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590:個人資産
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「・・・ガイライ殿は知ってた?なんで平気なんですか?」
「わたしの臣だからね。」
「ああ、そうか。ちょっとまって!マティス君?コーヒー入れてもらえる?」
「あ!わたしもほしいな。その菓子と。ここで食べたい。」
「わがままだな?」
「マティス君!やめて!」
「うむ。ワイプのこの顔をさせたことに免じて入れてやろう。感謝しろ?」
「師匠?わたしから話す?それとも帰ってもらう?
よく考えたら師匠1人が苦労することないもん。わたし砂漠行ってくるよ?」
「私も行くぞ?愛しい人と競争できるからな。」
「まってほんと、大丈夫。すーーーはーーーー。」
深呼吸をする師匠。
話している間、ずっと下を向いていた。
シュークリームをかぶりつくラーフィング。
クリームついてるよ?
手鏡を渡し、自分で拭くように言う。
もちろん熱いおしぼりだ。
さりげなくコットワッツ製品を売り込むのはいいだろう。
コーヒーを一口飲むと顔を上げ、
師匠は話し始めた。
「王、我らが唯一の王よ。
資産院ワイプと申します。財政のことでお願いしたいことがございます。
まず、ニバーセルの資産が、コットワッツの砂漠のように枯渇しているのです。」
「税は上げたな。それでもなお足りぬか?」
「それ以上に砂漠石が値上がりしました。
資産分配で、各院に必要な分だけ分配すれば、新年を待たずに破綻します。」
「いま、我の使える予算はいくらだ?」
「10億です。」
「それを補っても?」
「それはできません。雨の日後の、中央でお過ごしになる予算です。」
「そうだな。いくら足りない?」
「5億。」
「半分で何とかなるのではないか?」
「のちのちに響きます。逆に10億でも多少の我慢が必要なんですよ。」
「そうか。その念押しか?話というのは?」
「いえ。50億を中央から出させてください。」
「どうやって?」
「砂の中に、鉱物があることはご存じですか?」」
「?砂?砂漠にか?砂漠にあるのは砂漠石か海峡石、
あとは岩塩石だ。」
「あるのです。モウ、桶に水を、それにコットワッツの砂を入れて。
別の桶にはマトグラーサの砂を。」
「はい、師匠。」
浅い桶、2つ用意して、水を入れる。
「これはコットワッツの砂漠の砂です。」
入れれば、砂は沈み、金銀は浮く。鉄も、銅もだ。
「これはマトグラーサの砂。金が豊富です。」
こっちの方がキラキラしている。
「中央砂漠も同じように。
間の砂漠にはなぜか有りません。
砂は沈む。鉱物は浮く。これは皆が知っていること。
が、砂に鉱物があることは知らない。
この話、コットワッツ領主はご存じです。
公表しないのは、砂漠の協定があくまでも砂漠石の協定だからです。
争いが起きる。それはいまは誰も望まない。
近い将来戦争があってもだ。
この話を中央に50億で売ってください。
中央が知っていたとしても口止め料として払うでしょう。」
「・・・・中央も知らないだろうな。
それを教えるのか?たった50億リングで?
教えずに、ニバーセルだけで採取すれば?」
「王よ、わたしを試されるのか?
そんなことをすれば、鉱物資源の価格崩壊だ。
リングを流通通貨として使う以上それは得策ではない。
この大陸にニバーセルがあり、リングを使う以上それはできない。
知っていても使えない情報です。」
「それに中央が50億だすかな?」
「だから、口止め料です。中央にすれば、鉱物、特に金の価格を調整できる。
視察で中央が砂漠に入れば、
何らかの理由をつけて砂を持って帰るでしょうね。
もしくは砂の持ち出しを制限することでしょう。
それは今現時点ではだれも困りはしない。
マトグラーサが弾丸を作るとしても砂漠から持ち出すのは、
固まった砂だ。
あの中に金銀は入っていない。砂鉄のみだ。
これは確認済みです。
砂と砂鉄をなにかで固めている。」
「その話ぶりはなにか知っているということか?」
「今、この話はいいでしょう。
中央の視察が、見なくても認め、見ても認めるところでしょう。」
「それが何かでもか。が、だろうな。それで?」
「昨今の砂漠石の値上がりは異常です。
新年を待たずして何らかの調整が入る。
リングの基本価値の値上げ?石の流通制限?
