど、
男のわたしは詳しくないのです。」
「そうか。んー、ま、それはいま、どうのと言ことはできないな。」
「どういうことですか?」
「産婆さんに双子で、忌み子になるから、
どうするか考えろって言われたんだって。
で、ルグはどうしていいかわかんなくて相談。
コットワッツに仕える自分の子たちが良からぬことになるというのは
耐えがたいんだろうね。でも、忌み子って話を聞く前は
素直に双子っていうのを喜んだんだよ?」
「そりゃそうでしょ?子は宝だ。そんなことを言う産婆の方が問題ですよ。」
「うふふふ。そうだね。
だからね、双子って別に何ともないってこと説明するから。
ルグと奥さんにもね。で、セサミンも一緒に聞いてほしいの。
ちょっとした講習だね。」
「わかりました。それで、赤い塊なんですね?」
「そそ。マティス?呼んで?」
(ルグ?いいか?)
(はい!)
『ルグとルグが抱えし家族!来い!』
「うわー!ここどこ!なにここ!!」
「ローチ、じっとして!あ!セサミナ様!」
セサミンに気付いた親子はすぐに礼を取る。
ローチ君もだ。さすがだな。
「ああ、楽にな。これから講習があるというので呼ばれた。
ローチ、こんな遅い時間に起きていて大丈夫か?」
「はい!セサミナ様!」
「そうか。でも無理はするな?カルーチ殿?顔色が悪いな。
なにも心配はいらないからな。」
「は、はい。」
『ささ、遅くにすまぬな。われは赤い塊一族と呼ばれるもの。
面布は許されよ。一族の決まりだ。
なにも心配することはないがな、少し話を聞いてもらおうとおもってな。
さ、そこに座れ。坊、ローチか?おぬしもそこにな。母の横だ。
遅くに起こされた詫びにな、これをやろう。熱いぞ?
内緒の飲み物だ。誰にも言うな?
奥方のもな。ん?セサミナ殿もか。ふふふ。内緒だぞ?
特にドーガー殿にはな?足をばたばたして悔し泣きをするぞ?』
爺でも婆でも同じしゃべり方。違和感なし。
『まずはな。カルーチ殿だな、ご懐妊おめでとう。
ほんにめでたいこと。我の一族ではな、出産祝いというのがあってな、
もう、みなが祝うんだ。そういう祝いばかりを専門に売っている店もある。
それくらい皆が祝う。ん?ローチ?おぬしの時は我は知らなんだからな、
代わりに、これをやろう。
チョコ?食べたか?そうか?好きか?そうか、そうか。
それが入ってるクッキーだ。これもまだ内緒だぞ?いいな?
でないと、またドーガー殿と、ほれ、今来ているだろう?しってるか?
ワイプ殿が悔し涙を流すでな。うふふふ。そうそう、内緒だぞ?』
寝る前に甘いもなんて虫歯がどうのとなるが、
ここにはない。素晴らしい!
温かいミルク多めのココア、チョコクッキー。
ふわふわのクッション。
尊敬のまなざしで見る領主様、父様、母様。
あっという間に船をこぎ出し、寝てしまった。
寒くないように、毛布とどてらを掛ける。
『さ、寝たな。子供にはちと早い。
では、さくさく行こうかな。質問は随時だ。おかしいと思ったら聞け。
恥ずかしがるな。
別に我が専門で学んでことではない。故郷ではだれもが知ってることなんだ。
では、行くぞ。精子と卵子、ここからな。』
ま、ざっくりだ。
そこから、受精、分裂、一卵性、二卵性。
出産の危険性、これは一人でも一緒。
陣痛はあるそうだ。そこから産婆の産みの言葉。
ま、痛み止めみたいな言葉だろう、あとは産道を広げるとか。
『な?こう考えれば、そういうこともあるなと思うだろ?
というか、あるんだ。ここでも動物も一度に一頭か?違うだろ?
ころころ産む動物もいるな。人と動物。一緒に考えるなんてって思うなよ?
一緒なんだよ。故郷では、それにあやかった、その動物の日、
んー、すまぬが詳しくはないが、それの日に腹帯を巻く。
安産祈願だ。いいとこどりをするのが人間の知恵だ。
そこが違うといえば違うな。
奥方?カルーチ殿?どうだ?まだ不安か?
最初に双子の話を聞いたとき、喜びの方が多かっただろ?
そうそう。不安はいつでもある。
しかし、くだらないことで不安になってはいけない。
よく食べ、軽い運動をし、よく笑う。これよ。
あとは、足がむくむ、足がつる、小便がしにくい。
それは最初の子供の時でもそうだろ?
違うのは2人入ってる。それだけだ。
身が伸びるからな、オイルで撫でてやるのもいいぞ?
からだを冷やしてもいけない。温かくな。
その時に話しかけてやれ。元気で生まれて来いとな。
とーさま、かーさま、にーさまもまっているとな。
ん?話しかけたりしないのか?赤子は腹の中で聞いてるぞ?
ただ、産まれるときにみな忘れてしまう。それほど、赤子も一生懸命なんだ。
ささ、いいな?あとはその産婆だ。
決して悪い意味で言ったのではない。
こころの準備をする時間をくれたのだ。現に、どうすればいいか、
ルグ殿は知っているであろう我を頼っただろ?
そういう人がいない、でも2人、どうすればいい?
そうならないように、預ける、という選択肢をくれたのだ。
父親も育児に協力的になるだろ?
産婆殿はおそらく何人も取り上げている。
ま、忌み子どうのというのは、それだけ母体に影響するということだ。
しかし、もう大丈夫。我が祝福するのだから。
な?産後は大変だろうが、しっかりした兄もいる。
ルグ殿、ここの男親はあまり育児には参加せぬようだが、
ドンドン使え。問題ない。な?セサミナ殿?』
「え?ええ、そうですね。ルグ?なにも問題は無いな?
お前が思い悩んで注意散漫になるほうが問題なんだ。」
さすがに育児休暇を取ることはできないが、
できるだけ早く帰るとか、そういうのができればいいね。
「赤い塊殿。ありがとうございます。」
「礼なんぞ要らんよ。元気な赤子たちをな産んでおくれ。
母子ともに健康。これが一番の礼だから。
さ、ローチもここでは寝にくいだろう。そのまま、そのクッションとどてら、
綿の入った服もな、持って帰れ。ああ、かまわんさ。寒さが一番体に悪い。
そのままの状態で、部屋に戻そうな。ルグもそのまま帰れ。
産婆殿はまた来るのか?そうか、その時にいろいろ教えを乞え。
それでもまだ忌み子だなんだというなら、また我に話しておくれ。
セサミナ殿も、それでいいか?」
「ええ。妻にもそれとなく産婆のことを聞いておきましょう。」
「そうだな。ゆくゆくはな、今はなした知識と言わないような話は
学校で習う。成人前に産婆殿に話を聞きに行くことがあるのだろ?
