いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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448:ドーガーからの報告

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「じゃ、その4人はこっちに来るのね?」
「はい。おそらく。」
「ドーガー一人で大丈夫だね?」
「もちろんです。モウ様に一本取った男なので!!」
「かー!!ムカつく!!言っとくけどね?
わたしは2人と一緒にお風呂入ったから!
で、おっぱいもみっこしたからね!あんたより先に!!」
「!!!!!」
「愛しい人!!」
「あ!だめなんだ。ほんと厳しいね。こんなの普通なのに。」
「やはりおかしいぞ?」
「はいはい。じゃ、その4人、来たらどうしようか?」
「草原に来る迎えとやらも押さえておけ。」
「んー、じゃ、ここに入ってくれば草原に飛ばそうか。
ドーガー?お話しする?説得する?」
「いいえ、いいえ、モウ様。それはありません。
マトグラーサの砂漠の話は聞いております。
例え、人を送った先のことを知らなくても、
妹と妻たちをあのように扱うなど!!
妹とのことも!
許せることでないのですよ。」
「そりゃそうだ。愚問だったね。じゃ、頑張って。」
「ドーガー?荷重は8で、膜も張れ。
一切体に触れさすな。お前は4人相手に4打のみ。
いいな?」
「はい!」


イスナさん、フックさん、
昨日到着したフック一家。
焼肉で歓迎会。
ニックさんと合流したカップ君もこっちに。
チュラルとルビスが心配になって来たようだ。
それからチョコパフェの会。
カップ君たちはもちろん、おかみさんとペリフロ、フックさんも
スイート至上主義団に入団した。お脳様万歳!
一大勢力だ。

出来上がったアームチェアー、4脚、
揺り椅子、オットマンは素晴らしいものだった。
これは岩壁の家に似合いそうだ。

フックさん父上はここで工房を開くという。
タロスの木、砂漠の木とイーペロの木を気に入ったようで、
植林も行っていく。
イスナさんも独自の工房を立ち上がる。
どちらかというと小物関係が得意だと話してくれた。

ガイライ達を王都に送った後、
コクを連れて八の森に戻った。
この前は、ここの森では膜を張らなくても問題なかったはずだが、
薄く、うすーく、いやな臭いが漂う。

「コク?これ、お茶葉で編んだ首輪。
不細工だけどね。お茶葉も食べて?どう?」

乗れというので2人でコクにまたがる。
前よりにのってもお尻がフィットする。マティスもそうだという。
どうなってるんだ?背中は?

そこから森を駆けていく。
わたしはなにもしていない。
なのに森が、樹々がコクを避けていく。
香馬が疾走するとこうなるのか?
コクは久しぶりだと言っているので、
森が受け入れていると考えればいいのだろうか?

森に入る前に館街を上空から見たのだが、
館が街を囲っているのだろう。ぐるりと建物が囲い、
中にまた建物がある。決して大きくはないのだが、それなりの人数が
この中で生活しているようだ、
そんな館が10数個。すべてつながっている。
最初に訪れた館街が領主のいる館であるだけで、
隣の街には人の往来が普通にあった。
要は、来客、賓客は自動的に領主館のいる街につながるのだ。
森が誘導しているのだろう。
もし、わたしたちが行商としてこの森に入れば、次の街に行きつく。
いわば森は門番だ。
これはドーガーの勉強不足だな。いや、そのように思わせているんだ。
街を見たいと言っても、この中の街だけ案内される。
他の街を見たいと言ったら、次の街を案内されるだけだ。
森の門番を通って来たのなら、そこそこ信頼できるということか。
だが、中央の役人をあっさり通している。
森の門番機能が働いていないのだ。
コントロールされている。あの匂いか。

うちの近所での話だが、かなり昔、
ある時期になるとガスの匂いがしていた。
最初はどこかでガス漏れか?と大騒ぎになり、ガス会社の人も
何回かやってきていた。しかし、どこも漏れていない。
どの季節だったんだろう?それも忘れてしまった。
しかしそれは毎年のこと。
慣れてくると住んでる人はなんだだろうねと話すだけ。
あたらしく住人になったほうはたまったもんじゃない。
秋の終わりにガスの匂いのする花を咲かせる植物もあるそうだが、
それでもないということだった。
結局、複数の植物が出す匂いが混じって、ガス臭がすると。
何本か、ランダムに伐採したそうだ。それ以来、この騒ぎはなくなった。

ここの森もなにか、人を選抜するよう匂いを出していたのだろうか?
それを妖精の匂いに似たもので邪魔されている。
かなり前から?
そんなことをすれば香木が取れなくなると思わなかったのだろうか?
それよりも大事なこと?砂漠石?


