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589:食事会
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「え?あの通りに行ったの?だ、大丈夫だった?」
「うん。ガイライに案内してもらって、いろいろ買ったよ。
タフトって虫食ありなんだね。案内してもらう裏街道も?あの、先に教えてね。
今は結構大丈夫だから。先にわかっていれば。」
「それは南側だよそれもフレシアより。案内するつもりだったのは北側だ。
あんだけ、メイガの脚を嫌がってたんだ、そんなとこ俺は案内しないよ?」
「あははは!あんときはね。でも、大丈夫っぽいですよ?
食材だとわかっていれば!キャムロンも大きいの買ってきたし、スーリムは
故郷で食べたことのあるものに似てたから!!」
カニ尽くしセットをコットワッツに届けたときに、
ガイライがダクツさんを呼んだと話した。
じゃ、俺もそっちでもらうよと、ニックさんは先に師匠の家にやって来たのだ。
「キャムロンとスーリム?
俺でも食べたことないよ?」
「え?そうなの?おいしいからって結構念押しされたよ?
入り口のところにいた男の人に。ベースさん?」
「ああ、ベースな。あいつはいつもキャムロンはうまいって言ってるけど、
俺たちに勧めたことないよ?食べないってわかってるから。」
「そうなんだ。んー、でも、物は試しね。
1人5匹は食べるからって15匹買ったのよ。いろいろ試してみる。
ほら、ずんぐりむっくりの白い海老だって思えばおいしそうじゃない?」
「!ぶはははははは!!!確かに!!!」
ガイライはダクツさんを迎えに行っている。
もし、もしもだ、だれかがダクツさんに強引について来ようとして、
ダクツさんが立場上断れないとしたら、
他の人間にはわからないように、
尚且つ、このかつらと、この服を着るようにと、
変装セットを渡しておいた。
「モウ、そんなことはあり得ないですよ?」
「当たり前だ!が!念には念をだ。
食事は楽しく食べたい!邪魔はされたくない!
今回は師匠がメディングを凹ますというイベントと、
喜んでいる師匠をみてあきれているマティスの顔と、
メディングの食レポを楽しみにしているわたしがいる。
決して邪魔されたくない!
来るなとは言わない。
が、食事は楽しむものだ。
それを伝えてほしい。これは命令だ、ガイライ?いいな?」
「はっ。我が主の命ならば、必ず。」
「うん。ガイライ頑張って!あれより、きっと主の命のほうが強いはずだから!」
「ええ、もちろんです。」
カニ刺し、しゃぶしゃぶ、バター焼き。
天ぷらもある。
蒸し蟹、焼きガニ、クツクツ。
ご飯もさらご飯で炊く。
お酒は日本酒だ。
昆布締めの刺身もある。
ウニといくら。
エビもあるし、貝もだした。
海鮮はほぼ出尽くした。
一番乗りはメディングとラッシング院長だ。
「ようこそ。ワイプ主催の食事会へ。」
名目は一応そういうことになっている。
「厚かましくもわたしも来てしまいました。
なんでもカニの新しい食べ方だとか。あと、例の昆布?
ワイプとメディングの小競り合いは有名ですからね。それも楽しみです。」
「わたしはメディング殿の食の解説が楽しみですよ。
どちらにしろ楽しんでくださいね。あと、資産院の院長オート殿とツイミ殿、
師匠の配下の者たちが来ます。
分隊のガイライ殿とニック殿も。
で、ガイライ殿が、院のダクツ殿を呼んでいると。
食事は人数が多いほうが楽しいですから。」
「それはそれは、参加できたことに感謝しますよ。」
「モウ殿?それはみなワイプが呼んだと?」
「資産院はそうですが、師匠の配下はわたしのことを慕ってくれてますので、
おいしいものはみんなで食べてほしいので呼んだ形ですね。
ガイライ殿とニック殿はこっちに来ているので、ついでに。
ダクツ殿はうちの商品を買ってくれたお得様でもありますから。」
「ワイプ主催というよりあなたが主催では? 」
「あははは!師匠はよほど、あなたに驚いてもらいたいんでしょう。
師匠が喜ぶことをするのが弟子の務めなんで。」
「驚く?わたしが?カニで?ま、楽しみにしていますよ!!」
あとは、師匠の一団。
「これはラッシング殿!
