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421:風
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街道はまだまだ続く。
数日は歩くことになるのだが、
泊るのもなんか馬鹿らしいし、同じような店が続くのなら、
ここはもういいかな。
同じような城を見上げながら考える。
遠くにも城が見える。
城というか、塔だな。
中央の街道を西にはいり、畑を抜ければ砂漠だろう。
脇道に入ることにした。
「ちょっと!どこへ行くの!」
お姉さんだ。ずっと付いてきていた。
暇なのかと思う。
用事があれば言えばいいのに。
それよりもわたしはおトイレに行きたいのだ。
ひょうたんの水筒で酔拳の人のように、
飲む練習をして、おなかがたぷん、たぷんなのだ。
「・・・兄さん。」
「わかってるよ。」
「うん。」
角を曲がってすぐにサボテンの森の家に。
トイレにダッシュ。
「はー。危機一髪でした。」
「ははは。困った顔もかわいかったな。」
「もう!」
マティスも行きたかったくせに!!
「どうする?岩壁の家に行くか?」
「ううん。あの曲がったところに戻ろう。
で、そこから砂漠までまた歩こう。
あのお姉さんはまだ探してるかもしれないけど、
見失って、あら?砂漠の方にいったのねってことで。
月が昇って、砂漠に入る人はいないでしょ。一般人は。」
旅の道のりは大事にしたいのだ。
ちょっと戻ったところに移動。
マティスがちゃんと覚えていてくれる。
そこから再スタート。
すごろくで、3つ戻るといった感じだ。
畑はなにを植えているのだろう?
お茶ではないな。
カメリだろうか?
砂漠に出るとちょうど、月が昇り始める。
離れはじめだ。
2つの月が四半円点でくっついている。
「西側の方が気持ち小さい?」
「?そうか?」
「んー?気のせいかな?」
3つ向こうの通りは少し騒がしい。
数人で探している様子だ。
誰かが、砂漠に入っていくわたしたちに気付いて、
人を呼んでいる。
遅いよ。
砂漠に入った瞬間に思い切り走った。
どこかに隠れていて砂漠に逃げたということで。
これで追ってこれない。残念でした。
「ここまでは風は届かないんだね。
海に吹く風もないんだ。」
風が届く範囲は鉱石も砂漠石も海峡石もなかった。
風で飛ばされるのか、何もなかったのだ。
コットワッツの砂漠よりもだ。
砂だけ。白い砂。大理石が砕けたものだった。
しかし、白い砂だ。
きれいだ。
「ん?風がないとそれは進まないだろ?」
「そこは砂漠石大先生ですよ。
このひょうたんから風を出してもらう。
で、その風を受けて進むと。
見てて?」
正面に受けると前が見えない。
少し斜めに。
帆を支えている棒に固定する。
空気の抜けた風船のように後ろに飛んでいく?
いや、砂漠石先生だ!大丈夫なはず!
「ぶひゃひゃひゃひゃ!ぶれるーーー!!ぶは!!」
砂地に飛び込んでしまった。
「い、愛しい人?そ、それは無理が、あ、るんじゃ、ないの、か?
ぶはははははは!!!」
む!体当たりコントで笑いを取ってしまった。いかんよ!
笑われてはいけない!笑かすんだ!!
「できる!そっち戻るから!!」
『風神!風を!』
言霊ではない。砂漠石にお願いしているのだ。
風を出すから風神だ。
「ひゃー!!たのしい!!」
正に風を感じる!!
「私も!私も!!」
マティスがそりを組みたてて待っている。
「ここにくくりつけて、風を出すから風の神様で
風神ね。言霊じゃなくて、
砂漠石にお願いする感じ。
斜めに当てて、自分は反対側に荷重をかける。
するとまっすぐ進むから。」
「わかった!!」
『フージン!風を!』
「おおお!!」
わたしも追いかけなくては!!