八の森から奥に、奥に。
呪いの森に近い風景になる。

「呪いの森だね。」

コクが言うにはあの森は36番森だそうだ。
領地制定の時に取り残されたとか。
あの時はがっかりだったって、あんたほんとにおいくつ?

地面をくんくん嗅いで、地面を掘っていく。
小さな塊が見えたところで、ガツンと蹴り上げた。

「香木?琥珀みたいだね。」

小さな透明な塊だ。琥珀と言っていいだろう。
ん?あれだ、あの飴ちゃんだ。じゅんつゆー。

それを2つ。

コクがあなたに贈る分も探そうと言ってくれる。

「コクよ、その気遣いは不要だ。
どうしても私の愛しい人持たせたいのなら、私が探そう。」

また、対抗してるの?
コクも笑ってるよ?
人がここでこれを探せるのなら、香馬ではなく香人コウビトだな、と。
結局、では2人に贈ろうとまた違う場所に移動した。
どれだけ進んだかはわからない。
だって同じ景色だもの。移動しているかどうかも分からない。

ここにある。それぞれで探せばいい。

「宝探しだね!マティス!愛しの人のために素敵なものを見つけるよ!」
「私もだ。愛しい人の為に探そう。」

匂いだから膜を外して、お茶葉の首輪。
で、ザバスさん特製のお茶飴!捨てなくていいからこっちの方が好き。

クンカ、クンカ、なんかいい匂いがしないか、
目を閉じ鼻に集中!
ん!とおもって目を開けると目の前にマティスがいた。
「もう!いい匂い、これだって思ったらマティスだった!
向こうで探して!!」
「私もだ。素晴らしい匂いだと思ったらあなただった。」

ん?マティスも、コクも笑ってる。なんで?
もう!いいや。先に見つけてやる!


マティスが向こうに行ったのを確認して再挑戦。
樹の匂い。土の匂い。水の匂い。森の匂いだ。
入浴剤の匂いではない。なんとなく湿ったタンスの匂い?押し入れ?あれ?
あ!それとは違う匂い。ここ?

如意棒にスコップになってもらい、掘ってみる。
ミミズがでたらこの森が消失する?いや、大丈夫。
呪いの森と同じで虫は見えない。たぶんいる。けど見えないんだ。

小さなかけら。
純露、紅茶味!!

「見つけたよ、愛しい人。」
「わたしも!じゅんつゆー、ぼーくはーあいたいーってね。紅茶味!」
「ん?」
「いや、そういう飴ちゃんがるのよ。それそっくり。コク!これ香木?」

コクに見てもらう。
マティスが見つけたのも紅茶味のタイプだ。
また、コクが笑ってる。

「え?違うも?いいの匂いするよ?」
なんのとは言えないが、いい匂いなのだ。
しかし、わたしは家の下駄箱の匂いが好きだったしな。
どうなんだろう?

2人とも香人コウビトだな

「じゃ、香木なんだね?よかった!
はい!マティス!あなたに。」
「愛しい人、これをあなたに。」
「うれしいね。これはどうしとこうか?身に付けるほうがいい?
それとも夜な夜な匂いを嗅ぐとか?」
「だったら私はあなたの匂いがいいな。」
「それ、毎日してるでしょ?」

身に付けとくだけでいいらしい。
あとで、アクセサリーに加工しよう。

「ありがとうね。あ、コクにはこれ。
これもいい匂いするの。知ってる?クジラの中にあるものなんだ。
ちょっと焚いたら、お互いの匂いだって思ったの。
びっくりしたよ。それをあげるね。」

この前焚いた時に砕いた少し大きめのかけらをコクに見せた。
いい匂いのものが好きなのかなって。

コクは黙って、それを咥えると。かみ砕き、
半分ほどを口から出した。

「え?」

驚いてみていると残りの半分は食べたようだ。
「え?それは食べるものなの?おいしいの?
え?わたしも食べていい?」

コクはそれはダメだという。

残り半分を土に埋める。

「ん?香木の元?埋めたら増えるとか?」

ああ、愉快だ。

「え?そんな爆笑案件?これ、まだあるんだけど?
ここに埋めたほうがいい?」

残りの龍涎香と勝手に呼んでいるものを見せる。

それを見つめ、今度はマティスを見つめた。
あ、マティスだけになんか言ってる!
この頃、月無し石君もそうだが、
マティスとだけコミュニケーションをとる。
差別だ!!

