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613:偽卵
しおりを挟む完全に陸鳥の気配が無くなると、糞尿を掛けた山の廻りから、
ギーが数百と出てきた。
これは、おそらく愛しい人には見せられないだろう。
陸鳥が食べたものと同じぐらいの太さだが、長い。
糞尿の山を食べ始め、
その横の土を体をくねらせながら、掘っていく。
そこに、ギーの卵と呼ばれるものを吐き出した。
産んでいるわけではないんだ。
軽く土を掛け、
その後、トカゲのしっぽきりのように、
3分の1ほどを切り離して、そのうえにまた器用に土をかぶせていた。
そして、しっぽと呼べばいいのか、そちらを糞尿の山にいれている。
腹がうごめいているのもわかる。
糞尿の山のなかに、卵を産み付けているのか?
(ギーを食べるのはこの時期だけだと言っていたな、卵も)
(あの糞尿を固めたものなのか?あの卵は?)
(・・・ちょっと食べる気が失せるな)
(愛しい人ががっかりする)
一連の作業が終わり、ギーが土の中に戻っていった。
同じような山はかなりの数がある。
この中にギーの卵があるのだろうか?
「掘り起こすか?」
「・・・そうだな。」
臭いを遮断する膜を張っているから、気にはならないが、
外せばひどい匂いだった。
今出来たばかりの山を崩していけば、
あっという間に、ギーに囲まれる。
「それはそうだな。」
「これは殺してしまってもいいのか?」
「しかたがないだろう。」
「リグナが言うものだと、うまくはないそうだぞ?」
「干し肉にすれば?」
「試してみよう。」
動物を殺すのなら、基本食してみようというのが、
愛しい人の考えだ。
が、おいしくなければ、ごめんさない、ということだな。
ガイライと2人、100ほど倒したときに
のこりのギーは逃げていった。
それらはとりあえず収納。
糞尿の中にある卵は全部で100以上。
ギーの偽卵よりも一回り小さい。
赤い卵だ。これも少しだけ。
愛しい人の話では卵を多く産む生き物は
それだけ、食べられる危険があるからだと。
それを見越しての数だから、多少はいいという考えだ。
もちろん食べるのならだが。
新たに埋めた偽ギーと偽卵も少し取っておく。
(これ、名前を呼ぶんですかね?えーと、モウにだけ連絡するとうるさいので、
マティス君とつなげてくれますか?)
(聞こえてるぞ?)
(わたしも聞こえてますよー)
(全員に聞こえるんだな)
(そうだな)
(なるほど。モウ?これ、特定の相手だけにしてもらえますか?後でいいので)
(わかりました)
(それで?呼んでもいいのか?)
(ええ、お願いします)
(あ、こっちにこれますか?今、例の砂があるところなんですが、
水源がないかさがしてるんです。
わたしが探すと無理して出てくる可能性もあるんで
マティスに探してほしい)
(わかった、ここの用事も終わったから、そこに)
(ガイライと師匠は呼ぶよ)
(お願いします)
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「マティス!お疲れ様!
なんかわかったの?収穫ありって顔してるね。」
「そうか?後で詳しく説明しよう。」
「うん。ガイライもお疲れ様。
師匠も。
ん?なんか、3人とも薄汚れてるけど?
”きれいに”
なんかしたの?」
「わたしは銃の調達をまっている間に、軍部と手合わせを。」
「?お前の力は隠しているんではないのか?」
「ああ、この姿ではだれも気付きませんでしたよ。
で、1000リング稼いできました。」
「え?なにそのおいしい話!!」
「それも後で話しましょう。あなたたちは?水源?」
「そそ。ここいらにあえばいいなーって。」
「陸鳥たちがそれはもうむっしゃむっしゃ食べてたからな。
いや、俺たちは食べていない。止めた。」
そうなのだ、ニックさんに止められた。
卵採りが陸鳥の視界に入ると、
一気にすり寄り、
くわえていた卵を投げ出した。
「おいおい、お前たちの卵を採る側からすれば
言えたもんじゃないんだが、もう少し丁寧に扱えんのか?
お前たちの卵だろ?
わかってる、こっちのほうがいいんだな。
チャクとカンランだ。いま出回ってるでテオブロマも持ってきたんだが?
いらないか。破棄するもんだったからな。どうかなと思たんだが。
キトロスは喜んでいただろ?あれはもうないんだ。
また、なにか持ってこような。
ああ、この卵はみな喜んでるよ。ありがとうな。
また、取りに来る。じゃあな。ありがとうな。」
ピーーーーーーー!!!
もっとましなもんもってこいよ!
肉だよ肉!
こいつを食うか?
いや、次に別の物を持ってくるんだろ?
その後でいいさ
こいつはほんと間抜けだからな
「ああ、またな。」
卵採りのおじいさんは荷車を引いて帰っていった。
肩に下げている鞄に音石君は移動している。
(なんかムカつくね)
(そうだな)
(あの人の感謝の気持ちを無視しているのが)
(言葉が分からないしな、卵を、何かの卵を取ってるのは事実だ)
(・・・そうだね)
(移動するようだ、砂を食いにか?)
(だったらいいな)
そこからまたかなり移動する。
方向は黒の海峡石で北を示すと、移動距離でここはピクト国境に近いと
ニックさんがいう。
小高い山々がある。
砂漠っぽいが砂漠ではないようだ。
その山に頭を突っ込むようにむしゃむしゃ食べている。おいしいと。
(モウちゃん?ダメだよ?砂っていうけど、
もしかして、苦手な小さな虫かもしれないし)
(それはちょっと考えましたよ?それに以前、
砂は食べ物じゃないてマティスに言われたし)
(ぶっ!そ、そうだな。砂は違うだろう)
(鳥がね、砂とか、小石とかを食べるのはあるんですよ、
消化を助けるために。
焼き鳥でコロコロしてるとこあったでしょ?あれそうう器官なんです。
だから、鳥類が砂を食べるのは不思議じゃないんだけど、
おいいしいっていうのがね)
(味か)
(故郷にもミネラル、んー、自然の栄養素を取り入れるために
一部の人が砂を食べてるっていう話はあるんですよ。そうだとするお、
砂は食べないけど、湧き水が出てれば、
その成分がしみ込んでおいしい水かなって)
(それはあり得る話だな)
かなり食べたのであろう、このまま水も飲みに行くかと思たのだが、
そのまま来た道を戻っていった。
「水を探そう!」
「言霊で?」
「いや、それすると、地下にあるであろう水脈から水が出てくるから、
こう、自然と出ている湧き水がいいんだ。」
「なるほど。」
(これ、名前を呼ぶんですかね?
えー、と、モウにだけ連絡するとうるさいので、
マティス君とつなげてくれますか?)
師匠の声が聞こえて皆と合流することになった。
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