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584:高額納税者
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「許可書か!赤字だね!クスナさんにいろいろ売りつけて
元は取らないとね!」
「本人目の前にして言うな!」
「あははは!あれ、どうするの?」
「街の連中を言いくるめたようなんだ。
きっちり話をつけるよ。迷惑かけたな。」
「いいよ。王子さん関係は?入国税の入れ知恵はしたんだと思うけど?」
「様子を見には来ているな。
あの土地に入れるものと入れないものがいるんだと。
ただの様子を見てこいと言われたものは問題ないんだ、
報告は何もないってだけで。
その上役や、ここに来た連中だと、はじかれると。
プカプカを捨てに行くのは別段問題は無いんだ。」
「そう。管理費の500は?足りる?」
「十分だよ。荷車も新しくできるし、倉庫の屋根もな。
それを嗅ぎつけてな、自分たちでするって。
きちんとしてくれれば、いいんだよ。
荷下ろしの仕事もしない、してるのはプカプカの倉庫で、酒飲んるだけ。
あんたの言う通りなんだ。
王都に報告するよ。」
「ん?あの場所に入れないんだったら仕方がないけど、
反省して、きちんとするなら、もう一度雇ったら?」
「あんた、甘いな?俺もだけど。
もう一度っていうのが今回だったんだよ。もうだめだ。
兄貴の時みたいにズルズルしてると、手に負えなくなる。」
「あー、そうか。そうだね。うん。王都に連絡したらどうなるの?
強制労働?」
「だろうな。」
「・・・・。」
「あんたが気に病むことはないだろ?
たまたま強かったから無事だったんだ。
あいつらより弱かったら、容赦なく殺されてた。
他の旅人や行商を襲うかもしれない。
いま、ここで王都に付き出すほうがあいつらの為にもいいんだよ。
いいことしたんだよ。ありがとうな。」
「うん。うん。」
「ティス?あんたからもなにか言ってやって。」
「ああ、クスナがそういってくれればそれでいい。
愛しい人?あれらは極悪人だったんだ。誰もいなかったら、
抹殺してもよかったんだ。」
「マティス、そんなこと言ってなかったじゃん。」
「少し気になる視線を感じたからな。
あの王子絡みの見張りだろう。
あまり騒ぎを大きくしないほうがいいと思たんだがな。
あなたが気に病むぐらいなら、私が先に始末したのに。
いまからしておこうか?」
「うふふふ。もう、いいよ。あとはクスナさんがしてくれるんだから。」
「え?俺が始末するの?」
「もう!違うよ!王都に引き渡すんでしょ?
それ以外何もできない。うん。
できいることをしたものね。
じゃ、行商に出来ることをしよう。
カンターウォーマー、できましたよ!」
これは5つほど。
お店用に2台と、個人で1台。
残り2つは欲しがる客に売ると。
タオルも補充。プカプカの買い取りは次回だ。
あとはクスナさんの焼いたクッキーで
コーヒータイム。
チーズがたくさん入ったクッキーがおいしい。
お菓子というよりもお酒の友だ。
「チーズが沢山あるからな。余り気味なんだよ。」
「チーズフォンデュがいいよ。
チーズと葡萄酒ある?」
まだ半分にはなっていないが、お昼ご飯にしよう。
紙鍋と樹石があればいい。
「夜食にいいかな?」
「ヤショク?いつ食べるんだ?」
「ん?夜食の定義?
月が沈んだあとにご飯食べるでしょ?それが晩御飯。
で、遅くまでお仕事か、遊んだりして、少しおなかすいたなーって時?」
「これは?」
「月が沈んで半分で食べるお昼ご飯。ちょっと早いけど。
月が沈んだら食べるのが朝ごはん。
お昼ご飯お前に食べるちょっとしたものが10時のおやつで、
お昼ご飯と晩御飯の間に食べるのが3時のおやつ。」
「・・・・赤い塊のモウは1日5回飯を食うというのは本当だったんだ。」
「クスナ?違うぞ?今の話だと6回だ。
それも違うな、愛しい人は腹がすいたら食べる。
会わずの月前は、もっとだ。」
「おうおう!2人とも、喧嘩売ってのか?買うぞ?」
「事実だ。あ!こういうのがダメなんだな?クスナ!お前が悪い!」
「・・・いいよ。事実だもの。事実は否定しないんだよ。
師匠もそう言ってた。あ!ゆっくりはできないんだ。
ソヤを連れてこないと。帰るよ!!」
「もっとゆっくりできないのか?」
「うん、混合いはじめまでぐらいまで忙しいかな?