その知識が偏ってないか?間違いがないか、
医術に明るいものと、きちんと検証するのも必要だ。
別に産婆殿の仕事を否定している訳ではないぞ?尊敬をもってな。
逆になにか必要なことはないか聞いてやるのも領主の仕事だ。
男だから遠慮するのも違うだろう。
奥方達に聞いてもらうのもいいかもしれんな。」
「はい、そうしてみます。」
『では、送ろうか。カルーチ殿?母は強だ。な?』
「はい、はい。」
『元の部屋に。今日はゆっくり眠れ。』
「姉さん、ありがとうございます。」
「んー、ほんと、医術に強い人に聞いておくほうがいいかもしれんからね。
いままでもあったと思うんだけど、それをここではどうしてたかだよね。
それを蒸し返してどうのじゃなくて、これからは大丈夫ってことをね。」
「はい、姉さん。」
「ん、じゃ、もう遅いね。無理してない?明日は、広場のはずれで準備して
終わったら湿地にの方にいてるから。」
「わかりました。プニカ、大好評でした。」
「そ?来年のこと考えないとね。砂漠の縁に植えてて置くね。
ちょっと緑の石も使っちゃおう。」
「お願いします。」
[うん。腹下しの危険性があるからそれだけ注意ね。
ま、一日便所に籠るんなら、そんなもんかな?」
「薬としての研究もしてみます。」
「そうだね。じゃ、わたしたちは帰るよ。
あの、居眠り男、そのまま泳がすんだね?」
「ええ、別のものが来ても困りますから。
大事な話は執務室でするようにしていますし。」
「うん。うまく利用すればいい。」
「ええ。」
お祝い考えないとね。
これも上位案件だ。
セサミンが戻り、わたしたちもデッキを収納、
サボテンの森の家まで移動する。
とりあえず扉君の家でお風呂をすませた。
ビャクはあのまま寝てるので、
サボテンの家で眠ることにする。
起きたとき、土の中だとびっくりするからね。
おやすみなさい。
起きるとビャクがいなかった。
ん?散歩か?
とりあえず身支度だ。
それから2人で朝ごはんを作る。
ここの台所も十分機能的なのだ。
「ビャクー?どこ?」
声を出せば、すぐに手元に戻ってきた。
ここはどこだ?砂漠は初めて!
ちょっと探検。砂漠なのに森がある!
「うん、ちょっとずつ植えてるんだ。
さ、朝ごはんにしよう。なにかたべたいものる?
お肉、果物、野菜?卵もあるよ?温泉卵とか?
大人のお菓子は買いに行こうね。
マティス?このトリヘビと一緒に街を歩くのはどう?」
「ないな。籠の中だ。」
「そうか。じゃ、マティスの懐に入ればいい?ゆったりしてるから。
ああ、わたしのは残念。おっぱいあるから入れんよ。」
「それはダメだ。はいれてもダメだ、いいな?そこはダメだ。」
「そうだね。じゃ、マティスのところに。それでお出かけしようか。」
威圧を上乗せしてダメ出しをするマティス。
可愛いな。
タロスさんの家廻りに、プニカを植える。
毎日ちょっとずつ、緑の石を使おう。
あれ?いつの間にってなるように。
そこから門をくぐて中に。
守衛さんにあの芋とリンゴは出さないのかと聞かれた。
リンゴのもっとおいしいものが出るって噂ですよと、教えておく。
ツイミ兄弟の村の人たちが来るはずだ。
「ここ、ザバスさんの店。
覚えた?」
朝の実験で、扉君の中に連れていくことはできたけど、
単独で入ることはできなかった。出ることもだ。
トリヘビの嗅覚で匂いが追えるものだけ。なので、土の中だとだめということらしい。
ザバスさんのところを紹介しておけば、
好きな時にお菓子を帰るだろう。
「ザバス様!」
「お、なんだ?連日、お買い上げか?うれしいね。」
「ええ、大人の菓子!おいしかったです!新作のリンゴ粒入りの飴も。」
「そうだろ?俺は努力の人で、しかも天才だからな。」
「ええ。でね、あのお酒のお菓子の中のものだけ売ってもらえませんか?」
「あれはもう一膜巻かないと、手に取ることもできなくて崩れるぞ?」
「ちょっとやってみたいことがあって。」
「ま、かまわないぜ?どれくらい?」
「あるだけ。」
「ははは!3リングだ。」
「はい。それと、この子、ビャクっていうトリヘビなんですが。」
「へー、これまたきれいなトリヘビだな?トリヘビっていうと、黒か緑だ。
そんな色は初めてだ。なんだ?えらいさんのところのものか?」
「ええ、そうなんです。で、ここの大人のお菓子を気に入っちゃって。
時々買いに来ると思うんで、売ってもらえます?」
「それは優秀だな!金さえもらえればいいぜ?」
「よかった。じゃ、ビャク?自分でお金出して買ってごらん?
ザバス様が忙しい時はダメだよ?大人のお菓子と、
昨日の飴以外にいろいろあるから、これとこれって選ばせてもらいな。
ザバス様、すいませんが、手の空いたときにこの子が来たら、
お願いします。」
「もちろん。お得意様になるんだな?
しかも飴が気にいたんなら悪人じゃないからな!!」
口にくわえる袋も持たせて、これに入るだけ。
「1リング分?かなり入るがもてるか?そうか?
ほんとに頻繁に買いに来るなら、ほら?天窓の横に小さな扉があるだろ?
あれはトリヘビ専用の入口だ、そこから入ればいい。
出るときは投げてやるよ?」
「あ、それは大丈夫です。自分で帰れるそうなんで。」
投げあげてもらうのただのトリヘビの趣味だったらしい。
別にそんなことしなくても飛べるんだって。
「へーそうなんだ。じゃ、詰めようか?どれだ?」
トリヘビの扱いが一般的なのか、ザバスさんが特殊なのか分からないが、
これで、買い物はできるだろう。
マティスは鋏と針を見ていた。あと紙と糊。自分でも作りたいそうだ。
買い物も終わり、広場のはずれに。
ドーガーはいないが、昨日の職人さんたちが頑張っていた。
簡易トイレもある。茸祭でも使っているものらしい。
領主様のところは簡易台所を作っていた。
樹石のコンロを並べて使うようだ。
自分のスペースに屋台を組んでいるところもある。
楽しみだな。
そこから、籠をどんどん編んでいく。
なかに、海苔、プニカ、カンラン、ダルクは冷やしたものを入れるから最後。
あとはお茶葉。キトロスもリンゴも入れよう。根のままだしね。
これは?って聞かれたら加工したものが売り出されますよっていえばいい。
これを1銀貨。祭りを楽しんでいる間預かる。
100個用意。お金を出さない人は悪いけど餌はないよ?
そこらへんはきっちりと。ただし、馬さんの情報次第で取引。
番号札も用意した。あとは飲み水の桶、糞尿の始末箱。
ここはこんなもんでしょう。
テントの中にしまい込む。わたしたち以外は入れない。
他の店も形ができてくる。
地方組は今晩ここにつくのだろうか?
で、野宿?
それは領主館の近くに場所があるそうだ。
「井戸があるからな。ここにはないだろ?」
なるほど。
途中、ドーガーが見回りにやって来た。
アーケードが素晴らしいと褒めてくれた。
セサミン、ルグ、師匠と出展者の対応で大忙しだそうだ。
ルグさんが、月が沈む前から張り切っているという。
「・・・モウ様?ルグさんになにかあげました?
ルグさんのところの子供、ローチっていうですが、
わたしの顔をみて、口を押えて、脚をばたつかせてました。
あの目は、うらやましいだろう?っていう目です。
あのガキ!絶対なんかおいしい、甘いものを食べたんだ!
