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月が沈んで半分まで、
徹底的に海の幸を収穫。前回はセサミンと一緒だったから、
2人で協力してという形だったが、
マティスだけだと、えげつない。
「広範囲で!一極集中だめ!!」
言えることはそれだけだった。
わたしは砂浜で、ドロインさんにあげる香種の瓶づくり。
それと、先に捕獲したアワビの下処理だ。
キャムロンを食べるために、昨日はカニを控えたが、
それをやっている時間はなかった。
あとは、魚の捌きと日干しを砂浜で行う。
月無し石達のプライベートビーチ外でだ。
向こうでしてくれと言われたような気がしたから。
月が昇る前まで干しておこう。
「また来るけど?それまでここで遊んどく?
真水のプールは出しておくよ?タオルと。
見張りお願いできる?」
2つ返事だった。
ここでも炭酸水は人気だった。
え?毛穴の汚れとか気にするの?
「お待たせ!!」
セサミンの執務室に集合した師匠とガイライが待機していた。
ちょっと表情が硬い。
「どうしたん?」
「いえ、そのいろいろと聞きまして。」
「ああ!けち臭いって話?」
「違います!!」
「あ、そうなん?あ!わかった!あの服とかつらと手鏡、借りパクしていったよ?
やっぱ、けち臭い話ってこと?」
「姉さん、違います!!」
「うふふふふ。お金の話は解決したんだから安心だってことでしょ?
何が不安?」
「・・・王が、妖精のこと以外に興味を持っていることに。」
「?いや、逆に妖精以外に興味がないほうが怖いよ?」
「そういわれればそうなんですが。」
「ちゃんと遠慮は知ってるから大丈夫よ。上着のことも、
そんなのコットワッツに言えばいいのに、立場上言えないって言ってたしね。
それはご贔屓を作らないってことだ。えらいよ?」
「その代わりに姉さんに話を持っていってる。
また、なにか頼まれませんか?」
「ああ、それを心配してるの?大丈夫。モウモウ商会としてのお仕事だよ?
お金にならないことは断るよ?もちろん。」
「そうですよね。ええ。姉さんだから。」
「しかし、それが増えると、税が回収できないのでほどほどに。」
「やった!資産院公認だよ!がっつり儲けようね!
マティス!ん?なにしてるの?」
執務室に移動するなり、セサミンのデスクで何かを書いていた。
「教えてくれた点数カードだ。ハンコも作った。」
はなまるマークだ。金印?
薄い木の板に100マス。
「ドロインと、あれにも渡さないとな。
あとは、オートとツイミにも。スーも袋に入れておけばいいだろ。」
「うん。点数が入った時に渡すのがいいよ?
でないと、点数欲しさに無理するから。自然にね。」
「そうだな!」
「姉さん?なんです?」
「んー、ポイントカード?」
簡単に説明をする。
死ね死ね団のポイント。
有効期限や、割引、それにともなう経済効果。
が、そのポイント欲しさに、不要なものを買ってしまったりする、
本末転倒な行動。
駐車券欲しさに買い物をするのはまさにそうなのだと、
あるテレビ番組の経済学者が話していた。
節約とは、必要な時に必要なものだけを買うことだと。
耳が痛いお話であったが、パソコンパーツはまさにそれ。
欲しい時が買い時で、必要なものなのだ。
「おもしろいですね。」
「スタンプラリーっていうのもあったよ?」
「?」
「そのハンコを集めるのよ。お店ごとにハンコがあって、
全部集めたら商品あげるっていうの。
街全体で盛り上がるイベント、催しだね。
食の祭りでもできればよかったね。
そうすれば、全部廻ろうってなる。
今回は物珍しさで、ほとんどまわったんじゃない?時間切れ以外?」
「ええ、そう聞いてますね。そうか、なるほど。
ん?それがどうして死ね死ね団に?」
これまた説明する。
ドロインさんが1点。マティスが3点。ぶっちぎりは、あれで10点。
「ね、姉さん?あれ?あれでいいんですか?
その、主旨は理解されているのですか?」
「もちろんだよ?わたしも説明した。ドロインさんの理論も。」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「甘々団の趣旨は理解した。
からだが欲している。頭を使うと、オノウサマ?考えをつかさどるところだな?