それが終わったらゆっくり泊まりに来ます。」
「そうか、そうしてくれ。」
「ダルカナとアガッターとミフィルさんの話なんかあります?」
「ダルカナの取り消しだろ?あとは?
あの2人の話?」
「んー、なんか喧嘩したらしいけど、ヘレーナさん曰く、
それはわざとだから関わるなって。」
「?」
「よくわからんけど、関わりたくないからどうでもいいかな?」
「こっちはそうもいかんよ。
向こうからくる話がほとんどだからな。」
「なんか、面白話か、おいしいもの話有りますか?」
「飯の話?」
「この時期に出回る旬の食べ物とか。
魚のおいしい季節はそろそろ終わり?」
「魚はまだまだうまいな。
毛長ポットが乳をたくさん出すんだ。
で、チーズを作るだろ。
今の時期は大量に出回る。いつより安い。」
「お買い得なんだ!次来た時買うよ!」
「いやまて!買っても、半分は赤くなる。
だから倍買わないとダメなんだ。」
「赤い?色が変わるの?」
「食べ物でも、ずっとおいていたら、黒くなるだろ?
それがチーズだと赤い。
さっきのクッキーに入れたのはその赤いのを取って入れたんだよ。
もったいないからな。これは、細かくして溶かすからいいな。」
「赤いの?食べれないの?」
「舌がしびれる。たまに酒好きが食べてるな。
しびれるのがいいらしい。が、それ以外は食べない。」
「買います!!」
「クスナ、毒ではないんだな?」
「それはないな、しびれるんだよ。それだけだ。」
「愛しい人?」
「酒好きが好む味なんだよ!試さなくてどうするの!!」
「「・・・・。」」
なんて素晴らしいんだろう!
青かびチーズじゃなくて赤カビなんだ。
ゴルゴンゾーラのパスタ大好き!!
はちみつ掛けるのも。
ん?種類が違うんだっけ?
なんでもいい!あるだけ持ってこい!!
大量購入。
素晴らしい!が、匂いがすごい。でも、大丈夫。
わたし一人で試すから!!
クスナさんと別れて、
ティータイに戻り、ソヤと合流。
では、混合いはじめまで、資産院で稼いできますと、
親方たちに伝えた。
豆ソースは今は何もしなくていいらしい。
鍛錬の基礎も教わっている。
寝泊まりはツイミさんのところで。
毎日の鍛錬は、基礎体力作りなので、1人でもできるとのこと。
たまにルビスとチュラル、両名が相手をしてくれる。
豆ソースの開発者はソヤという謎の人物。
王都では偽名を使うことになっている。
「名前なにがいい?」
「自分で決めれんの?」
「うん。好きなの。ちなみにうちの母さんは
なんかあるとフランソワーズって名乗ってた。」
「じゃ、それで。」
「いや、女の人の名前だから。男の人だとフランソワだったかな?」
「男と女で違うの?変なの。」
男名、女名というのはないんだね。
「じゃ、フランソワでいい。」
「・・・長いから呼ぶときはフランでいい?」
「うん。」
本名は大事だけど、それ以外にこだわりはないようだ。
大門前まで移動して、一緒に中に入ろうとすると、
ソヤことフランからストップがかかった。
「え?なんでそっちから?俺はこっちだよ?」
えらいさんは当然、大門。
一般人、商人等も。
が、フランが言うところの自分たち、庶民は裏から廻るのが常識だそうだ。
じゃ、わたしたちもそっちから行ってみようか。
「にーちゃんたちは逆にまずいんじゃないか?」
「なんで?」
「剣のマティスと赤い塊モウだろ?
で、セサミナ様から土地も拝領したんだから、庶民じゃないよな?」
「え?差別だよ?それ。」
「フラン?咎められたら大門から入ればいい。
愛しい人がそっちから入りたがっているから案内してくれ。」
「にーちゃんはねーちゃんに対して甘いよな。」
「当然だろう?」
「・・・そうだね。」
フランもいまさらなことに納得しないで。
結局誰もなにも咎めることなく中に入ることができた。
警備的に大丈夫なのだろうか?