それはルグさんからです。ということはモウ様からだ!」
うわー、すごいな、ドーガーセンサー。
というか、対抗意識があるんだ、2人に。
「ちょっと、新作のクッキーあげたんだよ。
もちろん、ドーガーのもあるよ?こっそりね。
チョコ入りだから内緒だよ?」
やったーと
リスのように頬張って、戻っていった。
ま、子供に内緒っていうのはダメだな。
しゃべらなかっただけえらいか。
ルグが元気になってるんならよかった。
師匠にはタルトをあげたからいいだろう。
「じゃ、湿地に行こうか?」
半分をかなり過ぎてから湿地に移動。
赤い塊じゃなくてもいいかと、そのままで。
ビャクは自由になったので、ティータイの街を探検するそうだ。
見つからないようにだけ注意をする。
早く戻ったら、テントの中で待っててと。
2人は家の前で樹石を乾かしていた。
「おーい!」
ちょっとは離れたところから声を掛ける。
2人の世界を邪魔しちゃ悪いから。
「モウ様!マティス様!」
「どう?元気?なんか困ったことない?」
「いえ!順調です。明日の食の祭りで大々的に樹石のお披露目があります。
あのラーメンを作るのに使ってもらうんです。
軽石状態のものの形も考えたんですよ!」
アバサネ君が嬉しそうにコンロ台を見せてくれる。
「お!いいね!これ、売ってくれるの?」
「樹石10個で1つ付きます。1銀貨です。」
「お!高めで行くんだね?いいね。それ以上の価値はあるからね。」
「はい!モウ様たちもお店出されるんですか?」
「出すけど、馬さんたち相手ね。馬で来るでしょ?その馬を預かるの。
ブラッシングして馬の餌付き。人で込み合うところに馬は、危ないからね。」
「なるほど!」
「ぜひ利用してね?あ、ここの駱駝馬君にも名前つけた?」
「ええ、ヤン!モウ様たちだ。この前のリンゴの礼を言わないとな。」
ヤンと呼ばれた駱駝馬は、パカラと寄ってきた。
うまかったです~。と喜んでくれていた。
「おいしかったみたいだね。どう?会話はできるようになった?」
「喜んでいるのと、水がもっと欲しい、あとは誰か来たということは。」
「誰か訪ねてくる?ルグ?」
「ええ、ルグ殿が。あとは誰かはわからないのですが、誰かが来たとだけ。」
「ん?だれ?ルグ以外?何してるの?
見てるだけ?同じ人?そう。」
「あの、なんて言ってますか?」
「ああ、近くの街の人みたいだね。
やっぱり湿地に家が出来てるから気になるんでしょ。
顔を合わせたらきちんと挨拶すればいいよ。
挨拶は大事だよ?その収穫した樹石はどうしてるの?」
「樽に入れて、土に埋めています。」
「手間だね。小屋を作ってやろう。お前たちが許可したものだけが入れるように。」
「すごい!そんなことまで。お願いします。」
「あ、いつも月が昇る時に取りに行くんだよね?
今日ついていってもいい?ちょっと実験したいんだ。
柵の様子も見ないとね。
あ、晩御ごはん、いっしょに食べよ?また、台所借りてもいい?」
「もちろん!」
ルコール君が元気に返事をする。
セサミンから冷蔵庫をもらったようだ。
食材が沢山あるんですよと嬉しそうだ。
前回の樹石を納めたものでだいぶ懐があったまったようで、
それで、街で豪勢に買い物をしたか?
街のコソ泥か?ここの様子を伺っているのは?
月無し石君たちがなにも言ってないところを見ると、
そこまでの悪人じゃない?まだそこまですることはなかった?
また来るか?いつ?明日か?
砂漠石をいくつか家の周りに埋めて置こう。彼らを守れるように。
ブラスを取り出し、台を組む。
これは樹石を乾かすのに使えばいい。
後は小屋ね。保存庫だ。
後は筏。浮くけど、足元が濡れる。泥だから汚れる。
床上げが必要。2段する?ふむ、いい感じだ。
が、これは一人用。櫂でこがないとね。
筏号の後ろについていく。
2隻作ったからね。
なんだろう?漕ぐ力が弱いから?どんどん離れていく。
マティスはすいすい進んでいるのに。
「・・・・わたし、マティスより重いの?」
「違うだろう。水を押し出すようにするんだぞ?立ててないか?」
なるほど。進みますな。
面白そうだと2人と交代。
「これ、小回りが利いていいですね!
端の方はいけませんでしたから。」
そうか、筏号は大きいものね。
ブラスは大量にあるから束で置いとくよ。
お好きに使ってください。
湿地の今日の収穫ポイントで
樹石を取っている間に、わたしたちは柵の点検。一応竹筏に乗ってるが、
移動させている。
臭いもなく、静かな湿地だ。
柵に手を当て、問題ないかと聞けば、
扉君のように問題ないと答えてくれる。
ゴミを捨てる輩もいないのか、柵が叩き落しているのかはわからないが、
問題ないのならそれで良し。
筏号に戻って、樹石の採取を見学だ。
1回でかなりの量が取れる。
それを2日に一度、2往復。
それぐらいの量で、乾かし、油紙を巻く。ちょうどいい量のようだ。
需要が増えれば、人を雇えばいい。
乾かすもの、紙を巻くもの。
ご近所の手の空いた時間に来てもらってもいいな。
パートさんだ。
「働いてもらった時間だけにお給金を出すんだよ。
もしくは出来高ね。10個巻いたら1銅貨とかね。
子供のお仕事になるかもしれないね。
丁寧にしないとダメとか、そういのはきちんとね。
最後の刻印押しは2人で。誰でもできる仕事と、
責任ある仕事と分けないとね。」
「なるほど。食料品を買いに行く店で、
荷物運びを手伝ってくれる子供がいてるんです。
一度話してみようかな?」
「親御さんにもね。その親御さんが子供の稼ぎを搾取するような親ならね、
その子供とよく話をね。」
「ええ、それは大丈夫です。わかりますから。」
「そう?うん。奥様たちに悪く言われるのだけ気を付けてね。
怖いよー、奥様たちの情報網は。」
そんな話をマティスの鳥の米詰めを食べながら話す。
これは毎日でもいい。しかも毎日味が向上する。
うーまーいー。
「ええ。その、わたしたち2人の買い物の量を把握してるというか、
それはまだ、残っているだろうとか、これはそろそろなくなるだろうとか。
寄ってたかって、最後にはわたしたち2人そっちのけで話しています。」
「あー、あるよね。うん。じゃ、街の奥様たちには可愛がられてるんだね?
それは大事。でも、その旦那連中ににらまれてはいけないよ?
俺の女房に色目使いやがってとかね。」
「逆です。囲まれてると、助けてくれます。
で、あんな女に捕まってはいけないって、愚痴を。」
「そうなんです。そしたら、それが聞こえたのか、奥方と喧嘩になって。
捕まったのはわたしのほうだって!