一番に来ることは金の価格調整です。
砂漠石より、金の方に価値を置くようになると。
これは生産院、メディングの見立てです。
金の確保が最優先だと。
今頃中央は金の確保に動いています。
なのに、砂漠には金が豊富にあるとわかれば、
値上げする意味がない。
口止め料として50億、安いはずです。」
「安いな。5000億で話してみよう。が、これはわたし個人の資産になるぞ?」
「では、今ある10億は資産院で使わせてもらいます。
中央にはそこからお支払いを。」
「そうなるな。うむ。素晴らしい話だった。ん?なんだ?」
「いや、もっと出せよって。」
「モウ!やめて!!お願い!!」
「あはははは!そうしたいが、10億が限度だ。
資産院にある分を資産院が使うだけだからな。
それ以上はどこから調達したかが問題になる。
わたしの中央滞在費は、わたしの気まぐれで、どうとでもなる。
それに、予算があればあるほどいいというわけじゃない。
そこは、さすが資産院というところだろう。」
「そうなの?」
「ええ。十分です。」
「これで、師匠はゆっくり眠れる?」
「ええ、眠れますよ。食べ損ねたシュークリームさえ食べることができればね。」
「よかった。特別にチョコ掛けがあるから朝みんなでね。」
「それは素晴らしい。」
「ん?なんだ?別の味があると?食べたいな。」
「うるさいよ!用事は終わった!帰れ!!」
「やめて!ほんとやめて!!」
「話を聞いたからな。今度は話を聞いてもらうぞ?」
「んー、そういったけ?じゃ、どうぞ?」
「その違う味が食べたい。」
「それが話か?」
「いや、話す前に食べたい。」
「ほんとわがままだな?今食べるとおなかがいっぱいで、
もったいないぞ?もって帰れるようにするから、
後で食べろ。」
「それはうれしいな。」
「で?」
「ああ、話しな。雨の夜会な?あれ、行くだろ?」
「わたしたちか?ありがたいことに招待状をもらっている。
タトーロイン卿から。それに愛しい人問題もあるからな。
知ってるだろう?」
「もちろんだ。こっそりモウに賭けている。」
「間抜けめ!胴元を考えろ!自分の娘が勝つと思っているから
胴元なんだろ?それ以外だとうやむやになっておじゃんだ!」
「嘘!!」
「当たり前だろ?・・・いくらかけた?」
「・・・・10。」
「10リングだったら、勉強料だな。二度とするな。 」
「・・・10万リング。を10口。」
「あんぽんたーん!!!!取り返してこい!!」
「えー。」
「財政難だといったろ?そんなムダ金を使ってどうするんだ?」
「いや、わたしの金だから。」
「?個人の資産と王の年間予算と違うと?」
「違いますよ。王の年間予算はこちらで用意します。
そのほとんどが、中央で使う予算なんですよ。」
「10億?それを3ヵ月ほどで使うの?」
「そうなりますね。中央に払うんですよ。」
「なんだそれ。滞在費ってこと?」
「そういうことです。」
「中央舐めてるね。そんなことで稼いでるんだ。」
コットワッツの砂漠石も中央がパクる説が濃厚になるね。
「モウ?」
「個人の資産でも、無駄遣いだ。取り消せるなら取り消しなさい。」
「そうだな。それはやってみよう。」
「その話?」
「いや、違う。雨の夜会な。」
「うん。」
「なにを着ていこうかと。」
「・・・・愛しい人?」
「まって!マティス!確認が先だ!」
「イエス!マム!」
「ん?」
「えーと、なぜにそれをわたしに相談?」
「いまコットワッツでミンクのコートが評判なのだろ?