シートが案内してくれた下町よりちょっと不衛生な場所を通っていく。
「あれなんだろ?豆?」
籠に山盛りの丸いものが売っていた。
丸いから豆とは限らない。
虫の何かかもしれないのだ。
それは香辛料のバサールで学習済みだ。
「ジュグラムだよ。木の実だ。あんまりおいしくないよ。」
「木の実!初めて見たよ。小さいね。こっちはなんでも大きいから。」
「元は大きいよ?ほらあれ。あの中にいっぱい入ってるのがこれ。
割るのも固いし、おいしくないけど、腹は膨れるんだ。
雨の日の間に食べるんだよ。
マトグラーサだけかと思ってた。こっちにも売ってるんだ。
今ぐらいから出回るんだよ。」
「フラン、すごいね。物知りだ。マティス、これ知ってた?」
「知らん。食べたこともない。」
「砂漠じゃないだろね。」
雨支度の食料が出回っているという。
もちろん、片っ端から買った。
今の時期は高いよと言われたが、安い時に大量買いするほうが
ひんしゅくを買うだろう。
木の実を数種類。
みんなマトグラーサ産だそうだ。
こっち、王都にマトグラーサ出身の人が大量に来ているということだろう。
満足のいく買い物ができて、王都に向かう。
なるほど、ここで検問ですよ。
「保証人は?」
「保証人がいるのか、王都に入るのに?」
「当たり前だろ?」
「フランは今までどうしてたの?」
「マトグラーサだっていえば通れたけどな。」
「マトグラーサ?あんたら2人は違うだろ?ダメだ。」
マトグラーサ出身ってどこでわかるんだろ?
服?違うよね。
「保証人は王都の人間ならだれでもいいのか?」
「王都に住んでいるものだったらな。」
いかにもそんな奴に知り合いはいないだろうという感じで言われた。
「生産院のメディングだ。」
「はぁ?でたらめいうな!知ってる名前を言えと言ってるんじゃない!
保証人だぞ?お前が王都内で行うすべてのことを保証する人物だ!!」
「ティス、なんで師匠の名前言わないの?」
「なんか嫌だった。」
「大事だもんね。」
「・・・・その話な。やはり違うような気がするんだが?」
「ん?セサミンも納得してたよ?」
「そうなのか?」
「うん。じゃ、資産院のワイプ殿で。」
「知ってる名前じゃだめだといっただろ!!」
(ワイプ来れるか?)
(いまどこですか?王都ですよね?)
「フラン?ここはどこだ?なんという場所だ?」
「名前なんてしらないよ?」
「そうか。門番殿?この場所の名前は?
ワイプに直接来てもらう。」
「資産院?ここにか?」
「ここの名前は?」
「・・・・外れの門だ。
呼ばなくていい。1人10リング払えば通してやるぞ?」
(外れの門だ)
(またおかしなところにいますね。すぐに)
「モウ!えーと、フランソワ?も来てくれたんですね。マティス君も。
それとキャナサン殿でしたね?
この3人に何をしました?」
「な、何も。」
「10リングで通してやるって。」
「女!嘘をつくな!あぁ・・・・」
「マティス君!なに気をあててるんですか?
ちょっと!そこの人!資産院ワイプです。彼を運んで。
目が覚めたら、資産院に来てくれるように言伝を。
来ない場合は近いうちに伺うと伝えてください。
再度通達しますが、保証人がいない場合は王都内に入ることはできません。
ここでリングを徴収して中に入れることも違法です。
どうしても中に入る用事があるのなら大門に廻るように指示してください。」
どうやら、この門番は保証人がいない人を
1人10リングで通していたらしい。
当然違法だ。
マトグラーサ出身を何もなしで通すのも違法だ。
「資産院に呼んだのは?」
「違法でも収入ですからね。納税を。」
「厳しいですね。」
「当然ですよ?で?どうしてここから?」
「俺はいつもこっちだから。」
「そうですか。フラン?次回からは大門で。
わたしの名前を出してくれていいので。」
「大門とこっちと、なんか違いがあるんですか?」
「大門からの出入りは、いろいろと安全性が保障されます。
外門、外れの門からでも保証人がいれば同じように。
が、マトグラーサ出身というだけで通していたり、
リングを出して通って入れば、王都としては把握できない。
行方不明になってもね。
一体どれだけの人間がここに出入りしているのか。」
「それは怖いですね。」
「ええ。どれだけここで稼いでそんまま抜け出ているかと思うと
ゾッとしますね。」
「ああ、そっち。」
「俺、払ったことないよ?」
「これからは払ってくださいね。
今回の収入に対しても納税義務はありますから。
そのあたりも勉強しましょう。」
「えー。」
「勉強すれば無駄な税金を払わなくて済みますよ?