「ああ、愛しい人。それはあなたが好きなようにしていいそうだ。
食べ物ではない。念押しされた。」
「ダメって言われれば食べません!」
「ああ、そうしてくれ。人にはよろしくないらしい。
それはクジラの体内にあったものだろ?あなたは嫌がるかもしれないから、
コクは言わなかったが、この場合はっきり言うほうがいい。
それは小さな虫の塊らしい。」

「ぎゃーーーーーー!!!!」

そこで気を失った。


─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


又、コクが愛しい人に香木を贈ろうとする。
結構な年齢だということだが、油断できないな。
動物は少し強引なところがあるから。

私が探すと言えば、笑われてしまった。
2人に贈ろうと。

進んでいるのか、止まっているのかわからない。
迷いの森か?

ここにあるから探せという。
愛しい人は宝探しだと喜んでいる。
あなたの為に探そう。

どう探すか?
愛しい人を見ると、目をつぶって鼻をヒクヒクさせている。
なんてかわいんだろう。
この姿を見れただけで、私はコクに礼を言おう。
コクに、目礼をし、静かに愛しい人の前に進んでいった。

愛しい人は匂いを嗅ぎ取ったのだろう、
どんどん近づいて来た。
抱きしめてもいいか?

残念、目を開けてしまった。
コクが笑っている。私もだ。

また可愛らしく怒っているが、向こうに行けといわれた。
仕方がないな。探そうか。

愛しい人と同じように目をつぶり匂いに集中する。
愛しい人?は、向こうだ。
いい匂い。どこだ?この下?
三日月を出し、土を掘りおこす。
ああ、これか?先ほどの香木より色が濃いな。
なんとなくだが、良い香りもするようだ。

見つけたというと、不思議な音程で歌を歌っている。
紅茶味?食べるのか?
ああ、飴に似ているな。

身に付けれるように金で装飾をしよう。
愛しい人が礼にとクジラの石を出した。
これも不思議な石だ。
コクは、半分を食べ、半分を埋める。
うれしそうだ。

愛しい人が食べれるのかと食いつく。
ダメだろう。

食べてはダメだいわれた。

これだけあるんだけど、と、塊を見せる。


コクは私にだけ声を飛ばした。


香人よ、これは人が食べてはダメだ。
毒となろう。
焚くのはいい。
ただ、求めるものの香りになるだろうな。
お互いがお互いを求めるならそれでいい。
土に埋めたのはこの忌まわしき香りが無くなるように。
私が求めたんだ。
すぐには無理だろうが、いずれな。
食にこだわるのなら、決して口にしないように言い聞かせろ。
興味本位で試すことのないようにな。

それはもともとなんだ?