それぐらいの話は聞こえてくる。
モウもそれを?え?タトーロイン卿も?」
「おそらく出回るコートの中でも一番いい品だと思うよ?」
「そうだろうな。刺繍布も出回っているのだろ?」
「よくご存じで。」
「あの夜会は女性だけではないんだ。見栄の張り合いがな。
着る服は決まっている。あれだ、あの服だ。
あの上に着る上着が欲しい。コットワッツには言えないんだ。
立場がある。逆にな。
だから、あなたに。わたしにもしつらえてもらえないだろうか?」
「お客様!!よくぞモウモウ商会に相談してくださいました。
ね?マティス?」
「ええ、そんなあなた様にピッタリな上着、
特別な上着を我らモウモウ商会がご用意いたしましょう!!」
マッハでごますりだ。
「そうか!!」
「モウ!マティス君!正気ですか?王の上着ですよ?」
「うふふふふ。師匠!トラですよ、トラ!」
「ああ!あれ!」
「なに?トラ?本当か?」
「ええ、お客様!」
「いつ?いつ?」
「混合いはじめの会合のときにお持ちしましょう。
お気に召しましたらご購入を。個人の資産で!」
「わかった!良し!帰ろう!
素晴らしき会であった。ワイプ、招待ありがとう。」
招待したわけではないが、
満面の笑みで師匠に感謝を伝える。
心から。
「・・・・。」
師匠がまた、音もなく倒れた。
まだ疲れてるのかな?
マティスが素早く師匠を抱えて、カウチに寝かせた。
「名を呼んではいけない。」
「ああ、そうだったな。しかし、モウ?マティス?」
「なに?」
「なんだ?」
「呼べるな。」
「それはそうだろ?彼女はあなたの名付け親だ。私も彼女につけてもらった。
で、彼女の名付け親は私だ。なにも縛られないんだよ。」
「ではわたしの名前を呼んでほしい。」
「いいけど、マティスは抵抗あるのよ?長年のすり込みだね。」
「いや、もう大丈夫だ。王に名前を呼ばれて何ともなかったからな。」
「そう?彼の名前はラーフィングだよ。笑い上戸の。」
「ラーフィングか?いい名前だな。」
「よかったね、ラーフィング、いい名前って言われたよ。
名付けたわたしもうれしいよ。」
「ああ、いいな。呼ばれてこその名前だ。」
「そうだね。さ、ラーフィング。お土産持って帰りな。
ガイライが、こっちの気配をさっきから探ってるんだ。王が帰ったかどうかね。
トラの上着はいいのができると思う。楽しみに待ってってね。
外で、ダクツさんも待ってるね。
彼のシュークリームも渡して。カンターウォーマーも。
あ!5リング!資産院で払ってって伝えて。これ最優先ね。
ああ。こっちはチョコ入りだから、これはこっそりね。
内緒だからね。これがもっと欲しいって言うのは年内は無し。
新年あけたらお披露目するから。
お金のことだけちゃっちゃとやってね?師匠にこれ以上心労は厳禁だから。」
「そうだな。よくも、わたしの前であれだけのことが話せたものだ。
褒めていたと伝てほしい。」
「あいあい。さすがわたしたちの師匠だ。」
「ああ、そうだな。」
「ラーフィング?私は便宜上だ?間違えるな?
そして死ね死ね団に入団しないか?10点はもらえるぞ?」
「え?勧誘するの?だったら、すでに甘々団だよ?」
両団体の趣旨を説明後、
結局彼も両団体の名誉会員になった。
しかも、死ね死ね団の最高ポイント保持者だ。
「モウ!」
「ガイライ、お疲れさん。帰ったよ。」
「問題は?」
「師匠が寝た。シュークリーム食べずに。」
「それで済んでいるんですね?」
「うん。モウモウ商会の一番お高い商品が売れるかも!
いい話にまとまったよ?」
「え?商売の話だったんですか?」
「うん。後半はね。あとは師匠に聞いて。
そっちは?ニックさんは?なんか言ってった?」
「ニックは戻りましたよ。王とは気付かなかったようです。
ただ、あれはなんだと。ダクツといろいろ話せました。
王あっての軍なので、その話です。」
「そう、心配することはないのね?
王都のね、ハンバーグ屋さんが、分隊は立場が弱いから、殴られても反撃できないって。」
「はははは!それはそうなりますが、何とでもなりますよ?」
「はは!そうだね。うん。そりゃそうだ。」
「今日は?こちらに?」
「どうしようか?門はもう閉まってるの?
じゃ、泊まろうか?明日はね、朝一番にメジャートに行くの。
で、砂浜に行って海鮮とって、師匠とセサミン連れてタトートに。
ガイライもどうかな?
招待状を出した人を知りたいって言うのがあるだろうけど、
わたしの廻りのひとってどんなのか知りたいぽいよ?