廻りも面白がって。」
「あはははは!それで?」
「それで、最後は、あんただけだよーって、その、仲良くなってました。」
「あははは!わたしはマティスを捕まえたって自慢しちゃうけどな。」
「それは私もだ。よくぞ私のもとに来てくれたとな、自慢がしたい。」
「もう!照れるじゃん!」
「ええ、そんな感じにあるんですよ。・・・それで、いい女房をもらえって、
紹介するぞって。」
「ああ、そういう世話焼きはどこにでもいるね。
その時は、仕事が楽しくてそれどころじゃない、ってね。
もっともっと、稼いでからゆっくり考えるさって言えばいい。
そこで委縮することはないんだよ。
わたしだって、若いころは言われてたよ?」
「なに!!」
「いや、年ごろの娘にいうことなんか、そんなもんだよ?
やれ結婚はまだか?いい男はいないのか?紹介しようか?ってね。」
「そ、それで紹介してもらったのか?」
「あはは!紹介するような相手ははなからいないんだよ、
そういって若いこと話がしただけのおじさんだ。
職場の女の子もね、結婚したらしたで、子供は?一人目ができたら2人目は?
ってね。それを嫌がって職場をやめた子もいるよ?
ただの話題だって思えなかたんだろうね。受け止め方は人それぞれ。
相手は悪意もなにもないから始末が悪い。
そんなのにこっちが気を病んだらもったいないだろ?
他に話すことないのかって思えばいいし、逆に、そういう人に話を向ければいい。
最近なにか体に言ことしてますか?とか?楽しい話ね。
みんな楽しく笑いたいんだよ。それだけだ。」
「そういわれれば、どうってことないですね。」
「そうだよ。くっだらないことで、こっちが気にするだけ無駄だ。」
「ほんと、そうですね。」
「ま、樹石のお客になるかもしれない人たちだ。
媚びなくてもいいけど、攻撃することもない。
何回もいうが、理不尽なことを言われたりされたら、
自分たちでどうにかする前に相談してね。
悪いが、お前たち2人よりも世間を知ってる。
年の功だよ?」
「でも、その、え?おいくつですか?」
「精神的には100超えてるよ?たぶん。」
「あははは!なんですかそれは?」
「実年齢と精神年齢は違うんだよ?」
「はー、そうですね。それはわかります。」
「ね?対人総数はきっと多いよ?任せなさいって。」
「ええ、そうなったらお願いします。」
「そう思えるだけで安心ですね。」
「ほんとに安心だからね?さ、遅くなったね。明日は早くに出発するんだね?
入口のところにいるから声かけてね。」
鳥肉を少しお裾分けして、広場のテントに戻った。
馬が一頭いる。
コクだ。
人を呼ぶけど、ビャクはどうする?眠くない?寝床作るよ?」
竹かごに、真綿を入れて、絹の端切れでまく。
色は桃色がいいとのこと。
温かいそうだ。そうだね、蛇は冬眠するからね。
真綿の中に小さい樹石も入れておく。
電気毛布のような感じ。大喜びだ。
「じゃ、ルグ呼ぼうか。ルグは何してるかわかる?」
「外に出ているな。いつ呼ばれてもいいようにしているんだろう。」
「さすがだね。」
(ルグ?来れる?呼ぶよ?)
(!お願いします)
『ルグ!おいで!』
「マティス様、奥方様。」
力なく、声を出す。
「とにかく、おこたにはいって?
なんか食べた?とりあえず、コーヒーね。おいしいよ。」
お茶菓子は大人のお菓子で。
これ、もっと買っておこう。
とにかく、おこたに入ってもらう。
コーヒーを飲ませて、一息つかせた。
「ここは?へ?屋根の上?ああ、そうですか。
この気配にも気づかないとは。」
「いや、師匠も気付いてないよ?」
「ワイプ殿もですか?そうですか。」
「ん?ほんとどうしたの?」
「・・・その、奥方さま?以前、タナガの気配がどうのといった時に
双子ということをおっしゃっていましたよね?」
「うん。それが?」
「先日、妻が、産婆のところに行きました。双子だと。
その晩、その産婆が訪ねてきました。」
「わ!おめでとう!!」
「え?」
「いやー!素敵!双子の赤ちゃん!もう、キュンキュンしちゃうね!
お祝い2倍だね。あー、なにがいいだろ?Wベビーカーとか?
絶対抱っこさせてね?」
すごい!残念ながら故郷では双子の赤ちゃんを抱っこしたことがない。
外で、Wベビーカーでのせてるのを見せてもらうぐらいだ。
もちろん、赤の他人だ。ちょっとしたアイドル状態。
ご両親は大変だろうが、かわいい、かわいいと言われて、
夫婦2人して照れる姿もまたかわいいのだ。
「あれ?その報告?」
「はははは、奥方様は祝ってくれるのですね?」
「もちろんだよ!倍以上にね。
でも、大変だって聞くよ。片方が泣いたらもう片方もないて。
お父さんがちゃんと育児の手伝いしないとね。
おっばいは2つあるけど、腕は2本だ。お父さんの腕もいるからね。」
「・・・普通のことなのですか?」
「そうだよ?
?
ああ、産婆さんはなんて?あ!逆子?とか?なんか問題って?」
「さかご?いえ、問題は、双子は、双子は忌み子だと。
育てる方法もあるが手に負えぬなら、引き取ると。よく考えろと。」
「お金を要求された?」
「・・・はい。」
「マティス?そういう話あるの?」
「すまない。まったく。」
「ルグ、ルグ?双子は忌み子ってはなし聞いたことあるの?」
「いえ。双子という言葉も奥方様から初めて聞きましたので。
腹の大きさが前の子よりも大きいのです。
それで、産婆に相談をしに。」
「いや、そりゃ、2人入ってるんだから大きいよ。当たり前じゃん。
むしろ、すくすく育ってえらいってことだよ?」
「は、はははは。そうなんですね。」
「この話、セサミンにはしてないの?どうして?」
「・・・忌み子というのは、その国に良くないことが起る前触れだと。
セサミナ様に相談すれば、きっとわたしたちの夫婦のことを優先にされる。
どうなろうと憂いは残ります。だから。」
「双子の話、コットワッツでの共通の認識は?そもそも聞いたことがない?」
「ええ。」
「あのね?ルグ。出産て命懸けなんだよ?母体にとってはね。
それはそれはものすごく負担がかかるよね?それは1人でも同じ。
それがいっぺんに2人、同時に2回。ものすごいよね?
だからお母さんが力尽きてしまうこともある。今もあるでしょ?
いくら産婆さんが石を使って、
産まれの言葉だったけ?それを言ったって
絶対はないんだ。
だから、昔は双子が生まれるってこと自体を避けたんだろうね。
でも、今は?医術も進んでるでしょ?
産まれてもね、母さん一人では負担が大きい。
それで育たない場合もあるかもしれない。
でも、それは1人でも、2人でも一緒だよ?何ら問題はない。
母体の健康、環境、気持ち。これが一番優先すべき問題。
1人でも、2人でも、そりゃ、出産に関する問題はある。
それこそ、産婆さんに頑張ってもらうしかない。
お金を要求したのは悪い意味ではないとおもうよ?