あなたほどの方が、ワイプの誘いに乗るとは!」
「いえいえ、モウ殿がいらっしゃると聞きましたからね。
ご挨拶もせねばと。あなたこそ、ワイプに振り回されているのでは?」
「まさに。こうやって部下の監視をしておきませんと、
あとあと皆さんに迷惑が掛かりますからね。」
うむ、資産院と生産院は仲が悪いと。
「オート院長!一応わたしが主催した食事会なんですから、
要らぬことは言わないでください。それと、ラッシング殿?
モウはわたしの弟子ですから。もちろん、マティス君もね。
挨拶等は師匠のわたしを通してくださいよ?」
「モウ殿!毎回の差し入れありがたく。
フランが初日と言えないほどのがんばりで助かっています。
ワイプがあのあとケロッと戻って来て、今日ことを言って来たのですよ。」
「ええ。皆さんお疲れだとか。
上層部がへばっていてはいけませんからね。
どうぞ楽しんでいってください。」
「さ、奥に。さすがに外は寒いですから。
馬車はそのまま、馬はわたしが。
マティス?案内を。ルビスとチュラル、フランはマティスを手伝って?
手を洗ってからね。皆さんも。
洗面所に先に案内を。」
「モウ様、わたしは? 」
「ああ、ツイミさん、悪いけど、両院長をうまく制御して?
あんまりうるさいとわたしの機嫌が悪くなるからっていっていいから。」
「あははは!そういわれれば何も言えないですね。わかりました。」
「あ、あとちょっと見てほしいものが有るんだ。
食事後でいいから、時間ちょうだい?」
「もちろん。」
あの葉っぱのことを聞かないとね。
(来たぞ)
(え?やっぱり!)
「モウ!我が主!」
「でかした!ガイライ!さすがわたしの臣だな。
期待に応えてくれる。頼もしい限りだ。」
「ありがたきお言葉。」
「で?どういう設定?」
「モウ、モウ殿?その、彼は、その。」
「ああ、ダクツ殿、カンターウォーマー入荷してますよ?
お帰りの時にお渡ししますね。
院でお買いあげの分は資産院で引き取ってください。
それで?彼はあなたの部下ですか?」
「そ、そうです。どうしても参加したいと。」
「ガイライ?彼のこと、師匠は気付く?」
「いえ、ニックでも無理でしょう。事前に知っているものだけです。」
「ん。では、彼の部下ということで通して。
今日はおいしい食事だから楽しんでね?」
「楽しみだ!」
あああ、とダクツさんが倒れそうになるのを
ガイライが支えて、食堂に入っていった。
「手は洗ってよ!!」
スーとホーが馬車を引いて、
クーちゃんとビャクも一緒に帰って来たようだ。
ビャクに元雇い主が来てるよと言っても興味なし。
ドライだねー。
「向こうでおいしいもの食べるからね。
こっちもおいしいもの食べようね?
何がいい?」
おいしい水と、カンラン、リンゴ、プニカ。
いつもと一緒だ。
クーたちに出した、日本酒を馬たちも欲しがる。
「酔わない?」
それはないとのこと。
おいし水も、覚えている限り出す。
炭酸水も入ってしまったがこれが一番ということになった。
そうか!出せば良かったんだ!!
「これは早く飲まないと気が抜けるから!
じゃ、戻るね!!」
食堂に戻ると、皆が座って待っていた。
鍋には火が付いている。
もうしゃぶしゃぶできるね。
「お待たせしました!本日はワイプ主催のカニ尽くしの会です。
あ、説明まで?はいはい。
えーカニと言えばジットカーフの名物。おいしいですよね。
ここで、初めての方は?
生産院組と、オート院長?とダクト殿とその部下殿ね。
カニは食べた事ありますか?当然。なるほど。
で、足は捨てていたと?
そうです!このカニの脚もうましなのです!!
眼の前にあるもの、カニ刺しですよ。足の殻を取って氷水で締めたものです。
横は三杯酢。昆布だしにと豆ソース、
すこしのお砂糖。それを火にかけ、沸騰後、お酢を入れます。
さらに沸騰させて冷ましたもの。
これが三杯酢ね。師匠食べて見せてください。
前回よりおいしいはずですよ、三杯酢。」
「あ!ほんとですね!!」
「豆ソースと昆布ができましたから。」
「さ、皆さんもどうそ?」
「お、おう、お、お前は、たべ、たべるな!先に私が!」
ダクツさんが王の毒見をしようとするが大丈夫だよ?
うちでもがっついてたよ?