かなりの速さで、といっても
駱駝馬ぐらいだが、ひょうたんの石がなくなるまで進んだ。
石は小さいので、10コぐらい入っていたはず。
セサミナ方式でも火をつけるぐらいしか使えないものだ。
これで十分だ。
「ああ、楽しい!!」
「これは楽しい!」
ピクトの出店で100リングで買った小さな石。
その中で透明なものを選んでひょうたんに入れる。
透明な海峡石は風を出すから。
砂漠石は半透明。透明な海峡石の影響で透明になったと考えたのだ。
同じような大きさのもので、
どれだけ風がでるか実験。
10倍ほど違う。透明な石で正解だ。
「明日は石を集めながら横断しよう。
今日はここで泊まろうね。
熊肉を食べよう!!」
大蒜をすり込めばさらにおいしくなるだろう。
マティスが作ってくれている間に、
塩コショウ、赤粉、メイガの粉入れを作る。
底はヤスリで削って平らに。
簡単な道具を揃いておいてよかった。
りーん
月無し石だ。
1回。セサミンだ。
「セサミン?」
リン
「わたしが聞くよ。」
「頼む。」
マティスは料理で忙しい。
(セサミン?何かあった?)
(姉さん!姉さん!!)
(ん?うれしそうだね?)
(ええ!姉さんと一度で連絡が取れましたから)
(うふふふ。そっか!なにかいいことあったの?)
(あ!いえ、イリアスの一行が来たことを報告にと)
(うまく話はできたの?)
(それはもちろんです。羽毛も定期的にこちらに入ることになりますし、
その商品を、トックスさんが意匠を考えたものですが、
それを向こうでも売ります。
樹石も向こう1年は同価格で販売するという約定も取れました。
次回の会合にはそのことでイリアス代王に出席してもらいます)
(代理ね?高齢だって聞いたよ?イリアスの王さま。
代理は何番目の王子さん?)
(さすが姉さんですね、3番目です。
遅れて4番目の王子もやってきましたよ。社会勉強だそうで)
(5人組?)
(やはり、姉さんたちですね。砂漠の民にあったと言ってました。
合わさり前の半分で間の砂漠を徒歩で渡って行ったと)
(走ればそんなもんですよ。砂漠の民の一日は赤馬の一日ってことになってるの)
(ええ。それも話していましたね)
(ふふ。セサミンはなんて答えたの?)
(それは素晴らしいとだけ)
(無難な応えですなー。)
(当たり前ですよ。砂漠の民はおそらくタロスが最後。
となると兄さんと姉さんだけです。それを外部にいう必要もない)
(そりゃそうだ。ん?その話?)
(いえ、その一行は今日はこちらに泊って、
明日は湿地に行きます。あの筏のことを隠すことはできません。
水を掛けて浮いてくる話は隠します)
(いいんじゃない?それで。竹の筏はアバサが作れるはずだ。
大きい筏は赤い塊にもらったと言えばい。)
(それです。赤い塊の話、どこまで?)
(ああ、ふらっとやって来たとだけ。わたしも連絡が取りたいとね。
異国の石使い赤い塊と赤い塊モウは別人だ。なんとなくつながりはあるのかなーて
思われてるだけ。石使いで赤い塊って名乗る人もいるらしいよ?)
(その話も聞きました。石使いで赤い塊といえば皆が手元に置きたがるとか)
(うわぉ!人気だねー)
(姉さん、気を付けて下さいね)
(もちろん。じゃ、明日、湿地組のとこに行くんだね?
近いうちに遊びに行くっていっといて)
(ええ、わかりました)
(連絡ありがとうね。赤い塊っていうの極力、名乗らないようにするからね。
このことだね、今日の話は?)
(いえ、ガイライ殿とワイプ殿が姉さんと会ったと
わざわざこちらに来て自慢するものですから、くやしくて)
(あはははは!今一人?)
(ええ)
(じゃ、おいで?今からご飯なんだ)
(愛しい人、ここは夜の砂漠だ。セサミナには無理だ)
(あ!そうか。じゃ、扉君ちだ。ご飯ができたら呼ぶよ)
(やった!!)
「マティス、勝手に決めてごめん。」
「かまわんさ。しかし、私と話すときは、それで姉さんは?と聞く癖に
今の話の中に一度も兄さんはって聞かなかったな。」
「あはははは!そりゃ、わたしが何も言わなければ
近くにマティスがいるってわかるってるからでしょ?」
砂漠の真ん中に扉君を出して、その下にがばちょと展開した。
サボテンの森に置いておいてもいいが、
やはり近くにあったほうが何かと安心だからだ。
その日は熊肉と、砂トカゲのしっぽ煮、若肉のステーキ。
サボテンのサラダ。サボテンの実のアイス添え。
熊以外はみな懐かしの砂漠料理だ。
セサミンもこれが!と喜んでいた。
お土産のクッションも渡す。
間の砂漠で作ったツナギも。湿地に入るかもしれないしね。
あのギフトセットはもう少し待ってもらおう。
まだ、どうなったかわからないから。
イリアス一行の話は、なかなか面白い話だった。
1番目の王子が盗賊の大元かもしれない話はしていない。
2番目の王子の話も出てこなかった。
3番目がやり手だというのがよくわかる。
4番目は隙あらばしゃべり、兄に称賛の言葉を送っていたそうだ。
満足したセサミンが帰って、わたしたちはまた砂漠に戻る。
月夜がきれいなので、外に膜を張って寝るつもりだ。
砂漠のあいさつもしていないしね。
『中央西砂漠よ!挨拶が遅くなった!