そこが疲れる。それで、甘味を欲すると。」
「うん。そう聞いているよ?疲れたときに甘いの食べると、ほっとしない?」
「するな!!なるほど。で、そのオノウサマ、
要は自分には甘味が必要だとする集団?」
「そうだね、簡単に言えばそうだ。
おなか一杯でも、シュークリーム入ったでしょ?必要だから。それね。
でも、いらないっていう人もいる。それは甘々団ではない。
ニックさんや、ガイライはお酒があればいいからね。
お酒の友の会も作らないと。今日のお酒、どう?故郷のお酒なんだ。」
「ああ、うまいと思った。いいな。
うまい酒というのはうまい水があるということだ。」
「いまね、ニバーセルのあるところで作ってもらってるんだ。
出来上がったら皆で飲もうね。きっとおいしいものができると思うんだ。」
「それは楽しみだな。死ね死ね団のほうは?」
「それはワイプがいかにして死ぬかを考える集団だ。」
「死ぬかを考える?殺すのではなく?」
「?少し違う。ワイプは残念ながら愛しい人の師匠だ。そして私も便宜上な。
私たちの生活に何も影響を及ぼさないのであれば殺す価値もないし、
する必要もない。
が、なにかすることでこちらに影響が出る。
彼が平和に健やかに過ごしていれば、こちらも平穏そのものだ。
尚且つ、悔しがる顔を見ることができればこちらも楽しい。
今回のように、金策の為に寝ずに働かき、挙句倒れると、こちらが困るのだ。
なぜかわかるか?愛しい人が心配するからだ。
その心配を取り除くために動く集団といえよう。
最終的には死んでもらうということになる。
いなければ心配することもないからな。」
「師匠のことが大事なんだよ。」
「やはり、その言い方は少しおかしい。大事ではない。」
「大切のほうかな?」
「大切?それも違う。」
「言葉は難しいね。」
「愛しい人がそういうのならそうだな。言葉は難しい。
しかし、死ね死ね団はワイプの為の集団だ。」
「難しいな。10点というのは?」
「師匠が嫌がったからね。ということは、マティスが喜んだということ。
この師匠の嫌がる内容というのは、
ラーフィングに礼を言われたことや、
タトートのドロインさんに呼び出しを喰らったこととかね。
決して、殺されかけたり、心労で倒れたりすることではない。」
「当たり前だ。殺すのなら私がする。」
「日々精進だね。」
「おう!」
「うむ。大体理解した。今度なにかあれば、
また、ワイプを褒めればいいのだな?」
「そうだ。そうすると奴は心底嫌そうな顔をするだろう!」
「それはそれでどうなんだ?我はこの国の王なのに。嫌なのか?」
「嫌だろう?」
「そうなの?モウ?」
「あははは!嫌だろうね?めんどくさいってことで。
でも師匠は仕事はきっちりするから。
だけど、明日できることは明日するからね。
自分の休みの為なら上司も使う。素晴らしき勤め人ですよ?」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「・・・・・極力かかわならないようにしましょう。」
「うん。頑張って!」
「・・・あれが、あれほどの表情を出すを初めて見たんですよ。
一番隊で傍に付くことがあった時もです。」
「みたいだね。鶏館に来た時に、
これだけ笑って話したのは初めてだっていってたよ?」
「ダクツも驚いていました。
彼も、あれだけ遠慮なく飲み食いをしたのを初めて見ましたが。」
「おいしいからねー、カニは。
みんな無口だけど、顔は笑うからね。
カニとポン酒は最強の組み合わせだよね。」
「あなたが、言ったからでしょ?遠慮なく食べなさいって。」
「言われて食べれるんだったら、それでいいんよ。」
「あなたに言われれば、誰だって食べますよ?」
「うふふふ。それはないな。例えば師匠にカニ料理を目の前にして、
食べちゃダメって言っても食べるでしょ?
自分で食べたいなって思っているから食べてしまうんだよ。
食べることよりも、なにか優先すべきことがあればそっちに行くよ?