だったらガイライも行こう。で、わたしの擁護をしてください。」
「タトーロイン卿ですよね?
ずいぶんと前から夜会には出ていなかったのに。」
「知ってるんだね?向こうも知ってるっぽかったけど。」
「遠くで見るぐらいですよ?王の警備で付いたとしても、
夜会に出るわけではないので。」
「そうなんだ。じゃ、今回の夜会は楽しみだね。
おいしいもの出るかな?」
「楽しみですか?そうですね。楽しみたいですね。」
ガイライの館で泊まらせてもらう。
かるくお茶漬け。鯛茶漬け!!
お風呂は簡単にシャワーだけにしようとおもったけど、
ブラスの露天風呂を満喫してしまった。
この時点で半分寝ている。
マティスとガイライは話があるようなので、先に休ませてもらうことに。
きっと師匠も合流することだろう。
おやすみなさい。
「わたしの臣だからね。」
「ああ、そうか。ちょっとまって!マティス君?コーヒー入れてもらえる?」
「あ!わたしもほしいな。その菓子と。ここで食べたい。」
「わがままだな?」
「マティス君!やめて!」
「うむ。ワイプのこの顔をさせたことに免じて入れてやろう。感謝しろ?」
「師匠?わたしから話す?それとも帰ってもらう?
よく考えたら師匠1人が苦労することないもん。わたし砂漠行ってくるよ?」
「私も行くぞ?愛しい人と競争できるからな。」
「まってほんと、大丈夫。すーーーはーーーー。」
深呼吸をする師匠。
話している間、ずっと下を向いていた。
シュークリームをかぶりつくラーフィング。
クリームついてるよ?
手鏡を渡し、自分で拭くように言う。
もちろん熱いおしぼりだ。
さりげなくコットワッツ製品を売り込むのはいいだろう。
コーヒーを一口飲むと顔を上げ、
師匠は話し始めた。
「王、我らが唯一の王よ。
資産院ワイプと申します。財政のことでお願いしたいことがございます。
まず、ニバーセルの資産が、コットワッツの砂漠のように枯渇しているのです。」
「税は上げたな。それでもなお足りぬか?」
「それ以上に砂漠石が値上がりしました。
資産分配で、各院に必要な分だけ分配すれば、新年を待たずに破綻します。」
「いま、我の使える予算はいくらだ?」
「10億です。」
「それを補っても?」
「それはできません。雨の日後の、中央でお過ごしになる予算です。」
「そうだな。いくら足りない?」
「5億。」
「半分で何とかなるのではないか?」
「のちのちに響きます。逆に10億でも多少の我慢が必要なんですよ。」
「そうか。その念押しか?話というのは?」
「いえ。50億を中央から出させてください。」
「どうやって?」
「砂の中に、鉱物があることはご存じですか?」」
「?砂?砂漠にか?砂漠にあるのは砂漠石か海峡石、
あとは岩塩石だ。」
「あるのです。モウ、桶に水を、それにコットワッツの砂を入れて。
別の桶にはマトグラーサの砂を。」
「はい、師匠。」
浅い桶、2つ用意して、水を入れる。
「これはコットワッツの砂漠の砂です。」
入れれば、砂は沈み、金銀は浮く。鉄も、銅もだ。
「これはマトグラーサの砂。金が豊富です。」
こっちの方がキラキラしている。
「中央砂漠も同じように。
間の砂漠にはなぜか有りません。
砂は沈む。鉱物は浮く。これは皆が知っていること。
が、砂に鉱物があることは知らない。
この話、コットワッツ領主はご存じです。
公表しないのは、砂漠の協定があくまでも砂漠石の協定だからです。
争いが起きる。それはいまは誰も望まない。
近い将来戦争があってもだ。
この話を中央に50億で売ってください。
中央が知っていたとしても口止め料として払うでしょう。」
「・・・・中央も知らないだろうな。
それを教えるのか?たった50億リングで?
教えずに、ニバーセルだけで採取すれば?」
「王よ、わたしを試されるのか?