砂漠の風を楽しませてもらっているうちに遅くなった!
すまない!
我らは砂漠の民だ。コットワッツのサボテンの森からやって来た。
コットワッツ、マトグラーサ、間の砂漠、そしてここ西の砂漠だ。
素敵な石たちがいるのは気配でわかる!
良ければ砂漠石たちよ、姿を見せておくれ!
海峡石たちもいるのだろうか?
月無し石は、また改めて!』
サラサラと石が浮いてくる。
海峡石もだ。
白い砂地に、きれいな色の海峡石。
色のついた砂漠石たち。
そしてきれいなオーバル状の砂漠石。
ここもたくさんいる。
『良かった。明日、月が沈めば爆裂石を集めさせておくれ!』
「海峡石は集めないのか?」
「十分あるから。なくなったらね。」
「鉱石は?」
「もっと真ん中かな?ここは少ないけど、真ん中にはあるね。
それも、今はいいや。」
「欲がないな。」
「あるある、ありまくり!なんかどかんとあてようね。」
「どかんとか。そうだな。そりは?」
「当分わたしたちだけ!だって楽しいもの!」
「そうだな!これはあの繋ぎを着るよりも石を集められるんじゃないか?」
「あ!そうだね!改良しよう!
でも明日は一応歩いて進もうか?砂漠の民たるもの、
爆裂の一つや二つ、避けれないとね。
守衛さんは簡単に言ってたけど、弱いのかな?また違った爆裂なのかな?」
「それは明日だな。
さ、おいで?少ししか寝れないぞ?」
「ん!それいかんね!寝よう、寝よう。
寝るんだよ?」
「ああ、今日はな。」
「もう!」
数日は歩くことになるのだが、
泊るのもなんか馬鹿らしいし、同じような店が続くのなら、
ここはもういいかな。
同じような城を見上げながら考える。
遠くにも城が見える。
城というか、塔だな。
中央の街道を西にはいり、畑を抜ければ砂漠だろう。
脇道に入ることにした。
「ちょっと!どこへ行くの!」
お姉さんだ。ずっと付いてきていた。
暇なのかと思う。
用事があれば言えばいいのに。
それよりもわたしはおトイレに行きたいのだ。
ひょうたんの水筒で酔拳の人のように、
飲む練習をして、おなかがたぷん、たぷんなのだ。
「・・・兄さん。」
「わかってるよ。」
「うん。」
角を曲がってすぐにサボテンの森の家に。
トイレにダッシュ。
「はー。危機一髪でした。」
「ははは。困った顔もかわいかったな。」
「もう!」
マティスも行きたかったくせに!!
「どうする?岩壁の家に行くか?」
「ううん。あの曲がったところに戻ろう。
で、そこから砂漠までまた歩こう。
あのお姉さんはまだ探してるかもしれないけど、
見失って、あら?砂漠の方にいったのねってことで。
月が昇って、砂漠に入る人はいないでしょ。一般人は。」
旅の道のりは大事にしたいのだ。
ちょっと戻ったところに移動。
マティスがちゃんと覚えていてくれる。
そこから再スタート。
すごろくで、3つ戻るといった感じだ。
畑はなにを植えているのだろう?
お茶ではないな。
カメリだろうか?
砂漠に出るとちょうど、月が昇り始める。
離れはじめだ。
2つの月が四半円点でくっついている。
「西側の方が気持ち小さい?」
「?そうか?」
「んー?気のせいかな?」
3つ向こうの通りは少し騒がしい。
数人で探している様子だ。
誰かが、砂漠に入っていくわたしたちに気付いて、
人を呼んでいる。
遅いよ。
砂漠に入った瞬間に思い切り走った。
どこかに隠れていて砂漠に逃げたということで。
これで追ってこれない。残念でした。
「ここまでは風は届かないんだね。
海に吹く風もないんだ。」
風が届く範囲は鉱石も砂漠石も海峡石もなかった。
風で飛ばされるのか、何もなかったのだ。
コットワッツの砂漠よりもだ。
砂だけ。白い砂。大理石が砕けたものだった。
しかし、白い砂だ。
きれいだ。
「ん?風がないとそれは進まないだろ?」
「そこは砂漠石大先生ですよ。
このひょうたんから風を出してもらう。
で、その風を受けて進むと。
見てて?」
正面に受けると前が見えない。
少し斜めに。
帆を支えている棒に固定する。
空気の抜けた風船のように後ろに飛んでいく?