そこまでわたしの言葉は万能じゃない。そうでしょ?」
「そうでした。・・・モウ?悲しませましたか?」
「まさか!わたしが行きすぎたことをすれば、
師匠が必ず制してくれるとわかって
うれしいですよ?」
「ありがとう、モウ。」
「うふふふ。じゃ、行きましょうか?」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「ドロインさーーん。連れてきましたよ!」
「入っといで。ん?一人多いね?」
「ええ!うちの息子も連れてきました。ガイライです。」
「ガイライが息子かい?それはいいね。
久しいね?」
「タトーロイン卿、ご尊顔を拝し、恐悦至極に存じます。」
「ワイプと申します。この度はお招きくださりありがとうございます。」
ソヤと同じようなしぐさであいさつをするガイライ。
師匠もだ。
「ここではそれはいい。
ジロのようにどやされたいのか?」
「いえ、一応。できることを見せておきませんと、
師匠として。」
「ははは!よくもこの2人の師匠になったもんだね。はいはい、
ティスは違うと。
そうだね、わかってるよ。ジロ?そこであんたは笑うのかい?」
「さすが、ドロインさんだなと。」
「あんたも、もう少ししっかりしないといけないね。」
「これ以上無理でしょう。
この2人に関しては、自分でもよくできていると思っておりますから。」
「いうね。そこら辺の話もさせてもらおうか?」
「ええ。もちろん。」
「セサミン!ガイライ!頑張って!!」
「?母さん?この会話のどこに頑張るところが?」
「あるんよ!いいから!わたしはお昼ご飯用意するから!
えーと姐さんたちは?」
「刺繍布の注文が大量でね。あの子たちも刺してるよ。」
「じゃ、あとでつまめるもの用意しておきますね。」
「それは喜ぶだろうね。」
「じゃ、作ってくる。マティスも頑張ってね!
マティスはセサミンの横でフォローを。
ガイライはわたしね。で、師匠はまとめて。
ドロイン刀自はわたしのことを心配してくれているだけだから!」
「よくもまぁ、本人を目の前にして言うね。ほら!さっさと作っておいで!!」
「へーい。」
厳密にいえば心配ではない。
脅威になるかならないかの見定めだ。
だから、フォロー要員がいるのだ。
その結果、なにかしらわたしたちの行動に制限がかかるというのなら、
ここには来ないだけだ。
抱え込もうとされて困る。
その時も同じだ。
イタリアンランチはパスタとスープとサラダ?
トマトとモッツァレラのカプレーゼ?
お肉も欲しいから、それは生ハムで。
ピザもあればいいかな?
赤チーズのピザも作ろう。
もちろん、甘いのも。
姐さんたちはピザとサンドイッチでいいかな?
半分からワインを飲んじゃう。豪勢だねー。
昼のランチでお酒を飲めるとは贅沢だねー。
エスカルゴも出せればいいけど、あれはフランス料理か。
また今度ね。
共食いしそうなので、区切りを作っておいた。
よくよく考えればえげつないかなと、薬草を入れておく。
マティスが最初に育てていたものだ。あと、お茶葉と。
におい消しになるかもしれない。
パスタの準備はほぼ出来ている。
その他のものを作ればいい。
すごいな、わたし。
ちゃんとできてる。と、思う。
で、ドルチェだ。
アイスとシャーベット?
あの赤チーズと蜜の木の実のやつも。
小さなシフォンケーキとプリンも添えようか?
・・・・おなかすいてるのね。うん、仕方なし。
なんとなく、向こうの話は聞こえるが、
あえて聞かないように。
どうしようかな?まだ、白熱してる?
キャムロン、1匹だけ調理してみようか?
いや、ダメだ。マティスと一緒じゃないと、
不測の事態が起きれば、ここ一帯が飛ぶ。
パスタも仕上げてしまおう。
収納庫に入れればいいから。
エビフライも作っとこうかな?
師匠たちのお土産にもなる。
カツサンド、エビフライサンド、ローストビーフサンド。
マティスの好きなたまごサンド。
きれいな木の板を重石に。
ラップって便利よねー。
「愛しい人!」
「あ!終わった?おなかすいたでしょ?
食べれる?それとも撤収?」
「撤収だ。」
「そうか。残念だね。」
「お待ち!どうしてそうなるんだい?」
「愛しい人が望まないからだ。」
「それはあんたの意見だろ?モウは違う考えかもしれないだろ?」
「ドロイン刀自。我が夫の意見はわたしの意見です。
何を提案されたかは知りませんが、マティスが判断したのなら、
それが答えです。」
「あんたまで!わたしの娘になるだけだ。
それだけでなにもかもの煩わしいことがなくなる!!」
「あははは!それは、マティス以外もみな反対したでしょう?