そんなことをすれば、鉱物資源の価格崩壊だ。
リングを流通通貨として使う以上それは得策ではない。
この大陸にニバーセルがあり、リングを使う以上それはできない。
知っていても使えない情報です。」
「それに中央が50億だすかな?」
「だから、口止め料です。中央にすれば、鉱物、特に金の価格を調整できる。
視察で中央が砂漠に入れば、
何らかの理由をつけて砂を持って帰るでしょうね。
もしくは砂の持ち出しを制限することでしょう。
それは今現時点ではだれも困りはしない。
マトグラーサが弾丸を作るとしても砂漠から持ち出すのは、
固まった砂だ。
あの中に金銀は入っていない。砂鉄のみだ。
これは確認済みです。
砂と砂鉄をなにかで固めている。」
「その話ぶりはなにか知っているということか?」
「今、この話はいいでしょう。
中央の視察が、見なくても認め、見ても認めるところでしょう。」
「それが何かでもか。が、だろうな。それで?」
「昨今の砂漠石の値上がりは異常です。
新年を待たずして何らかの調整が入る。
リングの基本価値の値上げ?石の流通制限?
一番に来ることは金の価格調整です。
砂漠石より、金の方に価値を置くようになると。
これは生産院、メディングの見立てです。
金の確保が最優先だと。
今頃中央は金の確保に動いています。
なのに、砂漠には金が豊富にあるとわかれば、
値上げする意味がない。
口止め料として50億、安いはずです。」
「安いな。5000億で話してみよう。が、これはわたし個人の資産になるぞ?」
「では、今ある10億は資産院で使わせてもらいます。
中央にはそこからお支払いを。」
「そうなるな。うむ。素晴らしい話だった。ん?なんだ?」
「いや、もっと出せよって。」
「モウ!やめて!!お願い!!」
「あはははは!そうしたいが、10億が限度だ。
資産院にある分を資産院が使うだけだからな。
それ以上はどこから調達したかが問題になる。
わたしの中央滞在費は、わたしの気まぐれで、どうとでもなる。
それに、予算があればあるほどいいというわけじゃない。
そこは、さすが資産院というところだろう。」
「そうなの?」
「ええ。十分です。」
「これで、師匠はゆっくり眠れる?」
「ええ、眠れますよ。食べ損ねたシュークリームさえ食べることができればね。」
「よかった。特別にチョコ掛けがあるから朝みんなでね。」
「それは素晴らしい。」
「ん?なんだ?別の味があると?食べたいな。」
「うるさいよ!用事は終わった!帰れ!!」
「やめて!ほんとやめて!!」
「話を聞いたからな。今度は話を聞いてもらうぞ?」
「んー、そういったけ?じゃ、どうぞ?」
「その違う味が食べたい。」
「それが話か?」
「いや、話す前に食べたい。」
「ほんとわがままだな?今食べるとおなかがいっぱいで、
もったいないぞ?もって帰れるようにするから、
後で食べろ。」
「それはうれしいな。」
「で?」
「ああ、話しな。雨の夜会な?あれ、行くだろ?」
「わたしたちか?ありがたいことに招待状をもらっている。
タトーロイン卿から。それに愛しい人問題もあるからな。
知ってるだろう?」
「もちろんだ。こっそりモウに賭けている。」
「間抜けめ!胴元を考えろ!自分の娘が勝つと思っているから
胴元なんだろ?それ以外だとうやむやになっておじゃんだ!」
「嘘!!」
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「・・・・10。」
「10リングだったら、勉強料だな。二度とするな。 」
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「えー。」
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「いや、わたしの金だから。」
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「10億?それを3ヵ月ほどで使うの?」
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「なんだそれ。滞在費ってこと?」
「そういうことです。」
「中央舐めてるね。そんなことで稼いでるんだ。」
コットワッツの砂漠石も中央がパクる説が濃厚になるね。
「モウ?」
「個人の資産でも、無駄遣いだ。取り消せるなら取り消しなさい。」
「そうだな。それはやってみよう。」
「その話?」
「いや、違う。雨の夜会な。」
「うん。」
「なにを着ていこうかと。」
「・・・・愛しい人?」
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「イエス!マム!」
「ん?」
「えーと、なぜにそれをわたしに相談?」
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それぐらいの話は聞こえてくる。
モウもそれを?え?タトーロイン卿も?」
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「よくご存じで。」
「あの夜会は女性だけではないんだ。見栄の張り合いがな。
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立場がある。逆にな。
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「お客様!!よくぞモウモウ商会に相談してくださいました。
ね?マティス?」
「ええ、そんなあなた様にピッタリな上着、
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「そうか!!」
「モウ!マティス君!正気ですか?王の上着ですよ?」
「うふふふふ。師匠!トラですよ、トラ!」
「ああ!あれ!」
「なに?トラ?本当か?」
「ええ、お客様!」
「いつ?いつ?」
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お気に召しましたらご購入を。個人の資産で!」
「わかった!良し!帰ろう!