いや、砂漠石先生だ!大丈夫なはず!
「ぶひゃひゃひゃひゃ!ぶれるーーー!!ぶは!!」
砂地に飛び込んでしまった。
「い、愛しい人?そ、それは無理が、あ、るんじゃ、ないの、か?
ぶはははははは!!!」
む!体当たりコントで笑いを取ってしまった。いかんよ!
笑われてはいけない!笑かすんだ!!
「できる!そっち戻るから!!」
『風神!風を!』
言霊ではない。砂漠石にお願いしているのだ。
風を出すから風神だ。
「ひゃー!!たのしい!!」
正に風を感じる!!
「私も!私も!!」
マティスがそりを組みたてて待っている。
「ここにくくりつけて、風を出すから風の神様で
風神ね。言霊じゃなくて、
砂漠石にお願いする感じ。
斜めに当てて、自分は反対側に荷重をかける。
するとまっすぐ進むから。」
「わかった!!」
『フージン!風を!』
「おおお!!」
わたしも追いかけなくては!!
かなりの速さで、といっても
駱駝馬ぐらいだが、ひょうたんの石がなくなるまで進んだ。
石は小さいので、10コぐらい入っていたはず。
セサミナ方式でも火をつけるぐらいしか使えないものだ。
これで十分だ。
「ああ、楽しい!!」
「これは楽しい!」
ピクトの出店で100リングで買った小さな石。
その中で透明なものを選んでひょうたんに入れる。
透明な海峡石は風を出すから。
砂漠石は半透明。透明な海峡石の影響で透明になったと考えたのだ。
同じような大きさのもので、
どれだけ風がでるか実験。
10倍ほど違う。透明な石で正解だ。
「明日は石を集めながら横断しよう。
今日はここで泊まろうね。
熊肉を食べよう!!」
大蒜をすり込めばさらにおいしくなるだろう。
マティスが作ってくれている間に、
塩コショウ、赤粉、メイガの粉入れを作る。
底はヤスリで削って平らに。
簡単な道具を揃いておいてよかった。
りーん
月無し石だ。
1回。セサミンだ。
「セサミン?」
リン
「わたしが聞くよ。」
「頼む。」
マティスは料理で忙しい。
(セサミン?何かあった?)
(姉さん!姉さん!!)
(ん?うれしそうだね?)
(ええ!姉さんと一度で連絡が取れましたから)
(うふふふ。そっか!なにかいいことあったの?)
(あ!いえ、イリアスの一行が来たことを報告にと)
(うまく話はできたの?)
(それはもちろんです。羽毛も定期的にこちらに入ることになりますし、
その商品を、トックスさんが意匠を考えたものですが、
それを向こうでも売ります。
樹石も向こう1年は同価格で販売するという約定も取れました。
次回の会合にはそのことでイリアス代王に出席してもらいます)
(代理ね?高齢だって聞いたよ?イリアスの王さま。
代理は何番目の王子さん?)
(さすが姉さんですね、3番目です。
遅れて4番目の王子もやってきましたよ。社会勉強だそうで)
(5人組?)
(やはり、姉さんたちですね。砂漠の民にあったと言ってました。
合わさり前の半分で間の砂漠を徒歩で渡って行ったと)
(走ればそんなもんですよ。砂漠の民の一日は赤馬の一日ってことになってるの)
(ええ。それも話していましたね)
(ふふ。セサミンはなんて答えたの?)
(それは素晴らしいとだけ)
(無難な応えですなー。)
(当たり前ですよ。砂漠の民はおそらくタロスが最後。
となると兄さんと姉さんだけです。それを外部にいう必要もない)
(そりゃそうだ。ん?その話?)
(いえ、その一行は今日はこちらに泊って、
明日は湿地に行きます。あの筏のことを隠すことはできません。
水を掛けて浮いてくる話は隠します)
(いいんじゃない?それで。竹の筏はアバサが作れるはずだ。
大きい筏は赤い塊にもらったと言えばい。)
(それです。赤い塊の話、どこまで?)
