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593:娘
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「先に聞こうか?あんたたち?あの子どうしたいんだい?」
「どうというのは?」
セサミナがドロインに尋ねる。
先に薄い膜を張っている。
彼女に詳しい話を聞かす必要はない。
ドロインの意図がまだ見えないが、
彼女自身はここの、この家での食事を楽しんでいる。
この関係を崩したくはないのだが、話の成り行きだな。
「彼女はわたしの姉だ。兄の妻であるからではなく。
家族ですよ?」
「家族!あんたは?息子だと言ったね?あの子は母親になるのかい?」
「母ですね。」
「あきれた!言い切るのか!」
「ドロイン殿?何が言いたいんですか?」
ワイプが口をはさむ。
「師匠と言っていたね?なんの?」
「武道一般ですかね。わたしの考えかた、仕事に対する姿勢も、
尊敬してもらっていますよ?」
それがおかしいんだ!!
「あの子がどっから来て、何者かということはこの際どうでもいい。
ここにいるということは変えようがない事実だからだ。
これからは?あの子のやることなすことすべて、革新的なことばかりだ。
それは誰もが認めるところだ。
それを狙う輩はこれからどんどん出てくるだろう。
アガッターなんぞ、かわいいもんだ。
ただ、化粧瓶がどうのと。白磁のことも、
単純に金儲けのネタとしてしかとらえていない。
会合ね。
集まりに遅れていったのさ。
どうしてか?部屋で待っていたら、あの上着を見せれないだろ?
あのときのあの顔!思い出しても笑いが出てくるよ。
ああ、この話はいいね。
アガッターはいいとして、ダカルナは国を挙げて、
モウを手に入れようとしている。
ニバーセルは余程暢気だと暗に言っていたよ?
あんたもだ、ジロ?コットワッツの若き賢領主セサミナよ?」
「タトーロイン卿、お答えしましたように、あの方はわたしの姉です。
そして、わたしの主。ガイライ殿の主でもあります。」
「なるほど。主として持ち上げるのか?」
「臣の腕を捧げておりますゆえ。」
「!これは驚いた。ガイライ?あんたもかい?」
「ええ。母であり、わたしの主だ。」
「ワイプは?」
「わたしは彼女の師ですので。」
「それであの子を守っているつもりかい?」
「守る?なにから?」
「この大陸からだよ!!今はいいだろう。まだね。
それでも鼻が利く者たちは動いている。わたしが出遅れたんだよ!!
雨の夜会に出ればさらにだ。」
「その夜会に正式に招待したのは、卿ではないですか?
それだけでも、あなたの立場は中央で確固たるものになるでしょうね?」
「・・・あの子のことが分かったのは招待状を出した後だ。
マティスの嫁問題だけだと思っていたが、そっちではないんだよ、本題は!
あの子だ。あの子の力だ。」
「彼女になんの力があると?」
「漠然としているね。トックスも言っていたが、ものの考え方が違うようだ。
料理にしても、なんでもだ。
一から作り出すことはないようだが、
あるものをどうしてそう考えることができるのか?
聞いてしまえばなんてことはない、納得のいく話なんだ。
が、それは金を産む。そして権力が付いてくる。
誰でも欲しいだろう?守りがいるんだ。それをわかっているのかい?
わたしなら守ってやれるんだ!」
「どうやって?」
「娘にするよ。」
セサミナとガイライは笑いをこらえている。
答えているワイプもだ。
「何がおかしい?」
「できないことをおっしゃるからだ。」
「どうしてだ?このタトーロインの娘だ。
国王と言えど手が出ない。中央もね。これ以上の守りはないだろう?」
「守りと同時に彼女を死なすことになる。
それはマティス君が許すはずもないし、そもそも彼女が受けない。
彼女を守る?そこからが間違いだ。
彼女を守る、もちろん、我々はそうしている。
道端の草を食べてはいけない、
知らない人からもらったものを食べてはいけない、
よそ様にむやみやたらにものをあげてはいけない、
あとなにがありました?
ああ、知らない人についていってはいけない、
話してもいけない。
売るときの金額は相談、
マティス君が知らないものを見つけたら相談。
これは、トックス殿も入りますから。あと、うちのツイミと、ソヤも。
かなり広範囲で確認できる。」
「あんたたち?正気かい?」
「彼女を子ども扱いしているわけではない。
世間一般な見守りだけですよ?