なんといばいいだろうな。
虫だ。小さい虫の塊。

ああ、なら大丈夫だ。








「それは小さな虫の塊らしい。」

「ぎゃーーーーーー!!!!」

しまった。星砂も虫の死骸だといって問題なかったのに。


「コクよ。これで、愛しい人は口にしない。
焚くことはするかもしれないがな。
香や煙に害はないんだな?」

お互いの匂いがするのだろう?
なら問題は無いな。求めるものだ。
香として使う分には問題は無い。
ただ、食べるな。


「念を押すな?なぜ?」


南にこれを使う国がある。
そこで聞けばいい。

「ルポイド?近いうちに行くから聞いてみよう。
戻ろうか?ここはボルタオネではないな?
どこだ?」

また笑うだけで答えない。

愛しい人が投げ出したクジラ石を拾い、収納した。
私が持っているほうがいいだろう。

愛しい人を抱え、トックスの家に戻ると、
フック一家が到着していた。
かなり飛ばしたようだ。
親方たちは目を瞠ったが何も言わない。

それよりもコクに乗っていること、
愛しい人が気を失っていることに大騒ぎだった。

「おい!何をした!」
「いや、愛しい人は虫が苦手なんだ。
手にしているものが虫の死骸だと知って気を失った。」
「は?虫?それは、ボルタオネでは生きていけんな。」
「ん?虫だらけなのか?」
「森に入ればな。」
「八の森にはいなかったぞ?」
「え?そんなことはない。森は虫だらけだ。」
「そうか。虫も愛しい人に遠慮したのかもしれんな。」
「・・・。」
「ふふふ。ルビス!チュラル!問題は?」
「ありません。」 
「そうか、一度、ワイプのところに戻れ。
報告は大事だ。それでな、フック一家の歓迎会をするといえ。
焼肉だ。カップも呼んでお前たち3人は戻ってこい。
ワイプは残念ながら忙しいのだろう?来れぬな。
くくく。悔しがる顔が目に浮かぶ。
ま、お前たちが戻る時になにか持たせてやろう。」
「・・・・。」
「なんだ?」
「ツイ兄が言うとおりだなと。」
「?」
「いえ、そのように。」

「モウ様はこちらで。」
「ん?心配するな。愛しい人?みなが心配しているぞ?
目を覚ませ。」

額に軽く口付けをする。
ドーガーの妻たちは、キャーー!!と声をあげた。
おかみさんもだ。

「んー、マティ、マティ。んー?ん?」

愛しい人がすり寄ってくるが、ここは外で、
皆の前だ。
ああ、残念。

「ぎゃーーー!!!」

「モウ様!モウ様!なんてお可愛らしい!!」
「モウ様!モウ様!わたしたちもドーガー様にしてみたいです!」

「・・・。おう、そうしてやってくれ。」

男口調になるのは照れているのだ。
まさに、お可愛らしいだ。


コクがイスナに香木を渡している。
別にわざとらしく荷物に隠すこともない。
イスナが愛しい人がいう気付く人ならそのほうがいいだろう。

イスナがコクに縋りついている。
なにか言葉を発しているが、わからないな。
やはり装飾品として加工するのだろうか?
どうするのか参考にさせてもらおう。

カップたちがやってきて、
焼肉、甘味、特別にちょこれーとぱふぇとなった。
ドーガーが悔しがるだろうな。いや、セサミナもワイプもだ。
カップたち、ペリフロ、フック、おかみさんと雄たけびを上げている。
オノウサマ?だれだ?

カップたちに土産、ガイライに渡す分もだ。
樽に入れた食材だ。内側に薄く砂漠石が張ってある。
指定したものしか開けることはできない。
焼きおにぎり、サンドイッチ、唐揚げ。
焼肉どんもある。カレーも。焼き鳥、照り焼き。
甘味も入れていた。クッキーとクレープだ。
クレープはおかずではなく、生クリームとプニカ、
蜜もかかっている。


「愛しい人?入れすぎではないか?」
「そう?鍋とか海鮮丼とかも入れたいけどね。あ!!エビフライと
あのスープも入れよう。ピザもね。
エビ漁にもいかないと。あと海苔がいる。」
「ああ、ゼムが海苔を欲しがっていたな。」
「さすが、ゼムさん!売れると見抜いたね。
よし、じゃ、ルポイド出発前は食料調達だね。」
「鍛錬もせねばな。」
「もちろん!!」


3人を見送り、解散。
ドーガーは翌日、月が昇る頃にトックスの家に。
私達もセサミナから呼ばれて、ドーガーの報告を聞くことになった。




─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘



忘れものをしたと、また家に戻りました。
母には何を浮かれているんだと。
さっそく、母から盗賊は全滅したという話を聞きました。
あの短時間でです。母は安心だと。そのあと、2人が来まして。
ええ、母のことを母様、母様と。
妹からは姉さまと呼ばれ、2人は、かわいいー!!と頬ずりしていました。
わたしでさえされたことないのに!!
妹はダンズのところには行かずに女たちだけで、
なんというか、はい、そうです。キャッキャウフフです。
それから、セサミナ様のところへ。
はい。今後のこともすべて。
それから、ダンスのところに。