この家の中でもだ。
わたしの身を案じてか、それ以外かは別にして、
それはわたしがもっとも望まないことだ。」
「これから先、あんたを手に入れようと大陸中が動き出すよ?」
「その中の一つですか?ドロインは?」
「守りの手だ。」
「守っていただくいわれがないし、その必要もない。」
「うぬぼれるんじゃないよ!」
「それは、あなただ。
あなたになにができる?
あなたはコットワッツの砂漠の枯渇を止めれたのか?
新年の違和感を阻止できるのか?」
「?それができると言ったら?」
「できると言えば、それをしなかったあなたを信頼できない。
出来ないと言えば、守ることなどできない。」
「小娘に何ができるんだい!!」
「そんな小娘を守ってどうするんですか?」
「あんたがかわいいからだろ?心配だからだ!!」
「ええ、分かっています。わたしを思うのでしたら、
どうか、見守っていただくだけで十分です。
風の噂に名が乗れば笑っていただければいい。
そして、たまに遊びに来ることを、
一緒に食事をすることをお許しください。」
「どうして!!」
「わたしも、あなたが好きなんですよ。」
「・・・わかった。好きに遊びに来ればいい。
ただ覚えておいで?わたしはあんたの味方だ。」
「うふふふ。わたしに敵はいませんよ?だから味方もいらない。」
「・・・・。」
「さ、今日は故郷で女子に人気のメニューですよ!食べましょう!!
セサミン、こっちに来て!ドロインさんをテーブルに案内して!」
「姉さん。」
「うん、大丈夫よ。あのパスタまた作ったの!」
「え!あれですか!やった!
さ、ドロインさん。向こうで待っていましょう!」
「あんたたちの言ったとおりだったよ。」
「そうですね。わたしの姉上ですから。」
「マティス?ありがとうね。」
「愛しい人?無理はしていないか?」
「してるしてる。」
「え?」
「もう、おなかペコペコ。早く食べよう!
マティス!運んで!」
「ふふふふ。ああ、たべような。」
徹底的に海の幸を収穫。前回はセサミンと一緒だったから、
2人で協力してという形だったが、
マティスだけだと、えげつない。
「広範囲で!一極集中だめ!!」
言えることはそれだけだった。
わたしは砂浜で、ドロインさんにあげる香種の瓶づくり。
それと、先に捕獲したアワビの下処理だ。
キャムロンを食べるために、昨日はカニを控えたが、
それをやっている時間はなかった。
あとは、魚の捌きと日干しを砂浜で行う。
月無し石達のプライベートビーチ外でだ。
向こうでしてくれと言われたような気がしたから。
月が昇る前まで干しておこう。
「また来るけど?それまでここで遊んどく?
真水のプールは出しておくよ?タオルと。
見張りお願いできる?」
2つ返事だった。
ここでも炭酸水は人気だった。
え?毛穴の汚れとか気にするの?
「お待たせ!!」
セサミンの執務室に集合した師匠とガイライが待機していた。
ちょっと表情が硬い。
「どうしたん?」
「いえ、そのいろいろと聞きまして。」
「ああ!けち臭いって話?」
「違います!!」
「あ、そうなん?あ!わかった!あの服とかつらと手鏡、借りパクしていったよ?
やっぱ、けち臭い話ってこと?」
「姉さん、違います!!」
「うふふふふ。お金の話は解決したんだから安心だってことでしょ?
何が不安?」
「・・・王が、妖精のこと以外に興味を持っていることに。」
「?いや、逆に妖精以外に興味がないほうが怖いよ?」
「そういわれればそうなんですが。」
「ちゃんと遠慮は知ってるから大丈夫よ。上着のことも、
そんなのコットワッツに言えばいいのに、立場上言えないって言ってたしね。
それはご贔屓を作らないってことだ。えらいよ?」
「その代わりに姉さんに話を持っていってる。
また、なにか頼まれませんか?」
「ああ、それを心配してるの?大丈夫。モウモウ商会としてのお仕事だよ?
お金にならないことは断るよ?もちろん。」
「そうですよね。ええ。姉さんだから。」
「しかし、それが増えると、税が回収できないのでほどほどに。」
「やった!資産院公認だよ!がっつり儲けようね!