どこかで育てれる環境を作ってくれる為かもしれない。
出産時に不幸があって赤ちゃんが生まれなかった人に預けるのかもしれない。
2人育てる負担は想像以上だって聞くから、それを知ってる産婆さんが
共倒れになるために先に救いの手を出してるのかもしれない。
でも、私も聞いた話だけど、大変さは2倍だけど、
喜びは2倍以上なんだって。」
「・・・・。」
「んー、かもしれないばかりだね。
先に聞くけど、ルグ?あなたは?あたたがた夫婦はどう考えているの?」
「・・・わたしが、双子の話を聞いたときに、その、妻に話しました。
決闘のことを含めて。奥方様のことは異国の方だと。
そこでは同時に2人生まれることもあるらしいと。
妻は笑いました。すごく大変だろうねって。どう抱くんだろうとか。
それで、産婆にこれは双子だと聞いたときに、うれしいと思ったそうです。
わたしに話をするときも嬉しそうでした。わたしも喜びました。
わからぬまま、同じ顔になるのだろうかとか、名前まで考えて。
しかし、その晩、産婆が、産婆がよくないと。忌み子だと。
わたしはセサミナ様に使える従者。
我が子たちのことでよからぬことがあってはなりません。
その、奥方様はほんとうに、なんでもないようにお話なっていたので、
しかも、5つ子?そんな話も、普通だよ、と。
なので、どうしたらいいか、その。」
「ああ、ルグルグ。奥さんも。なんていい夫婦なんだろ。
その最初に双子と知った時の気持ちが真実だ。大丈夫だ。
産婆にいいな。問題ないと。しかし、2人同時だ。どうすればいい?
たくさん食べればいいのか、なにか運動をすればいいのか?
祝福をすでにもらっている子たちだと言えばいい。
領主が臣の腕を捧げたものに。セサミンにも報告しな。
問題ないよ。決闘のときにルグをあらゆるものから守ろうとしたように、
あなたたち親子を守ってくれる。
それでも産婆がごねるなら、そんなやつに頼まなくていい。
直接ではないけれど、
双子を取り上げた産婆を知っている。双子を生んだ母君も。
不安ならその産婆さんに頼めばいいし、その母君からも話を聞こう。
母体が不安がることが一番いけないよ。」
「・・・いるのですか?双子?」
「そりゃいるよ。別に不思議でもなんともないんだもん。
本人たちは、んー、やっぱりなんか引け目を感じてるみたいけど、
その度に笑い話になってるよ?
師匠のところの、ツイミ兄弟。
下のチュラル君とルビス君。」
「あの2人?体の大きさも違うし、顔も違う。」
「チュラル君に与える食事を少なくして、2年間隠して育てたって。
いま、もりもり食べてるから成長期だよ?
からだの骨と筋肉の成長が追い付かないから、
落ち着くまで体がきしむんだよ。
ああ、これはうちの故郷では普通のことなんだ。わたしも有ったよ?
たぶん、ここの人でも、あれ?また背が伸びた?
そう言えば最近体がだるい?みたいなことね。
普通、普通。そんなもんなんだよ。
それをツイミ兄弟ったら、双子だからお互いが遠慮してね。
笑うよね?
顔が違うのは、精子と卵子はわかる?あ、そこからか。
奥さんにも一緒に説明しようか?
ちょっと戻って、あったかい格好して、抱きかかえてね?
あー、ぼくちゃんも一人にするの心配だからね。
ぐっと抱きしめて。それごと呼ぶから。」
「ああ、奥方様、モウ様!」
「ほら!父ちゃんはしっかりしないと。あ、赤い塊の老婆だからね。
見た目若い小娘に言われても余計不安になるから。」
「はい。」
「困ったもんだね。」
「セサミナも呼ぶか?」
「そうだね。うちの故郷も昔はそうだったらしいよ?
わからないことに不安がるのはどこも同じだよね。」
衣裳を着替えて、ふわふわのクッションを置いて、
子供のお菓子も用意。
ココアがいいかな?
(セサミナ?起きているか?)
(え?兄さん!遅いですね?なにかありましたか?)
(起きているならちょっと来れるか?ルグのことだ)
(!なにか?)
(奥方が妊娠しているのはしってるな?)
(ええ。具合が悪いのですか?だからルグの奴、
昨日からちょっと様子がおかしかった)
(ああ、それに気付いていたのならいい。呼ぶぞ?)
(はい)
『セサミナ!来い!』
「どこ?え?外?屋根の上?」
「お疲れ、セサミン。まだ仕事だった?」
「あ、いえ。もう終わるつもりでしたよ?ルグのことで?」
「うん、双子なんだって!」
「え?あの同時に2人生まれるという?うわ!それはすごい!
え?それでルグが心配して?」
「ああ、双子が忌み子、良くないことが起る前兆なんて話しらないね?」
「なんです?その話?だいたい、
双子という言葉も姉さんから聞いて知ったのに。」
「あははは。そうだろうね。ここの産婆さんて昔からいる人?」
「産婆ですか?何人かいますが、
あの仕事は、いつの間にか引き継いでいるので、
昔からというのはちょっとわかりません。
それに独特な技を引き継いでいるので、領主といえど、
男のわたしは詳しくないのです。」
「そうか。んー、ま、それはいま、どうのと言ことはできないな。」
「どういうことですか?」
「産婆さんに双子で、忌み子になるから、
どうするか考えろって言われたんだって。
で、ルグはどうしていいかわかんなくて相談。
コットワッツに仕える自分の子たちが良からぬことになるというのは
耐えがたいんだろうね。でも、忌み子って話を聞く前は
素直に双子っていうのを喜んだんだよ?」
「そりゃそうでしょ?子は宝だ。そんなことを言う産婆の方が問題ですよ。」
「うふふふ。そうだね。
だからね、双子って別に何ともないってこと説明するから。
ルグと奥さんにもね。で、セサミンも一緒に聞いてほしいの。
ちょっとした講習だね。」
「わかりました。それで、赤い塊なんですね?」
「そそ。マティス?呼んで?」
(ルグ?いいか?)
(はい!)
『ルグとルグが抱えし家族!来い!』
「うわー!ここどこ!なにここ!!」
「ローチ、じっとして!あ!セサミナ様!」
セサミンに気付いた親子はすぐに礼を取る。
ローチ君もだ。さすがだな。
「ああ、楽にな。これから講習があるというので呼ばれた。
ローチ、こんな遅い時間に起きていて大丈夫か?」
「はい!セサミナ様!」
「そうか。でも無理はするな?カルーチ殿?顔色が悪いな。
なにも心配はいらないからな。」
「は、はい。」
『ささ、遅くにすまぬな。われは赤い塊一族と呼ばれるもの。
面布は許されよ。一族の決まりだ。
なにも心配することはないがな、少し話を聞いてもらおうとおもってな。
さ、そこに座れ。坊、ローチか?おぬしもそこにな。母の横だ。
遅くに起こされた詫びにな、これをやろう。熱いぞ?
内緒の飲み物だ。誰にも言うな?
奥方のもな。ん?セサミナ殿もか。ふふふ。内緒だぞ?
特にドーガー殿にはな?足をばたばたして悔し泣きをするぞ?』
爺でも婆でも同じしゃべり方。違和感なし。
『まずはな。カルーチ殿だな、ご懐妊おめでとう。
ほんにめでたいこと。我の一族ではな、出産祝いというのがあってな、
もう、みなが祝うんだ。そういう祝いばかりを専門に売っている店もある。
それくらい皆が祝う。ん?ローチ?おぬしの時は我は知らなんだからな、
代わりに、これをやろう。
チョコ?食べたか?そうか?好きか?そうか、そうか。
それが入ってるクッキーだ。これもまだ内緒だぞ?いいな?