彼女は何者にも縛れないし、する必要はない。」
「・・・マティス?あんたは?さっきから黙っているけど、
剣のマティスと2つ名があるからこそ、わかるだろ?
あんただけでは守れない。力だけではない、権力からものだ。」
「彼女は守る。その前に、彼女と生きて行く。
だから、あなたの提案は断ろう。」
「生きていくために、守りがいるんだろうが!!」
「その守りが生きていくのに邪魔なんだ。
彼女は楽しんでいる。今を。邪魔はするな。」
「今はいいと言っているだろ!夜会に出ればそうもいかなくなる!」
「セサミナに迷惑がかかるのか?出ないほうがいいか?」
「それはないでしょう?ニバーセル王にもね。
そんなからめ手ではダメだとわかるんじゃないんですか?
分からない輩はこちらで何とでもできますから。
夜会はぜひ出てください。うちの2人も楽しみにしてますし。
姉上が一緒だからと。」
「そうだな。私も出たいんだ。
お前に問題なければ、予定通り参加しよう。」
「娘とするよ!」
「ドロイン、それは却下だ。それ以上言うなら、ここには来れないぞ?」
「それはあんたの意見だだろ?モウに聞くよ!」
「私の判断は彼女の判断だ。」
「そうやって彼女を縛るのかい?縛ってるのはあんただろ?」
「ははは!縛れるものなら縛ってみたいな。
誰もいないところで、2人だけで生きていける。
が、彼女はそれは望まない。」
席を立ち、彼女の元に行けば、
パンに板を押し当てていた。
サンドイッチか?彼女はいつのまにか料理をこなす。
彼女の料理はうまいし、うれしい。
が、すこし元気がないな。
「愛しい人?」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「これはうまいね。海のものかい?
こっちは匂いはあるが、チーズか。赤チーズ!よくここまで運べたものだね。」
「知ってます?冷蔵庫のおかげで運べるんですよ!
現地での新鮮さにはかないませんが、大陸のどの名産品も
遠く離れた場所で食べれるようになるんですよ!冷蔵馬車と冷凍馬車!
ニバーセル、コットワッツの商品です!」
「ああ、その話は聞いている。ここからは売るものはないが、
専属で買うらしいよ?で、大陸を廻るそうだ。」
「そうなの?セサミン!やったね!あ、その赤茄とチーズは一緒にたべて。」
「ええ。大型の冷蔵庫の、冷凍庫の注文も入っています。」
「よかった。第2段、第3弾と行かないとね。」
「準備は進んでいますよ?」
「当然だね!
あとはねー、チーズ専用の温度とか?
ワイン専用の温度とか?そういうのあるらしいよ?
調整機能付きだね。パンのおかわりいる?ソースがおいしいよね。」
「・・・・。」
「ドロインさん?こっちもなんか、温度調整がいるものってないですか?
寒い時期にだけとれる香辛料とか?
冷やして使うものとか?」
「香辛料を冷やす?ないね。」
「そうですよね。暑い時ほど辛いもの食べて汗出すしね。
わたしも、ぱっとは思いつかないな。熱い地域で冷たいもの?
かき氷ぐらい?」
「なんですそれ?」
「氷をね、削って、食べるだけなんだけどね。
蜜掛けたりクリーム乗っけたりするのよ。
暑い時期に食べようね。さすがに今はいらないな。」
「暑い時期の楽しみができましたね!」
「うん!ラルトリガの食の祭りで売れるよ!」
「いいですね!」
「・・・・。」
「ドロインさん?そのね、かき氷。
1杯3銅貨かな?祭り価格で5銅貨も有りかもしれないけどね。
それぐらいなんですよ?」
「氷だよ?氷がどれほど高価なものか!」
「ええ。それが身近なものになる。
ここで考えないといけないことは、氷を商売にしていた人たちのことだ。
が、氷は季節もの。それだけを商売にいるところは少ない。
そして、やはり天然の氷はおいしい。
それだけで価値が上がる。
天然氷のかき氷なんて、1銀貨で売っても売れる。
わたしは食べたことないんですけど、やっぱり違うんですって!
ふわってしてるって!