マティス!ん?なにしてるの?」
執務室に移動するなり、セサミンのデスクで何かを書いていた。
「教えてくれた点数カードだ。ハンコも作った。」
はなまるマークだ。金印?
薄い木の板に100マス。
「ドロインと、あれにも渡さないとな。
あとは、オートとツイミにも。スーも袋に入れておけばいいだろ。」
「うん。点数が入った時に渡すのがいいよ?
でないと、点数欲しさに無理するから。自然にね。」
「そうだな!」
「姉さん?なんです?」
「んー、ポイントカード?」
簡単に説明をする。
死ね死ね団のポイント。
有効期限や、割引、それにともなう経済効果。
が、そのポイント欲しさに、不要なものを買ってしまったりする、
本末転倒な行動。
駐車券欲しさに買い物をするのはまさにそうなのだと、
あるテレビ番組の経済学者が話していた。
節約とは、必要な時に必要なものだけを買うことだと。
耳が痛いお話であったが、パソコンパーツはまさにそれ。
欲しい時が買い時で、必要なものなのだ。
「おもしろいですね。」
「スタンプラリーっていうのもあったよ?」
「?」
「そのハンコを集めるのよ。お店ごとにハンコがあって、
全部集めたら商品あげるっていうの。
街全体で盛り上がるイベント、催しだね。
食の祭りでもできればよかったね。
そうすれば、全部廻ろうってなる。
今回は物珍しさで、ほとんどまわったんじゃない?時間切れ以外?」
「ええ、そう聞いてますね。そうか、なるほど。
ん?それがどうして死ね死ね団に?」
これまた説明する。
ドロインさんが1点。マティスが3点。ぶっちぎりは、あれで10点。
「ね、姉さん?あれ?あれでいいんですか?
その、主旨は理解されているのですか?」
「もちろんだよ?わたしも説明した。ドロインさんの理論も。」
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「甘々団の趣旨は理解した。
からだが欲している。頭を使うと、オノウサマ?考えをつかさどるところだな?
そこが疲れる。それで、甘味を欲すると。」
「うん。そう聞いているよ?疲れたときに甘いの食べると、ほっとしない?」
「するな!!なるほど。で、そのオノウサマ、
要は自分には甘味が必要だとする集団?」
「そうだね、簡単に言えばそうだ。
おなか一杯でも、シュークリーム入ったでしょ?必要だから。それね。
でも、いらないっていう人もいる。それは甘々団ではない。
ニックさんや、ガイライはお酒があればいいからね。
お酒の友の会も作らないと。今日のお酒、どう?故郷のお酒なんだ。」
「ああ、うまいと思った。いいな。
うまい酒というのはうまい水があるということだ。」
「いまね、ニバーセルのあるところで作ってもらってるんだ。
出来上がったら皆で飲もうね。きっとおいしいものができると思うんだ。」
「それは楽しみだな。死ね死ね団のほうは?」
「それはワイプがいかにして死ぬかを考える集団だ。」
「死ぬかを考える?殺すのではなく?」
「?少し違う。ワイプは残念ながら愛しい人の師匠だ。そして私も便宜上な。
私たちの生活に何も影響を及ぼさないのであれば殺す価値もないし、
する必要もない。
が、なにかすることでこちらに影響が出る。
彼が平和に健やかに過ごしていれば、こちらも平穏そのものだ。
尚且つ、悔しがる顔を見ることができればこちらも楽しい。
今回のように、金策の為に寝ずに働かき、挙句倒れると、こちらが困るのだ。
なぜかわかるか?愛しい人が心配するからだ。
その心配を取り除くために動く集団といえよう。
最終的には死んでもらうということになる。
いなければ心配することもないからな。」
「師匠のことが大事なんだよ。」
「やはり、その言い方は少しおかしい。大事ではない。」
「大切のほうかな?」
「大切?それも違う。」
「言葉は難しいね。」
「愛しい人がそういうのならそうだな。言葉は難しい。
しかし、死ね死ね団はワイプの為の集団だ。」
「難しいな。10点というのは?」
「師匠が嫌がったからね。ということは、マティスが喜んだということ。
この師匠の嫌がる内容というのは、
ラーフィングに礼を言われたことや、
タトートのドロインさんに呼び出しを喰らったこととかね。