「ダンス?マースが来れないって。」
「え?え?ドーガー?ボルタオネじゃないのか?」
「あ?検品に手間取ってさ。なんか、もう行かなくていいって。
で、そのまま休暇になったよ。」
「・・・休暇?嫁は?」
「うふふふふ。それは向こうから来てくれた。
今から、引っ越しの準備やらなんやらで。
館近くの空き家で暮らすことになった。
悪いが、マースも手伝ってもらうから。当分ここには来れない。
ダンス?あれか?店の準備手間取ってるのか?
マースが文句ばかり言ってるぞ?」
「・・・・。」
「いや、焦らすつもりはないんだ。
あいつに、どうするんだ、
なんだ、かんだって言われるとな、やる気が削げる。
わかるんだ。ちょっと息抜きしろよ。
ああ、お前が言ってたんだっけ?盗賊討伐の話。
あれ、すでに全滅して軍も引き上げたらしいぞ?
ああいう話は妹にするな。おふくろにもしたのか?
そうすると心配さすだけだ。
俺のことが心配で言ってくれたんだろうけどな。
じゃ、戻るわ。」

妹の婚約者に、
妹が来れないこと、討伐が終わったことを話しました。

私の顔を見てこちらが心配になるほどうろたえていました。
ええ、やはりなという気持ちです。
同じ時期にセサミナ様のもとで働き始めています。
彼はここの生まれですけどね。
ここでの最初の友人です。それから妹と。
わたしがセサミナ様のお傍付きになってから、
少し距離を置かれました。
妹と付き合っていましたので、そこに気恥ずかしさがあったのかと。

また、家に戻って、
妹に、今度はダンスが家の手伝いをしろって言っていたと。
自分は集中して料理を作り上げるといっていたと。

「よかった!このごろ全然!うだうだ言ってばかりでさ。
お店を買うまではよかたんだけど。
お金がない、お金がないって。
仕方がないよね、お店を買うのに2人でためたお金を使ったんだから。
最近なんて、うちの家からお金を出せないかって。
なにいってるのって、笑って話は終わらせたけどね。
ちょっとね。
ああ、母さんには言ってないよ。心配さすだけでしょ?
え?討伐の話?母さんに言うわけないじゃん。
ダンスが言ったのよ。
あの人、親が心配するって感覚が分からないみたい。
うん。
・・・・。
兄さん?ありがとう。
兄さんの優しい嘘は好きよ。」


妹には嘘だとばれていますが、
距離を置くことに何も言いませんでした。
それから気配を消して、ダンスに付いていましたよ。
何もせず、悪態だけを付いていました。
どうやら、わたしの家がもっとお金を持っていると思っていたそうです。
もちろん十二分に頂いていますが、父の闘病の時にかなり借りましたので、
その返済と、母も同じように病になったら十分に看病できるようにと
ためています。
あはは、ええ、わたしの財産はあの時になくなりましたから。

月が昇ると、飲み屋に。
そこには、カルジュと、ブルーラとポリックがいました。
ポリックはあのまま行方知れずになったのですが、最近戻ってきています。
もう一度雇ってほしいと館に来ましたが、今は人手が足りていると断りました。
ブルーラも鉱山かタオル、ゴム、メーウーの飼育と仕事を次々にやめています。
ガルジュとつるんでいますね。
いえ、中央の誰かまでは。カリジュ自身もわからないようでした。
カリジュがまとめて送っていたようで、今回は噂を流すことだったようです。
しかし、その仕事はポリックが持ってきたようでした。