希少性を売れば、商売になる。」
「それに気付かないものの方が多いだろうね。」
「もったいないですね。」
「・・・それをあんたが教えることはないのかい?」
「ないですよー。だって、氷屋さんに知り合いいないもの。」
「驚いた。あんたは、皆を豊かにするわけじゃないんだね?」
「あははは!ソヤが氷屋をするっていうならもちろん助言はします。
どこかで親切にしてくれたかわいい娘さんの実家が氷屋さんでもね。
どうにかできないかと相談されれば、一緒に考ましょう。
それぐらいですよ?わたしがするのは?」
「しかし、今こうして話している。これは?」
「これはおしゃべりですよ?デザートにしましょうか?お好きなのをどうぞ?」
「あんたのそのおしゃべりが金を生むんだよ?」
「いいですね!飲み物はコーヒーで。」
「自覚がないじゃないか!!」
「うふふふふ。自覚はあります。
わたしは臆病で卑怯者で、金の亡者だ。
本当に儲かることは人には言わない。
儲かるんだけど?っていう話ほど、危ない話はない。
儲かることは人には言わない。
それを言うのは家族か、その人に動いてもらうほうが儲かるときだけだ。」
「人を選んでいるのかい?」
「もちろん。わたしは善人じゃないんで。」
「あんたのせいで誰かが不幸になったら?」
「それは悲し話だ。が、それは誰にでも起こりうる話だ。
全財産を掛けて刺繍布を持ち出した商人もいたでしょう?
あのときもっと、止めてくれればこんなことにならなかった。
逆恨みをして、売り主になん癖を掛けて、殺めた輩もいるかもしれない。
あの時もっと止めていれば、売らなければこんなことにはならなかったのに?
そんな後悔は数知れずあるはずだ。
あなたにもね。でも、いま、生きてる。
ただ、わたしのなにか話したことで、
だれかが、不幸になったらとかは考えますよ?
でも、そんなこと考えていたら生きていけない。
わたしは生きていますから。」
「わかった、わかった。
何も言わないよ。」
「ありがとうございます。わたしの話で終わりましたね。
セサミンの話は?」
「ん?あれの値段かい?」
「ええ。それはこちらで付けますので、ご心配なさらずに。」
「ああ、好きにしな。」
「中央に向けての金額設定の参考にはさせてもらいますから。
安いと逆に買わないということですよね?」
「そういうことだ。誰に売るかで決めることだ。」
「ええ。承知しています。」
「カンターウォーマーは?10台?50リングです。
あと、これは非売品ですよ?
もらってくださいな。で、見せびらかしてください。
香が無くなったら、コットワッツでご購入を。
お気に入りの香りをその綿にしみ込ませてもいいですよ?」
白磁もいいかなと思ったが、サンゴの赤を気に入ってくれていたようなので、
それで透かし彫りを。イヤリングとお揃いの丸い形。パフュームペンダントだ。
裏をスライドさせれば香りが広がる。
「・・・・これは?あんたたち?
どう説明できるんだい?」
「ん?」
「これは、知らない人に差し上げるわけではないから問題ないですよ?」
師匠が答える。なんだそれ?
「モウ。とても素敵なものだ。ありがたくいただくよ。」
「ええ!気に入ってくれてうれしいです!」
「これ、とてもいいものだから、もう一つ欲しいね。
タダとは言はないよ?金額を言っておくれ。」
「あー、これは、あなただけの贈り物だ。
同じものは作れないし、似たようなものも作れない。」
「お願いだよ?100万リングだそう。」
10倍の法則になるな。
が、わたしを試すのか?
「おお!じゃ、1000万でしたらいいですよ?」
「はは!ああ、では作っておくれ。」
「お渡ししたもの、もう一度渡してもらえますか?
でないと、同じものはできないので。」
「ああ。ん?え?今持っていたのに。え?」
「あれ?落としました?下にはないようですね。
無ければ作れないです。作らないんじゃなくてね。
残念ですね。
2度と同じものはできないんですよ。似たようなものもね。」
「!・・・・1000万リングを出すから、
さっきと同じようなもの、
まったく同じようなものでなくていいから作ってほしい。」
「さっきのって?どんなのですか?」
「今!くれただろ?それだよ!!」
「んー、覚えてないですよ?」
「・・・・わかった。もう言わない。
本当に、あれは気にいったんだ。すまない。」
「うふふふ。ガイライ?足元に落ちてない?