モウも勉強しますか?」
「ノン!それ系を勉強するぐらいなら高額納税者になります!!」
「それは頼もしい。お願いしますね。」
「はい!!」
なんか違う気がするが、気のせいだな。
元は取らないとね!」
「本人目の前にして言うな!」
「あははは!あれ、どうするの?」
「街の連中を言いくるめたようなんだ。
きっちり話をつけるよ。迷惑かけたな。」
「いいよ。王子さん関係は?入国税の入れ知恵はしたんだと思うけど?」
「様子を見には来ているな。
あの土地に入れるものと入れないものがいるんだと。
ただの様子を見てこいと言われたものは問題ないんだ、
報告は何もないってだけで。
その上役や、ここに来た連中だと、はじかれると。
プカプカを捨てに行くのは別段問題は無いんだ。」
「そう。管理費の500は?足りる?」
「十分だよ。荷車も新しくできるし、倉庫の屋根もな。
それを嗅ぎつけてな、自分たちでするって。
きちんとしてくれれば、いいんだよ。
荷下ろしの仕事もしない、してるのはプカプカの倉庫で、酒飲んるだけ。
あんたの言う通りなんだ。
王都に報告するよ。」
「ん?あの場所に入れないんだったら仕方がないけど、
反省して、きちんとするなら、もう一度雇ったら?」
「あんた、甘いな?俺もだけど。
もう一度っていうのが今回だったんだよ。もうだめだ。
兄貴の時みたいにズルズルしてると、手に負えなくなる。」
「あー、そうか。そうだね。うん。王都に連絡したらどうなるの?
強制労働?」
「だろうな。」
「・・・・。」
「あんたが気に病むことはないだろ?
たまたま強かったから無事だったんだ。
あいつらより弱かったら、容赦なく殺されてた。
他の旅人や行商を襲うかもしれない。
いま、ここで王都に付き出すほうがあいつらの為にもいいんだよ。
いいことしたんだよ。ありがとうな。」
「うん。うん。」
「ティス?あんたからもなにか言ってやって。」
「ああ、クスナがそういってくれればそれでいい。
愛しい人?あれらは極悪人だったんだ。誰もいなかったら、
抹殺してもよかったんだ。」
「マティス、そんなこと言ってなかったじゃん。」
「少し気になる視線を感じたからな。
あの王子絡みの見張りだろう。
あまり騒ぎを大きくしないほうがいいと思たんだがな。
あなたが気に病むぐらいなら、私が先に始末したのに。
いまからしておこうか?」
「うふふふ。もう、いいよ。あとはクスナさんがしてくれるんだから。」
「え?俺が始末するの?」
「もう!違うよ!王都に引き渡すんでしょ?
それ以外何もできない。うん。
できいることをしたものね。
じゃ、行商に出来ることをしよう。
カンターウォーマー、できましたよ!」
これは5つほど。
お店用に2台と、個人で1台。
残り2つは欲しがる客に売ると。
タオルも補充。プカプカの買い取りは次回だ。
あとはクスナさんの焼いたクッキーで
コーヒータイム。
チーズがたくさん入ったクッキーがおいしい。
お菓子というよりもお酒の友だ。
「チーズが沢山あるからな。余り気味なんだよ。」
「チーズフォンデュがいいよ。
チーズと葡萄酒ある?」
まだ半分にはなっていないが、お昼ご飯にしよう。
紙鍋と樹石があればいい。
「夜食にいいかな?」
「ヤショク?いつ食べるんだ?」
「ん?夜食の定義?
月が沈んだあとにご飯食べるでしょ?それが晩御飯。
で、遅くまでお仕事か、遊んだりして、少しおなかすいたなーって時?」
「これは?」
「月が沈んで半分で食べるお昼ご飯。ちょっと早いけど。
月が沈んだら食べるのが朝ごはん。
お昼ご飯お前に食べるちょっとしたものが10時のおやつで、
お昼ご飯と晩御飯の間に食べるのが3時のおやつ。」
「・・・・赤い塊のモウは1日5回飯を食うというのは本当だったんだ。」
「クスナ?違うぞ?今の話だと6回だ。
それも違うな、愛しい人は腹がすいたら食べる。
会わずの月前は、もっとだ。」
「おうおう!2人とも、喧嘩売ってのか?買うぞ?」
「事実だ。あ!こういうのがダメなんだな?クスナ!お前が悪い!」
「・・・いいよ。事実だもの。事実は否定しないんだよ。
師匠もそう言ってた。あ!ゆっくりはできないんだ。
ソヤを連れてこないと。帰るよ!!」
「もっとゆっくりできないのか?」
「うん、混合いはじめまでぐらいまで忙しいかな?
