いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

文字の大きさ
557 / 869

557:主従

しおりを挟む
「ええ。わかりました。
では、トックスさんとソヤは姉さんが移動すると。
そうですか、ソヤはあのあいさつを知っているんですね。
あまり知られていません。する人もいませんから。
ソヤの生まれた場所は本当にあらゆる情報、知識が流れ込むようですね。」

一息ついたセサミンは納得してくれた。
王さん関係、ドロインさん、特にタトーロイン卿が絡む話は要注意だ。
そのときは傍にマティスを配置しよう。


「そそ。そんな予定で。」
「では、今から、あの絶壁の家に?」
「うん。上空、地中とね習得したから。
境界石をぐるっと見てくるよ。」
「砂漠側はないでしょうね。もちろん海側も。」
「そうか。じゃ、境界石は?」
「ピクト側とデルサートルですね。ナルーザには接していないはずです。」
「あ!地図だ地図!」

立方体にしたものを天井に設置していたのだ。
わたしの今!という言葉で、真下のもの撮影。
それを引き延ばすのだ。拡大コピーをしても劣化はない。
流石先生!1億画素ぐらいで撮影しているかんじだ。

「これ!大陸地図!」
「やめてーー!!」

セサミンは倒れはしないけど絶叫した。
ここは執務室だからいいけど、他だったら丸聞こえだ。
ルグとドーガーは接待に行ってるからいない。
その気の緩みかな?

「他の人にはダメ!!姉さんが見るだけ!
兄さん!いいですね!」
「そうだな。うむ。こうしてみると、私の書いたものとほぼ同じだな。」
「さすが!」
「え?兄さん?地図がかけるんですか?」
「書けるぞ?軍での作戦開始時に地図での説明があるからな。
何度か見れば覚える。」
「わたしも何度も見ていますよ?しかし、描けない。
覚えていないわけではないんですよ?
頭の中には描ける。が、いざ、それを紙にかき出すことはできない。
いや、違うな。そんなことはしない、できない。」
「あら?意外なところで制限がかかってるね。」
「!制限!」
「そうなるね。まー、マティスは外れてるから。」
「そうですか。」
「見るのはかまわないよね?こことここ?」
「ええ。ピクトは中央西砂漠にも通じていますが、
山脈があるので行き来はしていないですね。権利も放棄しています。」
「じゃ、砂漠の物をとってもいい?」
「もちろん。砂漠の産物は誰のものではない。ただ、協定があるだけです。
新たな土地のピクト側はふどこも権利を主張していませんから。
デルサトール側はもともと風が強くて人も入れません。
境界石はそのギリギリのところで区切っているでしょうね。」
「そうか。とりあえず、一周廻ってみるよ。
これ、ご近所さんに挨拶とかいる?」
「え?」
「今度、新しくここの管理者になりました。これからよろしくお願いしますって。
菓子折り持っていくの。」
「ない!そんなことしない!しないで!!」
「うん。わかった。」

よかった、先に聞いておいて。


「次の臨時会合の時に話は出るでしょうね。
ラーゼムが会合に出るのは新年以降だ。
あの女、リアーナ?驚きましたね。会食での話ですが、
主導は全てあの女性だったとか。」
「領主としてより豊かにするってことになればいい領主さんいなりそうだけど、
己の為だけって感じだからだめだろうね。」
「ええ。」
「教育係ってのは?」
「これも独立した院です。学院ですが。
しきたりなんかを一通り。子供のころから学んでいても、
一からです。さぼることもできない。
とにかく叩き込まれます。」
「礼儀も?」
「もちろん。」
「いいな。それ、わたしも受けたいな。」
「どうして?」
「ん?わたし礼儀作法あってる?食事の作法とか?」
「ええ。素晴らしいですよ?」
「そう?知らないことばかりだから。」
「ああ、それはその都度聞いていただければ。
食事に関してはなにも。」
「そうなの。よかった。」

かーちゃん、外で恥はかいてないよ。
ありがとう!