あった?ドロインさんにつけてあげて?後ろ、磁石になってるからね。
パチンってつくから。」
「ドロイン殿。お付けしましょう。」
「・・・・なんてことだろうね。孫娘たちがいなくてよかったよ。
また、大笑いされるところだ。」
「意地悪いしてごめんなさい。でも、そんなこと言わないで?」
「ああ、言わないよ。ありがとう、ガイライ。
どうだい?似合うかい?」
「ええ。とっても。」
「えーと、その、姉さん?慈石?」
「うん。小さいのね。それを留め具のところに使ってるの。」
「慈石、加工できますか?」
「あー、先にね。鉄を加工して、それを磁石を近づけるのね。
ここでも、磁石って鉄とくっつくよね?磁気誘導っていうんだけど。
わたしのとこでは、磁石からはずしたら、
しばらくはその鉄も磁石になってるけど、
ここでは、ずっと磁石のままだったからね。
それね。いいんだか、悪いんだか。おもしろいね。」
「・・・・。」
「ん?」
「アウトーーーーーー!!!」
最近セサミンがこの言葉を覚えた。
「うそん!なんで?冷蔵庫のおまけとおんなじでしょ?」
「あれは慈石そのものでしょ?」
「いや、あんなきれいな大きさでないよ?
鉄を加工してから作たんだよ?」
「え?それ、わたしに説明してくれました?」
「んー。磁石って言ったよ?
慈石?磁石?ちょっと違うのかな?
で、いいですねって。
ね?マティス?」
「ああ、かわいいですねって言ったぞ? 」
「あは!似てる!!!」
「だろ?」
「そこ2人!黙って!!」
「「へーい。」」
「慈石は厄介者なんですよ。」
「うん、だろうね。みんな磁石にしちゃうから。
それでも、結構長時間くっつけていたらだよ?で、弱い。
磁石同士がいいかんじでくっつく程度だね。
それが、また鉄を磁石にすることはできないしね。
紙とめたり、飾りの留め具に使うぐらいだよ?」
「モウ?あれになるのか?」
「ああ、ガイライ、あれには使えない。実験確認済みです。」
「ならば問題ないですよ。」
「そうですか。次回からもう少し詳しく教えてください。」
「ん。」
「あはははは!!ほら見ろ!
あんたたちの守りではダメなんじゃないのかい?
それがとんでもないものだったらどうするんだい?」
「刀自?わたしもできる限り、気を付けている。
これが、直接、ヒトを殺める道具にならないと判断しました。
ここから、なにか産みだせるのなら、
それは、その方の技術、能力だ。
わたしは、それをみせてもらえれば、
その素晴らしき発想に感嘆することでしょう。
兵器等に使うならば、それも技術だ。が、今の時点でわからないことを
考えても仕方がない。わたしの知りうることですべての可能性を考えている。
わたしが何かをすることで、わたしの廻りの者を笑うのでしたら、
今後一切のあなたの前には表れないし、
風のうわさすら乗ることもないでしょう。
お分かりか?彼らはわたしの臣と師だ。
臣を笑うということは、主のわたしを笑うということ。
師を笑うということは、弟子であるわたしが許さない。
刀自?改めて聞こう、なにがおかしい?」
「・・・謝罪を。すまなかった。
彼らはあなたを軽く見ていると思っていた。
あなたも考えが浅いと。
違うんだね?」
「わたしの考えが浅いとか深いとか、自分では判断できません。
だから、皆に尋ねます。いいのか、わるいのか。
起ったことをどう修正すればいいのか。
皆考えてくれます。
それを笑うのでしたら、そうですかと、関わらないだけだ。」
「わかったから。そんな悲しいことを言わないでおくれ。」
「うふふふ。姐さんたちに食べてもらえるようなものは、
おいてますから。丸いものは窯にいれてすこし温めてください。
チーズがちょっと焦げるくらいに。
あとは、冷蔵庫に野菜も入ってます。
次に来るのは雨の日の月初めです。白の刺繍布を取りに来ます。
何かいいもの手に入ったらまた来ますね。いいですか?」
「ああ、もちろんだ。だけど、だけどね。」
「ええ、十分気を付けます。
心配しないでっていってもこれは仕方がないですね。
また来ますから。ね?」
心配してくれるのは分かる。
が、それだけではないのもわかる。
人付き合いの距離の取り方は難しいね。
「どうというのは?」
セサミナがドロインに尋ねる。
先に薄い膜を張っている。
彼女に詳しい話を聞かす必要はない。
ドロインの意図がまだ見えないが、
彼女自身はここの、この家での食事を楽しんでいる。
この関係を崩したくはないのだが、話の成り行きだな。
「彼女はわたしの姉だ。兄の妻であるからではなく。
家族ですよ?」
「家族!あんたは?息子だと言ったね?あの子は母親になるのかい?」
「母ですね。」
「あきれた!言い切るのか!」
「ドロイン殿?何が言いたいんですか?」
ワイプが口をはさむ。
「師匠と言っていたね?なんの?」
「武道一般ですかね。わたしの考えかた、仕事に対する姿勢も、
尊敬してもらっていますよ?」
それがおかしいんだ!!