「お前、ここには来るなっていってるだろ?
用心に越したことはないんだから。」
「あいつらを呼ぶにはなにか作らないといけないだろ?もういいよ。
見張りなんかいないんだからさ。」
「そうだよな。毎回、あいつらに飲ます金も無駄だったな。
それで?」
「ドーガーはボルタオネにいってない。
あの話も、もう盗賊も制圧。軍も撤退したって。
あのおしゃべりのドーガーから聞いた。こっちに来る途中でも、
俺が話したばばぁ連中も安心だって俺に言ってたぞ?
どうなってるんだ?」
「なに!ほんとうか?」
「あのドーガーが言ったんだ。嘘じゃない。俺はすることはしたんだ!
金は寄こせよ!」
「無理だ。次に来る中央の役人の耳に入るのが条件なんだ。
軍が引き揚げているんなら、この話は無しだ。」
「そんな・・・。ドーガーの動きを話した分は?」
「それはこっちでも掴んでるよ。ただ、いつ出発するかまでわからんから
お前に頼んだんだろ?それが、まだここにいたなんて!!
お前も、お前の女も役に立たないな!」
「あれは、もういいよ。もっと金を出すと思っていたのに!!」
「あの店は半分以上は女が出したんだろ?」
「そうだ、権利もあいつだ。」
「なんだ、情けないな。権利も何もかも自分の物にすればいいだろ?」
「あいつは俺よりも金にがめついんだ。」
「お前はがめついというより、持ってないんだろ?あはははは!!」
「うるさい!」
「それはこっちが言いたいよ!分からない相手と取引してるんだぞ?
結果が出ないと金が来ない。どうするんだよ!!」
「なんかないのか?」
「ブルーラ?お前は?」
「鉱山か?体がもたない。貯めた金ももうない。
あの時辞めるんじゃなかったよ。」
「もったいないことをしたな。忙しいのはセサミナと一部だけなんだよ。
あとは暢気に仕事をしてるだけだ。それも、誰でもできるようなことをな。
俺は風呂掃除だよ。毎日洗うことはない。3日に一度で十分だ。」
「お前、それは仕事を外されてるんだよ。近いうちに首になるぞ?」
「あ!・・・そうか。食の祭りからこっち、簡単な仕事か、重労働だけだ。
まずいな。」
「変われよ、仕事。俺が務めるよ。
お前が辞めた後にすぐに訪ねれば雇ってくれるはずだ。
逃げるんじゃなかった。金を払わないんだったら、辞めろ!!」
「なに!誰が辞めるか!!30リングだぞ?お前たちが間抜けなんだよ!」
「わかってるよ!だが一番の間抜けはダンズだなよな!
なにが店だ、それこそくだらない。
今、プリンやラーメンでみなが店をやってる。
いまさら店を出しても流行らないぞ?」
「分かってるよ!!」
「ポリック、もともとお前が持ってきた話だろ?
メジオもお前のせいで強制労働だ。お前は早々に逃げたしよ。」
「そうだな。
ブルーラはマトグラーサにでも行くか?
知ってるだろ?銃の弾を作る人手を募集している。
しかし、なんせ極秘だ。
4か月はどこにも行けない。だが、終われば、300リングだ。
その間の食事もでる。どうだ?」
「300!!いいな!」
「ただし、誰にも言うな。そうでないと殺到するからな。」
「じゃ、なんでお前はいかないんだ?」
「俺か?おれは紹介しただけで20リングもらってる。そっちの方がいいだろ?」
「おい!俺もいく。」
「ダンズもか?店は?」
「いいよ。300リングの方が大事だ。店より、女よりも。」
「ガルジュは?ガルジュの耳の良さで、いろんな話を仕入れてきたが、
仕事が風呂掃除じゃ、もうだめだな。どうする?
3人紹介できれば100なんだ。」
「なんだよ!だったらここの飯代奢れよ!」
「かまわないさ。ガルジュが館をやめてからだな。急にいなくなったら、
お前でも騒ぎになるだろ?
やめるときに多少でも金がもらえるんだ、もらっとけよ。」
「そうだよな。
今日な、雨の日前に結婚を承諾したものは、準備で休んでもいいんだと。
給金もでる。でな、それでも仕事をしてくれてるものは祝いを出すってさ。
儲かってるんだよ、いまコットワッツは!!だったら給金あげろよ!って話だ。
だけど、時々振る舞いがあるんだ。この前のはうまかった!」
「なんだ?それ?」
「辛いんだ。けど、うまい!!これも売り出すそうそうだ。
辞めるとそういうの食べれなくなるな。悩むな。」
「300あればそんなの食べ放題だぞ?第一風呂掃除で30リング。もらいすぎだ。
いずれ首になるぞ?」
「そうだよな!良し!明日にも辞めてくる。それで?どこに行けばいい?」
「じゃ、明日の月が昇って半分だ。草原への道に来い。」
「あそこはもう閉鎖しただろ?」
「だから、人目につかないんだよ。馬車が来るんだ。
今回は無しかと思ったけど、良かったよ。
周りにはここを出て他の領国で働くってことにしておけよ。
だが、マトグラーサだとは絶対言うな?これは石を使って確認するからな?」
「じゃ、今日でコットワッツ最後か!お前、本当に奢れよ?」
「ああ、いいぞ!」
「やった!おい!酒と食い物!ありったけ持ってこい!!」