(ああ、ふらっとやって来たとだけ。わたしも連絡が取りたいとね。
異国の石使い赤い塊と赤い塊モウは別人だ。なんとなくつながりはあるのかなーて
思われてるだけ。石使いで赤い塊って名乗る人もいるらしいよ?)
(その話も聞きました。石使いで赤い塊といえば皆が手元に置きたがるとか)
(うわぉ!人気だねー)
(姉さん、気を付けて下さいね)
(もちろん。じゃ、明日、湿地組のとこに行くんだね?
近いうちに遊びに行くっていっといて)
(ええ、わかりました)
(連絡ありがとうね。赤い塊っていうの極力、名乗らないようにするからね。
このことだね、今日の話は?)
(いえ、ガイライ殿とワイプ殿が姉さんと会ったと
わざわざこちらに来て自慢するものですから、くやしくて)
(あはははは!今一人?)
(ええ)
(じゃ、おいで?今からご飯なんだ)
(愛しい人、ここは夜の砂漠だ。セサミナには無理だ)
(あ!そうか。じゃ、扉君ちだ。ご飯ができたら呼ぶよ)
(やった!!)
「マティス、勝手に決めてごめん。」
「かまわんさ。しかし、私と話すときは、それで姉さんは?と聞く癖に
今の話の中に一度も兄さんはって聞かなかったな。」
「あはははは!そりゃ、わたしが何も言わなければ
近くにマティスがいるってわかるってるからでしょ?」
砂漠の真ん中に扉君を出して、その下にがばちょと展開した。
サボテンの森に置いておいてもいいが、
やはり近くにあったほうが何かと安心だからだ。
その日は熊肉と、砂トカゲのしっぽ煮、若肉のステーキ。
サボテンのサラダ。サボテンの実のアイス添え。
熊以外はみな懐かしの砂漠料理だ。
セサミンもこれが!と喜んでいた。
お土産のクッションも渡す。
間の砂漠で作ったツナギも。湿地に入るかもしれないしね。
あのギフトセットはもう少し待ってもらおう。
まだ、どうなったかわからないから。
イリアス一行の話は、なかなか面白い話だった。
1番目の王子が盗賊の大元かもしれない話はしていない。
2番目の王子の話も出てこなかった。
3番目がやり手だというのがよくわかる。
4番目は隙あらばしゃべり、兄に称賛の言葉を送っていたそうだ。
満足したセサミンが帰って、わたしたちはまた砂漠に戻る。
月夜がきれいなので、外に膜を張って寝るつもりだ。
砂漠のあいさつもしていないしね。
『中央西砂漠よ!挨拶が遅くなった!
砂漠の風を楽しませてもらっているうちに遅くなった!
すまない!
我らは砂漠の民だ。コットワッツのサボテンの森からやって来た。
コットワッツ、マトグラーサ、間の砂漠、そしてここ西の砂漠だ。
素敵な石たちがいるのは気配でわかる!
良ければ砂漠石たちよ、姿を見せておくれ!
海峡石たちもいるのだろうか?
月無し石は、また改めて!』
サラサラと石が浮いてくる。
海峡石もだ。
白い砂地に、きれいな色の海峡石。
色のついた砂漠石たち。
そしてきれいなオーバル状の砂漠石。
ここもたくさんいる。
『良かった。明日、月が沈めば爆裂石を集めさせておくれ!』
「海峡石は集めないのか?」
「十分あるから。なくなったらね。」
「鉱石は?」
「もっと真ん中かな?ここは少ないけど、真ん中にはあるね。
それも、今はいいや。」
「欲がないな。」
「あるある、ありまくり!なんかどかんとあてようね。」
「どかんとか。そうだな。そりは?」
「当分わたしたちだけ!だって楽しいもの!」
「そうだな!これはあの繋ぎを着るよりも石を集められるんじゃないか?」
「あ!そうだね!改良しよう!
でも明日は一応歩いて進もうか?砂漠の民たるもの、
爆裂の一つや二つ、避けれないとね。
守衛さんは簡単に言ってたけど、弱いのかな?また違った爆裂なのかな?」
「それは明日だな。
さ、おいで?少ししか寝れないぞ?」
「ん!それいかんね!寝よう、寝よう。
寝るんだよ?」
「ああ、今日はな。」
「もう!」
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