「あの子がどっから来て、何者かということはこの際どうでもいい。
ここにいるということは変えようがない事実だからだ。
これからは?あの子のやることなすことすべて、革新的なことばかりだ。
それは誰もが認めるところだ。
それを狙う輩はこれからどんどん出てくるだろう。
アガッターなんぞ、かわいいもんだ。
ただ、化粧瓶がどうのと。白磁のことも、
単純に金儲けのネタとしてしかとらえていない。
会合ね。
集まりに遅れていったのさ。
どうしてか?部屋で待っていたら、あの上着を見せれないだろ?
あのときのあの顔!思い出しても笑いが出てくるよ。
ああ、この話はいいね。
アガッターはいいとして、ダカルナは国を挙げて、
モウを手に入れようとしている。
ニバーセルは余程暢気だと暗に言っていたよ?
あんたもだ、ジロ?コットワッツの若き賢領主セサミナよ?」
「タトーロイン卿、お答えしましたように、あの方はわたしの姉です。
そして、わたしの主。ガイライ殿の主でもあります。」
「なるほど。主として持ち上げるのか?」
「臣の腕を捧げておりますゆえ。」
「!これは驚いた。ガイライ?あんたもかい?」
「ええ。母であり、わたしの主だ。」
「ワイプは?」
「わたしは彼女の師ですので。」
「それであの子を守っているつもりかい?」
「守る?なにから?」
「この大陸からだよ!!今はいいだろう。まだね。
それでも鼻が利く者たちは動いている。わたしが出遅れたんだよ!!
雨の夜会に出ればさらにだ。」
「その夜会に正式に招待したのは、卿ではないですか?
それだけでも、あなたの立場は中央で確固たるものになるでしょうね?」
「・・・あの子のことが分かったのは招待状を出した後だ。
マティスの嫁問題だけだと思っていたが、そっちではないんだよ、本題は!
あの子だ。あの子の力だ。」
「彼女になんの力があると?」
「漠然としているね。トックスも言っていたが、ものの考え方が違うようだ。
料理にしても、なんでもだ。
一から作り出すことはないようだが、
あるものをどうしてそう考えることができるのか?
聞いてしまえばなんてことはない、納得のいく話なんだ。
が、それは金を産む。そして権力が付いてくる。
誰でも欲しいだろう?守りがいるんだ。それをわかっているのかい?
わたしなら守ってやれるんだ!」
「どうやって?」
「娘にするよ。」
セサミナとガイライは笑いをこらえている。
答えているワイプもだ。
「何がおかしい?」
「できないことをおっしゃるからだ。」
「どうしてだ?このタトーロインの娘だ。
国王と言えど手が出ない。中央もね。これ以上の守りはないだろう?」
「守りと同時に彼女を死なすことになる。
それはマティス君が許すはずもないし、そもそも彼女が受けない。
彼女を守る?そこからが間違いだ。
彼女を守る、もちろん、我々はそうしている。
道端の草を食べてはいけない、
知らない人からもらったものを食べてはいけない、
よそ様にむやみやたらにものをあげてはいけない、
あとなにがありました?
ああ、知らない人についていってはいけない、
話してもいけない。
売るときの金額は相談、
マティス君が知らないものを見つけたら相談。
これは、トックス殿も入りますから。あと、うちのツイミと、ソヤも。
かなり広範囲で確認できる。」
「あんたたち?正気かい?」
「彼女を子ども扱いしているわけではない。
世間一般な見守りだけですよ?