それが終わったらゆっくり泊まりに来ます。」
「そうか、そうしてくれ。」
「ダルカナとアガッターとミフィルさんの話なんかあります?」
「ダルカナの取り消しだろ?あとは?
あの2人の話?」
「んー、なんか喧嘩したらしいけど、ヘレーナさん曰く、
それはわざとだから関わるなって。」
「?」
「よくわからんけど、関わりたくないからどうでもいいかな?」
「こっちはそうもいかんよ。
向こうからくる話がほとんどだからな。」
「なんか、面白話か、おいしいもの話有りますか?」
「飯の話?」
「この時期に出回る旬の食べ物とか。
魚のおいしい季節はそろそろ終わり?」
「魚はまだまだうまいな。
毛長ポットが乳をたくさん出すんだ。
で、チーズを作るだろ。
今の時期は大量に出回る。いつより安い。」
「お買い得なんだ!次来た時買うよ!」
「いやまて!買っても、半分は赤くなる。
だから倍買わないとダメなんだ。」
「赤い?色が変わるの?」
「食べ物でも、ずっとおいていたら、黒くなるだろ?
それがチーズだと赤い。
さっきのクッキーに入れたのはその赤いのを取って入れたんだよ。
もったいないからな。これは、細かくして溶かすからいいな。」
「赤いの?食べれないの?」
「舌がしびれる。たまに酒好きが食べてるな。
しびれるのがいいらしい。が、それ以外は食べない。」
「買います!!」
「クスナ、毒ではないんだな?」
「それはないな、しびれるんだよ。それだけだ。」
「愛しい人?」
「酒好きが好む味なんだよ!試さなくてどうするの!!」
「「・・・・。」」
なんて素晴らしいんだろう!
青かびチーズじゃなくて赤カビなんだ。
ゴルゴンゾーラのパスタ大好き!!
はちみつ掛けるのも。
ん?種類が違うんだっけ?
なんでもいい!あるだけ持ってこい!!
大量購入。
素晴らしい!が、匂いがすごい。でも、大丈夫。
わたし一人で試すから!!
クスナさんと別れて、
ティータイに戻り、ソヤと合流。
では、混合いはじめまで、資産院で稼いできますと、
親方たちに伝えた。
豆ソースは今は何もしなくていいらしい。
鍛錬の基礎も教わっている。
寝泊まりはツイミさんのところで。
毎日の鍛錬は、基礎体力作りなので、1人でもできるとのこと。
たまにルビスとチュラル、両名が相手をしてくれる。
豆ソースの開発者はソヤという謎の人物。
王都では偽名を使うことになっている。
「名前なにがいい?」
「自分で決めれんの?」
「うん。好きなの。ちなみにうちの母さんは
なんかあるとフランソワーズって名乗ってた。」
「じゃ、それで。」
「いや、女の人の名前だから。男の人だとフランソワだったかな?」
「男と女で違うの?変なの。」
男名、女名というのはないんだね。
「じゃ、フランソワでいい。」
「・・・長いから呼ぶときはフランでいい?」
「うん。」
本名は大事だけど、それ以外にこだわりはないようだ。
大門前まで移動して、一緒に中に入ろうとすると、
ソヤことフランからストップがかかった。
「え?なんでそっちから?俺はこっちだよ?」
えらいさんは当然、大門。
一般人、商人等も。
が、フランが言うところの自分たち、庶民は裏から廻るのが常識だそうだ。
じゃ、わたしたちもそっちから行ってみようか。
「にーちゃんたちは逆にまずいんじゃないか?」
「なんで?」
「剣のマティスと赤い塊モウだろ?
で、セサミナ様から土地も拝領したんだから、庶民じゃないよな?」
「え?差別だよ?それ。」
「フラン?咎められたら大門から入ればいい。
愛しい人がそっちから入りたがっているから案内してくれ。」
「にーちゃんはねーちゃんに対して甘いよな。」
「当然だろう?」
「・・・そうだね。」
フランもいまさらなことに納得しないで。
結局誰もなにも咎めることなく中に入ることができた。
警備的に大丈夫なのだろうか?