でないと、またドーガー殿と、ほれ、今来ているだろう?しってるか?
ワイプ殿が悔し涙を流すでな。うふふふ。そうそう、内緒だぞ?』
寝る前に甘いもなんて虫歯がどうのとなるが、
ここにはない。素晴らしい!
温かいミルク多めのココア、チョコクッキー。
ふわふわのクッション。
尊敬のまなざしで見る領主様、父様、母様。
あっという間に船をこぎ出し、寝てしまった。
寒くないように、毛布とどてらを掛ける。
『さ、寝たな。子供にはちと早い。
では、さくさく行こうかな。質問は随時だ。おかしいと思ったら聞け。
恥ずかしがるな。
別に我が専門で学んでことではない。故郷ではだれもが知ってることなんだ。
では、行くぞ。精子と卵子、ここからな。』
ま、ざっくりだ。
そこから、受精、分裂、一卵性、二卵性。
出産の危険性、これは一人でも一緒。
陣痛はあるそうだ。そこから産婆の産みの言葉。
ま、痛み止めみたいな言葉だろう、あとは産道を広げるとか。
『な?こう考えれば、そういうこともあるなと思うだろ?
というか、あるんだ。ここでも動物も一度に一頭か?違うだろ?
ころころ産む動物もいるな。人と動物。一緒に考えるなんてって思うなよ?
一緒なんだよ。故郷では、それにあやかった、その動物の日、
んー、すまぬが詳しくはないが、それの日に腹帯を巻く。
安産祈願だ。いいとこどりをするのが人間の知恵だ。
そこが違うといえば違うな。
奥方?カルーチ殿?どうだ?まだ不安か?
最初に双子の話を聞いたとき、喜びの方が多かっただろ?
そうそう。不安はいつでもある。
しかし、くだらないことで不安になってはいけない。
よく食べ、軽い運動をし、よく笑う。これよ。
あとは、足がむくむ、足がつる、小便がしにくい。
それは最初の子供の時でもそうだろ?
違うのは2人入ってる。それだけだ。
身が伸びるからな、オイルで撫でてやるのもいいぞ?
からだを冷やしてもいけない。温かくな。
その時に話しかけてやれ。元気で生まれて来いとな。
とーさま、かーさま、にーさまもまっているとな。
ん?話しかけたりしないのか?赤子は腹の中で聞いてるぞ?
ただ、産まれるときにみな忘れてしまう。それほど、赤子も一生懸命なんだ。
ささ、いいな?あとはその産婆だ。
決して悪い意味で言ったのではない。
こころの準備をする時間をくれたのだ。現に、どうすればいいか、
ルグ殿は知っているであろう我を頼っただろ?
そういう人がいない、でも2人、どうすればいい?
そうならないように、預ける、という選択肢をくれたのだ。
父親も育児に協力的になるだろ?
産婆殿はおそらく何人も取り上げている。
ま、忌み子どうのというのは、それだけ母体に影響するということだ。
しかし、もう大丈夫。我が祝福するのだから。
な?産後は大変だろうが、しっかりした兄もいる。
ルグ殿、ここの男親はあまり育児には参加せぬようだが、
ドンドン使え。問題ない。な?セサミナ殿?』
「え?ええ、そうですね。ルグ?なにも問題は無いな?
お前が思い悩んで注意散漫になるほうが問題なんだ。」
さすがに育児休暇を取ることはできないが、
できるだけ早く帰るとか、そういうのができればいいね。
「赤い塊殿。ありがとうございます。」
「礼なんぞ要らんよ。元気な赤子たちをな産んでおくれ。
母子ともに健康。これが一番の礼だから。
さ、ローチもここでは寝にくいだろう。そのまま、そのクッションとどてら、
綿の入った服もな、持って帰れ。ああ、かまわんさ。寒さが一番体に悪い。
そのままの状態で、部屋に戻そうな。ルグもそのまま帰れ。
産婆殿はまた来るのか?そうか、その時にいろいろ教えを乞え。
それでもまだ忌み子だなんだというなら、また我に話しておくれ。
セサミナ殿も、それでいいか?」
「ええ。妻にもそれとなく産婆のことを聞いておきましょう。」
「そうだな。ゆくゆくはな、今はなした知識と言わないような話は
学校で習う。成人前に産婆殿に話を聞きに行くことがあるのだろ?
その知識が偏ってないか?間違いがないか、
医術に明るいものと、きちんと検証するのも必要だ。
別に産婆殿の仕事を否定している訳ではないぞ?尊敬をもってな。
逆になにか必要なことはないか聞いてやるのも領主の仕事だ。
男だから遠慮するのも違うだろう。
奥方達に聞いてもらうのもいいかもしれんな。」
「はい、そうしてみます。」
『では、送ろうか。カルーチ殿?母は強だ。な?』
「はい、はい。」
『元の部屋に。今日はゆっくり眠れ。』
「姉さん、ありがとうございます。」
「んー、ほんと、医術に強い人に聞いておくほうがいいかもしれんからね。
いままでもあったと思うんだけど、それをここではどうしてたかだよね。
それを蒸し返してどうのじゃなくて、これからは大丈夫ってことをね。」
「はい、姉さん。」
「ん、じゃ、もう遅いね。無理してない?明日は、広場のはずれで準備して
終わったら湿地にの方にいてるから。」
「わかりました。プニカ、大好評でした。」
「そ?来年のこと考えないとね。砂漠の縁に植えてて置くね。
ちょっと緑の石も使っちゃおう。」
「お願いします。」
[うん。腹下しの危険性があるからそれだけ注意ね。
ま、一日便所に籠るんなら、そんなもんかな?」
「薬としての研究もしてみます。」
「そうだね。じゃ、わたしたちは帰るよ。
あの、居眠り男、そのまま泳がすんだね?」
「ええ、別のものが来ても困りますから。
大事な話は執務室でするようにしていますし。」
「うん。うまく利用すればいい。」
「ええ。」
お祝い考えないとね。
これも上位案件だ。
セサミンが戻り、わたしたちもデッキを収納、
サボテンの森の家まで移動する。
とりあえず扉君の家でお風呂をすませた。
ビャクはあのまま寝てるので、
サボテンの家で眠ることにする。
起きたとき、土の中だとびっくりするからね。
おやすみなさい。
起きるとビャクがいなかった。
ん?散歩か?
とりあえず身支度だ。
それから2人で朝ごはんを作る。
ここの台所も十分機能的なのだ。
「ビャクー?どこ?」
声を出せば、すぐに手元に戻ってきた。
ここはどこだ?砂漠は初めて!
ちょっと探検。砂漠なのに森がある!
「うん、ちょっとずつ植えてるんだ。
さ、朝ごはんにしよう。なにかたべたいものる?
お肉、果物、野菜?卵もあるよ?温泉卵とか?