彼女は何者にも縛れないし、する必要はない。」
「・・・マティス?あんたは?さっきから黙っているけど、
剣のマティスと2つ名があるからこそ、わかるだろ?
あんただけでは守れない。力だけではない、権力からものだ。」
「彼女は守る。その前に、彼女と生きて行く。
だから、あなたの提案は断ろう。」
「生きていくために、守りがいるんだろうが!!」
「その守りが生きていくのに邪魔なんだ。
彼女は楽しんでいる。今を。邪魔はするな。」
「今はいいと言っているだろ!夜会に出ればそうもいかなくなる!」
「セサミナに迷惑がかかるのか?出ないほうがいいか?」
「それはないでしょう?ニバーセル王にもね。
そんなからめ手ではダメだとわかるんじゃないんですか?
分からない輩はこちらで何とでもできますから。
夜会はぜひ出てください。うちの2人も楽しみにしてますし。
姉上が一緒だからと。」
「そうだな。私も出たいんだ。
お前に問題なければ、予定通り参加しよう。」
「娘とするよ!」
「ドロイン、それは却下だ。それ以上言うなら、ここには来れないぞ?」
「それはあんたの意見だだろ?モウに聞くよ!」
「私の判断は彼女の判断だ。」
「そうやって彼女を縛るのかい?縛ってるのはあんただろ?」
「ははは!縛れるものなら縛ってみたいな。
誰もいないところで、2人だけで生きていける。
が、彼女はそれは望まない。」
席を立ち、彼女の元に行けば、
パンに板を押し当てていた。
サンドイッチか?彼女はいつのまにか料理をこなす。
彼女の料理はうまいし、うれしい。
が、すこし元気がないな。
「愛しい人?」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「これはうまいね。海のものかい?
こっちは匂いはあるが、チーズか。赤チーズ!よくここまで運べたものだね。」
「知ってます?冷蔵庫のおかげで運べるんですよ!
現地での新鮮さにはかないませんが、大陸のどの名産品も
遠く離れた場所で食べれるようになるんですよ!冷蔵馬車と冷凍馬車!
ニバーセル、コットワッツの商品です!」
「ああ、その話は聞いている。ここからは売るものはないが、
専属で買うらしいよ?で、大陸を廻るそうだ。」
「そうなの?セサミン!やったね!あ、その赤茄とチーズは一緒にたべて。」
「ええ。大型の冷蔵庫の、冷凍庫の注文も入っています。」
「よかった。第2段、第3弾と行かないとね。」
「準備は進んでいますよ?」
「当然だね!
あとはねー、チーズ専用の温度とか?
ワイン専用の温度とか?そういうのあるらしいよ?
調整機能付きだね。パンのおかわりいる?ソースがおいしいよね。」
「・・・・。」
「ドロインさん?こっちもなんか、温度調整がいるものってないですか?
寒い時期にだけとれる香辛料とか?
冷やして使うものとか?」
「香辛料を冷やす?ないね。」
「そうですよね。暑い時ほど辛いもの食べて汗出すしね。
わたしも、ぱっとは思いつかないな。熱い地域で冷たいもの?
かき氷ぐらい?」
「なんですそれ?」
「氷をね、削って、食べるだけなんだけどね。
蜜掛けたりクリーム乗っけたりするのよ。
暑い時期に食べようね。さすがに今はいらないな。」
「暑い時期の楽しみができましたね!」
「うん!ラルトリガの食の祭りで売れるよ!」
「いいですね!」
「・・・・。」
「ドロインさん?そのね、かき氷。
1杯3銅貨かな?祭り価格で5銅貨も有りかもしれないけどね。
それぐらいなんですよ?」
「氷だよ?氷がどれほど高価なものか!」
「ええ。それが身近なものになる。
ここで考えないといけないことは、氷を商売にしていた人たちのことだ。
が、氷は季節もの。それだけを商売にいるところは少ない。
そして、やはり天然の氷はおいしい。
それだけで価値が上がる。
天然氷のかき氷なんて、1銀貨で売っても売れる。
わたしは食べたことないんですけど、やっぱり違うんですって!
ふわってしてるって!