あとは領主の力が備わっているかどうか確認もするそうだ。
一番分かりやすい浄化の力を見るらしい。
できなければ認められないということだ。
そうなるとどうなるの?と聞けば、
そんなことは今までになかったはずだから知らないとのこと。
ふーん。
知ったことではないね。

ここから、あの土地にいくには、
王都経由のピクトに入国、港町ギーから船でデルサートルのテルニに、
というのが一般的だ。
が、船を使うと時間がかかるので、そのまま、山脈沿いを走るとしておこう。
どちらにしろ移動するからね。
ピクトの山脈沿いは検問がないから、問題はない。
トウミギを頼んだ村、ウダーに寄ってから行こうかな。

ニックさんの特訓期間はいま、カップ兄弟たちだ。
離れはじめの月になれば、ルカリさんことリカの兄貴がやってきて、
ルグたちの特訓が始まる。
合わずの月以降がわたしたちだ。それから、臨時会合、
混合いはじめまで裏街道!楽しみ!

翌月が雨の月。
メイガ、カエル、ナマコ狩りと忙しい。
雨じまいの食料確保は今月中にしておかないと。
冷蔵庫、冷凍庫に使う板状の砂漠石の加工、
制限は既にセサミンと済ませている。
今年度販売数は終了だ。
これで一度様子を見るとのこと。改良も多少出てくるだろう。
タオル、ゴムと順調。
本年度の収益は、今の時点で、
砂漠石が出ていた時よりも3割減で納まっているとか。
雨の日の後2ヵ月あり、それから新年。

生産院のメディングに話したことと同じようなことを
セサミンにも話しておく。

「砂漠石を確保しているというのは公にはなっていません。」
「ばれれば、追徴課税ってやつ?」
「それを見つけれることができればね。
どの領主もそれなりに確保はしている。秘密の場所に。
ナソニールはそれさえもないのでしょうね。」
「あれからなんか動きがあった?」
「特には。雨の日のあと、5日まで猶予が与えられたんだ。
逃げ準備か、金を集めるか。
あの道具屋には何かあれば頼ってほしいとはいってるので、
領民に無茶な課税を駆ける話が出れば知らせてくるでしょう。」
「そうか。わたしも、頼んでいるもものがあるから、
引き取りに行くときにそれとなく見てくるよ。」

たこ焼き器とおろし金、ステーキ皿だ。
今回の会食で出せればよかったけどね。
まずは身内にお披露目がいいからね。


「戻ってくる。」

ルグとドーガーだ。

「では、セサミナ、いや、領主セサミナ様。
かの地の贈与、まことにありがたく。
かの地で豊かさを生み出して見せましょう。」
「我が領民であり、我が兄、マティス。
かの地の繁栄はこのコットワッツも繁栄する。
精進されよ。」
「はっ。」


あん、かっこいい!
わたしは写真を撮ってますよ?
砂漠石を引き延ばせるってわかったからね。あんな大きな板をかざす必要はない!

兄弟で、しかも、弟兄で主従っていいよねー。

「愛しい人?今何をした?」
「姉さん?何をしてました?」
「趣味です!」

ノックがあったので、どーぞーとわたしが声を出した。

「失礼します。奥方様、お元気そうで何より。」
「スビヤンさんも。」
「愛しい人!話をそらすな!」
「姉さん?例のあれですよね?今の?
取り上げないので見せてください。」
「セサミナ!」

『ルグ!ドーガー!マティスを押さえろ!!』

「な!」

「旦那は流石にお目が高い!
これを。あ、スビヤンさんも見る?セサミン?いい?」
「え?これ?はー、いい!すごくいい!
スビヤン?他言無用だぞ?」
「なんでしょうか?
え?はー、いい!すごくいい!
ご立派になられて!!」

感無量だ。

「愛しい人!セサミナ!!」

マティスを押さえることなんぞ、ルグとドーガーにできるわけがない。
だけど、わたしがが言うんだ、マティスが本気で抵抗することもない。
3人で、ワニワニしている。


「これほしい!」
「ん?んー、今度アルバム、いっぱい撮って本みたいにしたのを作るよ。
それをあげるね。じゃないと、どんどんたまっていくよ?」
「いっぱい!それがいい!!」
「うん、楽しみにね。」
「セサミナ様、それわたしにもぜひお見せください。」
「もちろんと言いたいが、厳選したものを見せよう。
姉上のことだから、わたしのよからぬ姿も入るやもしれんからな。」
「モウ様?わたしに直接おみせください。」
「いいよー。」
「愛しい人!」
「姉さん!!」

抜け出したマティスが取り上げようとするが、そんなの貯蔵庫に移動だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった

仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

処理中です...