この話はセサミナ様には報告済みです。
次の日ガルジュは半分になってから酒臭い体で辞めていきました。
次の仕事に着くまでの準備金として10リング渡しています。
その後すぐにポリックが来ました。雇ってくれと。
ええ、雇いました。明日からですね。こちらで押さえておく必要があると。
明日の月が沈んでから来れればいいのですが。
いま見張りはカップ君に。
カップ君は臨時でですが、こちらで。
ワイプ様にお願いしています。
わたしは、ここで待機です。

帰り際にわたしの、わたしの妻たちや妹のことを話していたので。
ええ、妻たちです。


「嫁を2人迎えに行くっていう話もなくなったんだろ?
いま話題のドーガー様は!ザマーミロ!!」
「向こうから来たらしい。一家でな。」
「なんだよ!それ!!」
「あれだろ?ボルタオネの領主館で働いてる使用人だろ?
へー。いい時にこっちに来たもんだ。」
「なんだ?ボルタオネだろ?なんかあるのか?」
「いや、なにも。じゃ、その女2人はどこに?」
「ん?館近くの空き家だそうだ。たしか、偏屈な男が一人住んでる。
ドーガーの師匠らしいぞ?なんのかは知らんがな。」
「領主も結構頻繁に出入りしてる。
そこで、儲けた金の管理をしているかもしれないな。
少し前に噂になっただろ?生産院の資産を受け取ったって。
どこに隠してるんだか。館はくまなく探したんだ。でもなかった。
館内で隠してると持っていたけど、外で管理してるかもしれないな。」
「面白い話だな。しかし、今ドーガーは休みになったんだろ?
八合わせたらどうにもならないぞ?次席なんだから。」
「そういう肩書がついているだけだ。
俺だって多少の心得はあるが、いまは全く!
腑抜けもいいところだ。こっちは4人だ。おっさんと、女2人。
その家族も来てるだろうが、知れてるだろ?
そこにドーガーがいても先に2人をこっちに抑えればいい。」
「いいな。女を紹介すれば1人50なんだ。」
「紹介で?女には?」
「おんなじ。300だ。だが、女はおしゃべりだ。
俺もまだ紹介したことはないな。
向こうからは女は?て催促来るんだけどな。」
「女も弾づくり?」
「違うだろ?男ばかり集めて4か月だぞ?
女でもいないと暴動が起きるだろ?
たぶんそっちだな。」
「うわ、ひでーな。けど、よくわかってる。
じゃ、先に手をつけて置くほうがいいな。」
「お前のその考えがひでーよ。でも、いい考えだ。」
「お前、ドーガーの妹は?やってるんだろ?」
「けっ!結婚の約束をしたらその相手だけだ。
俺だって他の女を抱きたいさ。」
「なんだよ。じゃ、なんで約束なんかしたんだ?」
「ドーガーより先に結婚したかったんだよ。じゃなきゃ、誰が!」
「お前が一番ひでー!」
「じゃ、妹も呼べよ。」
「そうだな。
遅くなるが引っ越し先に差し入れを持っていくって言っておこうか。」
「ほんと、お前ひでーな。はははははは!!!」


ええ、その伝言もいつも一緒にいる友人を通して来ました。
その友人たちですか?うまく利用されているだけですね。
確認済みです。
今は母と妹といっしょにルグさんの家に。
妹にはすべて話しています。
え?早々に決めていなければ、こっちから先にほかの男に行っていたと。
ええ、わかったいます。やはり、落ち込んでいましたので。
それを!腹立たしいことに、ルグさんの息子が、
慰めていました。で、2人もまた、かわいいと。
ええ、侍らしていますよ!!送って行ったんですが、
帰り際の顔!!ああ、腹の立つ!!
ああ、失礼しました。
ま、いいのです。それは。
え?顔ですか?いやはや、ははははは!
こう、両方からぎゅって!!見送ってもらいましたので。
ははははは!!!!



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