希少性を売れば、商売になる。」
「それに気付かないものの方が多いだろうね。」
「もったいないですね。」
「・・・それをあんたが教えることはないのかい?」
「ないですよー。だって、氷屋さんに知り合いいないもの。」
「驚いた。あんたは、皆を豊かにするわけじゃないんだね?」
「あははは!ソヤが氷屋をするっていうならもちろん助言はします。
どこかで親切にしてくれたかわいい娘さんの実家が氷屋さんでもね。
どうにかできないかと相談されれば、一緒に考ましょう。
それぐらいですよ?わたしがするのは?」
「しかし、今こうして話している。これは?」
「これはおしゃべりですよ?デザートにしましょうか?お好きなのをどうぞ?」
「あんたのそのおしゃべりが金を生むんだよ?」
「いいですね!飲み物はコーヒーで。」
「自覚がないじゃないか!!」
「うふふふふ。自覚はあります。
わたしは臆病で卑怯者で、金の亡者だ。
本当に儲かることは人には言わない。
儲かるんだけど?っていう話ほど、危ない話はない。
儲かることは人には言わない。
それを言うのは家族か、その人に動いてもらうほうが儲かるときだけだ。」
「人を選んでいるのかい?」
「もちろん。わたしは善人じゃないんで。」
「あんたのせいで誰かが不幸になったら?」
「それは悲し話だ。が、それは誰にでも起こりうる話だ。
全財産を掛けて刺繍布を持ち出した商人もいたでしょう?
あのときもっと、止めてくれればこんなことにならなかった。
逆恨みをして、売り主になん癖を掛けて、殺めた輩もいるかもしれない。
あの時もっと止めていれば、売らなければこんなことにはならなかったのに?
そんな後悔は数知れずあるはずだ。
あなたにもね。でも、いま、生きてる。
ただ、わたしのなにか話したことで、
だれかが、不幸になったらとかは考えますよ?
でも、そんなこと考えていたら生きていけない。
わたしは生きていますから。」
「わかった、わかった。
何も言わないよ。」
「ありがとうございます。わたしの話で終わりましたね。
セサミンの話は?」
「ん?あれの値段かい?」
「ええ。それはこちらで付けますので、ご心配なさらずに。」
「ああ、好きにしな。」
「中央に向けての金額設定の参考にはさせてもらいますから。
安いと逆に買わないということですよね?」
「そういうことだ。誰に売るかで決めることだ。」
「ええ。承知しています。」
「カンターウォーマーは?10台?50リングです。
あと、これは非売品ですよ?
もらってくださいな。で、見せびらかしてください。
香が無くなったら、コットワッツでご購入を。
お気に入りの香りをその綿にしみ込ませてもいいですよ?」
白磁もいいかなと思ったが、サンゴの赤を気に入ってくれていたようなので、
それで透かし彫りを。イヤリングとお揃いの丸い形。パフュームペンダントだ。
裏をスライドさせれば香りが広がる。
「・・・・これは?あんたたち?
どう説明できるんだい?」
「ん?」
「これは、知らない人に差し上げるわけではないから問題ないですよ?」
師匠が答える。なんだそれ?
「モウ。とても素敵なものだ。ありがたくいただくよ。」
「ええ!気に入ってくれてうれしいです!」
「これ、とてもいいものだから、もう一つ欲しいね。
タダとは言はないよ?金額を言っておくれ。」
「あー、これは、あなただけの贈り物だ。
同じものは作れないし、似たようなものも作れない。」
「お願いだよ?100万リングだそう。」
10倍の法則になるな。
が、わたしを試すのか?
「おお!じゃ、1000万でしたらいいですよ?」
「はは!ああ、では作っておくれ。」
「お渡ししたもの、もう一度渡してもらえますか?
でないと、同じものはできないので。」
「ああ。ん?え?今持っていたのに。え?」
「あれ?落としました?下にはないようですね。
無ければ作れないです。作らないんじゃなくてね。
残念ですね。
2度と同じものはできないんですよ。似たようなものもね。」
「!・・・・1000万リングを出すから、
さっきと同じようなもの、
まったく同じようなものでなくていいから作ってほしい。」
「さっきのって?どんなのですか?」
「今!くれただろ?それだよ!!」
「んー、覚えてないですよ?」
「・・・・わかった。もう言わない。
本当に、あれは気にいったんだ。すまない。」
「うふふふ。ガイライ?足元に落ちてない?