素晴らしき会であった。ワイプ、招待ありがとう。」
招待したわけではないが、
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心から。
「・・・・。」
師匠がまた、音もなく倒れた。
まだ疲れてるのかな?
マティスが素早く師匠を抱えて、カウチに寝かせた。
「名を呼んではいけない。」
「ああ、そうだったな。しかし、モウ?マティス?」
「なに?」
「なんだ?」
「呼べるな。」
「それはそうだろ?彼女はあなたの名付け親だ。私も彼女につけてもらった。
で、彼女の名付け親は私だ。なにも縛られないんだよ。」
「ではわたしの名前を呼んでほしい。」
「いいけど、マティスは抵抗あるのよ?長年のすり込みだね。」
「いや、もう大丈夫だ。王に名前を呼ばれて何ともなかったからな。」
「そう?彼の名前はラーフィングだよ。笑い上戸の。」
「ラーフィングか?いい名前だな。」
「よかったね、ラーフィング、いい名前って言われたよ。
名付けたわたしもうれしいよ。」
「ああ、いいな。呼ばれてこその名前だ。」
「そうだね。さ、ラーフィング。お土産持って帰りな。
ガイライが、こっちの気配をさっきから探ってるんだ。王が帰ったかどうかね。
トラの上着はいいのができると思う。楽しみに待ってってね。
外で、ダクツさんも待ってるね。
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ああ。こっちはチョコ入りだから、これはこっそりね。
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褒めていたと伝てほしい。」
「あいあい。さすがわたしたちの師匠だ。」
「ああ、そうだな。」
「ラーフィング?私は便宜上だ?間違えるな?
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「え?勧誘するの?だったら、すでに甘々団だよ?」
両団体の趣旨を説明後、
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「モウ!」
「ガイライ、お疲れさん。帰ったよ。」
「問題は?」
「師匠が寝た。シュークリーム食べずに。」
「それで済んでいるんですね?」
「うん。モウモウ商会の一番お高い商品が売れるかも!
いい話にまとまったよ?」
「え?商売の話だったんですか?」
「うん。後半はね。あとは師匠に聞いて。
そっちは?ニックさんは?なんか言ってった?」
「ニックは戻りましたよ。王とは気付かなかったようです。
ただ、あれはなんだと。ダクツといろいろ話せました。
王あっての軍なので、その話です。」
「そう、心配することはないのね?
王都のね、ハンバーグ屋さんが、分隊は立場が弱いから、殴られても反撃できないって。」
「はははは!それはそうなりますが、何とでもなりますよ?」
「はは!そうだね。うん。そりゃそうだ。」
「今日は?こちらに?」
「どうしようか?門はもう閉まってるの?
じゃ、泊まろうか?明日はね、朝一番にメジャートに行くの。
で、砂浜に行って海鮮とって、師匠とセサミン連れてタトートに。
ガイライもどうかな?
招待状を出した人を知りたいって言うのがあるだろうけど、
わたしの廻りのひとってどんなのか知りたいぽいよ?
だったらガイライも行こう。で、わたしの擁護をしてください。」
「タトーロイン卿ですよね?
ずいぶんと前から夜会には出ていなかったのに。」
「知ってるんだね?向こうも知ってるっぽかったけど。」
「遠くで見るぐらいですよ?王の警備で付いたとしても、
夜会に出るわけではないので。」
「そうなんだ。じゃ、今回の夜会は楽しみだね。
おいしいもの出るかな?」
「楽しみですか?そうですね。楽しみたいですね。」
ガイライの館で泊まらせてもらう。
かるくお茶漬け。鯛茶漬け!!
お風呂は簡単にシャワーだけにしようとおもったけど、
ブラスの露天風呂を満喫してしまった。
この時点で半分寝ている。
マティスとガイライは話があるようなので、先に休ませてもらうことに。
きっと師匠も合流することだろう。
おやすみなさい。
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−−−−−−
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