「うまい!!」
「よいか?」
『ダクツ殿?お連れさんのことは大丈夫ですから、
遠慮なくどんどん食べてください。
なくなりますよ?』
「はい!」
焼きガニ、蒸し蟹、鋏の使い方など、説明している横からなくなっていく。
ウニ、イクラ、エビも。
ツイミ兄弟は、2回目とあって、無駄なく食べていく。
負けじとソヤことフランも。
それに加えて、ツイミさんは両院長の取り皿も入れていく。
気配りの人なのだ。
が、自分の分ももちろん確保している。
師匠とメディングは変顔大会のようだ。
師匠はカニ好きだからね。
ニックさんも臨時部下のことは忘れようと努力したダクツさんと盛り上がっている。
ガイライもだ。ご満悦の顔で酒を飲んでいた。
わたしとマティスは、給仕に徹する。
クツクツもできた傍から取合いなので、
ダクツの部下には確保したものを渡す。
あと、焼きガニと蒸しカニも。
「火傷するから、フーフーしてね。
あとで、それにご飯入れるから、全部食べちゃダメだよ?」
「うまいな!エビもいいがカニもいい!!」
「ジットカーフで仕入れて、冷凍馬車で運べば、
これからはどこにでもいつでも食べれますよ。
でも、カニ刺しは冷凍じゃだめですよ。
冷蔵でニバーセルでギリギリかな?
温度調整を研究しないと。
それでも、現地で食べるのがいいってことになる。
でも、ジットカーフの人たちは撒き餌に使ってるからね。
なにかの取引材料で、生産院が昆布のことを教えたようだけど、
これもそれに使うなら使ってほしいですね。」
「うまく行くように話はしておこう。」
「ええ。」
雑炊まで行くと皆満足だ。
メディングの食レポも一巡してやっと出てきた。
みなが大笑いだ。師匠も。
おトイレはお客用。
ラッシング院長が隠匿はぜひ生産院でと言っているが、
便座はボルタオネで作っていますよと宣伝はしておこう。
ここでコーヒーと甘味を出してもいいが、
カニの場合はおいしい口で帰りたい。
わたしがいつもそう思っている。
なので、お土産、シュークリームを持たせて解散となった。
「お一人で食べるか、親しい人と食べてください。
クリームがはみ出して、顔中に付きますから。
割って食べればいいんですが、これはかぶりつくのがいい。
お早めに食べください。
あと、馬たちがげっぷするかもしれませんが、お気になさらずに。」
生産院は乗って来た馬車で。
オート院長はスーとホーの馬車で帰る。
それにはニックさんが護衛として付いていくことに。
子供組はおなかいっぱいでもうお眠だ。
フランもなれない仕事を頑張ったから。
ツイミさんに促され、シャワーだけ何とか浴びてベットに。
シュークリームは明日ね?冷蔵庫に入れとくよ。
「ダクツ殿?お戻りにならないんですか?」
「え?あの?」
「ダクツはわたしとはなしがあるんだ。
マティス?ニックに館に直接戻るように言ってくれ。」
「わかった。」
「え?あの?」
「わたしは一人で帰れますよ?」
「わかりました」
「?」
ガイライはわたしが大丈夫だと思っているから何も心配はしない。
ダクツさんは王が望んだとおりに。
「あ!ツイミさん!これ知ってる?」
葉っぱの押し花を見せるが知らないとのこと。
「ん、わかった。ありがとう。もう、今日は休んでくださいな。」
「ええ。そうさせてもらいます。」
ツイミさんは場を読むのにたけている。
「モウ?彼は誰ですか? 」
「呼んだわけじゃないよ?ダクツさんに付いて来たんだよ?」
「部下ではないですよね?誰?」
気を膨らましていく。
「師匠、ダメですよ?彼はニバーセルの王ですよ?」
「へ?嘘?」
「すごいね。師匠が分からないなんて。何が違うんだろ?
かつらと服?気はあるようなないような?」
「わからないようにとあなたが望んだからな。 」
「そうか、いいよ、師匠から話があるから、今日のご飯代のかわりに
聞いてくれる?」
「わたしも有るんだが?」
「師匠の話を聞いてもらえるなら、まずは話を聞こうかな?」
「それはありがたいな。では、先に、そちらの話を聞こうか?」
「・・・・モウ?もしかして、あれ?」
「あれですね。せっかくなんで、ここで済ましょう。」
「・・・・モウ、はこちらに、マティス君はこっちに。」
「はいはい。」
王を前に、師匠。
その両隣に椅子くっつけて3人で座る。
「すいませんが、もっと寄ってもらえます?」
からだが密着してやっと落ち着いたようだった。
「うん。ガイライに案内してもらって、いろいろ買ったよ。
タフトって虫食ありなんだね。案内してもらう裏街道も?あの、先に教えてね。
今は結構大丈夫だから。先にわかっていれば。」
「それは南側だよそれもフレシアより。案内するつもりだったのは北側だ。
あんだけ、メイガの脚を嫌がってたんだ、そんなとこ俺は案内しないよ?」
「あははは!あんときはね。でも、大丈夫っぽいですよ?