あった?ドロインさんにつけてあげて?後ろ、磁石になってるからね。
パチンってつくから。」
「ドロイン殿。お付けしましょう。」
「・・・・なんてことだろうね。孫娘たちがいなくてよかったよ。
また、大笑いされるところだ。」
「意地悪いしてごめんなさい。でも、そんなこと言わないで?」
「ああ、言わないよ。ありがとう、ガイライ。
どうだい?似合うかい?」
「ええ。とっても。」
「えーと、その、姉さん?慈石?」
「うん。小さいのね。それを留め具のところに使ってるの。」
「慈石、加工できますか?」
「あー、先にね。鉄を加工して、それを磁石を近づけるのね。
ここでも、磁石って鉄とくっつくよね?磁気誘導っていうんだけど。
わたしのとこでは、磁石からはずしたら、
しばらくはその鉄も磁石になってるけど、
ここでは、ずっと磁石のままだったからね。
それね。いいんだか、悪いんだか。おもしろいね。」
「・・・・。」
「ん?」
「アウトーーーーーー!!!」
最近セサミンがこの言葉を覚えた。
「うそん!なんで?冷蔵庫のおまけとおんなじでしょ?」
「あれは慈石そのものでしょ?」
「いや、あんなきれいな大きさでないよ?
鉄を加工してから作たんだよ?」
「え?それ、わたしに説明してくれました?」
「んー。磁石って言ったよ?
慈石?磁石?ちょっと違うのかな?
で、いいですねって。
ね?マティス?」
「ああ、かわいいですねって言ったぞ? 」
「あは!似てる!!!」
「だろ?」
「そこ2人!黙って!!」
「「へーい。」」
「慈石は厄介者なんですよ。」
「うん、だろうね。みんな磁石にしちゃうから。
それでも、結構長時間くっつけていたらだよ?で、弱い。
磁石同士がいいかんじでくっつく程度だね。
それが、また鉄を磁石にすることはできないしね。
紙とめたり、飾りの留め具に使うぐらいだよ?」
「モウ?あれになるのか?」
「ああ、ガイライ、あれには使えない。実験確認済みです。」
「ならば問題ないですよ。」
「そうですか。次回からもう少し詳しく教えてください。」
「ん。」
「あはははは!!ほら見ろ!
あんたたちの守りではダメなんじゃないのかい?
それがとんでもないものだったらどうするんだい?」
「刀自?わたしもできる限り、気を付けている。
これが、直接、ヒトを殺める道具にならないと判断しました。
ここから、なにか産みだせるのなら、
それは、その方の技術、能力だ。
わたしは、それをみせてもらえれば、
その素晴らしき発想に感嘆することでしょう。
兵器等に使うならば、それも技術だ。が、今の時点でわからないことを
考えても仕方がない。わたしの知りうることですべての可能性を考えている。
わたしが何かをすることで、わたしの廻りの者を笑うのでしたら、
今後一切のあなたの前には表れないし、
風のうわさすら乗ることもないでしょう。
お分かりか?彼らはわたしの臣と師だ。
臣を笑うということは、主のわたしを笑うということ。
師を笑うということは、弟子であるわたしが許さない。
刀自?改めて聞こう、なにがおかしい?」
「・・・謝罪を。すまなかった。
彼らはあなたを軽く見ていると思っていた。
あなたも考えが浅いと。
違うんだね?」
「わたしの考えが浅いとか深いとか、自分では判断できません。
だから、皆に尋ねます。いいのか、わるいのか。
起ったことをどう修正すればいいのか。
皆考えてくれます。
それを笑うのでしたら、そうですかと、関わらないだけだ。」
「わかったから。そんな悲しいことを言わないでおくれ。」
「うふふふ。姐さんたちに食べてもらえるようなものは、
おいてますから。丸いものは窯にいれてすこし温めてください。
チーズがちょっと焦げるくらいに。
あとは、冷蔵庫に野菜も入ってます。
次に来るのは雨の日の月初めです。白の刺繍布を取りに来ます。
何かいいもの手に入ったらまた来ますね。いいですか?」
「ああ、もちろんだ。だけど、だけどね。」
「ええ、十分気を付けます。
心配しないでっていってもこれは仕方がないですね。
また来ますから。ね?」
心配してくれるのは分かる。
が、それだけではないのもわかる。
人付き合いの距離の取り方は難しいね。
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