シートが案内してくれた下町よりちょっと不衛生な場所を通っていく。
「あれなんだろ?豆?」
籠に山盛りの丸いものが売っていた。
丸いから豆とは限らない。
虫の何かかもしれないのだ。
それは香辛料のバサールで学習済みだ。
「ジュグラムだよ。木の実だ。あんまりおいしくないよ。」
「木の実!初めて見たよ。小さいね。こっちはなんでも大きいから。」
「元は大きいよ?ほらあれ。あの中にいっぱい入ってるのがこれ。
割るのも固いし、おいしくないけど、腹は膨れるんだ。
雨の日の間に食べるんだよ。
マトグラーサだけかと思ってた。こっちにも売ってるんだ。
今ぐらいから出回るんだよ。」
「フラン、すごいね。物知りだ。マティス、これ知ってた?」
「知らん。食べたこともない。」
「砂漠じゃないだろね。」
雨支度の食料が出回っているという。
もちろん、片っ端から買った。
今の時期は高いよと言われたが、安い時に大量買いするほうが
ひんしゅくを買うだろう。
木の実を数種類。
みんなマトグラーサ産だそうだ。
こっち、王都にマトグラーサ出身の人が大量に来ているということだろう。
満足のいく買い物ができて、王都に向かう。
なるほど、ここで検問ですよ。
「保証人は?」
「保証人がいるのか、王都に入るのに?」
「当たり前だろ?」
「フランは今までどうしてたの?」
「マトグラーサだっていえば通れたけどな。」
「マトグラーサ?あんたら2人は違うだろ?ダメだ。」
マトグラーサ出身ってどこでわかるんだろ?
服?違うよね。
「保証人は王都の人間ならだれでもいいのか?」
「王都に住んでいるものだったらな。」
いかにもそんな奴に知り合いはいないだろうという感じで言われた。
「生産院のメディングだ。」
「はぁ?でたらめいうな!知ってる名前を言えと言ってるんじゃない!
保証人だぞ?お前が王都内で行うすべてのことを保証する人物だ!!」
「ティス、なんで師匠の名前言わないの?」
「なんか嫌だった。」
「大事だもんね。」
「・・・・その話な。やはり違うような気がするんだが?」
「ん?セサミンも納得してたよ?」
「そうなのか?」
「うん。じゃ、資産院のワイプ殿で。」
「知ってる名前じゃだめだといっただろ!!」
(ワイプ来れるか?)
(いまどこですか?王都ですよね?)
「フラン?ここはどこだ?なんという場所だ?」
「名前なんてしらないよ?」
「そうか。門番殿?この場所の名前は?
ワイプに直接来てもらう。」
「資産院?ここにか?」
「ここの名前は?」
「・・・・外れの門だ。
呼ばなくていい。1人10リング払えば通してやるぞ?」
(外れの門だ)
(またおかしなところにいますね。すぐに)
「モウ!えーと、フランソワ?も来てくれたんですね。マティス君も。
それとキャナサン殿でしたね?
この3人に何をしました?」
「な、何も。」
「10リングで通してやるって。」
「女!嘘をつくな!あぁ・・・・」
「マティス君!なに気をあててるんですか?
ちょっと!そこの人!資産院ワイプです。彼を運んで。
目が覚めたら、資産院に来てくれるように言伝を。
来ない場合は近いうちに伺うと伝えてください。
再度通達しますが、保証人がいない場合は王都内に入ることはできません。
ここでリングを徴収して中に入れることも違法です。
どうしても中に入る用事があるのなら大門に廻るように指示してください。」
どうやら、この門番は保証人がいない人を
1人10リングで通していたらしい。
当然違法だ。
マトグラーサ出身を何もなしで通すのも違法だ。
「資産院に呼んだのは?」
「違法でも収入ですからね。納税を。」
「厳しいですね。」
「当然ですよ?で?どうしてここから?」
「俺はいつもこっちだから。」
「そうですか。フラン?次回からは大門で。
わたしの名前を出してくれていいので。」
「大門とこっちと、なんか違いがあるんですか?」
「大門からの出入りは、いろいろと安全性が保障されます。
外門、外れの門からでも保証人がいれば同じように。
が、マトグラーサ出身というだけで通していたり、
リングを出して通って入れば、王都としては把握できない。
行方不明になってもね。
一体どれだけの人間がここに出入りしているのか。」
「それは怖いですね。」
「ええ。どれだけここで稼いでそんまま抜け出ているかと思うと
ゾッとしますね。」
「ああ、そっち。」
「俺、払ったことないよ?」
「これからは払ってくださいね。
今回の収入に対しても納税義務はありますから。
そのあたりも勉強しましょう。」
「えー。」
「勉強すれば無駄な税金を払わなくて済みますよ?
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