食材だとわかっていれば!キャムロンも大きいの買ってきたし、スーリムは
故郷で食べたことのあるものに似てたから!!」
カニ尽くしセットをコットワッツに届けたときに、
ガイライがダクツさんを呼んだと話した。
じゃ、俺もそっちでもらうよと、ニックさんは先に師匠の家にやって来たのだ。
「キャムロンとスーリム?
俺でも食べたことないよ?」
「え?そうなの?おいしいからって結構念押しされたよ?
入り口のところにいた男の人に。ベースさん?」
「ああ、ベースな。あいつはいつもキャムロンはうまいって言ってるけど、
俺たちに勧めたことないよ?食べないってわかってるから。」
「そうなんだ。んー、でも、物は試しね。
1人5匹は食べるからって15匹買ったのよ。いろいろ試してみる。
ほら、ずんぐりむっくりの白い海老だって思えばおいしそうじゃない?」
「!ぶはははははは!!!確かに!!!」
ガイライはダクツさんを迎えに行っている。
もし、もしもだ、だれかがダクツさんに強引について来ようとして、
ダクツさんが立場上断れないとしたら、
他の人間にはわからないように、
尚且つ、このかつらと、この服を着るようにと、
変装セットを渡しておいた。
「モウ、そんなことはあり得ないですよ?」
「当たり前だ!が!念には念をだ。
食事は楽しく食べたい!邪魔はされたくない!
今回は師匠がメディングを凹ますというイベントと、
喜んでいる師匠をみてあきれているマティスの顔と、
メディングの食レポを楽しみにしているわたしがいる。
決して邪魔されたくない!
来るなとは言わない。
が、食事は楽しむものだ。
それを伝えてほしい。これは命令だ、ガイライ?いいな?」
「はっ。我が主の命ならば、必ず。」
「うん。ガイライ頑張って!あれより、きっと主の命のほうが強いはずだから!」
「ええ、もちろんです。」
カニ刺し、しゃぶしゃぶ、バター焼き。
天ぷらもある。
蒸し蟹、焼きガニ、クツクツ。
ご飯もさらご飯で炊く。
お酒は日本酒だ。
昆布締めの刺身もある。
ウニといくら。
エビもあるし、貝もだした。
海鮮はほぼ出尽くした。
一番乗りはメディングとラッシング院長だ。
「ようこそ。ワイプ主催の食事会へ。」
名目は一応そういうことになっている。
「厚かましくもわたしも来てしまいました。
なんでもカニの新しい食べ方だとか。あと、例の昆布?
ワイプとメディングの小競り合いは有名ですからね。それも楽しみです。」
「わたしはメディング殿の食の解説が楽しみですよ。
どちらにしろ楽しんでくださいね。あと、資産院の院長オート殿とツイミ殿、
師匠の配下の者たちが来ます。
分隊のガイライ殿とニック殿も。
で、ガイライ殿が、院のダクツ殿を呼んでいると。
食事は人数が多いほうが楽しいですから。」
「それはそれは、参加できたことに感謝しますよ。」
「モウ殿?それはみなワイプが呼んだと?」
「資産院はそうですが、師匠の配下はわたしのことを慕ってくれてますので、
おいしいものはみんなで食べてほしいので呼んだ形ですね。
ガイライ殿とニック殿はこっちに来ているので、ついでに。
ダクツ殿はうちの商品を買ってくれたお得様でもありますから。」
「ワイプ主催というよりあなたが主催では? 」
「あははは!師匠はよほど、あなたに驚いてもらいたいんでしょう。
師匠が喜ぶことをするのが弟子の務めなんで。」
「驚く?わたしが?カニで?ま、楽しみにしていますよ!!」
あとは、師匠の一団。
「これはラッシング殿!