決して、殺されかけたり、心労で倒れたりすることではない。」
「当たり前だ。殺すのなら私がする。」
「日々精進だね。」
「おう!」
「うむ。大体理解した。今度なにかあれば、
また、ワイプを褒めればいいのだな?」
「そうだ。そうすると奴は心底嫌そうな顔をするだろう!」
「それはそれでどうなんだ?我はこの国の王なのに。嫌なのか?」
「嫌だろう?」
「そうなの?モウ?」
「あははは!嫌だろうね?めんどくさいってことで。
でも師匠は仕事はきっちりするから。
だけど、明日できることは明日するからね。
自分の休みの為なら上司も使う。素晴らしき勤め人ですよ?」
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「・・・・・極力かかわならないようにしましょう。」
「うん。頑張って!」
「・・・あれが、あれほどの表情を出すを初めて見たんですよ。
一番隊で傍に付くことがあった時もです。」
「みたいだね。鶏館に来た時に、
これだけ笑って話したのは初めてだっていってたよ?」
「ダクツも驚いていました。
彼も、あれだけ遠慮なく飲み食いをしたのを初めて見ましたが。」
「おいしいからねー、カニは。
みんな無口だけど、顔は笑うからね。
カニとポン酒は最強の組み合わせだよね。」
「あなたが、言ったからでしょ?遠慮なく食べなさいって。」
「言われて食べれるんだったら、それでいいんよ。」
「あなたに言われれば、誰だって食べますよ?」
「うふふふ。それはないな。例えば師匠にカニ料理を目の前にして、
食べちゃダメって言っても食べるでしょ?
自分で食べたいなって思っているから食べてしまうんだよ。
食べることよりも、なにか優先すべきことがあればそっちに行くよ?
そこまでわたしの言葉は万能じゃない。そうでしょ?」
「そうでした。・・・モウ?悲しませましたか?」
「まさか!わたしが行きすぎたことをすれば、
師匠が必ず制してくれるとわかって
うれしいですよ?」
「ありがとう、モウ。」
「うふふふ。じゃ、行きましょうか?」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「ドロインさーーん。連れてきましたよ!」
「入っといで。ん?一人多いね?」
「ええ!うちの息子も連れてきました。ガイライです。」
「ガイライが息子かい?それはいいね。
久しいね?」
「タトーロイン卿、ご尊顔を拝し、恐悦至極に存じます。」
「ワイプと申します。この度はお招きくださりありがとうございます。」
ソヤと同じようなしぐさであいさつをするガイライ。
師匠もだ。
「ここではそれはいい。
ジロのようにどやされたいのか?」
「いえ、一応。できることを見せておきませんと、
師匠として。」
「ははは!よくもこの2人の師匠になったもんだね。はいはい、
ティスは違うと。
そうだね、わかってるよ。ジロ?そこであんたは笑うのかい?」
「さすが、ドロインさんだなと。」
「あんたも、もう少ししっかりしないといけないね。」
「これ以上無理でしょう。
この2人に関しては、自分でもよくできていると思っておりますから。」
「いうね。そこら辺の話もさせてもらおうか?」
「ええ。もちろん。」
「セサミン!ガイライ!頑張って!!」
「?母さん?この会話のどこに頑張るところが?」
「あるんよ!いいから!わたしはお昼ご飯用意するから!
えーと姐さんたちは?」
「刺繍布の注文が大量でね。あの子たちも刺してるよ。」
「じゃ、あとでつまめるもの用意しておきますね。」
「それは喜ぶだろうね。」
「じゃ、作ってくる。マティスも頑張ってね!
マティスはセサミンの横でフォローを。
ガイライはわたしね。で、師匠はまとめて。
ドロイン刀自はわたしのことを心配してくれているだけだから!」
「よくもまぁ、本人を目の前にして言うね。ほら!さっさと作っておいで!!」
「へーい。」
厳密にいえば心配ではない。
脅威になるかならないかの見定めだ。
だから、フォロー要員がいるのだ。
その結果、なにかしらわたしたちの行動に制限がかかるというのなら、
ここには来ないだけだ。
抱え込もうとされて困る。
その時も同じだ。
イタリアンランチはパスタとスープとサラダ?
トマトとモッツァレラのカプレーゼ?