大人のお菓子は買いに行こうね。
マティス?このトリヘビと一緒に街を歩くのはどう?」
「ないな。籠の中だ。」
「そうか。じゃ、マティスの懐に入ればいい?ゆったりしてるから。
ああ、わたしのは残念。おっぱいあるから入れんよ。」
「それはダメだ。はいれてもダメだ、いいな?そこはダメだ。」
「そうだね。じゃ、マティスのところに。それでお出かけしようか。」
威圧を上乗せしてダメ出しをするマティス。
可愛いな。
タロスさんの家廻りに、プニカを植える。
毎日ちょっとずつ、緑の石を使おう。
あれ?いつの間にってなるように。
そこから門をくぐて中に。
守衛さんにあの芋とリンゴは出さないのかと聞かれた。
リンゴのもっとおいしいものが出るって噂ですよと、教えておく。
ツイミ兄弟の村の人たちが来るはずだ。
「ここ、ザバスさんの店。
覚えた?」
朝の実験で、扉君の中に連れていくことはできたけど、
単独で入ることはできなかった。出ることもだ。
トリヘビの嗅覚で匂いが追えるものだけ。なので、土の中だとだめということらしい。
ザバスさんのところを紹介しておけば、
好きな時にお菓子を帰るだろう。
「ザバス様!」
「お、なんだ?連日、お買い上げか?うれしいね。」
「ええ、大人の菓子!おいしかったです!新作のリンゴ粒入りの飴も。」
「そうだろ?俺は努力の人で、しかも天才だからな。」
「ええ。でね、あのお酒のお菓子の中のものだけ売ってもらえませんか?」
「あれはもう一膜巻かないと、手に取ることもできなくて崩れるぞ?」
「ちょっとやってみたいことがあって。」
「ま、かまわないぜ?どれくらい?」
「あるだけ。」
「ははは!3リングだ。」
「はい。それと、この子、ビャクっていうトリヘビなんですが。」
「へー、これまたきれいなトリヘビだな?トリヘビっていうと、黒か緑だ。
そんな色は初めてだ。なんだ?えらいさんのところのものか?」
「ええ、そうなんです。で、ここの大人のお菓子を気に入っちゃって。
時々買いに来ると思うんで、売ってもらえます?」
「それは優秀だな!金さえもらえればいいぜ?」
「よかった。じゃ、ビャク?自分でお金出して買ってごらん?
ザバス様が忙しい時はダメだよ?大人のお菓子と、
昨日の飴以外にいろいろあるから、これとこれって選ばせてもらいな。
ザバス様、すいませんが、手の空いたときにこの子が来たら、
お願いします。」
「もちろん。お得意様になるんだな?
しかも飴が気にいたんなら悪人じゃないからな!!」
口にくわえる袋も持たせて、これに入るだけ。
「1リング分?かなり入るがもてるか?そうか?
ほんとに頻繁に買いに来るなら、ほら?天窓の横に小さな扉があるだろ?
あれはトリヘビ専用の入口だ、そこから入ればいい。
出るときは投げてやるよ?」
「あ、それは大丈夫です。自分で帰れるそうなんで。」
投げあげてもらうのただのトリヘビの趣味だったらしい。
別にそんなことしなくても飛べるんだって。
「へーそうなんだ。じゃ、詰めようか?どれだ?」
トリヘビの扱いが一般的なのか、ザバスさんが特殊なのか分からないが、
これで、買い物はできるだろう。
マティスは鋏と針を見ていた。あと紙と糊。自分でも作りたいそうだ。
買い物も終わり、広場のはずれに。
ドーガーはいないが、昨日の職人さんたちが頑張っていた。
簡易トイレもある。茸祭でも使っているものらしい。
領主様のところは簡易台所を作っていた。
樹石のコンロを並べて使うようだ。
自分のスペースに屋台を組んでいるところもある。
楽しみだな。
そこから、籠をどんどん編んでいく。
なかに、海苔、プニカ、カンラン、ダルクは冷やしたものを入れるから最後。
あとはお茶葉。キトロスもリンゴも入れよう。根のままだしね。
これは?って聞かれたら加工したものが売り出されますよっていえばいい。
これを1銀貨。祭りを楽しんでいる間預かる。
100個用意。お金を出さない人は悪いけど餌はないよ?
そこらへんはきっちりと。ただし、馬さんの情報次第で取引。
番号札も用意した。あとは飲み水の桶、糞尿の始末箱。
ここはこんなもんでしょう。
テントの中にしまい込む。わたしたち以外は入れない。
他の店も形ができてくる。
地方組は今晩ここにつくのだろうか?
で、野宿?
それは領主館の近くに場所があるそうだ。
「井戸があるからな。ここにはないだろ?」
なるほど。
途中、ドーガーが見回りにやって来た。
アーケードが素晴らしいと褒めてくれた。
セサミン、ルグ、師匠と出展者の対応で大忙しだそうだ。
ルグさんが、月が沈む前から張り切っているという。
「・・・モウ様?ルグさんになにかあげました?
ルグさんのところの子供、ローチっていうですが、
わたしの顔をみて、口を押えて、脚をばたつかせてました。
あの目は、うらやましいだろう?っていう目です。
あのガキ!絶対なんかおいしい、甘いものを食べたんだ!
それはルグさんからです。ということはモウ様からだ!」
うわー、すごいな、ドーガーセンサー。
というか、対抗意識があるんだ、2人に。
「ちょっと、新作のクッキーあげたんだよ。
もちろん、ドーガーのもあるよ?こっそりね。
チョコ入りだから内緒だよ?」
やったーと
リスのように頬張って、戻っていった。
ま、子供に内緒っていうのはダメだな。
しゃべらなかっただけえらいか。
ルグが元気になってるんならよかった。
師匠にはタルトをあげたからいいだろう。
「じゃ、湿地に行こうか?」
半分をかなり過ぎてから湿地に移動。
赤い塊じゃなくてもいいかと、そのままで。
ビャクは自由になったので、ティータイの街を探検するそうだ。
見つからないようにだけ注意をする。
早く戻ったら、テントの中で待っててと。
2人は家の前で樹石を乾かしていた。
「おーい!」
ちょっとは離れたところから声を掛ける。
2人の世界を邪魔しちゃ悪いから。
「モウ様!マティス様!」
「どう?元気?なんか困ったことない?」
「いえ!順調です。明日の食の祭りで大々的に樹石のお披露目があります。
あのラーメンを作るのに使ってもらうんです。
軽石状態のものの形も考えたんですよ!」
アバサネ君が嬉しそうにコンロ台を見せてくれる。
「お!いいね!これ、売ってくれるの?」
「樹石10個で1つ付きます。1銀貨です。」
「お!高めで行くんだね?いいね。それ以上の価値はあるからね。」
「はい!モウ様たちもお店出されるんですか?」
「出すけど、馬さんたち相手ね。馬で来るでしょ?その馬を預かるの。
ブラッシングして馬の餌付き。人で込み合うところに馬は、危ないからね。」
「なるほど!」
「ぜひ利用してね?あ、ここの駱駝馬君にも名前つけた?」
「ええ、ヤン!モウ様たちだ。この前のリンゴの礼を言わないとな。」
ヤンと呼ばれた駱駝馬は、パカラと寄ってきた。
うまかったです~。と喜んでくれていた。
「おいしかったみたいだね。どう?会話はできるようになった?」
「喜んでいるのと、水がもっと欲しい、あとは誰か来たということは。」
「誰か訪ねてくる?ルグ?」
「ええ、ルグ殿が。あとは誰かはわからないのですが、誰かが来たとだけ。」
「ん?だれ?ルグ以外?何してるの?