あなたほどの方が、ワイプの誘いに乗るとは!」
「いえいえ、モウ殿がいらっしゃると聞きましたからね。
ご挨拶もせねばと。あなたこそ、ワイプに振り回されているのでは?」
「まさに。こうやって部下の監視をしておきませんと、
あとあと皆さんに迷惑が掛かりますからね。」
うむ、資産院と生産院は仲が悪いと。
「オート院長!一応わたしが主催した食事会なんですから、
要らぬことは言わないでください。それと、ラッシング殿?
モウはわたしの弟子ですから。もちろん、マティス君もね。
挨拶等は師匠のわたしを通してくださいよ?」
「モウ殿!毎回の差し入れありがたく。
フランが初日と言えないほどのがんばりで助かっています。
ワイプがあのあとケロッと戻って来て、今日ことを言って来たのですよ。」
「ええ。皆さんお疲れだとか。
上層部がへばっていてはいけませんからね。
どうぞ楽しんでいってください。」
「さ、奥に。さすがに外は寒いですから。
馬車はそのまま、馬はわたしが。
マティス?案内を。ルビスとチュラル、フランはマティスを手伝って?
手を洗ってからね。皆さんも。
洗面所に先に案内を。」
「モウ様、わたしは? 」
「ああ、ツイミさん、悪いけど、両院長をうまく制御して?
あんまりうるさいとわたしの機嫌が悪くなるからっていっていいから。」
「あははは!そういわれれば何も言えないですね。わかりました。」
「あ、あとちょっと見てほしいものが有るんだ。
食事後でいいから、時間ちょうだい?」
「もちろん。」
あの葉っぱのことを聞かないとね。
(来たぞ)
(え?やっぱり!)
「モウ!我が主!」
「でかした!ガイライ!さすがわたしの臣だな。
期待に応えてくれる。頼もしい限りだ。」
「ありがたきお言葉。」
「で?どういう設定?」
「モウ、モウ殿?その、彼は、その。」
「ああ、ダクツ殿、カンターウォーマー入荷してますよ?
お帰りの時にお渡ししますね。
院でお買いあげの分は資産院で引き取ってください。
それで?彼はあなたの部下ですか?」
「そ、そうです。どうしても参加したいと。」
「ガイライ?彼のこと、師匠は気付く?」
「いえ、ニックでも無理でしょう。事前に知っているものだけです。」
「ん。では、彼の部下ということで通して。
今日はおいしい食事だから楽しんでね?」
「楽しみだ!」
あああ、とダクツさんが倒れそうになるのを
ガイライが支えて、食堂に入っていった。
「手は洗ってよ!!」
スーとホーが馬車を引いて、
クーちゃんとビャクも一緒に帰って来たようだ。
ビャクに元雇い主が来てるよと言っても興味なし。
ドライだねー。
「向こうでおいしいもの食べるからね。
こっちもおいしいもの食べようね?
何がいい?」
おいしい水と、カンラン、リンゴ、プニカ。
いつもと一緒だ。
クーたちに出した、日本酒を馬たちも欲しがる。
「酔わない?」
それはないとのこと。
おいし水も、覚えている限り出す。
炭酸水も入ってしまったがこれが一番ということになった。
そうか!出せば良かったんだ!!
「これは早く飲まないと気が抜けるから!
じゃ、戻るね!!」
食堂に戻ると、皆が座って待っていた。
鍋には火が付いている。
もうしゃぶしゃぶできるね。
「お待たせしました!本日はワイプ主催のカニ尽くしの会です。
あ、説明まで?はいはい。
えーカニと言えばジットカーフの名物。おいしいですよね。
ここで、初めての方は?
生産院組と、オート院長?とダクト殿とその部下殿ね。
カニは食べた事ありますか?当然。なるほど。
で、足は捨てていたと?
そうです!このカニの脚もうましなのです!!
眼の前にあるもの、カニ刺しですよ。足の殻を取って氷水で締めたものです。
横は三杯酢。昆布だしにと豆ソース、
すこしのお砂糖。それを火にかけ、沸騰後、お酢を入れます。
さらに沸騰させて冷ましたもの。
これが三杯酢ね。師匠食べて見せてください。
前回よりおいしいはずですよ、三杯酢。」
「あ!ほんとですね!!」
「豆ソースと昆布ができましたから。」
「さ、皆さんもどうそ?」
「お、おう、お、お前は、たべ、たべるな!先に私が!」
ダクツさんが王の毒見をしようとするが大丈夫だよ?
うちでもがっついてたよ?