お肉も欲しいから、それは生ハムで。
ピザもあればいいかな?
赤チーズのピザも作ろう。
もちろん、甘いのも。
姐さんたちはピザとサンドイッチでいいかな?
半分からワインを飲んじゃう。豪勢だねー。
昼のランチでお酒を飲めるとは贅沢だねー。
エスカルゴも出せればいいけど、あれはフランス料理か。
また今度ね。
共食いしそうなので、区切りを作っておいた。
よくよく考えればえげつないかなと、薬草を入れておく。
マティスが最初に育てていたものだ。あと、お茶葉と。
におい消しになるかもしれない。
パスタの準備はほぼ出来ている。
その他のものを作ればいい。
すごいな、わたし。
ちゃんとできてる。と、思う。
で、ドルチェだ。
アイスとシャーベット?
あの赤チーズと蜜の木の実のやつも。
小さなシフォンケーキとプリンも添えようか?
・・・・おなかすいてるのね。うん、仕方なし。
なんとなく、向こうの話は聞こえるが、
あえて聞かないように。
どうしようかな?まだ、白熱してる?
キャムロン、1匹だけ調理してみようか?
いや、ダメだ。マティスと一緒じゃないと、
不測の事態が起きれば、ここ一帯が飛ぶ。
パスタも仕上げてしまおう。
収納庫に入れればいいから。
エビフライも作っとこうかな?
師匠たちのお土産にもなる。
カツサンド、エビフライサンド、ローストビーフサンド。
マティスの好きなたまごサンド。
きれいな木の板を重石に。
ラップって便利よねー。
「愛しい人!」
「あ!終わった?おなかすいたでしょ?
食べれる?それとも撤収?」
「撤収だ。」
「そうか。残念だね。」
「お待ち!どうしてそうなるんだい?」
「愛しい人が望まないからだ。」
「それはあんたの意見だろ?モウは違う考えかもしれないだろ?」
「ドロイン刀自。我が夫の意見はわたしの意見です。
何を提案されたかは知りませんが、マティスが判断したのなら、
それが答えです。」
「あんたまで!わたしの娘になるだけだ。
それだけでなにもかもの煩わしいことがなくなる!!」
「あははは!それは、マティス以外もみな反対したでしょう?
この家の中でもだ。
わたしの身を案じてか、それ以外かは別にして、
それはわたしがもっとも望まないことだ。」
「これから先、あんたを手に入れようと大陸中が動き出すよ?」
「その中の一つですか?ドロインは?」
「守りの手だ。」
「守っていただくいわれがないし、その必要もない。」
「うぬぼれるんじゃないよ!」
「それは、あなただ。
あなたになにができる?
あなたはコットワッツの砂漠の枯渇を止めれたのか?
新年の違和感を阻止できるのか?」
「?それができると言ったら?」
「できると言えば、それをしなかったあなたを信頼できない。
出来ないと言えば、守ることなどできない。」
「小娘に何ができるんだい!!」
「そんな小娘を守ってどうするんですか?」
「あんたがかわいいからだろ?心配だからだ!!」
「ええ、分かっています。わたしを思うのでしたら、
どうか、見守っていただくだけで十分です。
風の噂に名が乗れば笑っていただければいい。
そして、たまに遊びに来ることを、
一緒に食事をすることをお許しください。」
「どうして!!」
「わたしも、あなたが好きなんですよ。」
「・・・わかった。好きに遊びに来ればいい。
ただ覚えておいで?わたしはあんたの味方だ。」
「うふふふ。わたしに敵はいませんよ?だから味方もいらない。」
「・・・・。」
「さ、今日は故郷で女子に人気のメニューですよ!食べましょう!!
セサミン、こっちに来て!ドロインさんをテーブルに案内して!」
「姉さん。」
「うん、大丈夫よ。あのパスタまた作ったの!」
「え!あれですか!やった!
さ、ドロインさん。向こうで待っていましょう!」
「あんたたちの言ったとおりだったよ。」
「そうですね。わたしの姉上ですから。」
「マティス?ありがとうね。」
「愛しい人?無理はしていないか?」
「してるしてる。」
「え?」
「もう、おなかペコペコ。早く食べよう!
マティス!運んで!」
「ふふふふ。ああ、たべような。」
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スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
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12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
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※カクヨムにも投稿しています
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