見てるだけ?同じ人?そう。」
「あの、なんて言ってますか?」
「ああ、近くの街の人みたいだね。
やっぱり湿地に家が出来てるから気になるんでしょ。
顔を合わせたらきちんと挨拶すればいいよ。
挨拶は大事だよ?その収穫した樹石はどうしてるの?」
「樽に入れて、土に埋めています。」
「手間だね。小屋を作ってやろう。お前たちが許可したものだけが入れるように。」
「すごい!そんなことまで。お願いします。」
「あ、いつも月が昇る時に取りに行くんだよね?
今日ついていってもいい?ちょっと実験したいんだ。
柵の様子も見ないとね。
あ、晩御ごはん、いっしょに食べよ?また、台所借りてもいい?」
「もちろん!」
ルコール君が元気に返事をする。
セサミンから冷蔵庫をもらったようだ。
食材が沢山あるんですよと嬉しそうだ。
前回の樹石を納めたものでだいぶ懐があったまったようで、
それで、街で豪勢に買い物をしたか?
街のコソ泥か?ここの様子を伺っているのは?
月無し石君たちがなにも言ってないところを見ると、
そこまでの悪人じゃない?まだそこまですることはなかった?
また来るか?いつ?明日か?
砂漠石をいくつか家の周りに埋めて置こう。彼らを守れるように。
ブラスを取り出し、台を組む。
これは樹石を乾かすのに使えばいい。
後は小屋ね。保存庫だ。
後は筏。浮くけど、足元が濡れる。泥だから汚れる。
床上げが必要。2段する?ふむ、いい感じだ。
が、これは一人用。櫂でこがないとね。
筏号の後ろについていく。
2隻作ったからね。
なんだろう?漕ぐ力が弱いから?どんどん離れていく。
マティスはすいすい進んでいるのに。
「・・・・わたし、マティスより重いの?」
「違うだろう。水を押し出すようにするんだぞ?立ててないか?」
なるほど。進みますな。
面白そうだと2人と交代。
「これ、小回りが利いていいですね!
端の方はいけませんでしたから。」
そうか、筏号は大きいものね。
ブラスは大量にあるから束で置いとくよ。
お好きに使ってください。
湿地の今日の収穫ポイントで
樹石を取っている間に、わたしたちは柵の点検。一応竹筏に乗ってるが、
移動させている。
臭いもなく、静かな湿地だ。
柵に手を当て、問題ないかと聞けば、
扉君のように問題ないと答えてくれる。
ゴミを捨てる輩もいないのか、柵が叩き落しているのかはわからないが、
問題ないのならそれで良し。
筏号に戻って、樹石の採取を見学だ。
1回でかなりの量が取れる。
それを2日に一度、2往復。
それぐらいの量で、乾かし、油紙を巻く。ちょうどいい量のようだ。
需要が増えれば、人を雇えばいい。
乾かすもの、紙を巻くもの。
ご近所の手の空いた時間に来てもらってもいいな。
パートさんだ。
「働いてもらった時間だけにお給金を出すんだよ。
もしくは出来高ね。10個巻いたら1銅貨とかね。
子供のお仕事になるかもしれないね。
丁寧にしないとダメとか、そういのはきちんとね。
最後の刻印押しは2人で。誰でもできる仕事と、
責任ある仕事と分けないとね。」
「なるほど。食料品を買いに行く店で、
荷物運びを手伝ってくれる子供がいてるんです。
一度話してみようかな?」
「親御さんにもね。その親御さんが子供の稼ぎを搾取するような親ならね、
その子供とよく話をね。」
「ええ、それは大丈夫です。わかりますから。」
「そう?うん。奥様たちに悪く言われるのだけ気を付けてね。
怖いよー、奥様たちの情報網は。」
そんな話をマティスの鳥の米詰めを食べながら話す。
これは毎日でもいい。しかも毎日味が向上する。
うーまーいー。
「ええ。その、わたしたち2人の買い物の量を把握してるというか、
それはまだ、残っているだろうとか、これはそろそろなくなるだろうとか。
寄ってたかって、最後にはわたしたち2人そっちのけで話しています。」
「あー、あるよね。うん。じゃ、街の奥様たちには可愛がられてるんだね?
それは大事。でも、その旦那連中ににらまれてはいけないよ?
俺の女房に色目使いやがってとかね。」
「逆です。囲まれてると、助けてくれます。
で、あんな女に捕まってはいけないって、愚痴を。」
「そうなんです。そしたら、それが聞こえたのか、奥方と喧嘩になって。
捕まったのはわたしのほうだって!
廻りも面白がって。」
「あはははは!それで?」
「それで、最後は、あんただけだよーって、その、仲良くなってました。」
「あははは!わたしはマティスを捕まえたって自慢しちゃうけどな。」
「それは私もだ。よくぞ私のもとに来てくれたとな、自慢がしたい。」
「もう!照れるじゃん!」
「ええ、そんな感じにあるんですよ。・・・それで、いい女房をもらえって、
紹介するぞって。」
「ああ、そういう世話焼きはどこにでもいるね。
その時は、仕事が楽しくてそれどころじゃない、ってね。
もっともっと、稼いでからゆっくり考えるさって言えばいい。
そこで委縮することはないんだよ。
わたしだって、若いころは言われてたよ?」
「なに!!」
「いや、年ごろの娘にいうことなんか、そんなもんだよ?
やれ結婚はまだか?いい男はいないのか?紹介しようか?ってね。」
「そ、それで紹介してもらったのか?」
「あはは!紹介するような相手ははなからいないんだよ、
そういって若いこと話がしただけのおじさんだ。
職場の女の子もね、結婚したらしたで、子供は?一人目ができたら2人目は?
ってね。それを嫌がって職場をやめた子もいるよ?
ただの話題だって思えなかたんだろうね。受け止め方は人それぞれ。
相手は悪意もなにもないから始末が悪い。
そんなのにこっちが気を病んだらもったいないだろ?
他に話すことないのかって思えばいいし、逆に、そういう人に話を向ければいい。
最近なにか体に言ことしてますか?とか?楽しい話ね。
みんな楽しく笑いたいんだよ。それだけだ。」
「そういわれれば、どうってことないですね。」
「そうだよ。くっだらないことで、こっちが気にするだけ無駄だ。」
「ほんと、そうですね。」
「ま、樹石のお客になるかもしれない人たちだ。
媚びなくてもいいけど、攻撃することもない。
何回もいうが、理不尽なことを言われたりされたら、
自分たちでどうにかする前に相談してね。
悪いが、お前たち2人よりも世間を知ってる。
年の功だよ?」
「でも、その、え?おいくつですか?」
「精神的には100超えてるよ?たぶん。」
「あははは!なんですかそれは?」
「実年齢と精神年齢は違うんだよ?」
「はー、そうですね。それはわかります。」
「ね?対人総数はきっと多いよ?任せなさいって。」
「ええ、そうなったらお願いします。」
「そう思えるだけで安心ですね。」
「ほんとに安心だからね?さ、遅くなったね。明日は早くに出発するんだね?
入口のところにいるから声かけてね。」
鳥肉を少しお裾分けして、広場のテントに戻った。
馬が一頭いる。
コクだ。
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