「うまい!!」
「よいか?」
『ダクツ殿?お連れさんのことは大丈夫ですから、
遠慮なくどんどん食べてください。
なくなりますよ?』
「はい!」
焼きガニ、蒸し蟹、鋏の使い方など、説明している横からなくなっていく。
ウニ、イクラ、エビも。
ツイミ兄弟は、2回目とあって、無駄なく食べていく。
負けじとソヤことフランも。
それに加えて、ツイミさんは両院長の取り皿も入れていく。
気配りの人なのだ。
が、自分の分ももちろん確保している。
師匠とメディングは変顔大会のようだ。
師匠はカニ好きだからね。
ニックさんも臨時部下のことは忘れようと努力したダクツさんと盛り上がっている。
ガイライもだ。ご満悦の顔で酒を飲んでいた。
わたしとマティスは、給仕に徹する。
クツクツもできた傍から取合いなので、
ダクツの部下には確保したものを渡す。
あと、焼きガニと蒸しカニも。
「火傷するから、フーフーしてね。
あとで、それにご飯入れるから、全部食べちゃダメだよ?」
「うまいな!エビもいいがカニもいい!!」
「ジットカーフで仕入れて、冷凍馬車で運べば、
これからはどこにでもいつでも食べれますよ。
でも、カニ刺しは冷凍じゃだめですよ。
冷蔵でニバーセルでギリギリかな?
温度調整を研究しないと。
それでも、現地で食べるのがいいってことになる。
でも、ジットカーフの人たちは撒き餌に使ってるからね。
なにかの取引材料で、生産院が昆布のことを教えたようだけど、
これもそれに使うなら使ってほしいですね。」
「うまく行くように話はしておこう。」
「ええ。」
雑炊まで行くと皆満足だ。
メディングの食レポも一巡してやっと出てきた。
みなが大笑いだ。師匠も。
おトイレはお客用。
ラッシング院長が隠匿はぜひ生産院でと言っているが、
便座はボルタオネで作っていますよと宣伝はしておこう。
ここでコーヒーと甘味を出してもいいが、
カニの場合はおいしい口で帰りたい。
わたしがいつもそう思っている。
なので、お土産、シュークリームを持たせて解散となった。
「お一人で食べるか、親しい人と食べてください。
クリームがはみ出して、顔中に付きますから。
割って食べればいいんですが、これはかぶりつくのがいい。
お早めに食べください。
あと、馬たちがげっぷするかもしれませんが、お気になさらずに。」
生産院は乗って来た馬車で。
オート院長はスーとホーの馬車で帰る。
それにはニックさんが護衛として付いていくことに。
子供組はおなかいっぱいでもうお眠だ。
フランもなれない仕事を頑張ったから。
ツイミさんに促され、シャワーだけ何とか浴びてベットに。
シュークリームは明日ね?冷蔵庫に入れとくよ。
「ダクツ殿?お戻りにならないんですか?」
「え?あの?」
「ダクツはわたしとはなしがあるんだ。
マティス?ニックに館に直接戻るように言ってくれ。」
「わかった。」
「え?あの?」
「わたしは一人で帰れますよ?」
「わかりました」
「?」
ガイライはわたしが大丈夫だと思っているから何も心配はしない。
ダクツさんは王が望んだとおりに。
「あ!ツイミさん!これ知ってる?」
葉っぱの押し花を見せるが知らないとのこと。
「ん、わかった。ありがとう。もう、今日は休んでくださいな。」
「ええ。そうさせてもらいます。」
ツイミさんは場を読むのにたけている。
「モウ?彼は誰ですか? 」
「呼んだわけじゃないよ?ダクツさんに付いて来たんだよ?」
「部下ではないですよね?誰?」
気を膨らましていく。
「師匠、ダメですよ?彼はニバーセルの王ですよ?」
「へ?嘘?」
「すごいね。師匠が分からないなんて。何が違うんだろ?
かつらと服?気はあるようなないような?」
「わからないようにとあなたが望んだからな。 」
「そうか、いいよ、師匠から話があるから、今日のご飯代のかわりに
聞いてくれる?」
「わたしも有るんだが?」
「師匠の話を聞いてもらえるなら、まずは話を聞こうかな?」
「それはありがたいな。では、先に、そちらの話を聞こうか?」
「・・・・モウ?もしかして、あれ?」
「あれですね。せっかくなんで、ここで済ましょう。」
「・・・・モウ、はこちらに、マティス君はこっちに。」
「はいはい。」
王を前に、師匠。
その両隣に椅子くっつけて3人で座る。
「すいませんが、もっと寄ってもらえます?」
からだが密着してやっと落ち着いたようだった。
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駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
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